近隣
多くの事をするのは
・・・ 易しいですが
一つの事を永続きするのは
・・・ むずかしいですね。
近隣
私は よく思うのですよ ・・・
もし 人生を
・・・ もう一度新しく
それどころか
・・・ ちゃんと自覚して始めるとしたら？ とね。
すでに生きてしまった一つの人生は
・・・ いわゆる 下書きで
もう一つのほうが ・・・ 清書だったらねえ？
その時こそ われわれはめいめい
まず 何よりも
自分自身を繰り返すまいと努力するだろう
・・・ と思うのですがね。
近隣
やったと思えば ・・・ どじを踏む。
それが 人間の仕事です。
朝に計画を立てたとて
昼にすることは ・・・ へまばかり。
近隣
「 幸福の便りというものは
待っている時には けっして来ないものだ 」
とは ・・・ 太宰治のことば。
そのとおりではないでしょうか。
しかし
幸福にしろ 不幸にしろ
どちらもあまり長くはつづかない
・・・ と考えていた方が賢明ですね。
ｆ
近隣
なんの挫折もなく
すんなりと大きくなった人間ほど
・・・ ひ弱な存在はありません。
少し強い風が吹くと
・・・ すぐ倒れてしまいます。
温室育ちの草木のようなものです。
冬もあり 夏もあり
雨も 風も 雪もあり
たえず厳しい季節の変化の中で
育てられた草木は ・・・ 強い。
多少のことでは ・・・ へこたれません。
成功は ・・・ 確かに よい経験になりますが
失敗よりは ・・・ 学ぶことが少ないのがふつうです。
近隣
私は ・・・ 生かされています。
野の草と同じです。
路傍の小石と同じです。
生かされているという宿命の中で
・・・ せいいっぱい生きたいと思っています。
せいいっぱい生きるなどということは
難しいことですが ・・・
生かされているという認識によって
いくらか ・・・ 救われますね。
近隣
ゆっくりゆっくり 一歩一歩
歩きながら味わうことのできる年 ・・・ 老年。
その意味では ・・・ 誰でも芸術家。
さて 新たな気持ちで
創作的なことに取り組むことを
・・・ 始めることにしょう。
近隣
人間の求めている幸福は
マイホームでも 名誉でもなく
最終的には ・・・
今日もいい日だった
明日もまたいい日が来るといいな・・・と思って
穏やかな眠りにつくことではないでしょうか。
近隣
物が 時として
言葉以上に 雄弁に心を語るのだとしたら
＜ 贈る ＞という行為の
むずかしさ
奥深さ
そして 面白さに ・・・ 気づいて
贈り上手
贈られ上手
・・・ になりたいと思うのです。
近隣
年寄りに親切をするということは
本当に素晴らしい光景です。
しかし それは ・・・ 甘やかすこととは違います。
車椅子を少しでも自分で動かせる力のある人には
腕の力が衰えないように
自分の車椅子は ・・・ 自分で押してもらうべきですね。
近隣
いろいろなところで
いろいろなことが起こります。
たまたま不運だな 運が悪かったな
と思うようなこともあります。
しかし よく見てみると
不思議なことに気が付きます。
この不運だったと思えるような現象から
ほぼ半年以内に ・・・
それと同じくらいの重さを持つ
めったに起きないような
・・・ 喜ばしいことが起きます。
不運だと思えるような現象を
「 そうこともあるよね 」 ・・・ と受け入れて
淡々と過ごしていると ・・・
それに見合うくらいの喜ばしい出来事が
やってくるということです。
ただ ・・・ 淡々とやってきます。
近隣
最近 つくづく思うことは
自分の足で歩ける ・・・ ということの幸せです。
以前 左足首を ひどく痛めたことがありました。
足が不自由であることの大変さを
そのときはじめて 身にしみて味わったものです。
階段の横に なだらかなスロープがついていると
声を出して叫びたいくらいに 嬉しかったです。
それまでは ほとんど気にもとめずに
見過ごしていた傾斜です。
頭ではわかっていても
実際にそうなってみないと
わからないことは山ほどあります。
自分の足で歩くことは ほんの一例 ・・・ 。
自分の耳で音楽やニュースが聴けることは
・・・ なんという幸運なのでしょう。
自分の歯でものを噛むことのありがたさは
言葉では言いあらわしようがありません。
いわゆる健康自慢の人には
こんな他人の気持ちは
絶対に理解できないのではないでしょうか。
どんなに想像力を駆使しても
実際に体験しなければわからないことは
いくらでもあります。
ときどき病気をすることは
人間にとって ・・・ 決して悪いことではありません。
もちろん ・・・
時間とともに軽くなっていく程度の病気に限るのですが。