RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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生誕250周年 谷文晃

2013-07-31 21:30:00 | 美術
見てきました

サントリー美術館

会期は2013年7月3日から2013年8月25日。

谷文晃(1763-1840)
関東南画の大成者。
四条派、土佐派、洋風画からも影響を受け、様々な様式の作品を残しています。
また、門人には渡辺崋山などがいます。
今回は文晃生誕250周年の記念です、
文晃と人々の交流を軸にその画業を振り返る展示となっています。

チラシもインパクトあります。
真ん中に大きく「文」の字をあしらいそれぞれに特徴ある作品を入れた構成。
華やかで目を惹きます。

さて。
文晃の代表作って何だろう。。
考えてみると、本当に1人で描いたの!?というぐらい多数の描き方をしていて。
どんな絵でも描ける、そんな人のイメージ。
今まで何度か谷文晃の作品は見ていますが、しっかり1つの展示として見るのは初めて。
どんな絵でも描ける文晃の世界をしっかり見てこようかと。
「この絵師、何者!?」
とチラシにありますが、まさに変化自在。
カオスな世界が広がっていました。

文晃は学ぶことに貧欲で、狩野派、四条派、土佐派、南蘋派から西洋画に至るまで、日本、東洋、西洋の幅広い様式を学び、理想の絵画を追求しました。
その結果、文晁の作品は様々な様式が混淆するカオスとなっていったのです。

谷文晁「孔雀図」
一番最初に展示されていたもの。
表面が文晁、裏面は息子の文二の「雁図」。
屏風です。
金地に、大きな孔雀と紅白の牡丹。
華やか。

谷文晃「慈母観音図」
穏やかな表情をした観音図です。
色鮮やか。
細かいところまで丁寧に描かれています。

谷文晃「文晃夫妻影像」
文晃とその妻の像。
横顔のシルエットだけで表現されています。
妻のほうは髪の後れ毛まで。
これ、かっこいい。

谷文晃「仏涅槃図」
文晃だけではなく様々な画家がこのテーマを描いていますが。
入滅した釈迦を取り囲む人や動物。
とても表情豊か。
人だけではなく動物も。
悲しい様子が伝わってきます。
虫たちもみんな悲しんでいるのです。。

谷文晃「文晁画談」
こちらは作品ではなく、文晃の考えを記したもの。
数多くの肖像を描いている文晃ですが。
「肖像を描くときにはことごとく似せてはいけない」
とのこと。
えぇぇぇぇ!!!!!
「似せすぎると『命を損なう』」
とのこと。
あ、あれ!?写真撮ると魂とられる系??
文晁の実践的な考え方が書かれていました。

谷文晁「石山寺縁起絵巻」
近年サントリー美術館所蔵となったもの。
全七巻が修復後初公開です。
そもそも「石山寺縁起絵巻」は、良弁僧正による寺の創建や、本尊である観世音菩薩のあらたかな霊験の数々を記した全7巻、計33段の紙本着色絵巻物。
鎌倉時代末期に7巻本として計画されましたが、江戸時代に至るまで、6、7巻は詞書のみで絵はありませんでした。
松平定信の命により、文晁が、詞書をもとに欠けた2巻の絵を補完をすることに。
今回は文晁が補完した2巻と、それを含めた全7巻の文晁による模写が展示されています。
とても細密でした。
色も鮮やかですし、江戸時代、そして文晃の技術の高さに驚かされます。

栗山善四郎著/谷文晁・酒井抱一・鍬形斎ほか画「江戸流行料理通」
江戸随一の高級料亭「八百善」
栗山善四郎はそこの主。
料理の解説書です。
豪華な絵師が挿絵を担当。
素晴らしいです。
これ、他のページもいろいろ見てみたい。

谷文晃「武蔵野水月図」
私こうゆうのが好き。
秋草が描かれています。
川面にぼんやりと映る月も美しい。
ススキがそよぐ様が涼しさを感じさせました。

もう見るもの見るものに新しい発見があり、飽きずに鑑賞できました。
逆にばらばらで疲れた気もするような……(笑)
文晃をまとめて見る展示もそうそうない。
優れた作品ばかりでした。



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