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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ヨウゼン』〈吹替版〉

2025年04月13日 | 映画(や行)
『ヨウゼン』(原題:新封神演義・楊戩)
監督:チャオ・ジー 
声の出演:佐野晶哉,増田俊樹,沢城みゆき,津田健次郎,夏絵ココ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
ノーマークでしたが、観るものがなくなったのでこれを観ることに。
チャオ・ジー監督は『ナタ転生』(2021)で知られているそうなんですが、知らんし。
知らんしと思ったけれど、私、観てるやん、同監督の『白蛇:縁起』(2019)を。
チャオ・ジーって漢字で書くと趙霽なんですね。
 
で、本作はそんな趙霽監督とアニメーションスタジオ“追光動画”がタッグを組む中国アニメ
タイトルロールに動画共有サイト“bilibili”の名前もありました。こりゃ期待できそう。

中国の古典小説『封神演義』に登場する楊戩(ヨウゼン)を主人公としていて、新解釈で描くオリジナル脚本とのこと。
2022年8 月に本国中国で公開されるやいなや話題となり、100億円以上の興行収入を呼び込む大ヒットに。
前知識なしで鑑賞に臨みましたが、めちゃめちゃ面白かった。
 
かつて世界は仙界と人間界に分かれていた。
しかし、殷と周の間で戦乱が巻き起こったのを境に仙界の勢力は衰弱。
仙人だというのに空を飛ぶこともできず、乗り物に頼っている。
 
楊戩もそんな仙人のうちのひとりで、生活費を賞金稼ぎで工面して仲間の3人と凌ぐ日々。
そんな楊戩のもとに美女が現れ、盗まれた物を取り返してほしいと言われる。
彼女が言うには、それは彼女の姉の持ち物だったらしい。
 
高額の報酬を見込んで引き受けることにした楊戩は、沈香という少年が泥棒を働いたと知る。
追いかけるうち、沈香が楊戩と同じ師匠のもとで学んでいたばかりか、楊戩の実の甥だとわかって仰天。
12年前に華山に閉じ込められたとされている楊戩の妹を救うために沈香は動いていた。
 
ほかの追っ手もいるなか、楊戩と沈香は共に華山へと向かうのだが……。
 
すっごく面白かったのですが、一度観ただけではすべて理解したとは言いがたい。
そもそも『封神演義』という小説の名前も今回初めて聞きましたし、
誰もが手に入れたい「宝蓮灯」がどういうものなのかもよくわからなければ、
師匠の企みによって何が起きたのか、華山がいったいどういうところなのかもイマイチわからず。
 
それでもまったく眠くならない物語の展開と、グラフィックの圧倒的な美しさ。
観ていて本当に楽しかった。
 
『封神演義』で検索してみたら、日本でも藤崎竜が漫画化しているのですね。
アニメ化もされているようだから、観たい気がするけれど、この美しさに敵っていますか。

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『山田くんとLv999の恋をする』

2025年04月09日 | 映画(や行)
『山田くんとLv999の恋をする』
監督:安川有果
出演:作間龍斗,山下美月,NOA,月島琉衣,鈴木もぐら,甲田まひる,茅島みずき,前田旺志郎他
 
NGKの前に前述の『ベイビーガール』を観て、NGKの後に本作を。TOHOシネマズなんばです。
『ベイビーガール』を観たときにトイレに傘を忘れたことに気づく。
今回もトイレからはすでに回収されていたけれど、「それらしき傘をお預かりしています」とのこと。
この傘、もう3度ぐらい忘れているんですが、毎回きちんと出てきます。
 
作間龍斗のことは『うちの弟どもがすみません』(2024)で認識しました。
愛想のない役が多いのでしょうか。最近の男子の中ではかなりお気に入りです。
監督は『よだかの片想い』(2022)の安川有果。
原作はましろの同名人気漫画で、TVアニメ化もされているそうな。
 
女子大生の木之下茜(山下美月)は古川たくま(山下永玖)にフラれて立ち直れない。
ゲームオタクのたくまに好かれたい一心でネトゲを始めたのに、たくまはそのネトゲでほかの女子を好きになったのだ。
しかもフラれた後にたくまからLINEで「レアアイテムは返してほしい」と言われてガックリ。
仕方なくネトゲにログインしてアイテムを返したあと、同じギルドにいた「アフロの山田」に愚痴をこぼすが、
彼はそんな話にまったく興味がない様子で冷たい。
 
ネトゲのファンミーティングがおこなわれると知った茜は、そこでたくまと再会できるかもしれないと考える。
見違えるほど綺麗になってもう一度たくまを振り向かせてやると誓い、
親友の前田桃子(甲田まひる)に活を入れられながら、ダイエットとメイクと服選びに邁進。
 
当日、たくまと新しい彼女がいるのを見かけて慌てたさいに転倒。
脱げて飛んでいった靴を拾ってくれた男子のしゃべり方を聞いて、彼はあの山田だと確信する。
その直後、たくまが駆け寄ってきたかと思いきや、たくまのお目当てはなんと山田。
 
彼、山田秋斗(作間龍斗)は高校生にしてプロゲーマーの超有名人らしい。
ルックスも抜群なことから、目撃者が彼を撮って勝手にSNSにUPするのが日常茶飯事のスター。
山田の隣にいるのが茜だと気づいたたくまは「なんで?」。
咄嗟に茜は山田こそが自分の新しい彼氏だとたくまに言う。
否定しようとする山田に茜はどうか彼氏のふりをしてほしいとひそかに懇願。山田は乗ってくれる。
 
お礼に山田にお茶をごちそうしつつ、自分は飲酒してべろべろに酔っぱった茜。
介抱をしてくれた山田とはもう会うことはないはずだったが、後日、同じギルドのオフ会で山田と再会して……。
 
悪意がないのがいいですよね。
オフ会で会ったのは、ネトゲの世界で人気者の瑠璃姫の“中の人”でまさかの男子、佐々木瑛太(NOA)。
瑛太の妹で中学生の瑠奈(月島琉衣)は山田に憧れているから、新参者の茜が入ってきたのが面白くなくて敵意あらわ。
その割に、いったん茜と仲良くなると、山田との仲を積極的に取り持とうとします。
また、山田にずっと想いを寄せている学級委員長の椿ゆかり(茅島みずき)にしても、茜の登場に焦り、
山田の親友である岡本武明(前田旺志郎)にたきつけられてコクったのに、なんじゃその身の引き方はというぐらい素直。
安心して観ていられます。
 
冒頭、傷心の茜が聴く曲がプリンセスプリンセスの“M”だったのには笑ってしまいました。
若い子が聴くにはちょっと古くないかい。いえいえ、やっぱり名曲です。
あと、お笑いコンビ“空気階段”の鈴木もぐらの相方、水川かたまりが台詞なしのカメオ出演しているのも可笑しかった。
 
しかし、モテモテなのに女子に興味がなくて今までつきあった経験もないという男子がこんなキスはないと思う。(^^;
そして女子、こんな酔っぱらい方もアカンと思う(笑)。

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『夜のまにまに』

2025年03月22日 | 映画(や行)
『夜のまにまに』
監督:磯部鉄平
出演:加部亜門,山本奈衣瑠,黒住尚生,永瀬未留,辻凪子,岬ミレホ,日永貴子,
   木原勝利,川本三吉,辰寿広美,時光陸,大宅聖菜,緒方ちか他
 
第七藝術劇場の協力を得て制作された作品なのだそうです。
2023年12月にそのナナゲイで先行上映されたときには知らず、その後の正式公開も知らず。
このたび再上映されるということで仕事帰りに十三まで車を走らせました。
 
フリーターの新平(加部亜門)が映画館を訪れると、客は誰もいない。
自分だけならどこに座ってもよかろうと、押さえていた席とは別の席に腰かけたとき、由紀恵(岬ミレホ)というご婦人が入場。
「そこ、私の席なんですけど」と言われて、新平は慌てて席を立つ。
ところが由紀恵は「よかったら一緒に観ませんか」と声をかけてくる。そうしましょうということに。
 
そこへまた入場してきたのが女子大生の佳純(山本奈衣瑠)。
意気投合した3人は一緒に映画を鑑賞して食事も。
それ以降、新平と由紀恵はたまに同映画館で遭遇するも、佳純が現れることはなかった。
 
するとある日、新平のバイト先に新人として佳純がやってくる。
佳純は新平のことを覚えていない様子で、いともあっさりとしたもの。
しかしそんな佳純があるマンションのゴミ捨て場でゴミを漁っているところに遭遇。
訳を尋ねると、佳純の恋人がこのマンションの住人で、浮気の証拠を見つけたいと。
 
なんとなく巻き込まれて佳純と共にストーカーまがいの行動を起こすことになった新平は……。
 
映画館はナナゲイ、新平と佳純のバイト先はカンテグランデ中津本店
知っている人ならもうこれだけで心が躍るというものでしょう。
 
だけど、ひとりで入った映画館で、見知らぬ人から「一緒に観ませんか」と声をかけられたらドン引きします(笑)。
 
という、個人的にはあり得ないやりとりから始まった作品ですが、面白かった。
新平の元カノは幼なじみのサキ(永瀬未留)で、サキのほうから新平を振って同棲を解消したのに、
合鍵を持ったままのサキはしょっちゅう新平の部屋にやってきます。
振った男にはいつまでも自分を好きであってほしいというやつかと思ったけれど、
佳純とサキが新平の部屋で鉢合わせしてからが可笑しくて。
新平の姉(辻凪子)がサイコー。いいよなぁ、こんな姉ちゃんと思わずにはいられません。
 
実は幼い頃からイマジナリーフレンドのいる新平。
それを心配しつつも否定せずにいるまわりの人たちがとてもいい。
ちょっといい話でした。
 
あ、現実のナナゲイでは飲み物は持ち込んでもいいけれど、食べ物は駄目ですよ。
そこでたこ焼きなんか食べちゃあ駄目だ。
そういえば昔、食べ物の持ち込み禁止ではなかった頃にナナゲイには“ほか弁”を持ち込んでいる人もいたなぁ。
あれにはまいった(笑)。

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『ゆきてかへらぬ』

2025年03月05日 | 映画(や行)
『ゆきてかへらぬ』
監督:根岸吉太郎
出演:広瀬すず,木戸大聖,岡田将生,田中俊介,トータス松本,瀧内公美,草刈民代,カトウシンスケ,藤間爽子,柄本佑他
 
109シネマズ箕面にて。
 
予告編を観ても惹かれるものはないどころか、むしろ嫌になっちゃって、公開初日に観るつもりはなかったのです。
同日封切りで観たい作品はほかにいっぱいあったのに、時間的にいちばん都合が良いのがこれでした。
 
監督は今年75歳になる根岸吉太郎。代表作といえば『遠雷』(1981)ですが、私の印象は『サイドカーに犬』(2007)が強い。
亡くなった竹内結子が主演していたからというのが理由かもしれません。
 
本作は実在の詩人・中原中也、女優・長谷川泰子、文芸評論家・小林秀雄の人間模様を描いています。
 
20歳の駆け出しの女優・長谷川泰子(広瀬すず)は、学生詩人・中原中也(木戸大聖)と出会う。
まだ17歳ながら天才と謳われる中也のもとへ泰子が転がり込むような形で同棲を開始。
その中也を訪ねてきた評論家・小林秀雄(岡田将生)から口説かれるように。
 
やがて、中也と別れて秀雄と暮らしはじめた泰子は、精神症を患う。
秀雄曰く、泰子にとって中也と秀雄は両側から支える2本のつっかえ棒のようなもの。
その1本である中也を失った泰子がおかしくなるのは当然で、
ならばいっそ自分とも別れたほうが泰子にとってよいはずだと、秀雄は出て行ってしまい……。
 
実在した著名人の関係がわかるのは面白いけれど、惹かれるものは何もなし。
広瀬すずはそこそこ歳を取った監督たちにとって大事なお嬢様のような存在なのかもしれませんが、
こういう少し古めかしい時代設定の作品に彼女はまったく似合わない。
台詞の言い回しも芝居がかりすぎていて、私はどっちらけ。
 
いちばん冷静でマトモふうな秀雄の気持ちはちょっぴりわかる。
だけど、本作を見て中也や泰子の人間性に惹かれることはありません。
それに広瀬すずの絡みのシーンって色っぽさが皆無なんだなぁ。
まぁ、彼女は絶対脱がないというのもあるけれど、二階堂ふみ辺りのほうが似合いそう。
 
中也の妻役の藤間爽子が凛として綺麗でした。
いつまでも生徒役のイメージが払拭できないかと思ったら、こんな年相応の役もよかった。
それと、おかしくなった泰子に公園で抱きつかれる勤め人役の柄本佑にも笑いました。
 
私には無理。
すずファンにとってはやっぱり良いんですか。

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『野生の島のロズ』〈字幕版〉

2025年02月24日 | 映画(や行)
『野生の島のロズ』(原題:The Wild Robot)
監督:クリス・サンダース
出演:ルピタ・ニョンゴ,ペドロ・パスカル,キャサリン・オハラ,ビル・ナイ,キット・コナー,
   ステファニー・シュウ,マーク・ハミル,マット・ベリー,ヴィング・レイムス他
 
109シネマズ箕面にて。
 
予告編で流れるのは吹替版ばかりだったから、きっと字幕版を上映する劇場は少ないんだろうなと思っていました。
そうしたら、結構あるじゃあないか。
字幕版のIMAX版まで観るつもりはなかったけれど、時間的にいちばんよかったので、ついでのIMAX版鑑賞。
 
原作はアメリカ人作家ピーター・ブラウンの同名ベストセラー児童文学。
監督は“リロ&スティッチ”シリーズでスティッチの声を担当するクリス・サンダース。
この人はてっきりアニメの人かと思ったら、『野性の呼び声』(2020)の監督ですと。
 
人間をサポートするためにつくられた最新のアシストロボット“ロズ”は、輸送中に嵐に遭い、無人島へと漂着。
偶然にもスイッチが入って起動したものの、ロズがサポートすべき人間の姿はない。
およそ想定外の大自然という環境のなかでは組み込まれていたプログラムも無意味に近い。
 
ロズを見かけた野生動物たちからは怪物呼ばわりされ、どうすればよいかわからずにいたところ、
生まれたばかりの雁のひな鳥と対面。そのひな鳥がロズを親だと思い込んだものだからさぁ大変。
 
ロズはひな鳥にキラリと名づけ、彼をなんとか育てようと奮闘しはじめる。
すると、その様子を見た動物たちが興味を持ってロズに近づいてくる。
 
キラリを一人前の渡り鳥に育てよう。
そう考えたロズは、キツネのチャッカリやオポッサムのピンクシッポの力を借りながら、
すっかり野生のロボットとして自らも成長してゆき……。
 
ひな鳥の育て方など知る由もないロボットが、懸命に育児をする姿。
立派な渡り鳥になるまでの過程には胸を打たれますが、それ以上によかったのはロズと動物たちの関係性。
 
当然すんなり話が進むはずがなく、ロズを回収しにきた飛行船が森をぶっ潰す勢い。
連れて行かれそうになるロズを動物たちが一丸となって助けようとするんですもの、そりゃ泣く。
好きだなぁ、私って。みんなで応援するやつ(笑)。
 
ロズ役のルピタ・ニョンゴの声がとてもよかった。クビナガがビル・ナイの声なのは聞けばすぐわかる。
かつてルーク・スカイウォーカー役で一世風靡したマーク・ハミルがソーンの声を担当しています。
吹替版も観て綾瀬はるかの声と聞き比べるのは面白いかもしれませんね。

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