カプセルのケーブル

　チリ鉱山落盤事故、発生から６９日目で救出されることになった。
　順調に行けば４８時間後にも３３人が地上に出る事が出来ることになった。

　すぐには太陽を拝むことは出来ないだろうが、肌で感じる事は出来るだろう。絶望の淵からの帰還は到底言葉には表せないであろう。

　着々と救出の準備が世界中に発信され、ＴＶに釘付けの一日になるだろう。
１３日、８：３０現在「まもなく救出作業開始」のテロップが流れているのを観ながらこのブログを更新している。

「私の救出は最後に・・・」の希望者が多いと報じられていた。

　何故か、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が脳裏を翳めるのである。

　釈迦が、地獄の底を覗き見たら、ある男が一度だけ蜘蛛を踏み殺そうとしたが思いとどまり、命を助けてやったことを思い出し、地獄の底から救ってやろうと一本の蜘蛛の糸を下ろしてやった。

　男は蜘蛛の糸に捉まって、地獄から上へと昇り始めた。ふと下を見下ろすと、多くの人達が自分の下から続いていり。このままでは糸が切れてしまう。「この蜘蛛の糸は俺ののだ、下りろ、下りろ」と・・・その瞬間、蜘蛛の糸は切れてしまい男は再び地獄に堕ちてしまった。

　救出後は、鉱山会社に対して、慰謝料か何かは知らないが、損害賠償などを要求することになるだろう。一生、生活に困らないで生きていける程のもの・・・・・