ある老人の死
一軒離れた家の老人が亡くなった。約30年前この地に塾を作った時
生徒の自転車の置き方などでご近所とのトラブルに発展しないように
菓子折を持って挨拶に行った。その時その老人はとんかつ屋をやっていた。
やがて、いつも道路を清掃していたそのご老人は、教室の中に入ってきてゴミを片付けてくれた。塾の合鍵も作って、私が通勤してくる頃には、教室のゴミを片付けてくれるようになった。祭りのときなど、神輿の前で、ビールを配っていたりした。がそのビールを家に持ち帰ったりして、町内会とトラブルが発生していた。うちで買ったモップがその家にあったり、その他小さいことだけれど教室のトイレットペーパーが無くなっていたり、あるはずのものがないと本当に困る。もう人の教室の清掃はいいからねと何回言っても、勝手に入ってきた。そのうちとんかつ屋も潰れて、仕事が無くなり、町内会の役員も出入り禁止みたいになっていて、仕事はない、友達はいない。さらに息子さんが難病にかかって、家にいたくなかったのだろう。一日中うちに来るようになった。当時は生徒もたくさんいたから一日中教室は笑い声であふれていた
その度に入ってきて、ペットボトルを混ぜるなとか生徒に説教していた。
さすがにうんざりしてきて、ある日時間を計ってテストをしていた時、
やはりペットボトルがとか言いだした時は、もう力で追い出した。
『バカヤローなめんなよ』なんて外で怒鳴っていた。生徒はみんな笑い
さらにこの老人は怒り狂っていた。いくら説明しても哀願しても教室に入ってきた。今、母親が病気で母親の場合はごみではないが
風邪をひくから靴下をはけとか言って一日中ボクにまとわりついてくる。人に、ヘルパーさんなどにこのことで愚痴を言うと病気だからねという。そんなことはわかっているが
昨晩のように、朝の4時に、『学校に遅れるよ』と言って部屋に入ってこられるといい加減にしてくれと言いたくなる。
この老人も善意から発していたことはわかっていたが、最後は本当にひどかった自分のやっていることが、みんなに迷惑がられて、そのことを本人がわかっていないなら、私はそんな老後は過ごしたくない。これは本気で言っている。ちゃんとした意識のあるうちに死にたい。
一軒離れた家の老人が亡くなった。約30年前この地に塾を作った時
生徒の自転車の置き方などでご近所とのトラブルに発展しないように
菓子折を持って挨拶に行った。その時その老人はとんかつ屋をやっていた。
やがて、いつも道路を清掃していたそのご老人は、教室の中に入ってきてゴミを片付けてくれた。塾の合鍵も作って、私が通勤してくる頃には、教室のゴミを片付けてくれるようになった。祭りのときなど、神輿の前で、ビールを配っていたりした。がそのビールを家に持ち帰ったりして、町内会とトラブルが発生していた。うちで買ったモップがその家にあったり、その他小さいことだけれど教室のトイレットペーパーが無くなっていたり、あるはずのものがないと本当に困る。もう人の教室の清掃はいいからねと何回言っても、勝手に入ってきた。そのうちとんかつ屋も潰れて、仕事が無くなり、町内会の役員も出入り禁止みたいになっていて、仕事はない、友達はいない。さらに息子さんが難病にかかって、家にいたくなかったのだろう。一日中うちに来るようになった。当時は生徒もたくさんいたから一日中教室は笑い声であふれていた
その度に入ってきて、ペットボトルを混ぜるなとか生徒に説教していた。
さすがにうんざりしてきて、ある日時間を計ってテストをしていた時、
やはりペットボトルがとか言いだした時は、もう力で追い出した。
『バカヤローなめんなよ』なんて外で怒鳴っていた。生徒はみんな笑い
さらにこの老人は怒り狂っていた。いくら説明しても哀願しても教室に入ってきた。今、母親が病気で母親の場合はごみではないが
風邪をひくから靴下をはけとか言って一日中ボクにまとわりついてくる。人に、ヘルパーさんなどにこのことで愚痴を言うと病気だからねという。そんなことはわかっているが
昨晩のように、朝の4時に、『学校に遅れるよ』と言って部屋に入ってこられるといい加減にしてくれと言いたくなる。
この老人も善意から発していたことはわかっていたが、最後は本当にひどかった自分のやっていることが、みんなに迷惑がられて、そのことを本人がわかっていないなら、私はそんな老後は過ごしたくない。これは本気で言っている。ちゃんとした意識のあるうちに死にたい。