ちょびっと♪日記

映画やドラマ、好きなモノについて、日々のいろいろなことをちょびっと♪書いてます。

「相棒ten」 第17話

2012-03-12 | ドラマ「相棒」



『相棒ten』第17話-陣川、父親になる-




*ストーリー*

 あの陣川警部補(原田龍二)が、特命係の右京(水谷豊)と尊(及川光博)のもとへとやってきたかと思えば、なんと「父親になります」と言い出した。相手はすでに妊娠中で、今回も美人の由香利(松本莉緒)。美人にめっぽう弱い陣川はそんな彼女からある相談を受けていた。
 由香利は数ヶ月に亘ってテレビのドキュメンタリー番組の密着取材を受けており、その番組の担当ディレクター麻紀が自殺した。が、由香利には麻紀が自殺するとは思えないという。右京と尊は陣川とともに由香利を訪ねる。
 由香利によると生前、麻紀は「最高傑作になるから」と言っていたという。そんな彼女がオンエア前に自殺というのも確かに不自然だ。
 鑑識・米沢(六角精児)の調べでは、麻紀は映像編集中に毒物を混入したコーヒーを飲み自殺。仕事に悩み、自殺する数日前には退職願を上司に提出していたのだが…。
 些細なことが気になり、右京たちは独自の捜査を開始する!
 陣川の今回の片思いは成就するのか!?


ゲスト:原田龍二 松本莉緒

脚本:守口悠介 監督:近藤俊明


相棒ファンの皆様曰く『安心と信頼の陣川回』である。
基本的に陣川ってのは特命を振り回しに来る、いわゆる面白回担当である。
神戸のことをソンくんと呼び先輩風を吹かせて、惚れっぽくてすぐに女性を好きになって…無駄に男前である。
相棒世界では神戸が男前役を振られているが、実のところ造作的にほんとの男前は陣川だと私は思う。

それはともかく、今回は(というか今回も)こじつけ回だと思います。
母親が火元になった火災で亡くした被害者のことを思って、ずっと自分は幸せになってはいけないと思い続けてる妊婦さん。
彼女を好きになっちゃう陣川―はともかくとして、まあそういうことがあれば自分の母親の火災に巻き込まれ亡くなった方のことを思うと幸せになるべきじゃないと思うものかもしれないけど、そもそも母親の罪を背負っているというのがこじつけだと思う。
神戸を卒業させるためにten1話の『贖罪』を意識させようとするためのこじつけ。
神戸自身に意識させるというよりは視聴者に意識させようとしているんだと思う。
でも問題の質が違い過ぎて失敗した、という感じ。

唯一、ドキュメンタリーを撮影していたディレクターと撮影されていた側の妊婦の関係の部分だけは優れていたと思うけど、ディレクターが殺された動機もお粗末、殺人の方法に至ってはお粗末を軽く超えている。
この脚本家は真面目に相棒を書く気があったのか?
だって毒、どこから出したんだよ、持ち歩いてんのか、この犯人の女はっ!!
「あなたに川野さんを殺す理由などどこにもありませんよ」
うん、どこにもないでしょ、これは。

いやあ驚きました。『相棒』でこんなクオリティを見せられるとは。
ついでに言うと脇の使い方もお粗末。一課、暇か?課長、はまだしも、いわゆるゲスト役者の方たちの扱い。特に所長役。
なんでこの人のキャラづけにこんなに尺取ってんだ?
この人、杉下に証拠を見せるのがお仕事なのは分かりますが、ストレート過ぎ。

惚れっぽい陣川、振り回す陣川、困りものの陣川、それが陣川回の見どころなのにどれも半端な挙句、最後にはキューピッドになってかっこよく決まっちゃうとかねぇ…
いくら『花の里』で酔ってくだまいて神戸に「いつものことですから」って言わせても、回収になってない。
ああ、でも杉下のことを「すぎさん」って呼んだのは面白かった。
これからも特命に来たらすぎさんって呼んでほしい。だって神戸のこともソンくんって呼び続けてる陣川だし。

神戸にするのか陣川にするのか、がはっきりしていないからこういうことになってしまうんだろうとは思う。
神戸卒業がどのくらいの時期から脚本家さんに伝わっていたのか知らないけど、突貫的に神戸卒業に向けて脚本を書かなければならなくなったとしたら、気の毒だなあとは思う。
リレー脚本の辛いところが全面に出てしまったのかも。

『相棒』でこんな感想書くとは思わなかった回でした。