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『LAMB/ラム』

2022年10月13日 | 映画(ら行)
『LAMB/ラム』(原題:LAMB)
監督:ヴァルディマル・ヨハンソン
出演:ノオミ・ラパス,ヒルミル・スナイル・グドゥナソン,ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン他
 
アイスランド/スウェーデン/ポーランド作品。
 
アイスランド作品を観て「感動」したことはないと思います。たぶん。
いつも思うのは「変な映画やなぁ。変な国なんやろなぁ」ということ。
なのになんだか惹かれてしまう部分があり、
本作も絶対変態だろうと思いながら観に行ってしまった。
なんばパークスシネマにて。私みたいな人が多いのか、結構な客の入りでビックリ。
 
第94回アカデミー賞の国際長編部門にアイスランド代表作品として選出されました。
そうです、同賞を受賞したのは『ドライブ・マイ・カー』(2021)でした。
主演はノオミ・ラパス。いまだに“ミレニアム”シリーズの印象が強いけど、面白い女優です。
 
アイスランド、人里離れた山間の寂れた農場
隣近所などと呼ぶものはないような土地で、牧羊をして暮らす夫婦イングヴァルとマリア。
ある日、羊の出産に立ち会ったふたりは、生まれてきた子羊を“アダ”と名づけ、
自分たちの部屋へと連れ帰り、まるで人間の子どものように育てるのだが……。
 
アダが生まれてくるところは映らないので、
イングヴァルとマリアの表情からは出産した親羊が死んでしまったのだと思いました。
ところがそうではなくて親羊は生きているばかりか、
わが子を連れて行かれた悲しさから、窓辺に来てはメェメェと鳴きます。
 
納屋からイングヴァルがベビーベッドを持ち出したのを見て、
あぁ、この夫婦は子どもを亡くした過去があるのだとわかる。
ベビーベッドにアダを寝かせるところから、なんともいえないゾワゾワ感。
 
マリアだけが子羊をわが子に見立てるのかと思いきや、イングヴァルも同じ。
ふたりしておかしいわけですよ。
しかも、羊は羊だと思っていたら、顔だけ羊、体は人間の子どもへと変わって行くのです。
もう絶対変態映画。(^^;
 
やがてイングヴァルの弟ペートゥルが都会から帰ってきて身を寄せる。
最初は兄夫婦のおかしさに驚愕するペートゥルは、
「これは人間じゃない。羊だぞ」と兄に言うけれど、
イングヴァルは「ここに居たけりゃいくらでも居ていいから、口出しするな」と答える。
次第にペートゥルまでアダが可愛くて仕方なくなるのでした。
 
こんな話がすっきり終わるわけもなく、万人にはお薦めできません。
普通の娯楽作品しか観ない人がこれを観たら、開いた口が塞がらないことでしょう(笑)。
でもやっぱり、妙に後を引くんですよねぇ。
『ミッドサマー』(2019)などと同様に、観たことを絶対に忘れない作品です。

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