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生誕130年 松岡映丘 ー日本の雅ーやまと絵復興のトップランナー

2011-11-12 21:30:00 | 美術
見てきました

練馬区立美術館

会期は2011年10月9日から2011年11月23日。

現在の兵庫県に生まれた松岡映丘。
兄は、
医師の松岡鼎、
医師で歌人・国文学者の井上通泰(松岡泰蔵)、
民俗学者の柳田國男
海軍軍人で民族学者、言語学者の松岡静雄
の4人。
末っ子です。
他に3名兄がいたそうですが夭折し、成人したのは映丘を含め5名。
これが世にいう「松岡五兄弟」。
なんか、すごいお家なんですね。

今回は約30年ぶりの回顧展。
16歳の最初期の作品から晩年にいたる約70点の作品。
さらに生家に残されたスケッチ、画稿類合わせて20点余りが展示。
盛りだくさんな内容です。

映丘ですが。
東京美術学校を首席で卒業。
平安・鎌倉期の絵巻物や有職故実を丹念に研究。
古典文学に取材した王朝貴族、鎧武者たちを優美に描き、やまと絵の再興に努めています。
その表現は古典だけではなく、近代的な造形感覚を加味した「新興大和絵」へ。
弟子達には
「古典の教養に立脚して時代に生きよ」
と言っていたそうで。
まさに映丘のスタイル。
指導者としても素晴らしく弟子には私も大好きな山口蓬春など。

"やまと絵復興のトップランナー"
とまるでNHKの番組みたいなタイトルついてますが(笑)
おもしろかったです

「佐保姫」
きれいです。
引き込まれる美しさ。
個人蔵なんだけど絵とはいえこんな美しい人がいたら色々心配で寝れない!!

「道成寺」
能や歌舞伎でもお馴染み、"安珍・清姫伝説"が描かれています。
登場人物が鮮やかに描かれ、本当に美しい。
優美さが際立っていました。
いつか道成寺へも行ってみたい。

「伊香保の沼」
漂う色気が半端ない。
沼にこんな人がいたら伝説になるでしょう。
叙情的でその世界観に吸い込まれそうです。

そしてポスターにも使われている
「千草の丘」
かつて京都で華やかに一世を風靡した絵がありました。
やまと絵
しかしその栄華は狩野派の出現とともに終わり……。
次第に日本画壇の隅へと追いやられていきます。
そんなところに現れたのが「千草の丘」
鮮やかな秋景色の中にすっと立つ女性。
ほぼ等身大。
千の花々が野にも山にも。
空の青や山の緑、金色の雲がたなびき、女性の着物にも花々が。
これだけ色を使って描きこまれているのにうるさくない。
上品なんです。
今回のチラシ、A4二枚綴りなんですが。


この作品への期待が見られます。

今回は下絵と思われるものも数点展示されていてなかなか貴重なものも見れました。
個人蔵がけっこうあったのも印象的。
映丘がやまと絵を復興させようとしなかったら、
やまと絵を現代に残そうと努力しなかったら、
いつも見ている逢春たちの作品も見れなかったのかもしれません。



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