夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ニセコイ』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の12本目@伊丹)

2019年01月02日 | 映画(な行)
『ニセコイ』
監督:河合勇人
出演:中島健人,中条あやみ,池間夏海,島崎遥香,岸優太,青野楓,河村花,
   GENKING,松本まりか,丸山智己,加藤諒,団時朗,宅麻伸,DAIGO他

中断していた2018年の暮れに劇場で観た作品のレビューを再開します。

12月の第4週、翌日ダンナがタイ出張から帰国するという金曜日。
最後のチャンスだから『ボヘミアン・ラプソディ』応援上映を西宮で観たかった。
その気満々で終業後に西へ向かって車を走らせたのですが、
師走の夕刻の道路はあっちもこっちも大渋滞。
18:30に西宮北口にはとてもたどり着けそうになくて断念し、
伊丹で18:20上映開始の本作を観ることにしました。

原作は古味直志の同名コミック。
『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』(2017)や
『兄に愛されすぎて困ってます』(2017)の河合勇人監督が実写映画化。

集英組というヤクザの一人息子として生まれた一条楽(中島健人)。
普通の高校生活を送りたいのに、組員たちから「二代目」と呼ばれ、
学校へはもちろんのこと、どこへ行くにも彼らが護衛についてくる。
そんな彼に普通に声をかけてくれる同級生・小野寺小咲(池間夏海)に
ひそかに想いを寄せているのだが、打ち明けることができない。

ある日、組長で父親の一征(宅麻伸)から呼び出され、
ビーハイブというギャング組織との対立について聞かされる。
一征とビーハイブのボスであるアーデルト桐崎(団時朗)が会談し、
子分たちの暴走を鎮めるために一策を講じることで意見が一致。

その策とは、楽とアーデルトの一人娘・千棘(中条あやみ)が恋仲であると
子分たちに思い込ませるというもの。
彼らが坊ちゃん嬢ちゃんと可愛がる楽と千棘がつきあっているとなれば、
両者はおとなしく見守るしかない。

それ以前に学校で最悪の出会いを果たしていたふたりだったが、
親の言いつけどおりにラブラブのふりをするしかなくなり……。

去年はなかなかキュンキュンできる高校生の青春ラブストーリーに出会えませんでした。
そんななかでこれはわりとマシだったようにも思いますが、それでもキュンキュンには程遠い。
そもそもこの年齢になって高校生を見てキュンキュンしようというのが間違いか(笑)。

文化祭で演じることになった“ロミオとジュリエット”
これが凄いセットで、高校の文化祭でこんなステージは無理だよねと冷ややかに。
ヤクザやギャングが観覧する様子はまぁ可笑しかったけれど。

かつて、ダンナの同級生にヤクザの息子がいました。
その話が相当可笑しかったから、本作を観るといろいろ思い出し笑い。
ヤクザの息子がみんなと普通につきあいたいと思うのはわかる。
でもやっぱり無理でしょう、だってヤクザなんだから。(^^;

今年観た映画50音順〈な行〉

2018年12月28日 | 映画(な行)
《な》
『ナインイレヴン 運命を分けた日』(原題:9/11)
2017年のアメリカ作品。
ちょっと過去の人になってしまった感のある俳優たちの共演。
2001年9月11日、ニューヨーク。
ウォール街の実力者で億万長者のジェフリー(チャーリー・シーン)と、
その妻イヴ(ジーナ・ガーション)は早朝から離婚調停の席へ。
ワールドトレードセンタービル、ノースタワーのエレベーターに乗り込むが、
飛行機がビルに突っ込んでエレベーターは緊急停止。
偶然乗り合わせたビルの保全技術者エディ(ルイス・ガスマン)は、
コントロール室にいるメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)に連絡を取り、
エレベーターのドアロックを解除しようとするのだが……。
結局は全員助かるのかと思ったら、ジェフリーだけは取り残されます。
実際こういう光景が多く見られたのかもしれません。

《に》
『ニューヨーク、愛を探して』(原題:Mothers and Daughters)
2016年のアメリカ作品。“未体験ゾーンの映画たち 2018”にて上映。
原題が示すとおり、複数の母娘の群像劇。
不倫相手から別れを告げられた直後に妊娠が発覚したり、
夢を追いつづける男と同棲中に子どもができたり、
母親だと思っていた人が実は祖母で、姉だと思っていた人が母親だと聞かされたり、
若気の至りで出産し、里子に出した娘から23年経って連絡が来たり。
登場人物はいずれも、予期せぬ妊娠をした女性とその母親。
セルマ・ブレアスーザン・サランドンシャロン・ストーン
コートニー・コックス、クリスティーナ・リッチミラ・ソルヴィノなど、
かなり豪華なキャストですが、普通に公開されなかったのもわかる地味さ。
DVDで観るには良い作品だと思います。
私が本作を観ているときに、ダンナがセルマ・ブレアを指さして、
「これってミラ・ジョヴォヴィッチ?」と聞いてきたのが面白かった。全然ちゃうで。

《ぬ》
なし(泣)。

《ね》
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(原題:Neruda)
2016年のチリ/アルゼンチン/フランス/スペイン作品。
パブロ・ネルーダ。ノーベル文学賞を受賞した詩人で、
チリの国民的英雄でありながら、政治犯として追われる身となった彼の逃亡劇。
ネルーダを知らないうえに、詩的な演出にまったく乗れず、
ただただ観ているのが苦痛でした。
ネルーダを追う警官役にガエル・ガルシア・ベルナル
ちょっと見ないうちに、別に太っても痩せてもいないのに別人みたい。
このところ政治的な作品への出演が多いようですが、
私は彼の青春映画のほうが好きだなぁ。
というのか、政治的な映画は難しすぎてついていけない。
もっとアホにも興味が持てるような作品はないものでしょうか。

《の》
『ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち』(原題:Nocturnal Animals)
2016年のアメリカ作品。
『シングルマン』(2009)で映画監督デビューを果たし、
高い評価を受けた一流デザイナー、トム・フォードの監督2作目。
原作はオースティン・ライトのベストセラー小説『ミステリ原稿』。
劇場公開時のタイトルは『ノクターナル・アニマルズ』でしたが、
DVD化に当たって『夜の獣たち』というサブタイトルが追加されました。
アートディーラーとして成功を収めているスーザン(エイミー・アダムス)のもとへ、
大学院生時代に結婚していた元夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から
彼の著作『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』が送られてくる。
スーザンへの献辞が書かれたその小説に困惑しながらも読み始めるのだが……。
小説の中で起きている出来事と現実の映像が巧妙に組み合わされ、
トム・フォードの非凡さを大いに感じます。
小説の中の刑事役で登場するマイケル・シャノンがまたしても快演。
この人、ほんとに面白い俳優だなぁ。
悪役で登場するアーロン・テイラー=ジョンソンは、
19歳のときに23歳上の女性監督と結婚して話題になりました。そんな彼も28歳に。
イケメンだけど、ニヤケ顔のものすごく悪い奴にしか見えない人になってます(笑)。

『人魚の眠る家』

2018年11月23日 | 映画(な行)
『人魚の眠る家』
監督:堤幸彦
出演:篠原涼子,西島秀俊,坂口健太郎,川栄李奈,山口紗弥加,
   田中哲司,稲垣来泉,斎藤汰鷹,荒川梨杏,田中泯,松坂慶子他

TOHOシネマズ伊丹にて。

原作を読んだときのレビューはこちら
非常に難しい問題で、470ページ近くあるのに、さくさく読ませるのはさすが東野圭吾
「ただ、一気に読んで感動がないと虚しさも倍増」という、私の友人の評にものすごく同意します。

大きな邸に暮らす播磨薫子(篠原涼子)。
IT機器メーカー社長の夫・和昌(西島秀俊)とは別居中で、まもなく離婚する予定。
すぐに離婚しないのは、長女・瑞穂(稲垣来泉)の小学校受験があるから。

模擬面接の最中に和昌の携帯が鳴り、目くじらを立てる薫子。
ところがそれは信じられない知らせだった。
模擬面接中の瑞穂と長男・生人(斎藤汰鷹)の世話を頼んだ薫子の母親(松坂慶子)が
プールでちょっと目を離した隙に、瑞穂が溺れたというのだ。

病院に駆けつけ、担当医師・進藤(田中哲司)の言葉に愕然。
瑞穂の心臓はまだ動いているが、おそらく脳死状態で回復する見込みはないと。
日本の法律では、臓器提供の意思があるならば脳死判定をおこない、
意思がなければ脳死判定はおこなわず、心肺停止を待つとのこと。
本人の意思は確認できないから、親が判断するしかない。

優しい子だから、きっと自分の臓器を提供したいと言っただろう。
そう考えた薫子と和昌は臓器提供すると決める。
しかし脳死判定の段になり、握っていた瑞穂の手がわずかに動く。
この子はまだ死んでいない、そう感じた薫子は翻意する。

意識不明のまま、状態の安定した瑞穂を家に連れ帰る。
ちょうど身体に障害を持つ人のためのロボットを開発中だった和昌の会社には、
患者にロボットを使わせるのではなく、
患者本人の体を動かすことを研究している星野(坂口健太郎)がいた。
和昌は瑞穂の体を動かせないだろうかと星野に相談。
以降、星野は連日播磨家を訪れて、研究を進める。

眠ったままの瑞穂が、星野のおかげで手足を動かせるようになり、薫子は大喜び。
その行動が和昌の父親(田中泯)には常軌を逸していると感じられる。
なんとか話を合わせる薫子の妹・美晴(山口紗弥加)やその娘・若葉(荒川梨杏)だったが……。

堤幸彦監督なので、音楽も含めていろいろな点でわかりやすい。
ここは泣くところですよとわざわざ教えてくれている感じ。
ただ、私にはそういうシーンの大人たちの演技が大げさに思えて、
泣くどころか冷めてしまいました。
篠原涼子の演技が熱量を帯びれば帯びるほど、こちらは冷める。

大人たちと書きましたが、田中泯と松坂慶子はさすが。重みがある。
そして子どもたちの演技にはしっかり泣かされます。
眠ったまま、まつげ一本動かさない瑞穂役の稲垣来泉ちゃん。
その弟の微妙な気持ちを体現する斎藤汰鷹くん。
目の前でいとこが溺れてしまった若葉役の荒川梨杏ちゃん。
大人が泣き叫ぶのを見ても泣けなかったけれど、
子どもたちが心を痛め、懸命に話すシーンはそりゃもう涙。

ここからはネタバレを含む。

原作で存在感のあった教師が映画には出てきません。
募金活動に関わるのも、原作では薫子でしたが、映画では和昌。
星野にしばしばデートをドタキャンされるようになった恋人・真緒(川栄李奈)が
わざわざ和昌に会いに行くシーンも確か映画オリジナル。
「その先には何があるんですか」という真緒の言葉が心に残っています。

「死んでいる」子どもにかまいすぎて、「生きている」子どもたちの気持ちが放っておかれていると思う反面、
脳は死んでも心臓は動いているわが子を本当に死んでいるとあきらめられるかどうかはわからない。

目を閉じたままの娘を散歩に連れ出す薫子の行動はほとんどホラーですが、
その行動の意図が最後にわかるのも映画オリジナル。
狂った母親のように見えて、実は考えたうえでの行動だったんだなぁ。

原作を読まずに観に行った人の中には、奇跡が起きると信じていた方も多かったかも。
奇跡は起きずとも万人受けしそうですが、大げさな演技が私はちょっと。
子どものために狂うことができるのは母親だけ、きっとその言葉どおりだと思うから、
実際にこういう立場になった母親は、こうして大げさと感じる以上になるのかもしれません。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』

2018年10月29日 | 映画(な行)
『ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生』(原題:解憂雑貨店)
監督:ハン・ジェ
出演:ワン・ジュンカイ,ディリラバ,ドン・ズージェン,チン・ハオ,
   リー・ホンチー,チェン・ドゥーリン,ハオ・レイ,ジャッキー・チェン他

『ファイティン!』に続き、シネマート心斎橋のまったく同じ席で。

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が日本で映画化、公開されたのは去年9月。
これはそのリメイクなのだと思っていたら、去年の12月に中国で公開されていました。
チラシによれば、中国での東野圭吾の人気は凄まじいらしく、
海外の小説家の中では“ハリー・ポッター”シリーズのJ・K・ローリングを抜いて1位とか。
そりゃ映画化もされるわけですね。

日本版とあらすじはほぼ同じです。というのか原作と大筋では同じ。
舞台となる年が2017年と1993年であるのが日本版とは異なり、
また、原作中の取り上げるエピソードが日本版とは若干違います。

日本版では成海璃子が出てくるシーンに違和感をおぼえ、
これは要らないだろうと思いましたが、中国版では無し。これはよかった。

エピソードを絞ったのもよかったと思うのですが、
それゆえなのか、盛り上がりには欠けます。
淡々としすぎているようにも思うし、だからと言ってお涙頂戴に走られても嫌だし、
ちょうど良い加減ってむずかしい。物足りなく感じたのは事実。

日本版では西田敏行が演じたナミヤの店主を
中国版ではジャッキー・チェンが演じています。
アクションシーンのないジャッキーを見られるのは貴重ですかね。

25年前の自分と手紙のやりとりはしてみたい気がする。

『2001年宇宙の旅』

2018年10月27日 | 映画(な行)
『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・デュリア,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルヴェスター,
   ダニエル・リクター,レナード・ロシター,マーガレット・タイザック他
声の出演:ダグラス・レイン

TOHOシネマズなんばにて、前述の『億男』とハシゴ。

1968年に公開され、映画史上のベストランキングでは必ず上位にある作品。
現在あちこちの劇場でIMAX版を上映中。
学生時代にビデオやDVDで観たことはもちろんあるけれど、
劇場で観る機会はこれまでにありませんでした。絶対観なくては。

IMAX版の映画は、たいてい109シネマズで観ていました。
今回も109シネマズで観ようと思ったのですが、上映時間が2時間半超。
マイルを貯めなきゃ損でしょ、これは。
そんなわけで、なんばのIMAXシアターを初体験。
と思ったら、このときにすでに体験しているじゃあないか。(^^;

人類の夜明け、お猿さんがワヤワヤしているシーン。
その前に突然モノリス(=石柱状の謎の物体)が現れます。
モノリスに触れたお猿さんが骨を武器にすることを悟り、
ほかのお猿さんを骨で殴り殺します。
空高く放り投げられた骨は、あらら、宇宙船に変わるのでした。
そして舞台は一転、宇宙へ。BGMは壮大なクラシック音楽。
『美しき青きドナウ』や『ツァラトゥストラはかく語りき』とかが。

……意味わかりませんよね。何度観てもわかりません。
でもわからなすぎて凝視してしまうという(笑)。

木星探査船ディスカバリー号。
乗組員は5名だけれど、そのうち3名が人工冬眠中だから、
起きているのは船長デヴィッドとフランクの2名のみ。
船内の淡々とした日常に、懸念されたことですが、私は睡魔に襲われる。
劇場で観る最後の機会かも知れないから目を大きく開いて、と決めていたのに。
目がパシッと開いたのは、HAL9000がおかしくなってから。

人工知能を備えた完全無欠のコンピュータ、HAL。
「なんたらユニットが72時間以内に故障する」というHALの主張に沿い、
デヴィッドとフランクは当該ユニットをくまなくチェックしたのに、どこも変じゃない。
そこでふたりは思うのです、HALが間違っているんじゃないかと。

だったらHALを切断しないと危険なわけですが、
HALは過去にミスしたことがないから、おまえのミスだと言われたうえに
切断するなんて聞かされたらどんな反応をするだろう。
ヤバイよ、HAL本人には言わずに切断するしかないよ、なんて密談を、
HALには聞こえないようにふたりはするのですけれど、
HALはふたりの口の動きだけで密談の内容を読み取ってしまうのです。

宇宙船のすべてを仕切るHALが怒るとどうなるのか。
こりゃもうホラーです。怖いのなんのって。
コンピュータをつくったのは人間なのに、人間が負かされてしまう。

途中、十数分間の休憩が挟まれて、アイスクリームを食べてゆったり。
休憩に入る少し前からホラーな展開がはじまっていましたから、
もうすっかり覚醒。後半は目がランラン。

凡人ですから、とても理解はできません。それでもなんだか凄いことはわかる。
しかもこれが撮られたのは今から50年前ですから。
この映画に影響を受けた作り手がどれほどいることか。
スタンリー・キューブリック監督が亡くなってからもうじき20年。
もっと長生きしてほしかったですね。

IMAX版で観ることができてよかった。