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『色男ホ・セク』

2020年06月19日 | 映画(あ行)
『色男ホ・セク』(英題:Homme Fatale)
監督:ナム・デジュン
出演:ジュノ,チョン・ソミン,チェ・グィファ,イェ・ジウォン,コンミョン,シン・ウンス他
 
コロナのせいで劇場にはまだまだ客が少ないはずなのに、
この日は営業再開後に行ったどこの劇場よりも人が多い。
韓流上映率が高いシネマート心斎橋のこと、
また人気韓流スターが出演している作品がかかっているのかなと思ったらその通り。
あらら、私が観ようとしているこれがまさにそうだったのね。
 
知らないんです、“2PM”もそのメンバーのジュノも。
そもそも2PMって何よと思ったら、韓国の男性アイドルグループらしい。
若いオトコに入れ上げてるおばちゃんらっておかしいやろと、
鼻で笑いつつ観はじめたわけですが、こりゃ入れ上げても不思議じゃないわ。
私も一瞬恋しそうになりました(笑)。
 
この邦題はどうかと思うけど、ほんとに色男。
そしてこんな邦題だけど、笑えます、泣けます。
 
李氏朝鮮、妓生(日本で言うところの芸妓)である母親のもとに生まれた男児ホ・セクは、
妓房で妓生に囲まれて育ち、妓生たちこそが家族。
青年となった彼は容姿端麗で、歩けば皆がうっとりするほど。
 
しかし母親の亡き後、彼を育ててくれた妓房の女性経営者ナンソルは、
女遊びの過ぎるセクに呆れ果て、ついに彼を放り出すことに。
 
追い出されたセクは、浮浪者同然の格好をした男ユッカブと出会い、
ユッカブを客として妓房に案内すればいいのだと思いつく。
そうすればナンソルに追い返されることもなかろうと。
 
その試みは通じたものの、セクとユッカブは泥酔してまたしてもナンソルの怒りを買う。
蔵に閉じ込められた折、妓房が経営難に陥っていることを知り、
外に出してもらう条件としてセクがナンソルに提示した案は……。
 
この時代、未亡人になろうとも貞節を守り続ける女性こそが偉い。
そういう女性は「烈女」として「烈女堂」に名を納められるのだとか。
男は妓房にかよって酒を飲んでは女遊びしているというのに。
そこに目をつけたセクがこっそりと宣伝を打ち、
自身が朝鮮初の男性妓生となって、寡婦たちの相手をすることを思いつきます。
 
男の装いで妓房を訪れた寡婦たちは、妓房の中でストレス発散。
みんなセクにぞっこんで、もう凄い(笑)。
ホストクラブもこんな感じなのかなぁ。
 
どんな女性も惚れさせてしまうセクなのに、手を出せない女性がただひとり。
セクの身分も職業も知らない若い女性ヘウォンを前にすると、
プレイボーイぶりもどこへやら、奥手の男になってしまう。
 
結ばれることはなかった恋。
最後は泣いた泣いた。切なくてたまらん。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のキス数珠繋ぎを観たときのような気持ち。
めっちゃよかったです。

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