RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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シガリット・ランダウ展「ウルの牡山羊」

2013-07-25 21:30:00 | 美術
見てきました

メゾンエルメス

会期は2013年5月18日から2013年8月18日。

今回はシガリット・ランダウという女性アーティストの個展です。
1969年エルサレム生まれ、イギリスやアメリカでも数年を過ごし、現在はテルアビブを拠点に活動するイスラエル人アーティスト。
2011年には第54回ヴェネチア・ビエンナーレのイスラエル館を代表。
同年の横浜トリエンナーレでは代表作の西瓜と共に死海を漂うビデオ作品と、死海の塩を結晶化させた彫刻を出展。
それらの作品には、常に「痛み」を伴ってきた自国の歴史が反映されています。
世界でも活躍するアーティストで日本では初の個展です。

今回は2つのインスタレーション。
まずは
「Out in the Thicket 茂みの中へ」
エレベータが開いて会場につくと、謎の大きな音。
この展示の音でした。
かなり異様な感じがしてびっくりしたと同時にちょっと怖かった。
天井に届くほどの大きなプロジェクターを4台使用。
そこにはオリーブの木が映し出されていました。
イスラエル南部のネゲブ砂漠にあるオリーブの森だそう。
1本のオリーブの木が巨大スクリーンに1つ。
それが4面奥へと連なっているため森のように見えました。
そしてオリーブの木が音を立て揺れています。
収穫のために専用のシェーキングマシーンで揺さぶられているのだそうです。
揺らすと収穫に適した芳醇なオリーブの実だけが落ちるのです。
バラバラと落ちる実。
揺れることで音をたてる葉と木。
鳥の鳴き声も聞こえるし、作家自身が口ずさむヘブライ語のメロディーも聞こえます。
なんか。怖い。。
混沌というか。
ヘブライ語が呪文に聞こえるし、揺れる木々はそれに呼応してるようだし。
木が生きていて、頭をぶんぶん振り回しているかのよう。

もう一つの作品
「火と薪はあります」
こちらは50年代のイスラエルの典型的な居住空間をモチーフとしています。
1950年代のおじいさんの家を想像で再現したものだそう。
もちろん、ただ、再現したのではなく、そこに置かれているものには意味があるそうです。
キッチンに置かれた調味料、また棚にしまってある食器、壁に掛けられた花の刺繍など。
そこで生活していた証がそのまま静かにありました。
なんだろ、、迷い込んだ気分。
台所のコンロから4人の女性の話す声が聞こえてきます。
ヘブライ語だそうで、日本語訳もあります。
さきほどとは違う、ちょっと変わった空間。
家の中なのにほっとする感じがないんだよね。
生活感あるのに冷たい空気が漂っているの。

「イスラエルの文化を理解するには、『場所』が大事な要素となる。」
と作家本人が語ったそうです。
今回の2つの作品。2つの場所。

違う文化を理解する、、
まだまだ難しい。。



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