ちょびっと♪日記

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「相棒ten」 最終話

2012-03-26 | ドラマ「相棒」


『相棒ten』 最終話-罪と罰-



*ストーリー*

バイオテクノロジー研究所の主席研究員・嘉神郁子(真野響子)が、文科省に呼び出され、娘の茜(浅見れいな)を使いクローン人間を作っていることを認めた。
何者かが告発文を文科省に送り付けたらしいが、クローン人間が誕生するというのは本当なのだろうか?

娘の茜は、半年前に夫と5歳の息子を事故で亡くし、自殺未遂を起こすほどのショックを受けていた。
そんな失意のどん底にある茜に頼まれ、やむなくクローン人間の制作に着手してしまった郁子。
郁子の息子で茜の兄でもある隼斗(窪塚俊介)だけは茜が身ごもっているのがクローン人間だと知っていたが神への信仰心が強く、たとえ母親や妹であろうとも、クローン人間を作ることは「神への冒涜」だというのだ。

しかし、そんな隼斗に対して郁子は勝ち誇ったように言い放つ。
「ママは捕まらないと思う」と。
事実が公になれば、国際的な問題となってしまう。
そんなことになるぐらいなら、日本国家は事実を隠ぺいするはず…。
強気な母に驚きを隠せない隼斗だったが、事実、隼斗は片山雛子(木村佳乃)とあの長谷川宗男(國村隼)に首相官邸に呼び出されてしまう。
代議士の雛子は現在は総理補佐官を務めており、元警視庁副総監の長谷川は、警視庁人質籠城事件(「相棒-劇場版II-」より)を受けて警察庁長官官房付きという閑職の身分にいた。
「君は今後一切このことを口外しないこと」と言われクローン人間のことを口止めされてしまう。

やり切れない隼斗は公園にやってくると、突然大声で演説を始めてしまう。
「あと数カ月でこの日本に、クローン人間が誕生するんです!」
そんな奇行に誰もが耳を貸そうとしない中、偶然通りかかった右京(水谷豊)と尊(及川光博)は顔を見合わせ…。
事件に興味を抱いた右京と尊は、やがて真相へと近づくのだが、その解決方法をめぐって2人は…。


ゲスト:真野響子 浅見れいな 窪塚俊介 木村佳乃 國村隼

脚本:輿水泰弘 監督:和泉聖治



唐突過ぎてもう。
いやあの、まあ相棒的ゴールデンコンビとも言える和泉×輿水コンビの最終回SP。それに相棒神戸が卒業回ということもあって、いやがうえにも期待が高まるというものである。
テレビ朝日も一カ月前から相棒関連(出演している俳優さんの私的ニュースも含め)でワイドショーで煽り倒し、恥も外聞も捨てて数字を取りに行ったとしか思えない始末。まあ数字は取った。シリーズ史上最高の最終回視聴率だったそうだ。
確かにtenの視聴率は悪かった。(悪いとは言っても今クールのドラマの中ではまだいい方。大河より数字取ってたし。)
全体的に脚本もドラマの作りも雑だったし、キャラクターの描写が充分されていない部分も多く、オリジナル脚本ドラマ(しかもリレー式)の悪い部分が前面に出た形だったので、当然数字も落ち込むだろうというのはあった。
そもそもSeason9の数字が異常。S7とS9は相棒の中でも色んな意味で別格だと思う。
そのS9の後のS10としてのtenだったわけで、まあ制作側としても劇場版2の後ということもあり大変だったんだろうなあとは思う。

しかしねぇ。
ヒト・クローンという突飛な問題を取り上げたことについては、輿水さんらしいと言えなくもないし、問題の家族の些か気味の悪い関係性の描写は極めて輿水脚本という感じではあったが、相棒神戸の取り扱いは完全に間違えてるだろう。
3回見た←!けど、どうしても神戸の行動が唐突でわけがわからない。
いきなり杉下に反旗を翻すその強い動機が分からない上、杉下を脅迫まがいに信念を曲げさせて「あの人の大切なものを踏みにじってしまったから特命係にいる資格はない」と大河内首席監察官に泣きつく。

なんじゃ、それ。

どう考えてもそこまで追い詰められた状況じゃないし、大切なものを踏みにじった云々の前に神戸が犯した公務執行妨害とか、脅迫とか、クローン妊婦を拉致った罪とかは回収しなくていいのか?
とっくに時効になったかつての偽証(これも立派な刑法違反。時効だったとしても真実が明るみに出れば簡単な処分は受けるだろうけど、それも明らかにはされていない)に関する罪の意識にさいなまれているなら、どうして罪を重ねようとしちゃうのか。理解できない。

それと劇場版2の登場人物がなんの前置きもなく当たり前のように登場するのは一体どういうことなのか。
最近はドラマが映画になって映画からまたドラマに戻って来て、ということがよくあるが、それ自体の是非はともかくとしてもテレビシリーズと映画を繋げるのはやめてもらいたい。
映画はテレビシリーズによって成り立っているんだろうからともかく、映画を見ない層にとってテレビシリーズに突然劇場版の話を持ち込まれても???である。
相棒はそもそもの特命の成り立ちの最重要人物・小野田官房長の殉職を劇場版2でやってS9でそれを当然のごとく扱ったという前科もあったが、小野田と今回の長谷川では重要度の加減も違うし、とにかく平然とルール違反をするのを辞めてくれないかな。
相棒が好きでドラマ見るなら劇場版を見ているのは当然、というスタンスでドラマ作ってるとしたら、それは驕り以外のなにものでもない。私は耳の持病で映画館で見られないのでレンタルで劇場版2はチェックしておいたが、わざわざレンタルしてまで見ない、という層も多いと思うけどなあ。

それと母が妹に事故で亡くした子供のクローンを産ませようとしていると告発したクリスチャンの兄の描写が足りないでしょう。
神学校に行こうとしていた真面目な青年だったのではないでしょうか、って杉下に言わせれば済むってもんじゃない。
妹に殺されて、母と妹にひどい人格であったかのように供述されそれを回想シーンとして描写されたのに、実際はそうじゃなかったろうことは想像に難くないが、もうちょっとなんとかできないもんか。
その兄がしようとしたことと杉下が正義に基づいてヒト・クローンを作りだした科学者の母を検挙しようとした行為はベクトルが同じなわけで、この回は神戸の心情に寄り過ぎたせいでその辺りを曖昧なまま済ませてしまったと言える。
そしてその曖昧に済ませてしまった部分こそ本来の相棒のテーマだった(少なくともS7までは)。
そこを捨てるのなら杉下右京はもう要らないってことになってしまわないか、大丈夫なのか。
杉下右京のアイデンティティ=相棒のアイデンティティだと思うんだけどなあ。
小野田亡き今、特命のアイデンティティがどこにあるのか、という問題について迷走中ということなのか。

伊丹刑事が特命の二人を「刑事見習い」扱いしたり(有り得ない。二人とも階級が上なのに)、捜査一課トリオが鑑識の米沢さんをトイレでいじめてたり(特命の居場所を聞き出してた)、杉下が捜査一課との関係を「愉快な仲間達」と言ったり、そういう脇レギュラー陣の扱いは流石に輿水脚本という感じではあったが、本筋がぐだぐだではそれも純粋に楽しめないというのはある。
それと神戸尊の私生活が明らかに?とかワイドショーで散々煽っていたので、てっきり大河内とはどういった経緯で親しいのか?とか出生の秘密とかご実家の話とか、そういう方面かな?と思ってた。
今回のストーリーなら出生の秘密とか子ども時代のトラウマあたりが使えそうだったのに、神戸のマンション初公開って。
マンションでシャワー浴びて、風呂上りにバスローブ羽織って濡れ髪で電話してセクシーってことなの?
高そうなマンション、GT-Rみたいな金食い虫の車を乗り回し、風呂上りはバスローブを着るような神戸の実家は余程の金持ちなのか。そして42歳にもなってその実家の世話になっているのか。警視にまでなったというのに。
どう考えても特命係所属の警部補の神戸の給料でアレを維持することは不可能。あと42歳男のセクシーも不要。
そういうのが「私生活を明らかに」ってことだったとしたら、もう相棒の制作陣は私の斜め上を遥かに通り越している。

新相棒は夏ごろ発表予定とのことだが、Season11。見て大丈夫なんだろうな。がっかりさせないでおくれよ。
tenは最終回までがっかり。和泉輿水コンビでこれでは先が思いやられる。
水谷も来年還暦。
そろそろ杉下も定年を迎える年なわけだが、はぐれ刑事の二の舞を踏もうとしているならそこまで付き合える自信はない。
はぐれ刑事と水戸黄門。私の二大許せないドラマと言っても過言ではない。

というわけで次クールの刑事ドラマは新生ハンチョウに期待する。

ちなみに相棒劇場版は4月と5月上旬にそれぞれ1、2を地上波放送予定のようである。