RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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<遊ぶ>シュルレアリスム―不思議な出会いが人生を変える―

2013-07-14 21:30:00 | 美術
見てきました

損保ジャパン東郷青児美術館

会期は2013年7月9日から2013年8月25日。

みんな大好き(??)シュルレアリスム。
最近見たシュルレアリスム展は2011年、国立新美術館の「シュルレアリスム展」かな。
でもその後に府中市美術館で「ポール・デルヴォー」あったな。。
ポスターもマグリットの不思議な不思議な作品です。
夏休みだからかな。
楽しそうな企画です。

シュルレアリスムは第一次世界大戦後のフランスに始まり、やがて国際的に広まっていった20世紀最大の芸術運動。
「シュール」とはこのシュルレアリスムから。
夢や無意識、非合理の世界に目を向けることで、現実の新しい見方や生き方を探り、伝統の枠から自由な芸術表現を目指した活動。
偶然のもたらす脅威や無関心なイメージを結びつける意外性などに「不思議の美」を見出し、「遊び」にも似た手作業を通じて作品を作り上げました。
オブジェやコラージュ、フロッタージュなど、そこには伝統や慣習にしばられない「遊び」の精神が。
今回はその「遊び」に焦点をあて、絵画、写真、彫刻、オブジェに雑誌・書籍などの資料など約200点の展示です。

まずはシュルレアリストたちの交遊が紹介されていました。
撮影はマン・レイ。
かなり豪華な顔ぶれです。

「甘美な死骸」
アンドレ・ブルトン、イヴ・タンギー、ヴァランティーヌ・ユゴー、ジャネット・タンギーの4名で描いた作品。
この「甘美な死骸」、シュルレアリスムでは結構重要。
もともとは
甘美な 死骸が 新しい ワインを 飲むだろう
シュルレアリストによって考え出された言葉遊びの一種です。
小さいころやったよね!?
「いつ 誰が どこで 誰と 何をした」
1人ずつ主語や述語を紙に書き、最後に合成し文章をつくるという遊び。
あれを描いたものが「甘美な死骸」
頭を描くもの、胴体を描くもの、、と全員で分担し最後に合成した作品。
つながりないにもかかわらず、不気味な感じがすべての部位からしてきます。

サルバドール・ダリ「回顧された女性の胸像」
女性の胸像です、はい。
女性は頭の上にフランスパンをのせています。
!???
これ、一番最初に制作されたとき、頭の上のフランスパンは本物だったそう。
が、ピカソの愛犬が食べちゃったとか。
なんやそれ、、楽しそう。。。

このあたりはマン・レイの作品が多かった。
マン・レイは以前に写真展を見に行っていたため、写真家としてのイメージが強く、シュルレアリスムの作家としてのイメージがほとんどなかったのですが。
「運命」などの絵画作品は"ザ・シュルレアリスム"なものでした。
とてもいいもの見れました。

次にはオブジェが。
マルセル・デュシャン「L.H.O.O.Q.」
有名なモナリザに髭を描いたもの。
マルセル・デュシャン「フレンチ・ウィドー」
このあたりは以前に森美術館で鑑賞したもの。
ここにもマン・レイの作品が多数あり。。
タイトルに言葉遊びを取り入れたシャレの効いた作品ばかりでした。

ジョセフ・コーネル「無題」
どこかで聞いたこの名前。
うん、草間彌生ファンなら知っているはず。
草間がアメリカにいるときに共に過ごした芸術家。
草間展で2ショットの写真、よく見かける。
草間の小説などからコラージュ作品を作っていたのは知っていましたが作品を見るのは初めて。
小さな木箱に古い白黒写真、ミニチュアのおもちゃや温度計、番傘のようなもの、鈴などが入っています。
ノスタルジックな雰囲気漂う作品です。
"彼は箱師とよばれるほど、箱の中にいろいろつめて芸術作品にしてきた。その箱は一つ一つちがった芸術品の創造力をもって人々を驚かせた。
宇宙のオリオン座から、アメーバや深海に棲む魚から、天の星までもあらゆるものが入っていた。道で拾ってきたもの全部が、ロイの手にかかると魔法にかかったように生命力をもつのだった。不可思議な芸術家だった。
その箱やコラージュは素晴らしい美的雰囲気をあたりにばらまいた。"

草間の小説の一説。
まさにその世界がありました。
「沼に迷いて」という作品を読むとこの2人の関係がなんとなく分かるかと思います。
(過去の記事→沼に迷いて)
無気味な沼のほとりに棲む、美術界の巨匠ロイと、ニューヨークに住む新進の美術家・日本娘マーコの奇妙で不思議なお話。
名前こそ違えど、2人の関係に基づいた小説となっています。

さて。話は作品に戻りまして。
マン・レイ、多い!!
レイヨグラフの作品をだーっと見て。
ブラッサイ「ノートル・ダムの北塔の樋嘴」
ノートル・ダム寺院にあるガーゴイルの彫刻を捉えた写真。
詩情、、というか。
その1枚で物語がつくれそうなぐらいドラマチックな作品です。
これから夜の帳が下りて、、、とな。

その後は絵画が多めに。
ピカソにマグリットにダリにキリコにミロにエルンスト。。

ダリ「アン・ウッドワード夫人の肖像」
白いドレスに金髪の女性。
海岸線が大きく描かれ、その手前には岩と松。
こういった背景をバックに夫人が立っています。
岩の形は夫人のシルエットになっています。
色も鮮やかで美しく、いかにもダリといった作品。
ウッドワード夫人は大富豪の奥様。
のちに旦那は射殺され、美しく若い奥様に嫌疑が、、
とべた過ぎる展開が。
この作品、買い取ってくれなかったそうですが……

ほかにもいつも通りの不思議なデルヴォーなど、私好みで楽しい展示でした。
遊ぶ、そんな心を常に持っている余裕が欲しいものです。。



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