夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ハリー・ポッター』脇役陣、この人を観るなら(その5)

2004年06月28日 | 映画(番外編:映画とこの人)
新任のルーピン先生役はデイヴィッド・シューリス。
闇の魔術に対する防衛術を教えるそうです。
19世紀を舞台にした『太陽と月に背いて』(1995)で、
詩人ランボーに惹かれるヴェルレーヌをシューリスが演じています。
ランボー役がレオナルド・ディカプリオ。
シューリスとディカプリオとの絡みのシーンはあまり見たくなかったような。
ランボーに恋い焦がれてつきまとうヴェルレーヌが
手の甲にペンを突き刺されるところは思い出すだけで痛いです。

時の大人気者と共演したことはほかにも。
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997)でブラッド・ピットとも。
ヒマラヤ最高峰に登頂したふたりの登山家がナチス統制下で捕虜収容所に送り込まれ、脱走。
その後のふたりの絆を描いた作品ですが、ディカプリオとの絡みを見たあとだと、
男の友情よりブラピへの愛を疑ってしまったりして。

『ビッグ・リボウスキ』(1998)がイチ押し。
ボウリング狂のリボウスキという男が同姓同名の大富豪とまちがわれ、家を荒らされる。
途中でまちがいに気づいたチンピラは腹いせに絨毯に小便をひっかけて帰る。
ボウリング仲間から入れ知恵されたリボウスキは、富豪に絨毯の弁償をさせることに。
この作品でシューリスは怪しげな変態ビデオアーティストを演じています。
ルーピン先生と同一人物とは思いたくないかも。

占い学のトレローニー先生役はエマ・トンプソン。
新しいところでは『ラブ・アクチュアリー』(2003)。
ヒュー・グラント演じる首相の妹で、夫の浮気を疑う主婦役。
その夫をスネイプ先生役のアラン・リックマンが演じています。
このツーショットを見たいときは、
先週DVD・ビデオレンタル開始になったところの『ラブ・アクチュアリー』をぜひどうぞ。

そしてまた、エマ・トンプソンは、
ロックハート先生役のケネス・ブラナーと一時夫婦でした。
10年ほど前に離婚して、最近別の男性と再婚しています。

ダンブルドア新校長については、ご参考までにこちらをどうぞ。

あの人とこの人が~と思いながら
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』をご覧ください。(^O^)

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『ハリー・ポッター』脇役陣、この人を観るなら(その4)

2004年06月28日 | 映画(番外編:映画とこの人)
先週末封切となった『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』、
私はまだ観てませんが、評判は上々のようですね。
前作で脇役陣が出演する映画いろいろをご紹介したので(これとかこれとかこれとか)、
今回は新しく仲間に加わった人物のご紹介を。

まず、監督に抜擢されたアルフォンソ・キュアロン。
『天国の口、終りの楽園。』(2001)の監督です。
この作品とハリポタではずいぶんイメージがちがいますが、
他国の新鋭監督がシリーズものの監督に抜擢されるって、
『エイリアン4』(1997)のジャン=ピエール・ジュネ監督みたいです。
この後、監督がどうなるか期待。

さて、アズカバンの囚人役、ゲイリー・オールドマン。
イッちゃってる悪役のなんと多いことか。
ケヴィン・コスナー主演の『JFK』(1991)では
暗殺犯に仕立てあげられるオズワルド役。
回想シーンで出てくることがほとんどでしたが、インパクトは強烈でした。

彼が一躍有名になったのは『レオン』(1994)。
凄腕の殺し屋(ジャン・レノ)のもとへ、
家族を殺された少女(アミダラ姫のナタリー・ポートマン)が転がり込んでくるこの作品で、
キレ具合抜群の悪役を演じました。

『告発』(1994)ではアルカトラズ刑務所の副所長役。
囚人を虐待しまくる極悪副所長があまりにピッタリで、直視するのも怖かったほど。

変わったところでは『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(1990)。
シェイクスピアの『ハムレット』中で
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」と報告されるだけの
ふたりの端役を主役にした作品。
オールドマンはローゼンクランツを演じています。

私生活もハチャメチャ。
離婚も一度どころじゃなく、交通事故やらアル中やら。
『キル・ビル』(2003)の主演女優ユマ・サーマンとは、
彼女がまだ20歳そこそこの頃に結婚しましたが、すぐ離婚。
彼女はそれについて後日「若気の至り」とコメントしてました。
イングリット・バーグマンの娘である、イザベラ・ロッセリーニと同棲していたことも。
「人生山あり谷あり」を地でいくような人です。

彼ひとりでこんな行数になっちゃったので、続く。

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『ゲロッパ!』

2004年06月25日 | 映画(か行)
『ゲロッパ!』
監督:井筒和幸
出演:西田敏行,常盤貴子,山本太郎, 岸辺一徳,桐谷健太他

映画監督というよりもTVタレントのイメージが強くなった井筒監督。
口もガラも悪くて、嫌いだという人も多いのでは。

でも、私は憎めない、このオッチャン。
テレビに出まくることになったきっかけを聞いて、
やっぱり嫌いになれんと思いました。
以前雑誌で読んだインタビュー記事によれば、
彼の監督作『東方見聞録』(1991)の撮影中、俳優が溺死。
そのあと製作会社が倒産して、彼は慰謝料を丸かぶりすることに。
莫大な慰謝料をひとりで払おうと思ったら、テレビに出るのがいちばん早い。

起こした事故の責任を取るのは当然だから、これが美談だとは思いません。
でも、会社まで倒産してしまったら、知らん顔して逃げだす人もいるでしょう。
「カネ払わなあかんからテレビに出とんねん」と言い切るオッチャンは
信用してもいいかもと思いました。

そんな彼の久々の本業、監督作。

羽原組の組長、羽原は、数日後に刑務所入りが決まっている。
収監前の彼が会いたいと切望するふたりの人物がいる。
25年前に生き別れた娘のかおりと、敬愛するジェームズ・ブラウン。

そんな思いを知る羽原の弟分、金山は、
来日中のジェームズ・ブラウンをただちに誘拐してくるよう、子分らに命令する。

そうとは知らない羽原は、
娘のかおりだけにはひと目会おうと、彼女の居場所を突き止める。
かおりは、モノマネ芸人を率いる芸能プロダクションの社長となっていた。
羽原はかおりの会社が興業予定のホテルへと向かう。

かたや金山から命令を受けた子分たちは
ジェームズ・ブラウン探しに奔走するうちに
興業に出演予定のジェームズ・ブラウンのそっくりさんに遭遇。
本物だと信じこんだ子分らは、そのそっくりさんを拉致する。
ここに国際犯罪も絡んでエライことに。

ベタベタだけど、私は笑ってボロ泣き。
キャストも豪勢で、金山の妻を演じる藤山直美は貫禄。
市川染五郎にポイされたあと、活躍しまくりの寺島しのぶもタクシー運転手を熱演。

画面のこちらで私がボロ泣きしてるにもかかわらず、
『探偵!ナイトスクープ』で手紙を読むだけで涙目になっている西田敏行が泣いてないのを見たときに、
さすが役者やと思いました。
大阪弁もほぼ完璧。

好きやと言うのは恥ずかしかったりする映画ですが、やっぱり憎めん。

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『女はみんな生きている』

2004年06月22日 | 映画(あ行)
『女はみんな生きている』(原題:Chaos)
監督:コリーヌ・セロー
出演:カトリーヌ・フロ,ラシダ・ブラクニ,ヴァンサン・ランドン他

『赤ちゃんに乾杯』(1985)の女性監督の作品です。
学生だった私はいたって単純に楽しみました。
しかし、当時この作品が評価されたのは、
ほんわかしたコメディながら子育てが女性だけの仕事ではないと
社会に提起したことがあったようです。

この新作の原題は“Chaos”(「混沌」の意)。
でも邦題がこれですから、ジェンダー問題満載だったらキツイなぁと思っていました。
そしたらそんな心配無用で、痛快そのもの。
男女問わず、これはぜひ。

エレーヌは平凡な主婦。
会社経営者の夫ポールの接待ディナーに今日もつきあう。

ある晩、エレーヌとポールが車で帰宅する途中、
男たちに追われている女性が助けを求めて駆け寄る。
しかし、トラブルに巻き込まれたくないポールは、女性の鼻先でドアをロックする。
結果、女性は車に頭を強く打ちつけられ、瀕死の状態のまま、通りに放置される。

女性を助けたいエレーヌだったが、
ポールは血のついた車を早く洗いたくてたまらない。
騒ぎで駆けつけたパトカーを見て、その場を走り去るのだった。

翌日、じっとしていられないエレーヌは、
片っ端から病院に電話をかけ、昨日の女性の居場所を突き止める。
彼女は娼婦で、名前をノエミというらしい。
何らかの理由で組織に追われているようだ。
昏睡状態の彼女をエレーヌはつきっきりで介護する。

やがて、彼女の生存を知った男たちが病院に現れて……。

登場人物がみんな愛らしい。
笑っちゃうぐらい嫌なヤツのポール。
女遊びに忙しい息子のファブリス。
自分の母親を煙たがるのはどの息子も一緒。
自分の母親と妻は折り合いが悪いと勝手に信じ、
妻が家出をしたときに、母親のところにだけはいくわけがないと思い込んでるのもおもしろい。

サスペンスながらお笑いもたっぷり、台詞も楽しく、
スピード感に溢れる逸品です。

さすがフランスだと思ったのは、
食事できるようになったノエミにエレーヌが食べたいものを尋ねるシーン。
「リンゴのコンポートを試してみる?
 それともフロマージュ・ブラン?
 クレーム・オ・ショコラ?」
日本ならせいぜい「ヨーグルト?プリン?ゼリー?」、
それとも「水羊羹?ところてん?」。

妻不在でチーズおろし器が探せず、
粉チーズで妥協する父子の会話もさすが?

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『10億分の1の男』

2004年06月17日 | 映画(さ行)
『10億分の1の男』(原題:Intacto)
監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ
出演:レオナルド・スバラグリア,ユウセビオ・ポンセラ他

昔から、私はツイてて、人の運を奪ってるのではと思ってました。
たとえば、うちの弟は、絶対大丈夫と言われていた高校をすべり、大学にも2浪。
私のほうは浪人覚悟だったのに、適当に受けた大学になんでか合格。
入学後つきあい始めた現ダンナはといえば、卒業までに8年を費やす始末。

以前、弟にそれを話したら、アホかと笑われました。
それでなんとなくホッとして、
最近は、私といるとエエことあるで、と思ってます。
宝くじが当たるなんてことはなし、
めっちゃちんまいエエことですけど。

で、これは「運」についての映画です。
昨年公開の2001年のスペイン作品。

砂漠のカジノ。
ルーレットで勝ちまくる男性客。
その様子をモニターでチェックする警備員。
知らせを受けたフェデリコは、客のもとへ向かう。
そっと客の肩に手を置き、「すみません、人違いでした」。
すると、その瞬間から客は勝てなくなる。

フェデリコはツキのある人に触れることで
その人の運を奪い取る能力を持っているのだ。

カジノの地下にはボスのサムがいる。
彼はフェデリコにこの能力を与えた男。
ところがフェデリコは、ここを出ていくと言う。
恩知らずのフェデリコに近づいたサムは、フェデリコを抱きしめて能力を奪う。
荒野に放り出されるフェデリコ。

7年が経過した日、飛行機の墜落事故が起こる。
唯一の生存者は強盗犯のトマスだった。
警察が監視するなか、保険会社員を装ってフェデリコが訪れる。
獄中では保険金の使い道もないだろうから、一緒にゲームをしないか、
もし話に乗るなら逃がしてやる、と。
こうして、運だめしのゲームへの参加を決めるトマス。

アイデアがあっぱれ。
ゲームの参加資格は強運であることのみ。
一度も怪我をしたことのない闘牛士も登場。
賭けるのは現金以外。指なんてのもあり。
ゲームの内容もすごいです。
密室で頭に糖蜜を垂らし、巨大な虫が誰の頭に止まるか。
林の中を目隠しをしたまま全力疾走で競走。

サム役のマックス・フォン・シドーは『エクソシスト』(1973)のメリル神父。
そらツキも味方するでしょ。

強運ゆえの人生いろいろ。
愛してないと言えなくて、家族を救えなかった人、
愛してないと言うことで、恋人を救った人。
無償の愛に勝るものなし。

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