夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』

2011年06月28日 | 映画(は行)
『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』(原題:The Perfect Host)
監督:ニック・トムネイ
出演:デヴィッド・ハイド・ピアース,クレイン・クロフォード,
   ナサニエル・パーカー,ミーガン・ペリー他

「晩餐会」の響きに、料理がいっぱい並ぶシーンを想像し、
「この主人(ホスト)“何か”がおかしい…」というキャッチコピーにも惹かれて、
劇場へ観に行こうと思っていたら、
なんとテアトル梅田で公開中の今、TSUTAYA独占レンタル開始。
ならば、レンタルでええかという気になって。

銀行強盗を働いてきたばかりのジョン。
負傷した足を引きずりながら、なんとか逃走する。
しかし、傷の手当てのために買い物に寄った店で、
自分がすでに指名手配されていることを知る。
前科者のジョンの仕業だとすぐにバレてしまった様子。

高級住宅街に逃げ込んだジョンは、
まずは「エホバの証人」の信者であることを掲げる家のベルを鳴らす。
強盗に遭って財布を失い、怪我をしていることをアピールするが、
すぐさま嘘を見破られ、ドアを開けてもらえない。

次に目をつけた家の郵便受けを覗いてみると、
シドニーにいるという女性からの葉書が。
ジョンはその女性の友人を装い、家に上げてもらうことに成功する。

その家の主であるウォーウィックは、ジョンにワインを勧め、
これから友人たちに食事をふるまう予定だから、同席しろと言う。
それはまずいと、適当に言い繕ってジョンが退散しようとしたとき、
ラジオから強盗犯逃走中のニュースが流れる。

居直ったジョンは、ウォーウィックに包丁を突きつけ、
友人たちとの約束をキャンセルするように迫る。
言われたとおりにしたウォーウィックだったが、
やがてジョンは猛烈な睡魔に襲われて……。

起きたときには立場が逆転しています。
親切な金持ちに見えたウォーウィックは実はすごい変態。
どこまでが真剣なのかわからない妄想に
ジョンとともにつきあわされる過程は適度にエログロ。
そしてその後に待っているのはアワワなドンデン返し。
これ以上は書けません。

ビミョーに悪い後味は、無理に悪ぶった感が残ります。
どうしても『ファニーゲーム』(1997)や『ファニーゲーム U.S.A.』(2007)の
サイコーに悪い後味と比較してしまいます。
もっと徹底して嫌な映画にしてもよかったと思ったり。

最初はぶちのめしてやりたくなるジョンが、
事情が判明するにつれて憐れで仕方なくなります。
いちばんズルイのは、オンナでしょ。

ちなみに楽しみにしていた料理はほとんどなし。
アヒルのグリルと付け合わせのパスタぐらいで。
本作の主曰く、赤ワインを飲む奴は信用ならんそうな。

ちびども、がんばる。

2011年06月25日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
ちびっこの奮闘がめちゃ可愛かったレンタル新作2本。

『プチ・ニコラ』(2009)はフランスの作品。
原作はフランスで50年以上も愛され続けている児童書なのだそうです。

ニコラは小学生の男の子。パパとママの3人家族。
ママはたまにパパにヒステリーを起こすけれど、
僕にはいつも、とっても優しい。
たくさんの友だちにも囲まれて、楽しい毎日。

ところが、ある日、パパとママの様子がおかしい。
同じような境遇の友だちの話を総合すると、
どうやらママのお腹の中に僕の弟がいるようだ。
弟が生まれたら、僕は要らない子になって、森に捨てられるかもしれない。

ということで、慌てたニコラは友だちの協力を得て、
両親のご機嫌取りに走ります。
弟ができるらしいというのは実はニコラの大きな勘違いなのですが、
走りまわるちびっこたちの可愛さといったら。

両親の留守中に掃除洗濯。これがやることなすこと悲惨な方向へ。
ギャングに仕事を頼もうと電話帳をめくり、
ギャングの異名と同じ名前の自動車修理工場へ電話すれば、
これもちびっこたちを悩ませる展開に。

最初は先生に聞かれてもわからなかった、「将来どんな人になりたいですか」。
最後にニコラが教えてくれるその答えにニッコリ。

『リトル・ランボーズ』(2007)はイギリス/フランスの作品。
監督の幼い頃の実体験がモチーフになっているそうです。

小学生のウィルは、祖母、母、妹とともに、イギリスの郊外で暮らす。
所属する教会の厳しい戒律により、ありとあらゆる娯楽を禁じられ、
退屈このうえない毎日だが、反発もしてこなかった。

TVを観ることも許されていないので、
ビデオによる授業時間は廊下で独り、待機するのがお決まりのパターン。
そのとき、他クラスの学校きっての悪ガキ、リーが、廊下に放り出される。
ウィルは、ちょっかいを出してきたリーととっくみあいの喧嘩に。
しかし、それがきっかけで、リーの映画制作を手伝うことになる。

ウィルがリーの家で生まれて初めて観た映画が、
シルヴェスター・スタローンの『ランボー』(1982)でした。
これが素晴らしく機能しています。
原題は“Son of Rambow”で、「ランボウの息子」。
本当は“Rambo”なのに、お尻に“w”が付いていることが、
最後には爽やかな涙を誘います。

駄目出しをさせてもらうならば、DVD特典の日本語版予告編。
ヨーロッパ版予告編と続けて見せてくれますが、
日本版の予告編は、場面がみごとに時系列に並べられていて、ダメダメ。
オリジナル版の上手い出来と比較するにはおもしろいから、まぁええけど。

どちらも1時間半ちょい。さくっとどうぞ。

『トラブル・イン・カンヌ』

2011年06月22日 | 映画(た行)
『トラブル・イン・カンヌ』(原題:The Making of Plus One)
監督:メアリー・マクガキアン
出演:ロテール・ブリュトー,ジェラルディン・チャップリン,ドナ・デリコ,
   アマンダ・プラマー,ジェニファー・ティリー他

2010年のカナダ/イギリスの作品で、これまた未公開。

いったん観始めたら、どんなに退屈でも途中でやめない、
早送りしもしないのがポリシーなのですが、これはツラかった。
最後までたどりついたときは嬉しさのあまり涙目になるくらい。

だけど、話としてはそんなにつまらなくもないのです。

フランスのカンヌを訪れた女流監督スカイは、
昔なじみのプロデューサーで軟派なダラスとともに、
“Plus One”(プラス・ワン=オマケ)という映画を企画中。

実現するにはとにかくカネが必要。
自分を主演させれば出資するという三流女優アンバーの起用を決めるが、
上品なイギリス人姉妹が主人公のこの映画に、彼女はおよそ似つかわしくない。

ちょうどカンヌでは国際映画祭が開催されているために、有名人がうようよ。
招待客の中に大手タレント事務所の代理人を見つけたデイブは、
ケイト・ウィンスレットとケイト・ブランシェットの出演交渉をする。
適当にあしらわれたのに、デイブはたちまちその気に。

ダブル・ケイトが出演するとなれば、銀行は融資決定、配給会社も即決。
デイブは真実性を持たせるため、制作会見を開くことに。
もちろん本物のダブル・ケイトを呼べるはずもなく、
自らが勤める製作会社に、そっくりさんの調達を依頼するのだが……。

どうです、なんとなくおもしろそうでしょ。
映画をつくるには、こんなにさまざまな肩書きの人が絡んでいて、
資金を集めるのがいかに大変なことかもわかります。
退屈しないはずの話なのに、どうしてこんなにキツかったのでしょう。

それはまちがいなく役者陣。
主演のスカイとデイブにまったく華がありません。
スカイのアップは厳しく、デイブはイーサン・ホークから品を引いたみたい。
ダブル・ケイトのそっくりさんにいたっては無茶言い過ぎ。
脇役にはそこそこ知名度のある人もいますが、
いずれも過去には華々しい活躍もあったけれど……という人で、イタイ。(;_;)

映画は役者がすべてではないと思うものの、
それなりの役者を連れてこないとツライということを
まさにこの映画が示してくれているようです。

カメラマン役のジョルディ・モリャだけがイケてます。
『ナイト&デイ』(2010)でマフィアのボス役だった人。
華があればあんなハリウッド大作のオファーも来るんですよねぇ。

『ヘルアイランド』

2011年06月20日 | 映画(は行)
『ヘルアイランド』(原題:Surviving Evil)
監督:テレンス・ドウ
出演:ビリー・ゼイン,ナタリー・メンドーサ,クリスティーナ・コール,
   ジョエル・トレ,コリン・モス,ルイーズ・バーンズ他

2009年のイギリス/南アフリカの作品。
邦題からしてB級だわと、心を躍らせてレンタル。
日本ではもちろん劇場未公開の作品で、先々週末にレンタル開始。
今週末にはセルも開始。誰が買うね~ん。

フィリピン諸島のひとつ、マヤーマン島。
この孤島を訪れた、“セブと大自然サバイバル”というTV番組のクルー。
番組に自分の名前を冠するサバイバルの達人セブをはじめ、
女性ディレクター、カメラマン、アシスタントのほか、
土着のイサログ族との交渉役を務めるガイドなど、計6名。
彼らはここで6日間のロケをおこなう。

一度降り立てば、迎えが来るまでは島から出られない。
島まで舟で送ってきた現地の兄ちゃんに同行を促すと、滅相もないという表情。
アスワングがどうたらとつぶやいて、さっさと舟で引き返してしまう。
気になったクルーのひとりがアスワングとはなんぞやと尋ねると、
この島には変幻自在の人食い族がいるらしい。
ただの迷信ですよとのガイドの言葉で、深くは考えないことにする。

深く考えないことにしたけれど、当然、その人食い族が現れます。(^^;

冒頭のテンポの良いのなんのって。
平和な島の平和な夜が映っていたかと思ったら、1分後に唐突に雨。
2分後には出産途中だった女性が化け物に襲われてギャー。
という数分間の直球型前置きがあって、クルー到着の場面へ。

セブ役は『タイタニック』(1997)でディカプリオの恋敵を演じていた、
ハゲでまつげはビシバシ長いビリー・ゼイン。
あの頃は脇役といえども、結構な数の映画に出ていたのにと、
なんだか見ているのがツラくなっていたら、
主役であるにもかかわらず、わりとあっさりお亡くなりに。
生き残らせてももらえないなんて。(T_T)

化け物の見た目がまったくイケていなくて、
だから、襲われるシーンも直視しがたいグロ系。
『プレデター』(1987)よりも『プレデターズ』(2010)とかぶります。
ただし、化け物の狙いが何なのか、どうしてそうなのかは、
一応ちゃんと納得できる理由が用意されています。
最後は『エンゼル・ハート』(1987)を思い出しました。
原題の“Surviving Evil”に、なるほど。

期待を裏切らない、やはり超B級。

シェリーと、ベイリーズと、カプチーノマシン。

2011年06月16日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
最近観た映画に出てきた飲み物いろいろ。

『メアリー&マックス』(2008)には、ふたつのお酒。

ひとつは、アル中の母親が片時も離さないシェリー酒。
彼女はとにかくシェリーしか飲まず、味見が必要な大人の飲み物と称し、
「COOKING SHERRY」と書かれた瓶ごと、ぐびぐび行きます。

もうひとつは、趣味の剥製づくりに精を出す父親が、
小屋にこもるときに持ち込むクリーム系のリキュール、ベイリーズ。
ベイリーズと薬剤を誤飲して最期を迎えます。

先週レンタル開始になった『グリーン・ホーネット』(2010)には、
すごい自家製カプチーノマシンが登場します。

大手新聞社の創業者である父親が蜂に刺されて急逝し、
社長に就任したボンクラ息子のブリット。
屋敷の使用人をばっさり解雇したところ、
翌朝、目覚めのカプチーノのあまりの不味さに仰天。

昨日までは、ラテアートまでほどこされた完璧なカプチーノだったのに、
今日のカプチーノを淹れたのは誰だと怒鳴りちらします。
昨日までは、自動車の整備工が淹れていたと知り、
なぜ整備工がコーヒーを淹れるのかと訝りつつ、呼び戻すことに。

アジア人のカトーというその整備工は、改造マニア。
ハイテクなネタ満載の車はもちろん、カプチーノマシンまでつくりあげていたのでした。
彼がカプチーノを淹れてみせてくれるのは一瞬ですが、鮮烈。

カトーは凄腕の運転手でもあり、武道の達人。
このコンビに、キャメロン・ディアス演じる秘書も絡んで、
楽しいドタバタ、アクション・コメディです。

オマケですが、先日読み終えた海堂尊の『螺鈿迷宮』。
怠惰な医学生の天満は、幼なじみの新聞記者ハコの策略にはめられ、
黒い噂の絶えない終末医療専門病院にボランティアを装って潜入。
入院患者が次々と死亡していく様子に疑念を抱くようになります。

これに出てくるのが、「飲み物いろいろ」にも書いた、
ラプサン・スーチョンという紅茶。
入院患者で紅茶好きの千花の部屋を訪れた天満に、
彼女が「奮発しちゃおうかな」と選んだのがこれ。
「馥郁(ふくいく)とした香りが漂う」となっていますが、
正露丸の香り以外の何ものでもないと、私は思うのですけれど。(^^;

未読の方は『チーム・バチスタの栄光』と『ナイチンゲールの沈黙』を読んでからどうぞ。
本作のあとは『ジェネラル・ルージュの凱旋』へとお進みください。