日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

辺野古ゲート前で毎日繰り返されていること

2017-06-26 10:00:00 | (S)のブログ


6月19日、沖縄では梅雨が続いていたが、この日は特に激しい雨が降った。
名護市の辺野古新基地建設に反対するゲート前座り込み活動の場を初めて訪ねた。

那覇市の県庁前から辺野古間を日曜日を除いて毎日往復している「辺野古バス」を利用した。自分を入れて、バスに乗っていたのは21人。到着するとすでに各地からも人が集まり工事用ゲートの前で座り込みをしていた。





ニュースではほんの一部しか報道されない。ドキュメンタリー映画やフェイスブックの個人投稿などでそのようすがリアルに伝えられるが、それでも、現地の空気は現地でしか感じられない。この日辺野古に来てみて感じたことだ。




早朝から午後にかけて1日3回、埋め立てに使われる土砂や砂利を積んだトラック数十台が米軍基地内に入っていく。その度に、沖縄県警の機動隊が出動し、座り込む人たちを「道路交通法違反」と言って強制排除し、ゲートを開ける。連れて行かれた人たちは、すぐ隣の警察車両で囲ったスペースに拘束されて、トラックが基地内に入っていくのを見ていることしかできない。これが1日3回、毎日繰り返される…。
この日はすべての工事車両がゲート内に入っていったが、水、木、土曜日は集中行動日でさらに多くの参加者でゲート前が埋まり、機動隊が座り込み参加者を排除しきれないこともある。そうして工事車両が入るのを阻止できる日もあるそうだ。







参加者の1人が若い機動隊員たちに、「君たちは沖縄戦の生き残りの子孫なんだぞ。分かってるだろ?」と繰り返している。機動隊員は答えないが、その表情をどう理解したらいいのか分からなかった。冷酷な表情にも見えるし、悲しい表情にも見える。
そんな沖縄の人同士の衝突が毎日のように繰り返されているのだが、ふと目線をそらすと、道路のど真ん中を米軍たちがジョギングしながら通り過ぎて行く。この変な構図を一体誰が作り出しているのだろう。ただただ、悲しいだけだった。

選挙で基地反対の民意が示されても、現実はこの状態。それでも参加者たちの心が折れる気配はない。口をそろえるのは、座り込みをする背景に、沖縄戦の経験、その後72年間絶えることのない基地との闘いの経験があるということだ。
一緒にバスに乗っていた76歳の女性は沖縄戦で両親を失った。長い間そのことを周囲に言うことなく過ごしてきたが、辺野古に通うようになって自ら話すようになったという。

沖縄の基地問題に関しては、ネット上でも心無い言葉が飛び交い、嘘が本当のように出回っている。色々なカラクリで、まるで「沖縄の話」になっている。
この日、現地の本当のようすを日本全国に発信しようとやってきた人もいた。「誰も伝えないから、自分が伝えるしかない」。

アメリカと日本政府が推し進める日米安保強化の末端で、毎日繰り広げられている光景、基地問題の本質が掻き消される現実に恐怖を感じる。同時に、そこに座り込む人たちの揺るがない根拠に心を打たれた。(S)

















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3・29通知の影響は深刻、補助金カットに歯止めを/無償化連絡会が文科省に6項目の質問

2017-06-23 10:00:00 | (瑛)のブログ




●深刻な現場への影響

 馳浩・文部科学大臣が朝鮮学校への補助金支給の自粛を求めた「3・29通知」(2016年)によって、各地の自治体で補助金カットが続くなか、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」がその真意を問う文科省に質問(6項目、下記に全文掲載)を提出。6月15日、その回答が文科省職員から連絡会メンバーに伝えられた。

 3・29通知とは、朝鮮学校を訪れたこともある馳浩大臣名で出されたもので、題目は「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」(下記に全文)

 この通知は、「朝鮮学校への公益性を検討し、補助金を透明性のある執行を確保」せよと自粛を説く一方で、「朝鮮学校に通う子供に与える影響にも十分に配慮」することを求めている。各種学校への監督権限のない文科省が通達を出すのは異例のことだ。

 この日は連絡会共同代表の長谷川和男さんをはじめ、3・29通知後に実際に補助金を切られた茨城や千葉の朝鮮学校校長、補助金停止で経済的に困窮する関東地方の保護者たち約60人が参加。文科省大臣官房国際課の2人の職員と参議院議員会館で面談し、その真意を聞いた。




 茨城県水戸市から永田町の参議院議員会館を訪れた尹太吉校長の表情は険しかった。

 「茨城では35年間、補助金がずっと支給されつづけてきたが、16年に停止、17年度は予算にも計上されていない。文科省は通知は圧力ではないと再三言うが、茨城県の職員は『通知もありまして』と答えた。県内の他の2つの市も県の意向に沿って中止と伝えてきた。自治体が権限を持つ補助金に文科省が足を踏み込み、このような通知を出した影響が出ている。補助金停止の実態がわかれば、すぐに指導するべきことではないのか。文科省は、この責任をどう取ろうと思っているのか」

 長谷川代表も、「地方自治体は、明らかに通知を圧力と受け取っている。不当な介入だ」と断罪した。

 この問いに対して文科省職員は、「何ら圧力やプレッシャーを与える思いはない。いろいろな外交関係や政治状況の中で、どう判断すればいいのかという混乱に近い声が、各自治体から関係部門に届いていた。この混乱に対して一定の留意を確認する必要があった。出した側として、もう一度、説明責任を果たすべきだと思っている」と答えた。

●国連勧告は無視

 昨年5月に郡和子衆議院議員が出した質問に対して、文科省はこのように答えていた。「本通知が補助金の停止・減額を求めるものではない旨は、自治体等からの問い合わせがあった場合には必ず答えるようにしている」――。

 そもそも、地方自治体が支給する補助金は、地方自治法に則って自治体独自の判断で支給されるもので、文科省が指導する性格のものではない。席上、文科省職員も、「交付については、各自治体の判断。われわれがこうしなさい、ああしなさい、といえる立場にはない」と言い放った。

 ならば、なぜ出す必要があったのか、と田中宏・一橋大学名誉教授はその意図を問うた。

 「国連・人種差別撤廃委員会は2014年8月、朝鮮学校への補助金を止めている自治体は復活し、出している所は維持するよう、日本政府が促すことを勧告している。この委員会には政府からも参加もしているではないか。3・29通知に国連の勧告を入れなかったのは、なぜか? また、条約関連を担当している外務省とは相談せず、総務省とだけ相談して通知を出すことは大いに問題だ」

 「外国人学校と民族団体が関係を持つことは、普遍的なこと。なぜ朝鮮学校と総連の関係だけを問題にするのか」(在日本朝鮮人人権協会・金東鶴さん)

 「文科省がいう公益性とは何を意味するのでしょうか。学校に見返りがないと、補助金を出さないのですか」(申嘉美さん)

 疑問と怒りがぶつけられた。

●国際交流も忖度?

 日本軍性奴隷制問題を題材にした絵が展示されていることを理由に、国際交流を目的とした千葉朝鮮初中級学校への補助金を打ち切った千葉市。千葉の代表も発言し、国際交流の意味を問うた。



 その一人が榮永正之・千葉ハッキョの会事務局長。

 「私は高校の教員を40年近くしているが、朝鮮学校がなぜ在日の人たちにどうしても必要なのか。文科省の方々は、それをまったく理解されていない。朝鮮語を話せなかった子どもが6年をかけて話せるようになる。日本政府は、国連・社会権委員会第3回審査(2013年)前の事前質問に対する回答で、『外国人児童生徒の母語、母文化に関する教育については、総合的な学習の時間等で取り上げることは可能、課外活動として実施することも可能』と答えている。課外活動で、取り上げることは可能だろうが、果たして、今の朝鮮学校が行っているような教育ができるのだろうか―。

 私は、在日の人たちの朝鮮学校への思いの強さを毎日のように感じている。それを思うと、たかだか週1時間の総合的な学習の時間や課外活動で取り上げるという言葉は理解できない」

 「千葉朝鮮学校の地域交流事業には、夏の美術展と春の芸術発表会という2つの行事があり、近隣の公立小中学校が参加していた。私は数年この交流事業に参加しているが、本当に有意義な交流だと感じている。

 千葉市長が問題にしたのは、従軍慰安婦をテーマにした絵だった。絵の下に書かれた『日韓合意』のコメントを問題にした。『日韓合意』を否定する内容だと、地域交流に資する内容ではないと判断され、補助金停止を決めた。文科省通知の後のことだ。

 たとえ意見が違ってもそれを尊重することを目標にしていくのが交流だ。しかし、今回の決定は、どんな意見があっても地域交流に資することはないんだということでしょう。だから、ずっと出していた補助金を突然に止めた。今後、この交流はなくなるかも知れない。地域の小学校、中学校から作品を持ってこないかも知れない。

 文科省は通知に対する責任、自治体に対する指導をどう考えているのか。

 朝鮮学校の子どもの学ぶ権利を保障するために文科省は何をするんですか」



 金有燮校長も長年続いてきた交流への思いを伝えた。

 「異文化交流とは、強いものだけが自分の主張をし、弱いものは強いものにあわせた主張しかできない。そのようなものなのでしょうか。

 交流とは、違いを知ること。まずは知ってこそです。意見は違って当たり前、しかし互いを尊重することはできる。それをやってはいけないということが、果たして交流につながるのでしょうか。千葉市がやったことは、植民地時に日本の学校に通わざるをえなかった1世の朝鮮人が朝鮮語を話して殴られ、朝鮮人としての歴史観を主張したら殴られたことと同じではないか。植民地主義がまだ生きているのです。

 何より、表現の自由を奪っている。子どもが何を表現してもいいじゃないですか。それを認めてほしい。それこそが、教育ではないですか。教育に携わる者として意見を聞きたい」



 質疑応答は1時間半にかけて行われ、最後、朝鮮学校保護者のオモニたちが、職員に駆け寄り、「一度、朝鮮学校を自分の目で見てほしい」と問いかける場面もあった。

 現場の怒りに触れて改めて思う。「3・29通知」が出されたのはつくづく間違いだったし、無償化からの朝鮮学校排除がこの通知にお墨付きを与えている。

 席上、文科省職員は、「(朝鮮学校を各種学校として認めるべきでないとした)1965年の事務次官通達は、2000年4月1日の地方分権一括法の施行に伴い、その通知が廃止されたことに伴い、その認識もあわせてわが省としては持っていない」と話したが、ならば、通知を撤回するのが筋ではないだろうか。(瑛)


※資料①
朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1369252.htm
27文科際第171号
平成28年3月29日
北海道外1都2府24県知事  殿
文部科学大臣
馳浩

朝鮮学校に係る補助金交付については、国においては実施しておりませんが、各地方公共団体においては、法令に基づき、各地方公共団体の判断と責任において、実施されているところです。

朝鮮学校に関しては、我が国政府としては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総聯が、その教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識しております。

ついては、各地方公共団体におかれては、朝鮮学校の運営に係る上記のような特性も考慮の上、朝鮮学校に通う子供に与える影響にも十分に配慮しつつ、朝鮮学校に係る補助金の公益性、教育振興上の効果等に関する十分な御検討とともに、補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保及び補助金の趣旨・目的に関する住民への情報提供の適切な実施をお願いします。

また、本通知に関しては、域内の市区町村関係部局に対しても、御周知されるよう併せてお願いします。
なお、本通知の内容については、総務省とも協議済みであることを申し添えます。

※資料②
外国人の子どもの学ぶ権利および朝鮮学校への補助金支給等に関する質問事項(6項目)に対する文科省の回答
(2017年6月15日、参議院議員会館)


◇質問1.
 日本政府は、国連・自由権規約委員会による第6回対日審査(2014年)を前にして出された同委からの事前質問に対する回答において、マイノリティの児童の教育の確保について(パラグラフ224)、「我が国においては、憲法26条において、『法律の定めるところにより、すべての国民は教育を受ける権利を有し、その子女に普通教育を受けさせる義務を負う』ことが規定される。…マイノリティの意味が必ずしも明らかではないが、日本では、日本国籍を有しているものであれば、差別なく十分な教育の機会が確保できるようにしている」としている。

 一方、国連・社会権規約委員会第3回対日審査(2013年)を前にして出された同委からの事前質問に対する回答においては「外国人がその保護する子を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には、国際人権規約や児童の権利条約等も踏まえ、無償で受け入れており、教科書の無償給与や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障している(問28への回答)」と回答している。

 これに関して以下の3点について回答されたい。

 1-①憲法第26条第1項及び第2項の条文にある「国民」には、外国籍者は含まれるか、否か。

 文科省:法務省にも確認したが、外国籍者は含まれない。

 1-②①においての回答が「否」の場合、日本政府は、日本が加入している国際人権諸条約との関係上等から、憲法第26条の教育を受ける権利を日本国民と同様に、外国籍者にも保障する責務を負っていると考えているのか、否か。

 1-③上記の社会権規約委員会への回答では、「外国人の児童生徒の母語、母文化に関する教育については、地域の実情や当該児童生徒の実態等に応じ、公立学校において、学習指導要領に基づき、総合的な学習の時間等で取り上げることは可能である。また、課外活動として実施することも可能であり、複数の地方公共団体において実践されているところである」としているが、外国籍者が自らの母語や母国語、また母国の文化や歴史を学ぶことにつき、文科省はそれを保障すべき立場にあると考えているか、否か。

 文科省:(②③への回答)条約たとえばA規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)等で批准しているので、そちらが我々の対応となる。

 文科省としては、一般論になるが、国籍等のいかんに関わらず、外国人がその保護する子どもを公立の義務教育学校に就学させることを希望する場合には、無償で受け入れており、教科書の無償提供や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障している。なお、各学校において行われる民族教育等を含めて、具体的な指導の内容については、児童生徒の発達の段階や、当事者の教育的ニーズに応じて、各学校の判断と責任のもと、創意工夫により行われているものと承知している。

◇質問2.
 昨年5月に郡和子衆議院議員事務所を通して私たちが行った質問に対し、文科省が5月30日付で回答をしているが、そこには、「朝鮮人としての民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮人学校は、わが国の社会にとって、各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められないので、これを各種学校として認可すべきでないこと」と都道府県知事らに指示した1965年の事務次官通達「朝鮮人のみを収容する教育施設の取扱いについて」(文管振210号)は、「平成12年に施行された地方分権一括法により、…私立学校等の設置認可が自治事務として整理されたため、当該通知は現在失効していると考えている」とし、さらには「通知中にあるような認識は、現在有しておらず」とある。
 「地方分権一括法施行により失効」という点は、既に1998年の国連・自由権規約委員会の対日審査において委員から同通達が批判されたことを受けて出された福島瑞穂参議院議員の質問主意書に対する日本政府の答弁書(2000年8月25日)により表明されているところであるが、「通知中にあるような認識は、現在有しておらず」という内容はその答弁書には書かれてはいなかった。「朝鮮人としての民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮人学校」の「意義」を全否定したかのような認識はいつ、何を契機に、どのようにして、どういった認識に改められたのか回答されたい。

 文科省:1965年の事務次官通達は2000年4月1日の地方分権一括法の施行に伴い、その通知が廃止されたことに伴い、その認識も合わせて我が省としては持っていないということになる。

 連絡会:各種学校としてすらの積極的意義も持っていないという認識を変えたのかを聞きたい。

 文科省:かなり昔の通達なので調べてみたのが、認識を整理したものはなかった。今言えることは、2000年4月の時点ではその認識はなくなっている、これに尽きる。

◇質問3.
 上記の昨年5月30日付回答では、国連・人種差別撤廃委員会の2014年の「最終見解」等で求められているユネスコの「教育における差別待遇の防止に関する条約」への加入問題に関して「条約への加入に関しては、外務省において担当されているものと考える」としているが、教育に関する事項である以上、少なくとも外務省はこれについて判断するに当たっては文科省に打診をするものと考えられる。これまでそのような打診は一切なかったのか、もしあったのならその内容と、それに対し文科省としてどのような意見を出したのか、またこれまで打診が無かった場合でも文科省としてどのように考えているのか、あるいはまったく考えていないのか、回答されたい。

 文科省:外務省の人道人権課とやりとりをしたのだが、未だ批准していない条約であり、政府内で検討過程にあるので答えは差し控えるよう言われている。
 この条約は1960年代にできたもののようなので、かなり過去にはなるが、国際部局、具体的にいうと統括官付ということになるが、論点整理や批准のための状況等について内部検討はしていると思う。

◇質問4.
 上記昨年5月30日付回答では、昨年の3月29日の文科大臣通知(「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」)に関連して、その運営において朝鮮民主主義人民共和国と「密接な関係」にある朝鮮総聯と関係が深いという朝鮮学校の特性は、「朝鮮学校に係る補助金の公益性、教育振興上の効果等を検討するにあたり考慮すべき要素」と回答しているが、外国人学校と民族団体や本国とする国家との関係性は密接であることは普遍的とも言えることであり、何より教育施設の「公益性」を判断するにおいては、「子どもの学ぶ権利」を基軸に据えるべきであり、それは政治的外交的理由に左右されてはならないものと考える。これに対する文科省の考えを示されたい。

◇質問5.
 上記昨年5月30日付回答では、同通知に関連して、「自治体から問い合わせがあった場合には、本通知が補助金停止を求めるものではない旨を必ず答えるようにしている」としているが、実際に自治体からの問い合わせが何件あったのか。またその問い合わせには具体的にどう答えてきたのか、回答されたい。

 文科省:(4,5への回答)
 この通知というものは、朝鮮学校に係る補助金交付に際して、補助金の公益性や教育振興上の効果に関する十分な検討を行うことについて留意を促しているものであり、交付に関する判断については各自治体の判断であり、われわれがこうしなさい、ああしなさいと言える立場にはないし、言うべきものでもないので決してそういう趣旨ではない。
 その上で教育施設の公益性についての判断についてどう考えているかということだが、教育というものは受けた本人のみならず、広く社会全体に還元されるべきもので公的な性格を持つものだ。
 このような教育の成果が発現されるようになるためには、やはり各種の行政行為等が、定められた法令に基づき適切に運営されることが重要だと考えている。今回の通知に関しても我々が申し上げたかったのことは、それぞれ補助金交付に関する規定があるので、そちらの趣旨を十分に鑑みてくださいということであり、それが公益性というものに関する考え方についてのお答えになるかと思う。

 茨城朝鮮初中高級学校校長:茨城県では3.29通知を受けて、補助金が止められる事態になっている。通知のもたらす実際の影響が出ている。各地の状況を調べているのか。

 文科省:具体的な問い合わせの数は、日々の日常業務なので把握していないが、お尋ねが来ることがある。
 各自治体がどのように判断していいか分からないといった混乱に近い声というものも非公式的ではあるが、われわれ関係部局の耳に届く状況があり、そう言った混乱に対して一定の留意、確認というものをして頂くために、この通知を出したというのが事実。そのうえで、そのような事例(茨城)があるというのはたいへん重く受け止めている。われわれには出したものとしての説明責任があるので、今後機会を捉えて、しっかりやっていかなければならないと考えている。

 茨城校長:文科省は、茨城県のような動きが出てきていることへの責任を取るべき立場にあるのではないか?

 文科省:行政的な話をさせていただければ、執行停止をしたのは各自治体の判断。我々はあくまで適正な判断をお願いしたのであって、個別の事例に対して、茨城県なら茨城県として適切な判断をしたからそうなったのか、あるいは我々の通知等が影響を与えたかのについては、判断できない。

 連絡会:35年間出し続けられていた補助金が3.29通知直後から停止となっていった。全国にそういった動きがある。多くの自治体が文科省からの圧力と受け取っている。自民党の拉致議連が朝鮮制裁の一環として補助金停止を主張したことが通知が出た理由であることは明らかだ。

 国連・人種差別撤廃条約委員会から補助金停止に反対する勧告が出ているにもかかわらず、そのことを同通知に反映せず、また条約関連を担当している外務省とは相談せず、総務省とだけ相談して同通知を出すことは大いに問題だ。

 また、民族団体や本国とする国家との関係性が密接であることは外国人学校にとっては普遍的なことで、なぜそれが問題となるのか。「公益性」を判断するにおいては子どもの学ぶ権利を基軸に据えるべきであり、それは政治的外交的理由に左右されてはならないのではないのか。

 文科省:文科省として申し上げられることは先ほど述べた通りだ。

◇質問6.
 千葉市では、千葉朝鮮初中級学校の地域交流事業に支出する補助金について、その交付決定を取り消した。同市はその理由を、補助金交付の要件に「地域交流に資すること」とあり、「日韓合意を否定する内容」の学生の美術作品の展示はその要件に反するからとしている。これは表現の自由や学問の自由といった価値をも脅かすものと考える。このようなことが、文部科学省が自治体に求める「補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行」と評価できるのか、回答されたい。

 文科省:文科省としては、あくまで千葉市の判断と責任において行ったものであって、政府として見解を述べるものではないと考える。

※上記問答は「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」からの資料提供をもとに、イオ編集部が編集したものです。

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石川県知事の恐ろしい発言

2017-06-22 10:00:00 | (相)のブログ
 メディアの報道によると、石川県の谷本正憲知事が21日、金沢市内で開かれた県町長会の総会で、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)による弾道ロケット発射実験に関し、「兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」と発言した。
 この発言は、会合の出席者を通じて明らかになったものだが、「北朝鮮のミサイル発射」を想定して県が予定している訓練に関して、出席者から「(県内にある)北陸電力志賀原発が狙われたら」と問われ、こう話したという。知事は会合後も、「北朝鮮のやり方は暴挙を超えている」、「(北朝鮮の)国民が痛みを感じる制裁をしなければ意味がない」などとのべ、発言を撤回していない。
 これは、「物議を醸す」どころではない、大変問題のある発言だ。国会での全会一致のお墨付きを得て対朝鮮制裁を続けている国の政治家の発言としては特段珍しいものではないが、「大したことではない」とスルーしていい発言ではない。
 知事は「(制裁強化により)同国民が目覚め『間違ったリーダーを抱えている』と理解させないといけない」と説明しているが、これは隣国の人民を見下す傲慢な物言いだろう。
 さらに知事は、「なぜわれわれが避難訓練までしないといけないのか」とのべたという。最近、秋田、山形など各地で「弾道ミサイル攻撃への対備」を目的とした住民避難訓練が続いている。「X国が弾道ミサイルを発射した」との想定(X国が朝鮮を指していることは明らかだ)で、住民が近隣の公民館や学校などの建物に避難したり、草むらの中で頭を抱えてしゃがんだりする姿がテレビや新聞で報じられた。今後は民放でCMが流され、新聞にも政府広報が掲載されることになっている。これが、弾道ミサイルから身を守る訓練としては滑稽極まりないものであることは一目瞭然だが、このおよそ意味があるとは思えない避難訓練や危機を過剰に煽る行政の対応やメディアの報道によって、隣国およびその人民に対する敵愾心が育てられ、排外主義が煽られる。
 歴史的経緯や構造的要因を一顧だにせず、制裁という懲罰の論理で圧力をかけることによってのみ「北朝鮮問題」に対応しようとする日本政府。いたずらに危機を煽るその先には何があるのか―。 共謀罪法案の成立など昨今の動きをみると、恐ろしくなってくる。(相)
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内閣支持率と日本のこれから

2017-06-21 09:34:25 | (K)のブログ
 先週末に安倍内閣の支持率調査が報道各社で行われた。
 ネットで調べた各社の調査結果は次のようになっている。

 朝日新聞:支持率41%、不支持率37%
 共同通信:支持率44.9%、不支持率43.1%
 日本経済新聞:支持率49%、不支持率42%
 毎日新聞:支持率36%、不支持率44%
 産経新聞:支持率47.6%、不支持率42.9%
 読売新聞:支持率49%、不支持率41%

 各社、数字はいろいろとあるが、共通しているのは、前回の調査(5月)と比べ、支持率は下がり、不支持率はアップしていること。各社は一様に「加計学園」問題や「共謀罪」の採決強行が影響したとみられる、と分析している。

 このような内閣支持率の世論調査を見ていて、いつも思うのは、どれだけ信憑性があるのかということ。毎日と読売で13%も差が出ると、何か意識的に結果を操作しているのではないかと思ってしまう。
 しかしこの数字を見ると、これだけ連続して問題を起しているのにも関わらず…と、信憑性を疑いながらも、下がったと言っているのにその支持率の高さに驚いてしまう。

 15日の日刊イオで(瑛)さんが「共謀罪」のことを書いたが、これから日本社会は本当にどうなって行くのだろうと考えてしまう。
 私は日刊イオで、「特定秘密保護法とカナリアの朝鮮人」(2013年12月11日、http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/9b08721f063e95568e3721ee96e05b16)、「日本人への弾圧とカナリアの朝鮮人」(2012年12月12日、http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/c16e566d99ccad06eaf3d52dc75e7a73)という文章を書いた。在日朝鮮人は一貫して管理・監視・弾圧されてきた。そしてそれは、日本人にも広がっていく。今までもそうだったが、おかみの気に入らない人たちはより露骨に管理・監視・弾圧されていく社会になるのだろう。

 高校無償化から朝鮮学校が排除され朝鮮学校の補助金が不支給となるなかで語られたのが、「国民の理解を得られない」「県民の理解を得られない」ということだった。その言い分は、今も高い内閣支持率とある部分でつながっている。内閣支持率の結果は、朝鮮に対するイメージと同じように意図的に作られたものであるが、得体の知れないもの、侮れないもの、やっかいなもの、非常に怖いものだと思っている。
 今の日本で首相が誰かに代わったからと、どれだけ社会が変わるのかという思いがある。しかし、毎日の36%でも読売の49%でも、その人たちは、本当に日本がこのままの方向で進んでいいと思っているのか、問いたい。(k)

※昨年末にフェイスブック上で行われた安倍内閣に対する調査では、「支持する」が5.0%、「支持しない」が92.6%という結果が出ている。各新聞の購読者別の調査というのもある(東京新聞読者の安倍政権支持率は「5%」、対する産経新聞読者では「86%」― 都内世論調査番外編)。
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イオ7月号&作文コンクール「コッソンイ」ポスター完成

2017-06-20 10:00:00 | (麗)のブログ
イオ7月号が完成しました。

今月の特集は「どうなる? 朝鮮半島」
朝鮮民主主義人民共和国と米国とのし烈なつばぜり合いが続き、緊張の度合いを増す
朝鮮半島関連のニュースが春先から連日メディアをにぎわせている。
なぜ危機が繰り返されるのか、朝鮮半島情勢はどうなるのか、在日同胞への影響は―。
今こそ、歴史的な経緯や構造を踏まえたうえで、ものごとを大局的かつ冷静にとらえる
視点が必要ではないだろうか。「マスメディアのニュースだけではよくわからない」―
そんな読者の声に応え、朝鮮半島情勢の今とこれからについて解説します。

特別企画は「ぶらり、イオさんぽ」
日本各地の同胞集住地域や朝鮮半島にゆかりのある面白いスポットを集めて、オリジナルコースを作ってみました。
街歩きや散歩の本は数あれど、こんなプラン見たことないはず。
次の休日はイオを片手に、ぶらり、出かけてみませんか?
表紙は散歩企画らしい、のんびりほっこりな仕上がりになりました♪ ※よく見ると道が「イオ」になってますよ…!

その他、単独企画は「朝鮮学校裁判支援 大阪でモアパレード2017」、「千葉初中補助金不交付問題、千葉駅前で街頭宣伝」、
「ヘイトスピーチ対策法から1年」、「日本軍性奴隷制被害者の李容洙さんが広島初中高訪問」などなど、
今月も盛り沢山な内容となっております。
是非、ご愛読ください。


そして、以前ブログでお伝えした作文コンクール「コッソンイ」のポスターが完成しました!


今年は「漫画風」に仕上げてみました。いつもとはまた違ったスタイル…!

不思議な理科の実験に驚く女の子、先生の誕生日にこっそりお祝いする子どもたち、
悔し泣きや、芸術競演大会で受賞し喜ぶ生徒…

普段何気なく送る毎日、なんでもない素朴な日常も、「お話の種」はそこら中にたくさん溢れているよ!という趣旨を込めました。

デザインメンバーで今年はどういったデザインにするか?と話し合う中で、
いろんな日常のシーンを漫画のようにコマ割りで表現できないか、という案が出ました。
漫画好きの私は一気にテンションが上がり、少年漫画っぽくしてみよう、だったらこういうポーズで…など、
たくさんのアイディアが出て、このような仕上がりになりました^^

ポスターはすでに全国のウリハッキョに発送済みです。
今年も子どもたちの個性が光る作文が集まることを期待しています!(麗)

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「生誕100年長沢節展」へ

2017-06-19 10:00:00 | (愛)のブログ
先日、とある方にチケットを頂いたこともあり、小雨の降るなか、弥生美術館へと行ってきました。
弥生美術館で現在開催中の展覧会「生誕100年 長沢 節 展 ~デッサンの名手、セツ・モードセミナーのカリスマ校長~」を見にいくためです。

弥生美術館は東京の根津駅を降り、ゆるやかな坂をのぼったりしながら、たどりついた昭和モダンな建物でした。

長沢節さん(1917-1999)はファッションイラストレーターの第一人者であり、セツ・モード・セミナーという美術学校の創設者です。 (卒業生には数多くのデザイナー、芸術家を輩出)

私は絵は知っていたものの、「長沢節」さんという方は詳しく知らなかったのですが、今回の展覧会に訪れて絵を鑑賞し、
そして長沢節さんが書いた文章を読みながら一気にファンになってしまいました。

軽やかでいながら、全てを語っているかのような線。
着色も透明水彩でポイントとなる色のみ。
すごく格好いい。

長沢節さんが1枚の絵を描く動画も展示されており、ひとつの線を引くのに、慎重に見極めながら一本の線を描いていました。

長沢節さんの人生も興味深かったです。
日本が第2次世界大戦真っ只中の頃周りが軍国主義に染まっていく中で、長沢節さんは知り合いの大学生にすすめられ、「共産党宣言」を読み、忠君愛国思想の中ではとても生きていけないと思い、故郷の会津若松から上京。東京では文化学院の美術科に通い絵を勉強しながらも、三木清さんの哲学の講義に感銘をうけ授業を熱心に聞いたそうです。

この間、長沢節さんの本も読んだのですが、考え方や絵のスタイル、どれをみても勉強になることばかりで、ものすごくファンになってしまいました。

今年の4月でセツモードセミナーは閉校してしまったということで、今回の展示会がセツモードセミナー主催の最後の長沢節展になるそうです。
展覧会は6月25日までなので、興味ある方はぜひどうぞ。
美術館の隣にあるカフェもとても雰囲気があり、展覧会チケットで一部割引サービスもあります。
展覧会後の珈琲も美味しく頂けました。(愛)
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久々に、ウリハッキョ運動会へ

2017-06-16 10:00:00 | (S)のブログ
 6月4日、母校の運動会に行った。
 大学を卒業してからは特に、母校に足を運ぶ機会が増えたような気がするが、そういえば運動会には行けていなかった。10年ぶりくらいだと思う。

 子どもたちが走る姿は、なぜか涙が出そうになる。
 去年の学芸会のブログでも書いたが、児童数は少なくても、一人ひとりは相変わらず全力投球で、時には1人で何人分も動く。
 その分、多くの経験をしているのだと思う。

 夜会などの恒例行事とは違って、運動会は家族や親戚が在学していなければなかなか行きにくいという人も多い。
 私もなんとなくそんな雰囲気を感じていたが、最近では各地の学校で「同胞大運動会」という形式で運動会を開催することが多くなった。私の母校では午前中で競技を終えて、お昼はみんなで焼肉パーティーをする。
 児童数の減少によって従来の形での開催が難しくなったということもあるが、保護者以外の地域の大人たちも参加しやすくなるというメリットもある。
 中にはもちろん焼肉目当ての方も。知っている日本の方を呼んだりして、朝日交流も深まる。

 運動会といえば、昼食の時間に人ごみの中からアボジ・オモニを探し当てて、みんなでお弁当を囲むことが一番楽しい時間だった。それを考えると、お弁当がないのは少し寂しいような気もするが、家族ごとに七輪を囲って盛り上がるようすもなかなかいい。
 今の在学生たちの記憶にはどんな運動会の思い出が残るのだろう、そんなことも考えてみる。
 また、いつもより多いお弁当作りで運動会前から疲れていたオモニを思い出すと、保護者の負担が減ることが何よりいいことだと思う。

 イオ編集部で記者をするようになってからは、取材でお世話になった方との再会や新しい出会いなど、母校でも楽しみが増えた。
 ウリハッキョはいつでも懐かしい場所だが、そんな新しいことにも遭遇する。(S)
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共謀罪ってなぁに?

2017-06-15 09:44:28 | (瑛)のブログ




 本日16日に国会で「共謀罪(テロなど準備罪)が可決されました。

 この法律は一言で心を取り締まり、それを罰する、戦前の治安維持法の復活です。

 たとえば、どこかの2人が銀行強盗を企てようとして、それを計画に移さなかった場合でも、相談したこと自体が罪になる可能性がある、トンデモナイ法律です。

 取材の現場に行くと、今後は小さな集会を持つことも、参加することも難しくなる、という声が聞かれます。共謀罪の成立がもたらす、「心の萎縮効果」たるや絶大でしょう。

 今日のブログでは、イオの5月号で広野省三さん(編集者)に書いていただいた共謀罪の解説を載せます。チョリ君と近所のおじさんの会話形式になっています。

 まずはこの法律がどんなものなのか、読者の皆さんに知っていただきたいです。(瑛)

※写真はフォトジャーナリスト・豊田直巳さんから提供いただきました。
豊田さんのフェイスブック https://www.facebook.com/naomi.toyoda.5


Q:国会で大騒ぎ、共謀罪って何?

 チョリ:いま国会で大騒ぎしている「共謀罪」ってなに?

 アジョシ:「共謀罪」というのは、実際に犯罪を実行しなくても、計画段階、相談しただけでも罪に問えるという、とんでもない法律だ。
 「思想や良心の自由を抑圧する、そんな危険な法律はだめ!」と世論の反発も大きく、これまで3回も廃案になっている。

だけど悪がしこい安倍政権は、今度は「テロ等準備罪」と名前を変えて、「一般の人には関係ありません」「組織的犯罪集団にだけ適用されます」「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためには必要なのです」と、一見普通の庶民とは関係がない、むしろ安心・安全な社会を作るためにはなくてはならないものというイメージを押し出し、今国会でなんとしても成立させようとしている。

 しかし日本は、「テロ防止」のために13の国際条約を締結しているし、「テロ」につながるような重大犯罪については、それを未然に防ぐ手だてがすでに法制化されている。

 「テロ等準備罪」の対象とされる「組織的犯罪集団」の定義はあいまいだし、それが盗聴法などと一体で使われて、警察などの判断で監視・弾圧の対象となる危険性は非常に大きい。

Q.共謀罪は誰に向けられたものなの?

 チョリ:なんで、そんな危険なものを無理やり作ろうとしてるの?

 アジョシ:狙いはずばり、「(資本家が権力をにぎる)いまの政権の意向に従わない者は捕まえる」「捕まるのが嫌だったら、変なこと(オレたち権力者が嫌がること)をするな」と脅し、自分たちの支配をいっそう強めようとしてるんだ。銀行と軍事産業と大企業と金持ちは、戦争でも不況でも、何があっても儲かる仕組みを作ってどんどん金をためこんでいる。いっぽう労働者・庶民・貧乏人は、働いても働いても生活は厳しく、将来が見通せず、不安と不満はものすごく高まっている。その不満の爆発を抑え込もうというのが「共謀罪」創設の本当の狙いだ。

 そして労働者・庶民・貧乏人の怒りが、その本当の原因を作っている張本人の安倍たちに向かってこないようにするために、「朝鮮や中国が悪い」「あいつらは何をするかわらない」と毎日マスコミで大宣伝し、「敵」を作っているんだ。こんなものが成立したら、「さわらぬ神にたたりなし」とみんなが政権の意向を「そん度し」、「もの言えば唇寒し」で政治的無関心がいっそう広がるだろう。

 チョリ:なんちゅうーエゲツナイ奴らや。他に気をつけることは?

 アジョシ:歴史的に見ても、思想・言論・労働運動や文化芸術を弾圧した治安維持法なり運動の弾圧法は、常に一番適用しやすいところ、適用してもあまり批判が起こらないところから使われて、やがてそれが全面的に拡大適用されている。

 高校無償化問題もそうだし、辺野古や高江の基地建設についてもそうだけど、政府の誤りに反対する人を「一般の日本人と違う」という形で攻撃をかけてくる。

 そういう意味では、いまの日本社会に蔓延する朝鮮人排除の雰囲気の中で、在日朝鮮人の団体・個人にこれが適用される可能性は高い。にもかかわらず、日本人で「共謀罪」に反対する人たちの中には、こういう認識とそれに反対する意見表明が弱い。

 日本人の一人であるアジョシは、こうした視点もきちんと持って、政府がかけてくる「凶暴罪」と闘わなければいけないと思っている。(5月1日記、月刊イオ5月号より転載)
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祖母のこと

2017-06-14 09:47:41 | (相)のブログ
山口県岩国市。近年めっきり足が遠退いた父方の田舎に久方ぶりに来ている。
小学生の頃から、夏休みや冬休みになると父方の実家へ遊びに行くのが恒例になっていた。大学を卒業して社会人となった後も、年に一回、年末年始には必ず足を運び、祖母と集まった親戚とともに亡くなった祖父のチェサ(法事)を執り行っていた。
6~7年前から法事を長男である私の父の家で執り行うようになってからは、自然と足が遠のいていた。昨年夏、広島方面への出張の際に寄ったのが最後だった。

一昨日、その祖母が亡くなった。96歳だった。葬儀は身内のみ。昨日は各地から一族が集まって、夜遅くまで思い出話に花を咲かせた。今日は最後のお別れだ。
日本統治下の朝鮮半島から渡日し、祖国解放後も米軍基地の街・岩国で養豚業や屑鉄業を営みながら5人の子どもを育てた祖母。70歳を過ぎてからもトラックのハンドルを握り、屑鉄集めをしていた。一方でこの世代の同胞女性には珍しく、女学校に通い、文字の読み書きができた。新聞を読み、テレビのワイドショーの芸能ネタにも詳しいお茶目なハルモニだった。
一昨年、病床の祖母を見舞った席で「おれもアボジのように80歳までは生きないとな」と言っていた私の父も昨年末、74歳で亡くなった。
人の一生は長いようで短い。(相)
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東京中高文化祭と裁判パフォーマンス

2017-06-13 09:33:51 | (K)のブログ


 11日の日曜日、東京朝鮮中高級学校で文化祭「アンニョンハセヨ2017」が行われたので、顔を出してきた。各種展示や芸術公演やテコンドの演舞、お化け屋敷、サッカー親善試合など、大変盛りだくさんな出し物が準備されており、中庭には各種飲食の屋台が出ていた。
 同胞もたくさん集まったが、日本の人たちもたくさん来校していたのが印象深かった。無償化制度からの排除や補助金カットなど、政府や自治体による朝鮮学校いじめの中、多くの日本の人たちに朝鮮学校の存在を知ってもらい理解を深めてもらおうと、朝鮮学校ではことあるごとに学校を開放している。

 多くのイベントの中で興味深かったのが美術部の企画だった。
 企画のタイトルは、「平和-X-」、次のように趣旨の説明があった。
 「平和とはなんでしょうか。平和は変数Xのように答えがなく、一人一人にとって違う意味をもつものかもしれません。現代社会における平和の意味をX線を当てるように内側まで見透し、Xな角度から様々な考え方を共有することがこの展示の目的です。展示を通してXのように皆さんと交わり繋がることを目指します!」

 生徒たちのみならず、日本人アーティストの作品など数々の美術作品が展示された企画展。そして、午前午後と2回、裁判パフォーマンス「X= 」が催された。


 会場の一画に模擬裁判所が設けられ、平和とは何かを裁判形式で、生徒たちと参加者が一緒に考えようという企画だ。
 裁判では、原発の廃棄物処理をする作業員が登場、証人らを法廷に連れてくる。幼い頃に広島で原爆被害に遭った日本人女性、無償化裁判の弁護団の同胞弁護士、日本人フリージャーナリストらが法廷で発言した。神奈川の朝鮮学校の中学生は千葉での美術展に日本軍「慰安婦」の絵が展示されたことで朝鮮学校への補助金交付が取り消されたことについて証言した。また、河童も登場した?




 東京朝高の美術部は、5月16日の東京無償化裁判の結審の日にも、集会で傘のパフォーマンスを披露した。文化祭での裁判パフォーマンス自体は、高校生のやることなので、いろいろと不足点はあっただろうが、今の日本社会の中で、自分たちの置かれた状況を見つめ、自分たちの思いを発信する、発信する方法を模索する、そのことが非常に大きな学びになっていると思う。高校生の時に心の中に宿した、様々な思いを、これからの人生の中でいつまでも持っていてほしいと願っている。(k)
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散歩しよう!

2017-06-12 10:00:00 | (麗)のブログ
7月号の締切も無事に終え、編集部もまったりモードです。

(琇)さんも先週のブログで書いていましたが、7月号の特別企画は、朝鮮にゆかりのある地を散歩する企画です。
散歩といえば、過去にある散歩番組のロケを見かけたことがありますが、テレビでも芸能人が街をさんぽする企画が多いなと思います。

誌面にも紹介される高麗駅周辺を実際に歩いてみたのですが、普段デスクワークでずっと同じ姿勢で仕事をしている身としては、
自然に囲まれて空気も澄んだ場所を歩くのはかなりのリフレッシュになりました(運動を全然しないので、その日は疲れてすぐ寝てしまいましたが…)。
朝から川で小さなエビを捕まえている人もいました。なんでも、家で飼っているんだとか。

最近はどこへ行くのも自転車なので、歩いてどこそこへ行くなんてのはあまりないですが、
住み慣れた街や見知らぬ街でも自分の足で歩いてみると、いろん人と触れ合ったり、新たな発見があると思います。

今回、企画のデザインも担当しています。
思わず出掛けみたくなるような楽しい誌面になっていれば幸いです。
イオ7月号、是非ご期待ください!(麗)


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こどもとぬりえ

2017-06-09 10:00:00 | (愛)のブログ
通勤圏に昔ながらのおまけをしてくれる文房具屋さんがあり、そこでよく子どものお土産として、ぬりえを買って帰っていた。
ちょうどイヤイヤ期で登園拒否ぎみだったときは、そのぬりえがオンマを仕事に送りだしてくれる原動力になっていたので、新しい物がでるとちょこちょこ買っていた。

はじめは、好きなキャラクターを塗るだけで楽しそうだった。
だが、とある日から、はみ出さないように塗ることを要求し始めた。
そして、少しはみ出しただけで大泣きするようになった。
あ、これでは、絵を描くことが嫌いになってしまう、ぬりえはまだ早かった!と多いに反省し、ぬりえは一時禁止とした。

はみ出してもいいんだよ!
泣くのなら、もうぬりえはできないよ!
と。


そして、数ヶ月後、禁止されると無性にやりたくなるのか、成長したからなのか、
「泣かないから、ぬりえしたい!」と言うように。

保育園でもぬりえを楽しんでいて、
いまは大人が思いつかないような配色でたくさんの色を使い、ぬりえを楽しむようになった。

黙々と塗ったあとは、「あー腕がつかれた!」と一丁前のことを呟いている。

そのぬりえを見ながら、
色塗りや絵を描くことを、日常として、ずっと楽しんでくれればいいな、と思った。

そして出来る限り、こどもの絵は残しておこうと思う。
大人になると、こどものようなのびのびした絵はなかなか描けなくなるのだから。(愛)
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下関・大坪トンネを歩く

2017-06-08 10:00:00 | (S)のブログ
 イオ7月号では、朝鮮の歴史を感じられるスポットや同胞が多く住む地域を編集部記者が散策する、「さんぽ」企画が掲載される。
 私が担当したのは山口県下関市。JR下関駅から徒歩圏内にあるいくつかのエリアを回った。


 下関は韓国の釜山広域市と1976年に姉妹都市の提携を結んでいて、駅からすぐの下関港国際ターミナルからは両都市間の夜行便が毎日運航している。

 釜山との直線距離で220kmほどと近く、戦前は関釜連絡船が運航していたことで有名だ。当時、日本と大陸をつなぐ大動脈の役割を担った連絡船が発着した下関は、国を奪われ、また強制連行されて日本へやってきた多くの朝鮮人が降り立った場所でもある。
 
 さらに解放後は帰国を急ぐ朝鮮人が下関に殺到。帰国の順番を待つ人々が一時的にこの地域に留まった。いつしか駅前には「朝鮮市場」と呼ばれる闇市が必然的に出現し、警察によって繰り返し撤去されるも、なくなることはなかった。グリーンモールと呼ばれる駅前の通りを歩くと、今も在日同胞のお店が集中していることが分かる。



 「さんぽ」の取材ではそれらと関連した場所を訪ねたが、今日のブログではその中のひとつ、旧東大坪町のトンポトンネを紹介しようと思う。
 ここは解放前から多くの同胞が住んでいた同胞集住地域。かつては市営の火葬場や刑務所もあり、人が住むような場所ではなかったそうだ。各家庭にちゃんとしたトイレもなく脇道などで用をたしたため、「トンクル(糞窟)トンネ」と呼ばれていた。
 
 場所は、駅前のグリーンモールをさらに北に向かった、現在の東神田町あたり。山口朝鮮初中級学校もこの中にある。
 全体が小高い丘となっているのだが、この日は学校を訪ねた後に裏門からトンネへ入り、小道を通りながらゆっくり下って行くことにした。





 古い家々が密集して立ち並び、細い道が続く。途中に見える光明寺の横の階段を上ると朝鮮式の梵鐘があり、そこからは地域一帯が見下ろせる。左下には山口初中が、右の奥には海峡ゆめタワーや、海を隔てた九州の山が見える。





 道なりに進み階段を下ると、右手に「神田公園」がある。昔、火葬場だった場所だ。
 


 神田公園入り口から真っ直ぐ伸びる、ゆるい坂道を行く。車1台が通れるくらいの幅で、この地域の中心となる通りだ。右手の奥には、戦前、朝鮮人の飯場だったとされる建物も見える。




 今も残る乾物屋の近くでは、小さな畑でケンニプ(エゴマの葉)やニンニクを育てる1世ハルモニと出会った。私を案内してくれた同胞が200円分のケンニプを購入しようとすると、良く育ったものを手際よく見分けて一束どっさり手渡してくれた。



 最終地点には、かつて刑務所だった場所に下関市民センターが建っている。石垣で出来た敷地の壁は昔と変わらないそうだ。




 市民センター入り口を背に真っ直ぐ進み、突き当たり右へ。数分歩いて、緑のアーケードが目印のグリーンモールを再び通り、駅へ向かう。

 

 今回、大坪トンネを散策するのに役立ったのが、この地図。
 一昨年、イオの連載「朝鮮学校百物語」で山口初中の草創期について掲載したが、その取材で下関を訪れた際にある同胞が描いてくれた。学校が出来た当時の周辺の地図を、記憶している限り書き起こしたものだ。
 昔はトンネも人が多かったそうだが、1世同胞のほとんどが亡くなり、活気は大分薄れた。しかし、トンネの面影は今も残っている。
 この地図を片手に歩くと、在日1世、2世がこの地に築いてきた生活のようすが浮かび上がってくるようだった。(S)
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「つながりました」

2017-06-07 10:00:00 | (理)のブログ
 最近、「つながった」という感覚をおぼえる時がある。

 ひとつは、李容洙ハルモニが広島初中高を訪問したという記事を読んだとき。
 ※5/19付日刊イオ(http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/67f89f8bfd38d2cb75983293b653c062

 <学生用のチョゴリを着て過ごす女子生徒たちを見ながら、「かわいい。昔着ていた頃を思い出す」と懐かしむ李さん。>
 この部分を読んで、(ああ、この瞬間ハルモニと生徒たちはつながったんだろうな)と思った。単純に出会ったという意味ではない。「昔(チョゴリを)着ていた頃」のハルモニと、今チョゴリを着て過ごしている生徒たちがつながった、と感じた。月並みな表現だが、時空を超えて、という感じだろうか。故郷の村で過ごす幼い頃のハルモニと現代の子どもたちが並んだ様子が頭に浮かんだ(映画「鬼郷」の印象が強いかもしれない)。

 また、父親世代の同胞の方や朝鮮大学校時代に被らなかった後輩と話をしても似たような感覚になる。「〇歳の時、自分はなにをしていた」といった話を聞くと、ふと不思議になるのだ。その頃、自分は全く別のところで生活していて、お互いに全く知りえなかったのに今こうして答え合わせのように話をしている。当たり前のことではあるが、そういう人生の交わりというようなものを意識すると面白くなってくる。

 なぜ最近になってこういう感覚を意識するようになったかはよく分からない。ただ、ここからまた何か新しい企画のヒントが生まれたらいいなと思っている。

***

 明後日から、数ヵ月間イオ編集部を離れることになった。この過程でも、上に書いた「つながり」とは違う種類のつながりを実感する瞬間がたくさんあるのだろうと期待が膨らむ。それを自分なりの形で、またイオに帰ってきた時に誌面で発信していくことができたら嬉しい。(理)
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ヘイトスピーチ規制法成立から1年

2017-06-06 10:03:39 | (瑛)のブログ


 日本初の人種差別禁止法となるヘイトスピーチ規制法が成立して6月3日で1年がたった。

 マイノリティを傷つけ、地域社会を破壊するヘイトスピーチをなくそうと成立された同法は、禁止規定や罰則のない理念法。ゆえに同法は成立当時はヘイトスピーチや公的な差別をなくせるのかと疑問視されたが、国が「ヘイトスピーチは犯罪」という意思を示したことを受け、関係省庁で具体的な動きがあった。

 警察庁、法務省が法の実効性を高めるための通達を出したのがその一例だ。警察庁は、同日付けで出した通達で、「違法行為を認知した場合は厳正に対処する」と示し、現場では差別扇動者にアナウンスもされるようになった。また、法務省は外国人を対象にした調査も行い、差別の存在が可視化された。現状は少しずつだが進展している。

 法務省が取り組んだ外国人住民調査は、37市区に在住する18歳以上の在留外国人・18500人を対象にしたもので、①地域での日本人との付き合い、②日本社会における差別・偏見の有無について、③差別や偏見をなくすための施策について聞いた(調査実施時期:2016年11~12月)。

 同調査を「日本が行った史上初の人種差別調査で歴史的なもの」と評価するのは、関西学院大学の金明秀教授。

 「政府は日本には人種差別はない、差別扇動は行われていないと説明してきたが、今回、公式に政府の手によって差別の被害が確認された。入居差別が41%、就職差別が25%という生存機会を左右する重大な差別実態が明らかになり、法の下の平等が崩されている立法事実が確認された。さらに、若年層ほど差別を敏感に察知していた。世界では重大な差別として禁じられている現実が日本にあることをどのように考えるべきか。今後は、データを公開し、専門家の分析を進めることが必要だ。政府はこの調査を人権擁護の取り組みを充実、推進していくのかを検討するための基礎資料にするとしており、調査の結果は、包括的な法律を作る可能性も示唆している」

 他にも、外国人であることを理由に差別発言を受けている人が3割、それも見知らぬ人から受けるケースが53.3%いたことから、「官民をあげてレイシャルハラスメントを防止する必要が確認された」。

 在日コリアンに関してみると、深刻な現実が浮き彫りになった。「朝鮮韓国籍者のヘイトスピーチへの感度は高く、自分自身が被害のターゲットになるということで身に迫ってくるリアリティが強い。被害を回避するため、4割がインターネット利用そのものを避け、沈黙する傾向にある。プロフィールに出自を書けないなど、ヘイトスピーチは友だちをも奪っている。表現の自由を剥奪されている状況があった」(金教授)。

 警察庁はヘイトデモは減ったと報告しているが、申請していない街宣は減っていない。その場での「殺す、死ね」などの表現は、未だに吐き捨てられている。「日本人を殺してきた○○人」のように相手が殺す、という正当防衛を標榜した暴言も出てきている。法務省の参考資料を公開し、何がヘイトスピーチにあたるのかを誰の目にも明らかになるように示していく必要があるだろう。

 さらにネット上のヘイトスピーチは深刻だ。この間、大阪市がGoogleに要請し、ユーチューブ動画が削除されるなど、以前にはなかった対応はとられたものの、その数が膨大で対処しきれていない。市民団体は、EUやドイツなどのように運営者が自主的・迅速に削除するよう、政府として働きかけることを求めている。



 13回のヘイトデモが繰り返されてきた川崎では、6月末にも、差別扇動者による学習会と名付けられたヘイト集会が企画されている。川崎では市に条例を求める働きかけが続いており、4日には市内で集会が開かれた。その場で壇上に立った在日コリアン3世・チェ・カンイジャさん(ふれあい館職員)の訴えは切実だった。

「私へのひどい書きこみは、Twitter社が削除した後も、発信され、拡散されています。残っている数の方が実際は多い。何十万件という数が残っている。これに慣れることはない。

差別をやめてください、という訴えが『表現の自由を奪っている』かのように言われている。この会場にいる方にお願いしたい。家族や職場の隣の方に語りかけてほしい。私たちは『死ね、殺せ』、といわれないといけないのですか―。それを子どもたちに示すわけにはいかない。

 この1年でヘイトスピーチがしにくい社会にはなったが、差別の根絶には至っていません。ヘイトスピーチは、形を、姿を変えて巧妙化している。あらゆる差別を禁止する条例、法整備が必要だと思います―。差別を禁止する法整備に向かって、そのことを川崎市に向かって訴え続けます。皆さんと…」

 国連の人種差別撤廃条約は、「各締約国が、いかなる個人や集団、組織による人種差別も禁止、終了させる」(2条)と定めている。問題はヘイトスピーチだけではない。あらゆる差別の根絶で、朝鮮高校の無償化排除など公的な差別がヘイトスピーチの元凶になっているのは明らかだ。国や地方自治体のトップは、外国人やマイノリティが抱える現実にしっかり向き合い、自らが差別根絶の先頭に立ってほしい。

 同法の成立にも尽力した師岡康子弁護士は、「法務省が啓発ポスターを作るなど、各省庁が個別にいいことをしているが、国の基本方針や基本計画が定まっていないのが一番の問題だ。現時点では、同法の趣旨がどのように活かされ、運用されているのかを検証することが大切。それは、次の段階として求められている包括的な人種差別撤廃制作のための基本法の制定にも大きく関わっている。外国人調査も一回きりで終わらず、引き続き行っていく必要がある」と課題を語る。(瑛)
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