昔の人の生活の知恵「水はチビチビ」そして「塩分補給」
毎日水を2リットル飲もうという「水飲み健康法」があります。
体の毒素を排出したり、血液ドロドロを解消するために、また、真夏には熱中症で倒れないよう、十分な水分補給が必要なこともありましょう。
しかし、今の日本人は「体の中が洪水」になってやしませんか。体が水膨れして、むくみがでたり、腹を押さえるとプチャプチャとかギューギューとか音がする。
これは、余分な水がはけていないからで、水の入れ過ぎと排出能力の低下が相俟って起きます。よって、まずは入りを絞る必要があります。
これについては、昔の人の「生活の知恵」に学ぶべき点が多いです。
野草料理のベテランで、75歳になられる若杉友子さんが「食養」を実践し、研究する中で、次のように言っておられます。
水はたくさん飲むほうがいいと言われているでしょ。でも、飲み過ぎてはいけませんよ。ばあちゃんなんか絶対にがぶ飲みしない。喉がちょっと湿るぐらいで十分なのよ。昔の子どもたちは体育のとき、先生から「水を飲むなよ」って言われたものですよ。今は逆で「水分補給を忘れるな」でしょ。なぜこんなに変わってしまったかと言うと、それは食生活の変化と関係があるんよ。今の子どもたちは肉食してるでしょ。元々陽性な子どもが陽性の肉を食べるから、ものすごく体が焼けるわけ。だから子どもたちも本能的に水が欲しくなるんです。昔の子どもは食べ物に陽性と陰性のバランスが取れていたから、必要以上の水は取っていなかったんです。
水を飲み過ぎるとどうなるかと言うと、血が薄くなってバテる。体力がなくなるの。血を薄めたら、体が陰性になってしまうからね。私たちは血で生きているのよ。頭のてっぺんから足の爪先まで、どこを切っても血が出るじゃない。だから、血が薄くなると体調がおかしくなるし、病気にもなるわけね。
大怪我して血が噴出したときもそうよ。そんなときは絶対に水を飲んじゃダメ。血が薄くなって血が止まらないし、治りがうんと悪くなるのよ。
このように若杉ばあさんはおっしゃっています。
子どもは陽性の体ですからまだいいとしても、大人になったら段々陰性体質(冷え症)になってきますから、水分の取り過ぎは考えものです。
炎天下のアラビアでは、水が貴重品ということもあって、暑いときには熱い湯をチビチビ飲んでいます。これが正しい水分補強の仕方です。
こうして入りを絞り込めば、水を排出する腎臓の負担も軽減され、腎臓が本来の機能を発揮してくれるようになることでしょう。
その腎臓を元気にするのが塩です。若杉さんの話を続けましょう。
今は減塩をすごくすすめているでしょ。でも、これが貧血、冷え症、便秘症を増加させているの。塩分を控えたら絶体絶命。
昔の人はたっぷり塩を取っていました。スイカや夏みかんやイチゴといった夏の陰性の果物を食べるときには塩を振って食べました。トマトもそう。カリウムが豊富に含まれるものは体を冷やすから、バランスを取るためにナトリウムの塩をつけて食べたのです。
だから、元気で活力があったの。塩気は陽性だから、皆、明るく元気だったの。
味噌や醤油、自然塩、梅干は、体温を上げて新陳代謝を活発にし、血を作り、血をきれいにしてくれますからね。自分がおいしいという適塩にして食べてね。
これが本当の話です。間違っていますよ、減塩は。
(参考文献:若杉友子著「体温を上げる料理教室」(致知出版)、同著「野草の力をいただいて」(五月書房)、寺田直剛著「陰陽生活のすすめ」(国書刊行会)ほか)
お水は、さらにはダイエッもトできるらしいです。