夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『Re:ゼロから始める異世界生活 劇場型悪意』

2024年09月12日 | 映画(さ行)
『Re:ゼロから始める異世界生活 劇場型悪意』
監督:篠原正寛
声の出演:小林裕介,高橋李依,新井里美,岡本信彦,天崎滉平他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『カミノフデ 怪獣たちのいる島』の次に。
 
スルーしようかと思っていましたが、
が本作関連のアイテムをオンラインクレーンゲームで釣り上げていたのを思い出し、
どんなアニメなのか観ておこうと思いました。
弟がこのアニメ自体を観ていたかどうかは疑問なのですけれど。
薦められたこともないので、たぶん興味はなかったと思われます。
 
原作は長月達平のライトノベルで、2016年にTVアニメとして第1期の放送スタート。
本作は来月からの放送開始に先立ち、第3期の第1話90分スペシャルを劇場で公開するというもの。
 
観に行ってみたものの、どういう設定なのだかほとんどわからんやぁないかい。
主人公はナツキ・スバルという少年で、エミリアというお姫様の護衛なんすかね、これ。
で、ナツキがかわいがっている少女がベアトリス。
 
登場人物にはこういう「かたまり」がいくつかあり、
姫様、護衛、幼女というセットに私には見えます。
なぜにこういうことになったのかさっぱりわからず、
原作を読むなりTVアニメ版を観るなりしないと話について行くのは無理。
 
最後に登場するシリウス・ロマネコンティなる包帯ぐるぐる巻きの女性は何者ですか。
彼女の姿が異様で恐ろしく、その声もうるさすぎて耳を塞ぎたくなるほど。
おどろおどろしいシーンで終わるので、この先はちょっと気になります。
 
けれど、来月第3期から観たところで何もわからないと思うのです。
かといって第1期と第2期25話ずつ観る時間はつくれない。
こうして老後に観ようと思うものが増えて行くのでした。

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『映画 THE3名様Ω これってフツーに事件じゃね?!』

2024年09月11日 | 映画(さ行)
『映画 THE3名様Ω これってフツーに事件じゃね?!』
監督:森谷雄
出演:佐藤隆太,岡田義徳,塚本高史,小林大介,桃月なしこ,安藤玉恵他
 
あまり気乗りしないけれど、1本だけ観て帰ろうと思い、109シネマズ箕面へ。
何も割引のない日だったので、貯まったポイントを使って鑑賞しました。
 
「石原まこちんの同名漫画を実写化した人気シリーズの劇場版第2弾」とのことだけど、客は私ひとり。
今年7度目の“おひとりさま”だよ。ほんとに人気あるのかい?
このところ入場者特典を託しているお姉様にすぐに写メして送ったら、
メルカリで速攻調べてくださったのですが、1件もヒットせず。こんなことありますか。
 
フリーターで親友の3人を演じるのはジャンボ(佐藤隆太)、まっつん(岡田義徳)、ミッキー(塚本高史)。
深夜のファミレスに集い、ただダラダラと過ごす。
向こうに落ちたの隕石じゃね? 隕石って1億円で売れるらしいよ。探しに行く?とか、
スマホを持つようになってから暇つぶしのレベルが落ちてるように思う、スマホ使うのしばらく禁止しよ、とか。
 
すみません。最後まで観ることができませんでした。
この3人のことは別に嫌いじゃないけれど、大画面で観たい顔というわけでもなし、話もつまらない。
だからといって途中で出ていくのは「退屈でも最後まで観る(劇場内に居る)」のが信条だから許せない。
ならば寝ていようと思ったら、声を含めて音響がデカすぎるせいでやかましいから眠れない。
客は私ひとりだというのに、寝ることもできないなんて。
結果、耐えられなくなって途中で退出してしまいました。
 
なぜそうなったのかを考えてみても、話が退屈なのと声がデカすぎること以外は思い当たらないのですが、
私はそもそも「現実に許しがたい行為」がそこで繰り広げられているのが嫌なのかもしれません。
殺人とか、そういうことではなくて、一般的なマナー違反が普通におこなわれていることが。
 
いくら深夜の客の少ないファミレスとはいえ、そこらじゅうに響き渡るほどの大声で話したり、
テーブルをバンバン叩いたり、彼らの行動はうざくて仕方ない。
このあとどんな事件が起きたのか知らんけど、こいつらに解決されてもねぇ。
安藤玉恵が出てくるならばせめてそこまでは観ればよかったか。
いや~、でも無理でした。
 
途中退場した作品なんて記憶にないんですけど。無理。すみません。

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『スリープ』

2024年09月06日 | 映画(さ行)
『スリープ』(英題:Sleep)
監督:ユ・ジェソン
出演:チョン・ユミ,イ・ソンギュン,キム・クムスン,キム・グクヒ,イ・ギョンジン,ユン・ギョンホ他
 
シネマート心斎橋で観逃して残念に思っていたところ、塚口サンサン劇場が持ってきてくれました。
 
監督は本作が長編デビューとなるユ・ジェソン。
辛くてたまらないのはイ・ソンギュンが昨年暮れに自ら命を断ってしまったこと。
麻薬の不法投薬を疑われて取り調べを受けていたそうで、
もしも本作を地で行く睡眠障害ゆえの麻薬使用だったのだとしたら、これほど悲しいことはない。
共演したチョン・ユミもどんな気持ちだろうと思わずにはいられません。
 
スジン(チョン・ユミ)とヒョンス(イ・ソンギュン)は新婚夫婦。
ヒョンスは今はまだ売れているとは言えない役者だが、いつか大役を掴む日を夢見てスジンが支え、
出産をひかえてお腹が大きくなった今も仕事を続けている。
 
ある晩、寝息を立てていたヒョンスが自分の顔を掻きはじめる。
翌朝、血だらけになっているヒョンスの頬を見てスジンはびっくり。
その顔のせいでせっかくもらった仕事がキャンセルになってしまう。
 
ふたり一緒なら何でも克服できると信じるスジンはヒョンスを励ますが、
この日を境に睡眠中のヒョンスの行動があきらかにおかしくなる。
夜中に冷蔵庫を開けて生肉をむさぼり食っていたり、窓から飛び降りようとしたり。
病院に行くと睡眠障害だと言われ、薬を処方されるがなかなか効き目が出ず……。
 
夢遊病患者が起こした事件の記事を読みあさるスジン。
本人の意識なく家族を殺したニュースなんて知ったら怖くてたまらないですよね。
かわいがっていたポメラニアンをヒョンスに殺されても、
ヒョンスは病気だから悪くないと責めようとしないけれど、
出産を終えて自分の娘がこの世に生まれると、娘のことが心配になります。
犬を殺したように、娘も殺そうとするかもしれないわけですから。
 
スジンの母親は巫女を呼んできて、お祓いが必要だと言う。
そんなアホなと思っていたら、ホントにヒョンスが憑依されているという話に。
しかもヒョンスに取り憑いているのは、階下に住んでいたジジイだし。
 
そのうちスジンのほうがおかしくなって、ヒョンスを殺しかける。
精神病院に送られるのも当然なところ、実はスジンの言うことが正しくて。
 
イ・ソンギュンが亡くなっていることがわかっているせいか、相当怖い。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』よりずっとドキドキハラハラしました。
憑依って実際にあるのでしょうか。
今はイ・ソンギュンが安らかに眠っていることを祈るだけ。

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『ソウルの春』

2024年09月03日 | 映画(さ行)
『ソウルの春』(英題:12.12: The Day)
監督:キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン,チョン・ウソン,イ・ソンミン,パク・ヘジュン,キム・ソンギュン,
   チョン・マンシク,チョン・ヘイン,イ・ジュニョク,キム・ウィソン,チョン・ドンファン他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『エア・ロック 海底緊急避難所』の次に。
 
「ソウルの春」とは「プラハの春」に由来する言葉です。
1979年10月26日、独裁政治で国民を苦しめていたパク・チョンヒ大統領が暗殺されました。
この事件については『KCIA 南山の部長たち』(2020)を観るとわかりやすい。
独裁者が暗殺されたことからにわかに民主化への期待が高まり、「ソウルの春」が謳われたのに、
同年12月12日、チョン・ドゥファンがクーデターを成功させて全権を掌握。
民主化は遠のき、のちに『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)で描かれる光州事件が起きることになります。
本作はクーデターが画策されるまでと実行されてからの様子を描いた、実話に基づくフィクション。
実在の人物の名前は用いずに仮名が使われています。
 
パク・チョンヒ大統領暗殺事件に国中が動揺しつつも民主化への期待に沸く韓国。
そんななか、暗殺事件の捜査を指揮することになったのは、チョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)。
チョン・ドゥグァンは民主化を嫌い、自らが新たな独裁者となることを目論む。
 
そんなチョン・ドゥグァンの暴走を懸念する陸軍参謀総長チョン・サンホ(イ・ソンミン)は、
首都警備司令官にイ・テシン(チョン・ウソン)を任命。
出世にまるで興味のないイ・テシンは無欲で高潔な人物。
チョン・サンホからの話を断るが、ソウルを守れるのは君しかいないと懇願され、受けることに。
 
もともとイ・テシンに敵対意識を持つチョン・ドゥグァンにはそれが面白くない。
イ・テシンを買うチョン・サンホもろとも潰しにかかろうと、
チョン・サンホこそがパク・チョンヒ大統領暗殺事件に関わる人物だとして、
チェ・ハンギュ大統領の裁可を得ようとする。
 
チョン・ドゥグアンの息がかかる将校たちは、まずはチョン・サンホを拉致するのだが……。
 
なんとしんどい話なのか。
毎度韓国のこういう作品を観ると思うことですが、独裁政権が怖すぎる。
民主化のいったい何を恐れているのか。
全権をひとりで持つことを目論み、それに群がる腰ぎんちゃくたち。
しかも国防長官の情けないことといったら。
ここに果たして信頼関係はあるのかどうか不思議です。
 
軍人や政治家全員が悪いわけではない。清い政治を目指している人もきっといる。
でもそのたびに自分のことしか考えていない人たちに飲み込まれ、拷問され、死んでゆく。
腹立たしいのは、悪い奴が長生きするってところです。
 
軍事内秘密組織の「ハナ会」ってきっとまだあるのですよね?
民主化を阻もうとする人たちが世の中に存在し続ける。
武力を持って人を圧しようとすること。とても怖い。

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『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』

2024年08月29日 | 映画(さ行)
『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
監督:小林啓一
出演:藤吉夏鈴,髙石あかり,久間田琳加,中井友望,綱啓永,筧美和子,石倉三郎,高嶋政宏他
 
テアトル梅田にて。
時間が合わなくて観る機会を逸しそうになっていましたが、
上映回が日に一度になってから晩に上映してくれることになってよかった。滑り込み。
 
主演の藤吉夏鈴のことは知りません。櫻坂46のメンバーなのだそうで。
私の狙いはそっちじゃなくて髙石あかり“ベイビーわるきゅーれ”以来、熱烈なファンです。
あと今さらながら最近ちょっと面白いなと思っているのは筧美和子かな。
 
日大芸術学部映画学科に在籍していた学生・宮川彰太郎が、高校生のときに考えたアイデアが基。
大学の授業の課題に対し、オリジナル映画の企画書として提出したところ、
同学部の非常勤講師を務めていた企画プロデューサー・直井卓俊の目に留まって映画化に至る。
直井プロデューサーは『アルプススタンドのはしの方』(2020)などで有名な人。
監督は『恋は光』(2022)の小林啓一です。
 
幼い頃から物書きに憧れてきた文学少女・所結衣(藤吉夏鈴)は、文芸部で有名な私立櫻葉学園高校に入学。
結衣の人生観すら変えた憧憬の作家・緑町このはが在籍しているはずだから。
ところが文芸部の入部試験中、窓から飛び込んできたドローンが結衣を直撃、
気を失っている間に試験は終了。再試験は認められず、文芸部への入部叶わず。
 
落ち込む結衣に文芸部の部長・西園寺茉莉(久間田琳加)が言うには、
実はこのはは正体不明で、この学園の生徒であるかどうかもわからない。
唯一このはとの接触に成功しているのが悪名高き新聞部
このはの正体を突き止めるために結衣が新聞部へ潜り込むことを提案する茉莉。
この提案を飲むことと引き換えに、もしも成功した場合には文芸部に入部という約束を取り付け、結衣は新聞部へ。
 
苦労して見つけた新聞部の活動場所は善意の社長・山本(石倉三郎)が提供する町の印刷工場。
副部長・恩田春菜(中井友望)から紹介された部長・杉原かさね(髙石あかり)は、
教師のセクハラや不倫を暴くなど、学校でも大いに問題視されている要注意人物で……。
 
観に行ってよかったと思える一風変わった青春映画。
 
藤吉夏鈴は演技が上手いのか下手なのかよくわからないのですが、そこが◯。
よくもこんなにピッタリのキャスティングをしたものだと驚きます。
登場人物は少ないし、派手なところもないけれど、とにかく楽しい。
 
学園トップを務める高嶋政宏の悪いこと。
実際の私立の学校も大なり小なりこんなだとは思いたくないけれど、
なんらかの賞を得て学校のイメージを高めれば寄付金が増える。
そのためには賞の選考委員を買収することなんかも普通にやってしまう。なんて汚い。
 
どんなに圧力をかけられても負けない結衣。
それに協力する文芸少年・松山秋役の綱啓永もちょっとよかったりして。
髙石あかりが絶品なのは当然のことで、とにかく終始楽しい。
 
いいなぁ、こんな青春映画。大好きです。

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