『ヨウゼン』(原題:新封神演義・楊戩)
監督:チャオ・ジー
声の出演:佐野晶哉,増田俊樹,沢城みゆき,津田健次郎,夏絵ココ他
109シネマズ箕面にて。
ノーマークでしたが、観るものがなくなったのでこれを観ることに。
チャオ・ジー監督は『ナタ転生』(2021)で知られているそうなんですが、知らんし。
知らんしと思ったけれど、私、観てるやん、同監督の『白蛇:縁起』(2019)を。
チャオ・ジーって漢字で書くと趙霽なんですね。
で、本作はそんな趙霽監督とアニメーションスタジオ“追光動画”がタッグを組む中国アニメ。
タイトルロールに動画共有サイト“bilibili”の名前もありました。こりゃ期待できそう。
中国の古典小説『封神演義』に登場する楊戩(ヨウゼン)を主人公としていて、新解釈で描くオリジナル脚本とのこと。
2022年8 月に本国中国で公開されるやいなや話題となり、100億円以上の興行収入を呼び込む大ヒットに。
前知識なしで鑑賞に臨みましたが、めちゃめちゃ面白かった。
かつて世界は仙界と人間界に分かれていた。
しかし、殷と周の間で戦乱が巻き起こったのを境に仙界の勢力は衰弱。
仙人だというのに空を飛ぶこともできず、乗り物に頼っている。
楊戩もそんな仙人のうちのひとりで、生活費を賞金稼ぎで工面して仲間の3人と凌ぐ日々。
そんな楊戩のもとに美女が現れ、盗まれた物を取り返してほしいと言われる。
彼女が言うには、それは彼女の姉の持ち物だったらしい。
高額の報酬を見込んで引き受けることにした楊戩は、沈香という少年が泥棒を働いたと知る。
追いかけるうち、沈香が楊戩と同じ師匠のもとで学んでいたばかりか、楊戩の実の甥だとわかって仰天。
12年前に華山に閉じ込められたとされている楊戩の妹を救うために沈香は動いていた。
ほかの追っ手もいるなか、楊戩と沈香は共に華山へと向かうのだが……。
すっごく面白かったのですが、一度観ただけではすべて理解したとは言いがたい。
そもそも『封神演義』という小説の名前も今回初めて聞きましたし、
誰もが手に入れたい「宝蓮灯」がどういうものなのかもよくわからなければ、
師匠の企みによって何が起きたのか、華山がいったいどういうところなのかもイマイチわからず。
それでもまったく眠くならない物語の展開と、グラフィックの圧倒的な美しさ。
観ていて本当に楽しかった。
『封神演義』で検索してみたら、日本でも藤崎竜が漫画化しているのですね。
アニメ化もされているようだから、観たい気がするけれど、この美しさに敵っていますか。