上野

2008-10-29 20:10:25 | Weblog
娘が福引きで当てた(早い話が空くじなしの最下位)とやらで、缶コーヒーを1本持ち帰ってきました。西日本に本社がある量販店が販売元として表示されていますが、製造元に関する記載は一切なし。恐る恐る一口飲むと、三昔前のファーストフード店のコーヒーだってこれほどひどくはなかったと思われる味です。原材料はコーヒー、砂糖、全脂粉乳、脱脂粉乳、デキストリン、乳化剤、香料、甘味料(アセスルファムK)…粉乳とか乳化剤とか、ひょっとしたら中国製ではなかろうか、とかあれこれ考えてしまい、飲み干すことができませんでした。缶コーヒー自体、久しく購入していませんが、ここまであれこれ入れなくては製造できないものなのでしょうかねぇ。
かと言って、有名メーカーや大手メーカーでも安心できないのがこの頃の傾向。伊藤ハムの製品は我が家の冷蔵庫にはありませんでしたが、他メーカーの製品が安全なのかどうかとなるとこれまた不安が頭をもたげてきます。
それはさておき…。
東京国立博物館平成館の大琳派展、行ってきました。チケットを購入して東博の門を通ると、「大琳派展は入場制限が始まります…ただ今10分待ちです」とのアナウンス。時計を見ると11時半で按配よく空腹を覚えたために、昼食を最優先にすべく真っすぐに法隆寺宝物館内のホテルオークラガーデンテラスへ向かいました。特別展が二種類開催中とあって、早い時間ながら半分ほどの席は埋まっています。心中秘かにメニューと値段と財布の中身を確認し、お天気が良いのでテラス席へ案内してもらい、ドライカレー(サラダ付)とケーキセットをオーダー。。ランチプレートより高くつきましたが、お子様ランチを連想する盛り付けのランチプレートを選ぶ気分ではなかったのです。よく考えてみればドライカレーって、ほとんどがご飯なのですよね。サラダがなければカレー味の炒飯を食べているようなものでした。ケーキセットは、本日のケーキ6種類より季節重視でモンブランを選択したところ大当たり!土台はしっとりしたスポンジ、その上に甘味は淡泊でよく泡立て
られ軽い出来上がりの生クリームが載り、さらに風味豊かなマロンクリームでデコレーションされています。見た目はその辺でも買えそうなモンブランですが、さすがはホテルオークラの名を冠するお店。まぁ、コーヒーとケーキで\950のセットですから、この値段で不味ければ怒りますよね。ちなみにコーヒーは、見た目がエスプレッソで味はアメリカン。がぶ飲みできそうに薄味でした。
幸福気分の余韻に浸りながら、先に法隆寺宝物館を一巡。私は実は、本館の威容を誇る仏像よりもこちらの第一展示室の仏様が大好きなのです。法隆寺宝物館が建て替えられたと知った時はたいそう残念に思いましたが、現在の建物になったおかげでいつ出かけてもこの仏様と逢うことができるのですよね。
どうも、話が琳派に向かいませんね(--;
大琳派展、俵屋宗達の自由闊達な才気溢れる作品群が強烈でしたし、光悦の書は実に美しかった…。風神雷神図四揃いは見応え十分。東博ならではの贅沢な展示ですし、四者四様の面白さもありましたが、時代が下るにつれてスケールが小さくなるように感じるのは致し方ないことでしょうか。
平成館での特別展をみたあとでいつも思うのは、本館の常設展が見劣りすること。今回は青木繁「ヤマトタケル」が展示されていたので絵画室のみ足を延ばしましたが、洋画・彫刻はまだしも日本画は興醒めでしたね。これまた致し方ないことかもしれませんが…。
博物館を出た後は、友人と落ち合うべく西郷像へ。まだ子供が幼かった頃は、イラン人かパキスタン人かよくわかりませんが回教徒と思われる外国人が屯し、光景が昭和の頃と一変していて驚きましたが、今はまた昔に戻ったようですね。大道芸をする若者、ボランティアの解説を聞く中高年グループ、西郷像に携帯カメラを向ける人など、穏やかな秋の昼下がりの光景です。友人と不忍池の枯蓮を見ながら湯島へ抜け、つる瀬で歓談して後に帰宅。

訃報

2008-10-24 22:55:37 | Weblog
昨日の朝日新聞夕刊の訃報で、坂口菊枝さんの名を目にしました。と申しましても個人的に関わりがあったわけではありませんし、『(坂口弘死刑囚の母)』という記載がなければ誰のことやらわからなかったでしょう。連合赤軍の一連の事件については知るところが少ないですし(三島の自決と同じくらい、【そこに至るまでの経過や心理的葛藤】が不可解に思われます)、彼らが起こした事件のせいで私たちの世代は管理教育の真っ只中に放り込まれた、という認識を持つくらいのところでしょうか。ただ、あの事件の頃は、「あのような事件を起こしたら我が子を殺して自分も死ぬ」と思い詰めた親が日本国内に少なからず存在したような気がします。
活字中毒に近い私が唯一遠ざけているジャンルが詩歌のため、坂口弘死刑囚がどのような短歌を詠んでいるかは知りませんが、夕刊の訃報によると坂口菊枝さんは息子の創作活動に少なからず関わりをもっていたようです。人の子の親としては、我が子が加害者・被害者どちらの立場にも立ってほしくないと願うもの。彼女の胸のうちはどうであったか…。無関係かつ無責任な他人が訳知り顔で言うべきではないでしょうが、母親という身としては色々考えさせられるものがあります。
函館カールレイモンのソーセージが届く。美味しいことは美味しいのですが、個人的には仙台勝山館のソーセージのほうが好みかも。

白髪染

2008-10-22 10:09:15 | Weblog
夫が所用で出かけ、娘も登校…戸締まりをして、髪染めに初挑戦しました。白髪との付き合いは大学卒業後間もなくの頃からですから、かれこれ四半世紀。目立つようになったのは、出産と姑との同居がダブルで押し寄せてきてからでしょうか。こうも斑頭になるならさっさと真っ白になってしまえ!と思わないではありませんでしたが、宗旨変えをしたのは隣家の奥さんが70代半ばにして髪を染めはじめたと知った時。もう少し自分に構っても良いのではないかしら、と反省したのです。それから半年ほどは各種白髪染の値段や量・用法を比較検討し、本日に至ったと…。準備から後始末まで約1時間、多少のムラはでましたが、初めてにしてはまずまずの仕上がりとなりました。髪型を変えたわけではありませんから見た目に大きな変化はないものの(顔の造作や肌の弛み・皺等は隠しようもありませんから)、タオルドライをした時に抜け落ちる毛に白髪が見当たらないのは感動ものですね。
今日はこのあと、DVDで小三治の芝浜を見るつもり。安藤鶴夫の影響でかつては先代三木助のテープをよく聞いていましたが、小三治はどう演じているのかなかなか楽しみです。

DVDをいつ見るか…

2008-10-18 10:25:09 | Weblog
とうとう買ってしまいました(^^;;【落語研究会 柳家小三治全集】DVD10枚組!!春先に購入した「柳家小三治の落語」(全三冊・小学館文庫)に入っていた広告を見て迷いに迷っていたのですが、先日放映されたNHKプロフェッショナルに背中を押されてしまいましたねぇ。手元には無事に届いたものの、なにせ40000円弱の買い物。向こう半年は図書館利用で、展覧会も映画も我慢して…。それはともかく、夫に内緒のブツゆえ、基本的に居職の環境でいつ楽しめるかが一番の問題であります。DVD1枚程度でしたら一緒に楽しむテもありますが…あの人は圓生一筋ですから、そもそもそこから食い違ってしまうのですよね。誰か器材付きで場所を提供してくれないかしら…苦笑。
神無月も後半に入り、異常が当たり前になりつつあった陽気も落ち着いてきたようです。ジェットコースターのような気温の変化はついこの間まであったものの、このところは秋らしい気持ち良い日々が続きホッと一息。やはりそれなりに季節は巡っているのですね。お歳暮の案内や賀状の広告などが年々前倒しされ、商業ペースで季節を先取りさせられるのはうんざりしますが、自然の移ろいに気付くときは嬉しくなるものです。さてさて、今夜は鍋、鶏ガラで出汁をとって水炊きでもいたしましょう。

前回の文の訂正を少々…それと…

2008-10-10 23:34:12 | Weblog
駅弁には「広島産」との表記はなく、正確には広島駅「夫婦あなごめし」との表記で販売されていました。ですからまぁ、穴子の産地がどこであっても構わないといえば構わないわけですね。しかし、宮島で穴子丼を食した経験を持つ者としては、釈然としない気持ちがあります。
さて、ここ数日は、ノーベル賞と株価暴落がテレビ・新聞を賑わしていましたが、ノーベル賞に関しては一段落(いずれも論文発表から数十年後の受賞ですから、長寿と運の両方が必要条件のようです)して、今日は大和生命破綻絡みでの株価の動きが話題の中心のようでした。
運用できるような資産はなく株取引とも無縁な身には、株価の下落自体は焦るようなことではありません。ただ、景気回復が言われる中で実感を得られないままに原油・穀物価格の高騰でダメージを受けた生活は、これからどうなっていくのだろうかという不安は大きいですよね。バブル崩壊下で有効な手立てを講じ得なかった日本政府が、現段階で効果ある政策を打ち出せるとは考えられません。補助金&赤字国債で子々孫々まで借金を背負わせるのが関の山でしょう。麻生首相とて50年100年後まで首相の座にいるわけじゃなし、与野党ともに議員センセは目先の選挙のことしか頭にないのではないかしら。これからの家計のやり繰りを考えると、一票投じたくなる候補者や政党が本当にいるのか大いに疑問ですね。
近所(と言っても、自転車で20分)の書店が夏に大幅改装し、おかげで利用しにくいことこの上ない(@_@;)特に新刊の文庫・新書ばかり集められた書棚で目当ての本を見つけるのは、本当に大変で…。そのせいか、ネット注文と店頭購入の割合がここ2ヶ月は逆転しています。一昨日は久しぶりにこの書店で、「きょうの猫村さん」(マガジンハウス)と「米原万里対談集‐言葉を育てる」(ちくま文庫)を購入。とりあえず、猫村さん。単行本は3巻まで出ていますが、ヘタウマですらないユルユル絵柄の表紙を見ると、これで1000円以上出すのは躊躇いを覚えます。文庫化を期に1冊くらいは…と購入しましたが、正直…。「○○殺人事件‐いま甦る悲劇の~」みたいな二時間ドラマや昼ドラが好きな人がノリやすい筋立て。でも殺人事件なんてありませんし、奉公先の娘がヤンキーで奥様が整形・エステマニアであってもまぁ、それなりに平々凡々な日常です。猫の家政婦ったって、べつにねぇ…。大島弓子や猫十字社やますむらひろしの作品を読んできた
身には、猫と人が共存しようとどうしようと違和感ありませんよ。そんなことを言ったら、妖しが当たり前に登場する「雨柳堂夢咄」なんかどうなってしまうのか。ただ先の展開が気になったのも確かで、さっそくネットで確認。一日一ページのみ話が進むという、これまた特異な展開ですが、通し読みして、こちらで読むほうがおもしろいと感じました。これは画面上に繰り広げられる紙芝居なのですね。ですから普通のコミックのようにコマ割りすると、魅力が半減してしまうらしい。話の展開がベタなことに変わりはありませんが、コミックよりも引き込まれたことは確かです。無料ですから、月一くらいで纏め読みするほうが賢いかもしれません。
いまさらながら…米原万里は稀有な存在でした。改めてその早すぎる死を残念に思います。

悪い癖、駅弁のこと

2008-10-04 22:10:12 | Weblog
心当たりはないのに、身体のあちらこちらが痛い…。いや、神経痛ではなく筋肉痛のようです。特にひどいのが背中から腰にかけてで、触ってみるとゴチゴチのパンパン。一昨日と一昨昨日はともかくとして、昨日今日は日常から乖離した出来事はなかったはず。2~3日おいての筋肉痛なのか、それとも…追求するのがコワイです(--;
こんな時は、えてしてマイナス思考に陥りがち。かつての厭な事ばかりが、次々に思い出されます。あまり他人が気付かない私の最も悪い癖は、人を試すところでしょうか。相手の反応や選択を見て秘かに得心するだけですから、もちろん相手にはそれと気付かれたことはありません。ただ、これをやると、かなりの割合で自己嫌悪に陥りますね。特に家族を相手にした時は、予め結果がわかっていてもダメージが大きい…。今日みたいな体調不良の日は、特にこれで蒙ったダメージ(早い話が自業自得)が思い出されて、ズブズブとひたすら沈むばかりです。女三界に家無し…。
買い物先のスーパーで駅弁大会があり、昼食は一人だからと広島産「穴子弁当」(1050円)を購入。穴子が薄っぺらなのは仕方がないにしても、どこか苦みがあるようです。何気なく原材料表記を見ると、【穴子(中国産)】とのこと。鰻ばかりか、穴子よお前もか、と、我が身の不明を罵りたくなりました。鰻であろうと穴子であろうと、かの国では力一杯消毒薬を放り込んだ生け簀で飼育されているでしょうから(偏見でしょうか!?)、穴子本来の味を期待できるわけがありません。子供が幼い頃から食材の購入には気を付けてきたつもりでしたが、今回は油断を突かれました。これなら、食材・調理のすべてを米国で誂えているO-bento(だったと記憶していますが…自信はありませんね)のほうが、はるかにましというものです。やれやれ…。

変わらないもの

2008-10-02 22:04:05 | Weblog
神無月に入り、やっと秋らしくなってきたようです。とは言え、世間は政情不安よりも世情不安の様相。
放火のあった難波の個室ビデオ店、地図で位置を見ると、昨年春にこの店の前を通っているなぁと妙な感覚に襲われてしまいました。しかし、この犯人、宮崎勤と同世代なのですよね。だからどうだと言うつもりはありませんが、不惑を過ぎて尚、自分の行為の結果に考えが働かないまま実行に移してしまうオトコって何者かと思ってしまいます。この実行力を別の場面で活用できれば…とはそれこそ余計なお世話ですね。しかし、火をつけたきゃ河原にでも行けばいいでしょうし、他者を巻き添いになんかしないで一人で死ねばいいのです。まぁ、それだけの分別があれば、こんな事件を起こしたりしないのでしょうけどね。
何年ぶりかで、神保町界隈へ。カザルスホールに【日大法科大学院】なんて看板がでかでかと掲げられていたり、文庫川村の近くで古瀬戸珈琲の看板を見つけたり、靖国通り北側に付けられていたアーケードが撤去されていたり、さまざまな変化はありましたが…。金ペン堂や共栄堂のスマトラカレーは健在。ここのカレー、安い…かどうかはともかくとして、出される早さは吉野家以上。辛口カレーが苦手でなければ、味はお薦めです。昼時は急き立てられるような雰囲気ですが、時分を外せばほんのいくらかはゆっくり食せます(苦笑)。ゆっくり会話や読書を楽しみたければ、他の店を利用すれば良いわけですからねぇ。本日、ウェイトレス(いつのまにか若い女性スタッフが増えていたので内心ビックリでしたが、きびきびした接客態度は好感が持てます)が奥に通したオーダー、「御婦人用○○カレー」なんてのは初めて聞きましたが、食べおわったあとで胃袋に焼きりんごを追加注文できる余地があったのも、これまた初めてのこと。もしかしたら、「御婦人用~」ということでご飯の
量が気持ち軽めだったのかもしれません。
変わらないといえば、額縁屋の優美堂。両側はビルになっても、ここだけは平屋のままです。昔むかしは店頭の机の上の箱に犬がおり、【さわるのきらい】という貼り紙だったか看板だったかがありましたっけ。ずいぶんとおとなしい中型犬でした。美術館で額縁に目が行くようになったのは、洲之内徹「気まぐれ美術館」を読んでからのこと。犬がいたのはそれよりはるか以前でしたから、商品の額縁よりも犬のほうが印象に残っているのも仕方ないですか。
展覧会の帰り道だったために図録がずっしりと重く、おまけに数冊購入した本もあって、これ以上歩き回る気分ではありませんでした。いやはや、根性がなくなりました。今夜は収穫のうちから、「ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記」(常岡浩介/アスキー新書)を読む予定。北京五輪以降のグルジアにおけるロシアのことを考える時、チェチェンでのできごとを再確認する必要があるような気がします。表看板がソ連からロシアに変わっても、あの国家集団の得体の知れなさは変わらないのかもしれません。