夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『クワイエット・プレイス』

2018年10月12日 | 映画(か行)
『クワイエット・プレイス』(原題:A Quiet Place)
監督:ジョン・クラシンスキー
出演:エミリー・ブラント,ジョン・クラシンスキー,ミリセント・シモンズ,ノア・ジュープ他

仕事帰りに109シネマズ大阪エキスポシティで2本ハシゴの2本目。

前述の『クレイジー・リッチ!』の予告編を公開前にほとんど観なかったのに比べ、
本作は劇場に行くたびに予告編が流れていたように思います。
そのおかげなのか、平日の夜にも関わらず(といっても金曜日ですが)結構な客の入り。
オンライン予約でエグゼクティブシートを確保して臨みました。

『ドント・ブリーズ』(2016)のような怖さを期待していましたが、
うーん、あっちのほうがだいぶ怖かった。
この1週間寝不足気味だったのもあるけれど、時折睡魔に襲われる。ホラーなのに。
そういえば、これでも睡魔に襲われました。
あれほど苦手だったホラーだけど、耐性ができすぎてしまったか。(^^;

舞台は近未来も近未来、2020年という設定のようです。

宇宙からやってきた怪物のせいで地球は壊滅状態に。
その怪物は目が見えないものの、鋭い嗅覚を有し、
音が聞こえるや否や獲物のもとへ駆けつけて食い散らかす。
音を立てたが最後、その人間は怪物の餌食となるのだ。

なんとか生き延びているアボット一家。
父親リー、母親イヴリン、長女リーガン、長男マーカス。
かつては5人家族だったが、次男ビューが不用意に立てたおもちゃの音で怪物の餌食に。
悲嘆しつつもほぼ一年が経過、音を立てずに暮らし続けている。
声も出せないから、もともと聴覚障害のあるリーガンに習い、家族の会話は手話。

ビューの死は自分のせいだと考えているリーガンは、
そうではないとリーから言い聞かせられても納得できない。
次第にリーとリーガンの間には溝ができ、リーガンは自ら孤立してゆく。

ある日、リーがマーカスを連れて食糧を入手しに出かける。
妊娠中のイヴリンの様子を見るようリーから言いつけられたリーガンだが、
出かけるさいの同行者に自分ではなくマーカスが選ばれたことが面白くない。
外でふてくされている間に、イヴリンが室内で物音を立ててしまい……。

イヴリン役にエミリー・ブラント
監督であり、リー役でもあるジョン・クラシンスキーは彼女の実の夫。
低予算で映画を撮るにはギャラを抑えるのがいちばんなのか、
売れっ子の妻みずから主演を張る形。

サプライズヒットを飛ばしただけあって、面白いのは面白いのですけれど。
でもね、音を立てたらあかんというときに、なんで子どもつくるねん。
産声あげたら怪物がダッシュしてくるに決まってるがな。
生まれたら黙って育つわけでもなし、赤ちゃんが泣くのをどうやって止めるねん。
冒頭のビューが亡くなるシーンから切り替わって四百数十日後、
お腹の大きいイヴリンの姿が映ったときは目が点になりました。
こんななかでも命は生まれる、育つということにしたいのでしょうが、
この夫婦、たくましいのかアホなのかと苦笑してしまいました。
リーガン役のミリセント・シモンズは実際に聴覚障害者だそうで、
彼女の設定はよかったし、彼女の演技もよかったです。

批評家は絶賛しているそうで、へ~。
『テイク・シェルター』(2011)と比べたりもされているようですが、
私は『テイク・シェルター』のほうが面白かったかな。
父親役だったマイケル・シャノンがイッちゃってましたしね。

う~ん、ちょっと期待しすぎました。

『クレイジー・リッチ!』

2018年10月11日 | 映画(か行)
『クレイジー・リッチ!』(原題:Crazy Rich Asians)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:コンスタンス・ウー,ヘンリー・ゴールディング,ミシェル・ヨー,
   アウクワフィナ,ケン・チョン,ソノヤ・ミズノ,ジミー・O・ヤン他

もう10月も半ばになろうとしていますが、まだ9月に観た映画の話です。

9月最後の金曜日、ダンナが飲み会へ。
飲む相手を考えると帰りはおそらく終電近くになると予想され、
ならば私は終業後に2本観ても大丈夫だろうと思いました。
体力のことを考えると1本にしておきたかったのですが、
観たい作品が公開されたばかりのときにチャンスがあるなら観ておかないと
いつ何が起こって観逃してしまうかわからない。

原作はケヴィン・クワンの世界的ベストセラー『クレイジー・リッチ・アジアンズ』。
この映画版もアメリカで大ヒット、批評家にもベタ褒めされているようです。
でもこれは日本で客を呼び込むのは難しい。
そもそも宣伝をほとんど見かけません。
そのわりに大きめのシアターが用意されていて、ものすごい違和感。
封切りだったこの日、109シネマズ大阪エキスポシティの350席以上のシアターに
客は私ともうひとりのみでしたから。もったいない。

てな様子で、かなり残念な興行になりそうですが、私は非常に楽しかった。
中国資本の作品が激増しているとはいえ、
派手なアクションなしのハリウッド作品は珍しい。
キャストは全員アジア系、中国語と英語どちらも激しく飛び交います。
移民のコミュニティに興味のある人にはオススメ。

ニューヨークで生まれ育った中国系アメリカ人のレイチェル。
全米トップクラスのニューヨーク大学で経済学の教鞭を執る才女。
恋人は中国系シンガポール人のニック。

ニックが親友コリンから結婚式の招待を受け、
家族に紹介しがてら故郷へレイチェルを連れて行きたいという。
レイチェルは喜んで同行することに。

シンガポールへ向かう飛行機に搭乗したレイチェルは
ファーストクラスへ案内されてビックリ。
だって、ニックはいたって普通の金銭感覚の持ち主のはず。
ファーストクラスなんて何かの間違い。
しかしニックは飛行機会社が実家の取引先だからと平然とした顔。
実は彼は世界有数の不動産王の御曹司だったのだ。

シンガポールへ到着したレイチェルとニックは、
空港でコリンと結婚相手のアラミンタから温かく迎えられる。

ところが、ほかの面々はレイチェルを歓迎するつもりがないらしい。
イケメンで金持ちのニックをかすめ取って行った女がレイチェル、そんな認識。
独身セレブ女子たちの激しい嫉妬を買ったばかりか、
ニックの母親エレノアからも辛く当たられて……。

もともとハリウッドで映画化の話が浮上したとき、
キャストに白人を起用することの是非で揉めたそうです。
白人以外の役柄に白人をキャスティングする(=ホワイトウォッシング)、
黒人以外の役柄に黒人をキャスティングする(=ブラックウォッシング)、
性同一性障害の役柄に性同一性障害でない俳優をキャスティングする、
映画界にはいろいろと揉める要素があるようで。

本作では結局全員アジア系俳優をキャスティングすることに落ち着いたけれど、
そうなったらなったでまた新たに揉める。
アジア系っちゅうても中国系、韓国系、日系、マレーシア系などなどさまざま。
原作では何系なのに、映画はそれ系とちゃうやん、てな感じで。
いやもう何でもええがな、あかんのんかいなと思ったりも(笑)。

会話も面白いのですが、ホンマの金持ちってこんなんなんやと驚くばかり。
「クレイジー・リッチ」って、「あり得ないぐらいの金持ち」という意味なのですよね。
金持ちにもいろんな金持ちがいて、由緒正しい金持ちもいれば、成り上がり的金持ちもいる。
セレブの世界を垣間見ることができて興奮しました。

金持ちに意地悪されて凹んでも負けないヒロイン。
そりゃ応援したくなるというものです。
知的好奇心をくすぐられる楽しい作品でした。

麻雀をナメとったらアカンでぇ。

『きみの鳥はうたえる』

2018年10月07日 | 映画(か行)
『きみの鳥はうたえる』
監督:三宅唱
出演:柄本佑,石橋静河,染谷将太,足立智充,山本亜依,
   柴田貴哉,水間ロン,渡辺真起子,萩原聖人他

大阪ステーションシティシネマで『判決、ふたつの希望』を観終わってから10分もない。
最短距離を小走りで突き進み、ぜぇぜぇ言いながらテアトル梅田へ到着。
オンライン予約していた出入り口脇の端っこ席へ。

佐藤泰志といえば函館。
函館三部作として公開された『海炭市叙景』(2010)、『そこのみにて光輝く』(2013)、
『オーバー・フェンス』(2016)はいずれも異なる監督がメガホンを撮りました。
本作もまた別の監督が、函館シネマアイリス開館20周年記念作品として撮ったとのこと。

天童荒太『悼む人』(2014)の原作を読む前、
長らく積んでいた本を何度も見ていたはずなのに、『恨む人』だと思い込んでいました。
そして本作の原作もずっと積読の山の中。
この映画を観るまで『きみの鳥はうろたえる』だと勘違いしていました。
上映スケジュールを調べるときに「うたえる」とあるのを見て誤字だと思ってしまった。
そして観終わった今、「うろたえる」でもいいんじゃなかろうかと思ったりもして。(^^;

書店のアルバイト店員である「僕」(柄本佑)は、
失業中の静雄(染谷将太)とルームシェアしている。
気ままな僕は、アルバイトを無断欠勤することもしょっちゅう。
代わりに呼び出される同僚の森口(足立智充)は腹を立てているようだが、
店長(萩原聖人)は僕を軽く諫めるだけで特に怒りもしない。

ある日、店長とデキているらしい同僚の佐知子(石橋静河)に誘われる。
僕は彼女との約束をすっぽかすが、以来なんとなくつきあうように。
静雄との生活に佐知子も加わり、3人は夜通し飲み明かすのだが……。

3連休の間、ここまでに観た映画は7本、これが8本目でした。
疲れていても睡魔に襲われる作品はなかったのに、すみません、これは一瞬寝ました。

出てくる人みんなだらしない。
共感できる人もただひとりとしていなくて、かといってイライラするほどでもない。
この人たち、この先どうなるんだろうと心配する気も起きません。

原作をまだ読んでいないので、佐藤泰志が描いていたのも同じ世界だったのかどうか。
本作のLINEでやりとりするシーンなどは、原作が執筆された1980年代には当然ないから、
今に置き換えたことでどう空気が変わっているのか気になります。

ちょっと退屈だったなぁ、寝ちゃったなぁと思いつつも、
佐藤泰志の映画化作品を観ると、この人が41歳で自殺してしまったことが
必ず思い起こされてしまうからつらいのです。
世の中を、自分を、彼はどんなふうに見ていたんだろう。

「僕」が佐知子のことを「おまえ」呼ばわりするのが似合わなくて、
なんとなく「君」と呼ぶほうが合っているのにと思っていましたが、
ラスト間際のシーンを見るとわざとだったか。

人間って、面倒くさいのは嫌だと言いながら
どうして面倒くさいほうばかり選んでしまうのでしょう。

などと、鑑賞後数日経ってから振り返ることが多くて、不思議な作品です。

『コーヒーが冷めないうちに』

2018年09月29日 | 映画(か行)
『コーヒーが冷めないうちに』
監督:塚原あゆ子
出演:有村架純,健太郎,波瑠,林遣都,深水元基,松本若菜,
   薬師丸ひろ子,吉田羊,松重豊,石田ゆり子他

3連休はやっぱり嬉しい。9月2度目の3連休、初日は祇園で晩ごはん
それまで映画を4本観る計画を立てて、久々にTOHOシネマズ二条へ
4本ハシゴのまずは1本目。

原作を読んでから観ようとしたら、まだ文庫化されていないそうで。
すみません。単行本は持ち歩けないのでめったに買いません。
読むのは文庫になってからにしちゃいます。

昔ながらの喫茶店“フニクリフニクラ”。
店主・時田流(深水元基)とともにその姪・数(有村架純)が働いている。

この店には都市伝説がある。
それは店内のある席に座ってコーヒーを注文すれば、
自分の望む過去の時間に戻れるというもの。
ただし、そのとき過去に戻って何かを成し遂げたところで、現実は変わらない。
しかも過去に戻れるのはコーヒーが冷めるまでの間だけ。
冷めるまでに飲み干さなければ、現実に帰れずに幽霊となるらしい。

噂を聞きつけた人びとがやってきて試そうとするが、
その席にはいつも同じ女性客(石田ゆり子)が座っている。
誰とも話さず、ただ読書をしている彼女は、お手洗いに行くのか、一日に数回だけ席を立つ。
その隙を狙って席に座り、数の淹れたコーヒーを飲んだ客たちは……。

幼なじみの男性(林遣都)と喧嘩別れした女性(波瑠)。
若年性アルツハイマーの妻(薬師丸ひろ子)を毎日迎えにくる看護師の夫(松重豊)。
実家の老舗旅館を飛び出してきた姉(吉田羊)は
たびたび会いにくる妹(松本若菜)を避けつづけている。

面と向かうことをしないまま、話をすることができなくなった相手。
悔いなく生きてきたつもりでも、相手がいなくなってしまうと、
途端にあのとき会えばよかった、話しておけばよかったとよぎる後悔の念。

母親に捨てられたと思い込んでいる数ですが、
そんなことがあろうはずもないと観客は最初からわかるだろうから、
母娘の再会シーンにはあまり心が動きません。
弱々しい有村架純の笑顔も『ナラタージュ』のときと同じに思えてしまう。
数の恋人役の健太郎も『ルームロンダリング』のときのほうが好きだなぁ。
ゆえに、4回泣けますとの触れ込みですが、そんなには泣けない(笑)。
ただ、松重豊と薬師丸ひろ子のシーンは堪らず涙。
それと、松本若菜の「お姉ちゃん!」と笑う顔にも泣かされました。

やっぱり言わなわからんと思いませんか。

そうそう、いい話に水を差すようですが、
「コーヒーが冷める」って、どの時点で冷めるというのか気になって仕方なくて。
冷めると温度計が知らせてくれることになっているけれど、
ピピッて鳴ってからそんなに時間経っても大丈夫なん?「冷めきる」までOK?
こんなんみんな幽霊になってしまうやんと心配しました。

『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』

2018年09月22日 | 映画(か行)
『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』
監督:牛嶋新一郎
声の出演:高杉真宙,Lynn,藤井ゆきよ,内田雄馬,
     三木眞一郎,田中敦子,福島潤,和久井映見他

先週の3連休の中日、夕方ダンナと心斎橋で待ち合わせ。
ミナミへ車を運転して行くのは嫌やなぁとダンナが言うから、私が車を使うことに。
夕方までになんばで2本、心斎橋で1本観る予定を立て、
朝8時過ぎに家を出て、心斎橋のタイムズに車を駐めました。
まだまだ「大阪メトロ」と言うことに慣れない地下鉄、
心斎橋からなんばまで乗るべきか迷ったけれど、
駐車したタイムズから心斎橋まで歩くのとなんばまで歩くのとを比べたら、
さほど変わるわけではない。時間もあったのでなんばまでテクテク。

台風の影響で激減していた外国人観光客。
前週になんばへ行ったときは、そのせいで最近のミナミと違っていましたが、
この週はもうほとんど元通りのミナミ
よくもそんなデカいスーツケースをごろごろと引っ張って歩けるものです。(^^;
彼らの隙を縫いながら歩いてTOHOシネマズなんば別館に到着。

実写版『君の膵臓をたべたい』(2017)のアニメ版。
原作は実写版を観る前に読了しています。
たぶん、このアニメ版を観る人は、原作か実写版、
もしくはコミックのいずれかで『キミスイ』を体験している人だと思うので、
ネタバレにはならないと決めつけて。

アニメ版は桜良がすでに死んだ後、「君」が彼女に送ったメールの一文から始まります。
それが「君の膵臓をたべたい」なわけですけれど。
隣席の高校生男子二人連れは、「え、ここからなん?」と驚いていました。
私も「へ~」と意外に思いましたが、基本的には原作に忠実で、
実写版のように桜良の親友・恭子の結婚式や、教師になった「君」のシーンも無し。

絵も嫌いじゃないし、胸を打たれるシーンもありました。
しかしアマノジャクだから、些細なことが気にかかる(笑)。
たとえば、実にしょうもないことなのですが、
カフェのメニューの「アボガド」は「アボカド」のほうがいいよなぁとか。
同級生やったら名前ぐらい知らんかなぁとか。下の名前までは知らないか。
君はこんなにも読書家なのに、「まだ未読」などという重複を平気で使うのかとか。
「お門違いでしょうが、泣いてもいいですか」というのもなんとなく気持ち悪い。
間違ってはいない気もするものの、
「こんなこと聞くのはお門違いかもしれませんが」だったら違和感なかったかも。
いや、高校生男子が同級生の母親に向かって「お門違いでしょうが」というのはやはり違和感あります。

いやはや、面倒くさいですよね、私。すみません。(^^;
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を観たときに続き、
「まだ未読」なんて台詞を言わされて「重複です」とは指摘できないものですか。
正しい言葉だけが大事だと言いたいのではありません。崩したってかまわない。
でも、重複は崩す以前の問題で、こんなの洒落にも何もならないもの。
映像を大切にする度合いに対して、台詞の言葉遣いを大切にする度合いが低い。
そんなことを感じる今日この頃です。

ちなみにこの日のTOHOシネマズなんば別館では、入場開始時に
「ただいまから『君の膵臓をたべたい』をご入場します」と繰り返しアナウンスしていました。
「ご入場します」って、誰が? その「ご」は誰に向けて付けられているの?
ズッコケそうになったっちゅうの。