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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『The Witch/魔女』

2023年05月21日 | 映画(さ行)
『The Witch/魔女』(英題:The Witch: Part1 The Subversion)
監督:パク・フンジョン
出演:キム・ダミ,チョ・ミンス,チェ・ウシク,コ・ミンシ,パク・ヒスン,ダウン他
 
なんばパークスシネマにて「再上映」だと言う。
再上映って、以前公開されていたのを知らないよ?私の知らないいつの間に?と思っていました(笑)。
そうしたら、“のむコレ 2018”にて上映された作品らしい。
その続編が今週金曜日に封切りだそうで、特別料金1,600円で公開中。
 
遺伝子操作「完全」な人間を造ることを目指す研究所。
博士のペクが造った女児はまさに「完全」だったが、あるとき研究所から逃げ出す。
女児は瀕死の状態で農場にたどり着き、オーナー夫妻の手厚い看護によって快復。
記憶喪失を起こしていた女児はジャユンと名付けられ、そのまま夫妻の養子として育てられる。
 
10年余りが過ぎ、ジャユンは普通の高校生として毎日を送っていた。
成績優秀、容姿も可愛い、何でもできて、明るく優しい彼女の心配事は、
不景気のせいで農場の経営がうまく行っていないこと。
また、このところ頭痛に見舞われており、診察を受けると直ちに手術が必要だと言われる。
養父母に心配はかけられないし、こんな経済状況では手術代を工面することはできない。
 
なんとか稼げないかと思っていた折、親友のミョンヒから歌のオーディションのことを知らされる。
オーディションで勝ち抜けば、賞金を得て何もかもが解決する。
さっそくオーディションに出場すると、歌の上手さと可愛さでたちまち話題に。
特技を披露してほしいといわれて手品を見せると、それをきっかけに謎の集団に追われるようになり……。
 
監督は『新しき世界』(2013)のパク・フンジョン。さすがです。
なぜこれを大々的に公開しなかったのか訝ってしまうほど面白かった。
 
人体実験の対象となった子どものひとり、ジャユンのことを可哀想に思っていましたが、
ラストの怒濤の展開が怖いのなんのって。
 
ネタバレになりますが、彼女は「完全な人間」ですからね。
他人の思考を読むのはお手のものだし、演技も完璧にできる。
彼女を造った研究者も彼女の手玉に取られてしまうという。
 
ペク役のチョ・ミンスが憎々しくて、殺されるときはざまぁ見ろ。(^^;
ジャユンと同様に人体実験を施されたとおぼしき男女のうち、チェ・ウシクがイケメン。
イケメンだけど、役自体はめちゃめちゃ怖いです。
でもジャユンにはまったく敵わなくて死んじゃうところがお気の毒。
 
本作で有名になり、「怪物新人」と呼ばれるようになったという主演のキム・ダミ。
今週末公開の続編がすごく楽しみです。

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『TAR/ター』

2023年05月20日 | 映画(た行)
『TAR/ター』(原題:Tar)
監督:トッド・フィールド
出演:ケイト・ブランシェット,ノエミ・メルラン,ニーナ・ホス,ソフィ・カウアー,
   ジュリアン・グローヴァー,アラン・コーデュナー,マーク・ストロング他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『デスパレート・ラン』とハシゴ。
 
なかなかに長尺の158分。
音楽てんこもりの作品かと思いきや、序盤は音楽ほぼ無しで会話のみ。
なのに意外と眠くならず。最近、眠くなるかならないかがとても大事(笑)。
眠らなかったことイコール好きな作品だったというわけではありません。
 
まるで実在の人物をモデルにしたかのような作品ですが、彼女は架空の人物です。
作品中に名前が出てくる女性指揮者のアントニア・ブリコチェリストジャクリーヌ・デュプレは実在の人ですね。
 
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で女性として初の首席指揮者となったリディア・ター。
自伝の出版を控え、作曲家としても活躍する彼女だったがスランプ中。
新曲が作れなくて困っているのに、ベルリンフィルでの録音がプレッシャーとなっている。
マーラーの交響曲の中で唯一残っている第5番を録音する日が近づいているのだ。
 
そんな折、以前リディアが指導した若手指揮者クリスタが自殺したという報せが届く。
クリスタからの何通にも及ぶメールにリディアが取り合わなかったと世間が知れば責められる。
リディアは秘書のフランチェスカに隠蔽を指示するが上手く行かず。
SNSではリディアを糾弾する動きが活発になり、リディアは困り果てるのだが……。
 
プレッシャーを感じているというような台詞は一切ないのに、
ケイト・ブランシェットの行動から、彼女が明らか正気を失っていくのがわかります。
些細な音が大きく聞こえて、音のもとを探りに行くリディア。
メトロノームの音を夜中に確認しに行く姿などはその辺のホラーより怖かったほど。
 
ジュリアード音楽院での彼女の指導が間違っていたとは思わない。
けれども一旦悪評が出てしまうと、発言の一部が切り取られ、くっつけられて、
とんでもないハラスメントのように伝わってしまいます。
指揮者としては素晴らしくても、日常の人との接し方に問題があれば、
何かあったときに誰も助けてはくれないでしょうし。
 
彼女のことを好きになれないから、映画としては好きではありません。
でも確かに、ケイト・ブランシェットの演技は凄まじかった。
あと、マーク・ストロングはつるっぱげのほうが好きです。こんなカツラの彼は嫌(笑)。
 
あ、後半は音楽も堪能できますよ~。

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『デスパレート・ラン』

2023年05月19日 | 映画(た行)
『デスパレート・ラン』(原題:The Desperate Hour)
監督:フィリップ・ノイス
出演:ナオミ・ワッツ,コールトン・ゴッボ,シエラ・マルトビー他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
出演者は多けれど、ほとんどが声のみの出演のため、顔までわかるのは上に挙げた3人くらいです。
監督はオーストラリア出身のフィリップ・ノイスで、すでに73歳。
最近はTVドラマに関わることが多かったようですが、
かつてはシャロン・ストーンの『硝子の塔』(1993)やハリソン・フォード主演の『今そこにある危機』(1994)、
本作ではナオミ・ワッツを主演に起用しています。
 
原題は“The Desperate Hour”。「絶望的な時間」ですね。
邦題は「絶望的な走り」になっていますが、最後30分のワッツは自力で走ってへんし。(^^;
「やけくそ」のほうが合っているでしょうか。いや、「死に物狂い」かな。
 
交通事故で夫を亡くしたエイミー。息子のノアと娘のエミリーをひとりで育てている。
ノアは大好きな父親がいなくなってからすっかり塞ぎ込み、母親とは口をきこうとしない。
 
登校の時間になっても起きてこないノアに学校に行くように声をかけ、
仕事を休んでジョギングに出かけたエイミーだったが、
走っている途中にかかってくる勤務先やママ友、実家からの電話を受けるうち、異変を知る。
 
電話の相手に何が起きたのかを尋ねると、ノアが通う高校で銃撃事件が発生した模様。
エイミーは家からすでに遠く離れてしまっている今、学校に駆けつけることはもちろん、
保護者のために設けられた場所に行こうにも付近の道路が閉鎖されていてタクシーが来ない。
 
足を挫きながらもとりあえず学校に向かって走りつづけるエイミーだったが……。
 
評価が低いですねぇ。まぁそれも致し方ない感じです。
ただ、面白くないわけではありません。睡魔に襲われることなく最後まで観ましたから。
 
何が駄目なのか考えてみると、ただスマホで慌てて話しながら走るだけの作品なんです。
試みとしては良いと思うのですが、企画倒れの感は否めません。
亡くなった夫の写真や留守電に残されたメッセージはあっても、重みはない。
しかも冒頭で書いたように、途中からはタクシーに乗っちゃって、自分の足では走りませんから。
てっきり最初から最後まで走り通して息子を救う話かと思っていたので、笑ってしまった。
 
息子が登校したのかどうかもわからずにいたら、
登校していたうえに、彼が犯人かもしれないと疑われていることを知る。
家にはライフル銃があって、最近の息子には事件を起こす要素がじゅうぶんあるわけです。
自分の息子に生きていてほしいけれど、彼が加害者側だった場合はいったいどうなるのか。
『望み』(2020)と同じ命題を突きつけられます。
 
最も頼りになったのは、学校の前に店を持つ車の修理屋さんか。
エイミーがあれ見てきて、これ確かめてというのをやってくれて、
車番から所有者も調べて教えてくれる。
まぁ、ずいぶん勝手な母親という気もしますが、息子のためならしますよねぇ。
 
本作を観て思ったのは、スマホは必ずフル充電しておけということと(笑)、
収税関連の職場では何でもわかるということ。税金からは逃げられん。(^^;
 
私ももっとスマホを使いこなせるようになろっと。(^O^)

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『聖なる復讐者』

2023年05月18日 | 映画(さ行)
『聖なる復讐者』(英題:Christmas Carol)
監督:キム・ソンス
出演:パク・ジニョン,キム・ヨンミン,キム・ドンフィ,ソン・ゴニ,ホ・ドンウォン他
 
シネマート心斎橋にて、前述の『ショー・ミー・ザ・ゴースト』を観た後、
高校の同期生のライブを聴きに靱公園まで行き、
ライブ終了後にふたたびシネマート心斎橋に戻って本作を鑑賞しました。
 
韓国人って、同姓同名の人が多いですよねぇ。
パク・ジニョンで調べると、ネットで先にヒットするのはアラフィフのシンガーソングライター
ちゃうちゃう、この人、失礼ながら全然イケメンちゃうし。
 
本作の主演は「パク・ジニョン(1994年生の歌手)」となっているほうのパク・ジニョン。
男性アイドルグループ“GOT7”のメンバーで、通常は「パク」抜きの「ジニョン」と名乗っているそうです。
上記のシンガーソングライターはプロデューサーでもあり、
このジニョンが所属する事務所の代表だったというのですから、ややこしくてしゃあない(笑)。
 
で、アイドルだなんてことは私は知らなかったから、
えらく可愛い顔をしているわ、めちゃめちゃ演技が上手いわ、凄い俳優だなと思っていました。
これがアイドルだとは、アイドルをナメちゃいけませんね。速攻で彼のファンになりました。
 
イルとウォルは双子の兄弟。知的障害のある弟ウォルをイルがずっと見てきた。
両親はいないから、日々の暮らしのために汚い仕事もしなければならず、
イルは生活困窮者を住居から立ち退かせる職で稼ぎを得ていた。
 
クリスマスの朝、ウォルが貯水槽に投げ込まれた死体となって発見される。
顔には酷く殴打された痕があったのに、事故として処理されてしまう。
 
これは絶対に事故なんかじゃない。
真相を解明して復讐すると誓ったイルは、犯人が少年院にいることを突き止める。
自ら事件を起こして少年院に入ると、標的のジャフンに狙いを定めるが、
少しでも騒ぎを起こすと、“狂犬”と呼ばれる教官ハンから凄まじい体罰を受ける。
 
どうにも先へ進めないなか、地域ボランティアでウォルのことも知っていた教官スヌが、
イルの気持ちを察してそれとなく協力してくれるようになり……。
 
イルとウォルをパク・ジニョンが一人二役で演じています。
確かに顔は同じなのですが、これを同一人物が演じているのかと驚くほど上手い。
始終暗い表情で復讐しか頭にないイルは暴力的で怖く、
一方のウォルはイルのことが好きでたまらない、でもイルに迷惑をかけたくない純真な青年。
よく笑い、その笑顔の下の悲痛な思いを見せようとしません。だから余計に哀しい。
 
ウォルの唯一の友だちといえるファンを演じているのがキム・ドンフィ
少年院の凄絶ないじめに耐えている姿はつらくて仕方ありません。
ハン役のホ・ドンウォンが腹立つのなんのって。性的虐待もはびこる少年院がおぞましい。
 
ウォルの死の真相は、もっともあってほしくない形でした。許せない。
だけど、すべてが終わったときのイルとファンが笑い合うシーンにホッとする。

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『ショー・ミー・ザ・ゴースト』

2023年05月17日 | 映画(さ行)
『ショー・ミー・ザ・ゴースト』(英題:Show Me the Ghost)
監督:キム・ウンキョン
出演:ハン・スンヨン,キム・ヒョンモク,ホン・スンボム他
 
『冬のソナタ』の放送から20年が経ったことを記念して開催されている“韓流映画祭2023”。
私はペ・ヨンジュンはまったくタイプじゃないし、冬ソナも一度も観たことなし。
だけど韓国映画は大好きです。
 
本作は2021年の作品で、この映画祭のオープニングを飾りました。
大人気グループ“KARA”のメンバー、ハン・スンヨン主演。
ならば客が入りそうなものなのに、今年まで日本未公開だったのは何故。
 
ホドゥ(♂)とイェジ(♀)は異性であるにもかかわらず20年来の大親友。
成績優秀で望む仕事に即就けそうなイェジだったのに、就職試験に落ちまくり。
酔っぱらって泣きながらホドゥが勤めるコンビニを訪れる。
 
実家に帰れずにいるイェジは、ホドゥの新しい住まいへ。
そこは家具がすべて付いた格安の賃貸住宅
イェジが貸した金のおかげでホドゥはこの家に入居できたのだから、
自分にも住む権利があるとイェジは主張する。
 
この広さでこんなに安いのはおかしいと訝るイェジと、意にも介さないホドゥ。
そればかりか、自分の交渉術が巧みだったから大家がまけてくれたのだと言い張る。
 
しかし、完璧に思えたその家に異変が起きはじめる。
電気がチカチカしたり、ポルターガイストが起こったり、ついには女の幽霊も出没。
たまらず隣家へ駆け込み、過去に何があったか教えてほしいと訊くと、
住人が首を吊って自殺していたことがわかり……。
 
瑕疵物件であることを伏せて貸しただろうと大家に詰め寄ると、無言で契約書を見せられます。
ホドゥがよく読みもしなかったその契約書には、幽霊が出ても解約できないとある(笑)。
解約できないのなら自分たちで新たな契約者を見つけようとしますが、
今まさに契約という段になって怪奇現象が起こるのでした。
 
逃げることしか考えていなかったイェジが、幽霊が何か伝えたいことがあるから出てくるのだと考え直し、
幽霊の無念を晴らして成仏できるようにと行動するところがとても良い。
ドタバタのホラーコメディでありながら、少し涙が出てしまうほどしんみり。
 
イェジ役のハン・スンヨンが可愛いのはもちろんのこと。
ホドゥ役のキム・ヒョンモクの三枚目ぶり(実際、イケメンではないですし(^^;)、
元アイドルの除霊師を騙るギドゥ役のホン・スンボムにも笑った。
 
「セルフ退魔」は面白かったけれど、ビジュアル的にはまぁまぁ怖くてビビりました。
やっぱり韓国映画は楽しい。

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