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言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

通常、市場は経済活動を組織する良策である

2011-06-11 | 日記
N・グレゴリー・マンキュー 『マンキュー入門経済学』 ( p.13 )

 第6原理:通常、市場は経済活動を組織する良策である

 1980年代に起こった、ソ連と東欧諸国における社会主義の崩壊は、この半世紀における世界最大の変化だろう。社会主義諸国は、政府の中央集権的な政策決定者を経済活動を指導するのに最適のポジションと考えていた。政策決定者たちは、どの財・サービスをどれだけ生産し、それらの財・サービスを誰が生産・消費するかを決定していたのである。中央集権的な計画の裏づけとなっていたのは、一国全体の経済的福祉が向上するように経済活動を組織できるのは、政府だけであるという理論であった。
 今日では、かつて中央集権的な計画経済システムを採用していた国々のほとんどが、そのシステムを放棄して、市場経済システムを発展させようとしている。市場経済においては、中央集権的な政策決定者による意思決定は、膨大な数の企業や家計の意思決定によって代替されている。企業は、誰を雇い、何を生産するかを決めている。家計は、どの企業で働き、自分たちの所得で何を買うかを決めている。これらの企業や家計は市場で相互に影響しあっており、市場においては価格と利己心が彼らの意思決定を導いているのである。
 一見したところ、市場経済の成功は不思議に思えることだろう。なんといっても、市場経済においては、誰も、社会全体の経済的福祉に留意していないのである。自由な市場には、さまざまな財・サービスに関して多数の売り手と買い手がいて、誰もが自分自身の経済的福祉を中心に考えている。しかし、意思決定が分権的で意思決定者が利己的であるにもかかわらず、市場経済は、全体の経済的福祉を高めるように経済活動を組織することに大きな成功を収めてきたのである。
 1776年に出版された『諸国民の富の原因と性質に関する一研究(国富論)』において、経済学者アダム・スミスは、経済学のなかでも最も有名な考え方を呈示した。市場において相互に影響しあっている家計や企業は、まるで「見えざる手」によって導かれているかのように、望ましい結果に到達しているというのである。本書におけるわれわれの目標の一つは、この見えざる手がどのようにその魔力を発揮するのかを理解することである。経済学を学習するにつれて、見えざる手が経済活動を導く際の手段が価格であることを理解するようになる。価格は、各財の社会にとっての価値と、社会がその財を生産するための費用の両方を反映している。家計や企業は売買の意思決定に際して価格をみて決めるため、彼らは自分たちの行動の社会的な費用と便益とを無意識のうちに考慮している。その結果として、多くの場合、価格は個々の意思決定主体を、社会全体の厚生を最大化するような結果へと導くのである。
 見えざる手が経済活動を巧みに導くことには、ある重要な副次的定理(系)がある。それは、もし政府が、価格による需要と供給の自然な調整を妨害すると、経済を構成する膨大な数の家計と企業を調整する見えざる手の力が弱まってしまうということである。この系は、税金が資源配分に対して悪影響を及ぼすことを説明できる。税金は価格体系を歪めるので、家計や企業の意思決定をも歪めてしまうのである。この系はまた、家賃規制のような直接的な価格規制がもっと大きな悪影響をもたらすことも説明できる。さらに、この系は社会主義の失敗も説明できる。社会主義諸国では、価格は市場ではなく中央集権的な政策決定者によって決められていた。そうした政策決定者たちには、価格が市場の需給を自由に反映していれば得られたはずの情報が欠落していたのである。中央集権的な政策決定者たちが失敗したのは、彼らのもう一つの手である市場における見えざる手が、後ろ手に縛られていたからである。


 通常、市場は社会全体の経済的福祉を最大化する。意思決定が分権的で意思決定者が利己的であるにもかかわらず、このような結果になるのは、価格が「各財の社会にとっての価値」と「社会がその財を生産するための費用」の両方を反映しているからである。このことから、もし政府が「価格による需要と供給の自然な調整」を妨害すると、社会全体の経済的福祉は最大化されないこともわかる、と書かれています。



 「通常」つまり「一般的に」この原理が成り立つことに問題はないでしょう (もちろん例外はあります) 。



 今回引用しているのは、著者のいう「重要な副次的定理(系)」、すなわち
もし政府が「価格による需要と供給の自然な調整」を妨害すると、社会全体の経済的福祉は最大化されないこともわかる
という部分が重要だと思ったからです。

 著者は、
  1. この系は、税金が資源配分に対して悪影響を及ぼすことを説明できる。税金は価格体系を歪めるので、家計や企業の意思決定をも歪めてしまうのである。
  2. この系はまた、家賃規制のような直接的な価格規制がもっと大きな悪影響をもたらすことも説明できる。
  3. さらに、この系は社会主義の失敗も説明できる。社会主義諸国では、価格は市場ではなく中央集権的な政策決定者によって決められていた。そうした政策決定者たちには、価格が市場の需給を自由に反映していれば得られたはずの情報が欠落していたのである。中央集権的な政策決定者たちが失敗したのは、彼らのもう一つの手である市場における見えざる手が、後ろ手に縛られていたからである。
と書いています。

 これらはすべて、説得力に富んでいます。第6原理「通常、市場は社会全体の経済的福祉を最大化する」の「変形」として、これらは「自動的に導かれます」。



 こうした多様な話を「シンプルに」まとめて説明してしまう著者は、きっと「すばらしく優秀」なのでしょう。著者の経歴(29歳でハーバード大学教授になり、のちに大統領経済諮問委員会委員長となる)もそれを証明しています。

 この本は「(知的に)面白い」と思います。こんなに面白い教科書があるとは思いませんでした。楽しい本です。

人々はインセンティブに反応する

2011-06-10 | 日記
N・グレゴリー・マンキュー 『マンキュー入門経済学』 ( p.9 )

 第4原理:人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する

 人々が費用と便益とを比較して意思決定するということは、費用や便益が変われば人々の行動も変化する可能性があるということである。つまり、人々はインセンティブ(誘因)に反応する。たとえば、りんごの価格が上がったとしよう。りんごを買う費用が高くなったので、人々はりんごを食べる量を減らして梨をたくさん食べるようになる。その一方で、りんご農園の経営者は、りんごを売ることの便益が高まったので、従業員を増やしてより多くのりんごを収穫しようとする。これから学んでいくが、価格が市場(この場合はりんご市場)の売り手と買い手の行動に与える影響こそが、経済がどのように機能するのかを理解するうえで決定的に重要なのである。
 公共政策を立案する人々は、決してインセンティブを忘れてはならない。公共政策は、しばしば人々の直面する費用と便益を変化させることによって、彼らの行動も変化させてしまうからである。たとえば、ガソリンに課税すると、人々はこれまでよりも小さくて燃費のいい車に乗るようになる。さらに、自家用車よりも公共交通機関を利用する人が増えて、職住接近も進むだろう。ガソリン税がとても高くなれば、電気自動車に乗る人も増えてくるかもしれない。
 政策がインセンティブに与える影響を政策立案者が考慮しなければ、その政策は意図せざる結果をもたらす可能性もある。意図せざる副作用の例として、自動車の安全性に関する政策を取り上げてみよう。現在ではすべての車に装備されているシートベルトも、50年前には、ほとんど装備されていなかった。ところが、1960年代に、ラルフ・ネーダーという消費者運動の指導者が『どんなスピードでも危ない』という本を書いたことがきっかけとなって、自動車の安全性に対する大きな社会的関心が生まれた。これを受けて連邦議会は、シートベルトをすべての新車に標準装備することを自動車会社に義務づける法律をつくった。
 シートベルトを義務づけた法律は、自動車の安全性にどのような影響を及ぼしただろうか。直接的な効果は明らかだろう。人々がシートベルトをするようになれば、大きな事故が起こったときの死亡率は低下する。しかし、これで話は終わらなかった。この法律は、インセンティブを変えることで、人々の行動も変えてしまったからである。この場合、行動の変化として考えられるのは、ドライバーが運転するときのスピードと注意深さである。ゆっくりと慎重に運転することは、ドライバーの時間とエネルギーを消費するという費用がかかる。どの程度安全に運転するかを決めるときに、合理的な人は安全運転の限界的便益と限界的費用とを比較する。安全性を高めた場合の便益が高ければ、スピードを落として安全に運転する。こう考えれば、道路がよい状態のときよりも、道路が凍っているようなときのほうが人々が安全運転をすることも説明できる。
 シートベルト法が、合理的なドライバーの費用-便益計算をどのように変えたかを検討しよう。シートベルトをすると、負傷したり死亡したりする確率が下がるので、事故の費用が低下する。つまり、シートベルトはゆっくりと慎重に運転することの便益を低下させるのである。人々のシートベルト法に対する反応は、道路状態が改善されたときの反応と同じで、スピードを上げて軽率な運転をするようになる。したがって、シートベルト法は事故件数の増大をもたらすのである。安全運転の減少は、歩行者に対しては明らかにマイナスの影響をもたらす。彼らは事故に遭う確率が高まるだけで、(ドライバーと違って)追加的な防御策が講じられていないからである。
 一見したところでは、シートベルトとインセンティブに関するこの議論は、いい加減な推測にしかみえないかもしれない。しかし、サム・ペルツマンという経済学者が1975年に発表した論文には、自動車の安全性に関するさまざまな法律が実際にこうした影響の多くをもたらしたことが示されている。ペルツマンのあげた証拠によれば、これらの法律は、事故1件当たりの死亡者数を減少させたが、事故件数を増加させてしまった。総合的な結果としては、ドライバーの死亡者数はほとんど変わらなかったが、歩行者の死亡者数は増加したという。
 自動車の安全性に関するペルツマンの分析は、人々がインセンティブに反応するという一般原則の一例にすぎない。経済学者が研究しているインセンティブの多くは、交通安全に関するさまざまな法律のインセンティブよりももっと直接的なものが多い。ガソリン税が高いヨーロッパで、ガソリン税の低いアメリカよりも小型の車が好まれるのも当然の結果だろう。しかしながら、シートベルト法の例が示すように、法律が事前には予測しがたいような効果をもつこともある。どのような政策を分析するときにも、直接的な効果だけではなく、インセンティブを通じて働くような間接的な効果も考慮に入れなければならない。政策がインセンティブを変えると、人々の行動も変更させることになるのである。


 経済学には、「人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する」という原理がある。したがって政策を立案・決定・分析する際には、「直接的な効果だけではなく、インセンティブを通じて働くような間接的な効果も考慮に入れなければならない」と書かれています。



 この原理(または知見)そのものは、「当然のこと」であって、とくに問題はないと思います。

 それではなぜ引用しているかというと、そこで挙げられている例(シートベルト法の例)が意外だったからです。そこには、
 シートベルト法が、合理的なドライバーの費用-便益計算をどのように変えたかを検討しよう。シートベルトをすると、負傷したり死亡したりする確率が下がるので、事故の費用が低下する。つまり、シートベルトはゆっくりと慎重に運転することの便益を低下させるのである。人々のシートベルト法に対する反応は、道路状態が改善されたときの反応と同じで、スピードを上げて軽率な運転をするようになる。したがって、シートベルト法は事故件数の増大をもたらすのである。安全運転の減少は、歩行者に対しては明らかにマイナスの影響をもたらす。彼らは事故に遭う確率が高まるだけで、(ドライバーと違って)追加的な防御策が講じられていないからである。
 一見したところでは、シートベルトとインセンティブに関するこの議論は、いい加減な推測にしかみえないかもしれない。しかし、サム・ペルツマンという経済学者が1975年に発表した論文には、自動車の安全性に関するさまざまな法律が実際にこうした影響の多くをもたらしたことが示されている。ペルツマンのあげた証拠によれば、これらの法律は、事故1件当たりの死亡者数を減少させたが、事故件数を増加させてしまった。総合的な結果としては、ドライバーの死亡者数はほとんど変わらなかったが、歩行者の死亡者数は増加したという。
とあります。要は、シートベルトを義務づけることによって、

   運転者の死亡者数はほとんど変わらなかったが、
   歩行者の死亡者数が増加した、

つまり、

   歩行者も含めて(社会全体で)考えれば
          「かえって危険になった」

ということです。それならシートベルトの義務づけはやめたほうがよい、とは思いませんか?



 シートベルト義務づけは

   運転者にとっては「面倒」で、
   歩行者にとっては「危険」(=死亡者数が増える)

です。こんなものがなぜ義務づけられているのか、なぜ義務づけが続いているのか、それが不思議でなりません。シートベルトの義務づけは、廃止したほうがよいのではないかと思います。



 なお、田中宇氏の本は、とりあえず最後まで通読しましたが、このブログは「批判」を目的として書いているのではありません。必要な部分は吸収したということで(または、吸収したとみなして)次に進みます。

 以前、「きちんと経済学を勉強しろ」というコメントをいただきました。そこで以後、推薦されたマンキューの教科書を読みつつ、経済学の理解を目指します。

 今回の引用は『マンキュー入門経済学』の冒頭に記されている「経済学の十大原理」の一節、第4原理を解説した部分です。第1~第3原理の部分は引用せず、省略しています(飛ばしています)が、あとで10個すべてを簡潔にまとめます。

中国人民解放軍総参謀長の発言(台湾問題)

2011-06-09 | 日記
中国語翻訳者のつぶやき」の「陳炳徳総参謀長の訪米の波紋

米軍のマレン統合参謀本部議長の招きに応じ、中国の陳炳徳解放軍総参謀長が5月15日から22日にかけて、米国を公式訪問しました。中国人民解放軍総参謀長が訪米するのは7年振りであり、中国政府も今回の訪米をかなり重要と位置づけていたようです。

訪問日程は15日から18日までの要人との会見、19日から21日までの米国国内の軍事施設の視察に分かれたのですが、その会見の最終日である18日にマレン議長と行った共同記者会見がかなりの波紋を呼んでいます。

聨合早報の報道によると、陳炳徳総参謀長は会見の席上、「米国が定めている『台湾関係法』は実際のところ中国の内政干渉となる法律であり、米国の国内法で第三国の内政を管理しようとする法律である。これは・・耳障りの悪い言葉で言えば、『太霸气(専横すぎる)』だ」と憤りを隠さずに主張し、「台湾は中国の領土である。これは世界中どこでも非常に明確である。」「中国の領土であるのならば、なぜ中国人が自分の安全を保障できないのか。なぜ米国に武器を彼らに売ってもらう必要があるのか」と述べました。

台湾への武器売却に対して中国政府はこれまでさまざまな反応を示してきました。しかし、外交部が不満を表明したり、「中米の関係を損ねないよう望む」と述べるに留めたりするなど、比較的ソフトな反応だったのです。これは中米関係について配慮していた結果と言えるでしょう。

しかし、この「太霸气」という言葉はこれまでにないほどかなり強い口調であり、台湾への武器売却について一歩踏み込んで米国側に主張したことになります。

(中略)

またF-16戦闘機を台湾に売却することを米国の議会議員が提起したことについて、「本当ならば中米の両軍・両国関係に影響を及ぼすか」と米国の記者が質問したのに対し、陳炳徳総参謀長は「私の答えは『間違いなく影響がある』だ。どれくらいの影響があるかは、米国の台湾への武器売却の程度で決まるだろう」と警告しました。

(中略)

その一方で台湾側が懸念を示している大陸沿岸におけるミサイル配備について、陳炳徳総参謀長は「台湾に近接する大陸沿岸地域における解放軍の軍事配備について言うならば、『驻防部署(防衛目的の配備)』にすぎず、『作战部署(軍事作戦目的の配備)』は行っておらず、『导弹部署(台湾に対するミサイル配備)』などなおさら行っていない」と述べました。

このような「言葉」に台湾の朝野各界は騒然となりました。台湾の国家安全局長は19日、陳炳徳総参謀長の発言に「大陸は台湾の脅威になっていないなどと、どこの国がこのような指摘に賛同するのか」と疑問を呈しました。台湾の高華柱国防部長は「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない。しかしそれでも、沿海地域に対する軍事的定義づけをどのように行うべきか考える必要がある」と述べました。

台湾の民間も強く反発を示しています。ある民意代表は「台湾人民は証拠を見て初めて信用できる」と述べました。


 中国の陳炳徳解放軍総参謀長が訪米し、記者会見の席で発した言葉と、それに対する台湾の反応が書かれています。



 私がみるところ、要点は3つあります。箇条書き風にまとめれば、
  1. 「米国が定めている『台湾関係法』は実際のところ中国の内政干渉となる法律であり、米国の国内法で第三国の内政を管理しようとする法律である。これは・・耳障りの悪い言葉で言えば、『太霸气(専横すぎる)』だ」と憤りを隠さずに主張した。
  2. 「台湾は中国の領土である。これは世界中どこでも非常に明確である。」と述べた。
  3. 「台湾に近接する大陸沿岸地域における解放軍の軍事配備について言うならば、『驻防部署(防衛目的の配備)』にすぎず、『作战部署(軍事作戦目的の配備)』は行っておらず、『导弹部署(台湾に対するミサイル配備)』などなおさら行っていない」と述べた。
です。

 上記のうち、最初の2つは「中国の立場で考えれば」当然の事柄であると思われます。もちろん、「台湾の立場で考えれば」話は異なってくるのですが、(中台の主張のうち、どちらが正しいかを論じることが目的ではないので) ここでは問題にしないことにします。



 さて、今日、私が上記記事を引用したのは、3番目の部分が「きわめて重要」だと思ったからです。

 上記引用によれば、台湾側の反応は
  • 台湾の国家安全局長は「大陸は台湾の脅威になっていないなどと、どこの国がこのような指摘に賛同するのか」と疑問を呈し、
  • 台湾の高華柱国防部長は「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない。しかしそれでも、沿海地域に対する軍事的定義づけをどのように行うべきか考える必要がある」と述べ、
  • 台湾の民間は「台湾人民は証拠を見て初めて信用できる」と述べ、強く反発を示している
ということになります。



 台湾では、「信用しない」人も多いようですが、私は中国側の主張を「信用してよい」のではないかと思います。

 私が「信用してよいのではないか」と思った理由は単純で、
  1. 台湾の高華柱国防部長が「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない」と言っているということのほか、
  2. 中国の陳炳徳解放軍総参謀長が「責任をもって」発言したと(上記記事が引用している報道で)報じられているから
です。総参謀長の言葉には誠実さが感じられると(私は)思います。



 以下に、上記記事が引用している報道(の一部)を、原文(中国語)で引用しておきます。



第一金融网」の「陈炳访美实为向美国警告曰:“勿谓言之不预也!”」( 2011-5-23 15:19:03 )

(前略)

  近日,观察到中国人民解放军总参谋长陈炳率团访美,谈及美国对台军售时,18日在与美军参谋长联席会议主席马伦举行联合记者招待会时,说:“美国制定的‘与台湾关系法’实际上是干涉中国内政的一个法律,用美国的一个国内法管其它国家的内政事务……说得难听一点,就是太霸气了。”;说:“台湾是中国的领土,这个世界上都是非常明确的”;“既然是中国的领土,为什么中国人不能保证自己的安全,需要美国来卖武器装备给他们?”。

  有美国记者问及美国国会有议员提出要向台湾出售F16战斗机,若真如此,会不会影响中美两军和两国关系。陈炳说,“我的回答是肯定的,会影响的。至于影响到什么程度,那要看美国对台军售的程度而定。”

  陈炳透露,这两天他也和美国议员进行了接触,有不少议员也感到“与台湾关系法”该到了重新审视的时候。

  据报道,18日早些时候,陈炳在美国国防大学发表演讲时也指出,台湾问题事关中国主权和领土完整,是中国核心利益所在,坦率地说,也是引发中美关系紧张的主要根源。中方在台湾问题上的立场是一贯的、明确的、也是坚定不移的。对于有人提出大陆应把对台部署、特别是导弹部署撤除的问题,陈炳说:“我负责任地告诉各位记者,在台湾附近沿海地区,我们只有驻防部署,没有作战部署,更没有导弹部署。”“但中国对台湾的分裂行为‘在军事上是有准备的’”。

  在美国国防大学约45分钟的演讲中,陈炳说:“老实说,经过此次访问我感到很难过,切实感受到我们的设备是多么落后,我们是多么不发达”、“中国海军至少和发达国家相差20年”。

(後略)




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インドと中国の領土紛争

2011-06-08 | 日記
田中宇 『日本が「対米従属」を脱する日』 ( p.142 )

 英米に追随する姿勢を国是としているインドでは、少し前までの日本と同様、中国との対立が煽動されていると思われる動きがある。中国軍によるインド国境侵犯である。
 事件は、インド領だが中国が領有権を主張するアルナチャル・プラデシュ州の中印国境で起きている。中国軍は、以前からしばしばインド側に入り込んで示威行動をしたり、赤いペンキで「ここは中国領だ」と書いて帰ったりすることを繰り返してきた。領有権の紛争がある地域なので、インド側はことを荒立てない態度をとり、中国軍の行為を黙認してきた。中国軍の行為は、かつて中国が台湾領有下の金門島に向けて毎日1発ずつ大砲を撃っていたのと同様、中国が同州の領有権を主張し続けていることの表明として継続されてきた。
 インド側は09年9月中旬以降、この中国軍による越境行為を侵略行為と見なして非難する論調を強め、右派マスコミを中心にこの問題が大きくとり上げられた。インド政府は「中国軍の越境行為は以前からのもので、騒ぐほどのことはない」と表明したが、インドの世論は煽動されて「なぜ政府は以前から中国軍の越境行為を黙認してきたのか」と政府非難を強めた。
 10月3日には、世論に押されるかたちでインドのシン首相がアルナチャル・プラデシュ州を訪問し、中国政府は「対立を煽るな」と非難した。中国は、インドがアジア開発銀行に同州への投資を要請していた案件について、開銀に圧力をかけて潰している。一方でインドは、中国がスリランカやモルジブ、ミャンマー沖などのインド洋の各地に海軍拠点を増設していることにも懸念を表明している。
 印中の対立は、今のところ戦争に発展するようなものではないが、急速に衰退する英国が再起のために何をするかわからないという懸念はある。しかしその一方で、以前は対米従属の呪縛が非常に強かった日本政府が、9月の政権交代を境に魔法のように呪縛が解け、世界の多極化の流れに沿った動きを開始したことから考えて、インドでも今後、意外な政治転換によって生まれ変わり、多極型の世界に適応していく可能性がある。
 米国中枢の多極主義者たちは、日本やインドの転換を歓迎する。米政府は、反米的な鳩山新政権を評価する言動を発し続け、10月17日には米国務省の東アジア担当責任者であるカート・キャンベルが、鳩山政権が提唱する米国を外したかたちの東アジア共同体構想に理解を示した。これは「米国が怒って鳩山政権を潰してくれる」と期待していた日本の対米従属論者にとっては悪夢だが、多極化の流れとしては、ごく自然なものである。


 (インドと中国の領土紛争について) 中国軍が勝手にインド領に入り込んで示威行動をしたり「ここは中国領だ」とペンキで書いたりしている。インドでは「中国との対立が煽動されている」と「中国側の視点で」書かれています。



 著者は中国軍による越境行為、すなわち
中国軍は、以前からしばしばインド側に入り込んで示威行動をしたり、赤いペンキで「ここは中国領だ」と書いて帰ったりすることを繰り返してきた。
ことに対し、インドの世論が「煽動されて」問題視しているなどと書いていますが、

 「越境行為」を問題視するのは当然で、これを「煽動された」インド側(国民と政府)の「好ましくない反応である」と考えるのは、いかにも筋違いだと思います。

 また、「世論に押されるかたちでインドのシン首相がアルナチャル・プラデシュ州を訪問」することも問題のない、正当な行為であり、これに対する中国政府の「対立を煽るな」という非難は、いかにも「傲慢」です。

 このような中国政府の態度は、昨年の尖閣諸島沖事件における中国政府の(日本に対する)態度を連想させます (中国側に非があったにもかかわらず、中国は日本に「謝罪と賠償」を要求しました) 。

 「対立を煽るな」というのであれば、中国側が越境行為をしなければよいのです。これでは中国政府が「傲慢である」と受け取られても、やむを得ないでしょう。



 さらに、
中国は、インドがアジア開発銀行に同州への投資を要請していた案件について、開銀に圧力をかけて潰している。一方でインドは、中国がスリランカやモルジブ、ミャンマー沖などのインド洋の各地に海軍拠点を増設していることにも懸念を表明している。
というのですから、

 どう考えても紳士的なのはインドで、横暴なのは中国です。



 著者がなぜ、これほどまでに「中国寄りの視点」をとるのか、著者がなぜ、「悪いのはインド」であるかのような書きかたをするのか、私には、それが不思議でなりません。



 なお、著者は
以前は対米従属の呪縛が非常に強かった日本政府が、9月の政権交代を境に魔法のように呪縛が解け、世界の多極化の流れに沿った動きを開始したことから考えて、インドでも今後、意外な政治転換によって生まれ変わり、多極型の世界に適応していく可能性がある。
 米国中枢の多極主義者たちは、日本やインドの転換を歓迎する。米政府は、反米的な鳩山新政権を評価する言動を発し続け、10月17日には米国務省の東アジア担当責任者であるカート・キャンベルが、鳩山政権が提唱する米国を外したかたちの東アジア共同体構想に理解を示した。これは「米国が怒って鳩山政権を潰してくれる」と期待していた日本の対米従属論者にとっては悪夢だが、多極化の流れとしては、ごく自然なものである。
などと、インドは多極化の流れに「乗り遅れている」といったことを書いていますが、

 著者(田中宇)のこの分析には、疑問があります。



 そもそも、「田中宇のいうような多極化」が実際に起きているのでしょうか?

 著者は「米国務省の東アジア担当責任者であるカート・キャンベルが、鳩山政権が提唱する米国を外したかたちの東アジア共同体構想に理解を示した」と書くと同時に、米国中枢は日本の転換を「歓迎する」などと述べていますが、

 「理解を示した」は「歓迎した」とは異なります。どうしてこれが「歓迎する」になるのか、疑問を禁じ得ません。



■関連記事
 「田中宇の政治的スタンス

中朝関係が悪化しつつある

2011-06-08 | 日記
CNN.co.jp」の「北朝鮮が短距離ミサイル発射、1年7カ月ぶり 聯合通信」( 2011.06.08 Wed posted at: 11:18 JST )

ソウル(CNN) 韓国の聯合通信は、北朝鮮が先週半ばに西部沿岸から短距離ミサイル発射実験を行ったと伝えた。

聯合通信は情報当局関係者の話として、北朝鮮が発射したのは短距離ミサイル「KN-06」で、改良と射程の延長が目的だったと伝えている。

北朝鮮がミサイルを発射するのは1年7カ月ぶり。2009年には東部沿岸から短距離ミサイルを連続して発射し、国際社会の非難を浴びた。

韓国国防省はCNNの取材に対し、この報道についてはコメントできないと述べた。

韓国と北朝鮮の間では、昨年の韓国哨戒鑑沈没や大延坪島(テヨンピョンド)砲撃により緊張が高まっている。北朝鮮は先週、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権を今後一切「相手にしない」とする声明を出した。


 北朝鮮が短距離ミサイル発射実験を行った、と報じられています。



 「西部沿岸から」発射(実験)した、というところがひっかかります。



YOMIURI ONLINE」の「北朝鮮、黄海で短距離ミサイル発射…性能確認か」( 2011年6月8日12時47分 )

 【ソウル=門間順平】韓国政府関係者は8日、北朝鮮が先週初め、北部の平安北道から黄海に向けて短距離ミサイル1発を発射していたと明らかにした。
北朝鮮のミサイル発射が確認されたのは、2009年10月以来。発射されたのは、射程約120キロの地対地ミサイル「KN―02」を改良した地対空ミサイル「KN―06」で、性能確認が目的の実験だったとみられる。


 場所は「北部・平安北道沖の黄海上」であると報じられています。



 要するに中国のすぐ近くですね。「地対空ミサイル」であることからみて、韓国を意識して発射したのでしょうが、

 中国をも意識しているのではないかと思います。なぜなら、中国と北朝鮮の関係も「おかしく」なりつつあるからです。



日本経済新聞」の「中国、北朝鮮に強く圧力 「大国化」で関係に変化も」( 2011/5/27 0:52 )

 【北京=島田学】中国と北朝鮮は26日、国営メディアを通じ、北朝鮮の金正日総書記が20日から26日まで中国を非公式訪問し、25日に北京市内の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談したと発表した。両首脳は北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の早期再開で一致した。中国側が金総書記に強く圧力をかけたのが背景とみられ、中朝関係に変化の兆しが出ている。

 金総書記は「朝鮮半島の情勢の緩和を希望し、朝鮮半島非核化の目標を堅持する」「南北関係の改善に一貫して誠意を持っている」などと述べ、韓国など関係国との対話に前向きな姿勢をみせた。

 慢性的な食糧不足に陥っている北朝鮮が経済支援の強化を求めたのに対し、中国側は支援強化の条件として、核放棄など非核化に向けた具体的な行動をとるよう強く迫ったとみられる。中国としては、6カ国協議議長国として一定の影響力を示せたといえる。

 中国側は今回、ともに世代交代を控えていることを念頭にかつて「生命と鮮血で築いた兄弟のような友情」と表現した北朝鮮との関係を微妙に変化させている。

 「わざと日中韓首脳会談にぶつけてきたにちがいない」。中国外交当局者は、温家宝首相の訪日前日というタイミングに北朝鮮側が金総書記訪中の日程を組んできたことに不快感を示した。温首相は今回の訪日を日中関係改善の転機にしたいと意気込んでいた。

 中国側は北朝鮮へ意趣返しをするように、日中、中韓首脳会談で金総書記の訪中について事情を説明。通常は金総書記が国境を越えて北朝鮮側に入るか、国境付近に着く段階まで訪中を「トップシークレット」扱いとしてきた慣例を破り、北京駅を出発してから4時間半後、国境まで半日近くかかる時点で国営メディアが一斉に報じた。

 中国側の発表によると、金総書記は今回の訪中で「改革・開放政策の正しさを目のあたりにした」と述べ、中国の経済政策に倣って経済再建を進める姿勢を示した。

中国主導で再建

 ただ、中国側にはこれまでの北朝鮮への支援が実際の経済再建につながっていないとの不信感がある。中国が中朝国境地域での経済共同開発にこだわるのも「経済再建を北朝鮮任せにせず中国主導で進める」との意思表明だ。

 首脳会談では、北朝鮮への経済支援の具体策や中朝共同事業での協力拡大などで一定の合意に達したとみられるが、公表されていない。

 金総書記を乗せたとみられる特別列車は26日午後、北京を離れた。遼寧省丹東などを通って27日にも帰国する見通しだ。


 中朝関係に変化の兆しが出ている。中国側は北朝鮮に対して不快感を示し、かつて「生命と鮮血で築いた兄弟のような友情」と表現した北朝鮮との関係を微妙に変化させつつある。従来の慣例、すなわち金総書記が国境を越えて北朝鮮側に入るか、国境付近に着く段階まで訪中を「トップシークレット」扱いとしてきた慣例を破り、北京駅を出発してから4時間半後、国境まで半日近くかかる時点で国営メディアが一斉に報じた、と報じられています。



 報道では
中国が中朝国境地域での経済共同開発にこだわるのも「経済再建を北朝鮮任せにせず中国主導で進める」との意思表明だ。
と書かれていますが、そればかりではなく、その背後には軍事的な面が隠されているはずだと思います。中国が経済ばかりを気にして軍事を度外視しているなど、(私には)とても考えられません (「中国軍、50年間の租借権をもつ羅津港に進駐」参照 ) 。



 今回の報道からは中国側が北朝鮮に対して「冷淡な態度をとった」のではないかと推測されますが、北朝鮮側の反応は次の(報道の)とおりです。また、(下記の報道には) 北朝鮮は中国に軍事協力を求めたが「拒否された」とみられるとも報じられています。



産経ニュース」の「金正日総書記は中国に何を要求したのか」( 2011.6.5 07:00 )

 7泊8日、約6000キロに及んだ金正日総書記の訪中の真の目的は、一体何だったのか。随行首脳部の顔ぶれなどから新たな見方が出ている。「主目的は経済支援などではなく、軍事支援要請の可能性が高い」(日韓の専門家)というのだ。内容は核・ミサイルに比べ極度に老朽化し使い物にならない「通常兵器の更新への協力」や「最新鋭戦闘機の供与」とされる。世襲本番に向け「頭のなかは息子のことだけ」の金総書記が備えるべきは軍事力。さらに軍部の不満解消-という分析である。(久保田るり子)

★2人の軍需最高幹部は何をしに訪中したのか

 「金正日総書記からみれば、中国の羅先(羅津・先鋒)経済特区への投資などは、彼らの中国東北部開発の延長でギブ・アンド・テークだ。中国に頭を下げる(いうことを聞く)などという発想はない」と分析するのは1950年代から北朝鮮研究を行っている韓国の康仁徳・元統一相だ。

 北朝鮮はすでに中国と羅津港の埠(ふ)頭(とう)使用権(50年)契約をかわしており、東北3省の経済開発は中国の中央政府の重要な政策にもなっている。

 「それより北朝鮮のいまの問題は軍事だ。6カ国協議を再開し核問題を協議するというのであれば、まず南北の軍事バランス。古い兵器、部品もない通常兵器をどうするのか。訪中には北朝鮮の軍需最高幹部が同行したが、私は北朝鮮が通常兵器問題を中国に提起した可能性が高いと考えている」(康仁徳氏)

 最高幹部とは朱奎昌(チュ・ギュチャン)氏と朴道春(パク・トチュン)氏。いずれも三男の金正恩氏への世襲作業の本格化に並行して大昇進した軍需(兵器製造開発、配備調達、実験)部門の最高幹部だ。

 朱奎昌氏は核・ミサイル実験をはじめとする兵器開発部門の旧軍需工業部(現機械工業部)部長。2009年4月の長距離弾道ミサイル発射の際の記念撮影では金総書記のそばに立っていたことでも知られる。昨年9月の朝鮮労働党代表者会で党中央委員、政治局員候補などの要職についた。

 朴道春氏は、山間部に軍需工場が多数あるとされる北朝鮮北部の慈江道の責任書記出身で「北朝鮮最高の軍事専門家」(韓国紙「朝鮮日報」)とされる。やはり昨年9月に党書記、政治局員候補となり国防委員会の軍需担当責任者だ。

 金総書記の訪中では朱氏が昨年5月、朴氏は昨年8月に随行したが、今訪中には2人そろって同行した。昨年5月の訪中では、金総書記が胡錦濤国家主席に「最新鋭戦闘機30機の供与を要請したが、成功しなかった」との情報もある。

 日本の軍事筋は「戦闘機情報には注目している。北朝鮮軍のなかで最も貧弱なのが戦闘機だ。北朝鮮はノドから手がでるほど欲しいだろうが、現実には核実験への国連安保理決議1874が執行中であり、中国の支援・供与は困難」と述べている。

★北朝鮮はなぜ、中国の顔に泥を塗るのか?

 金総書記が平壌に戻った翌5月28日、北朝鮮の最高権力機関、国防委員会の声明で「李明博逆賊一味をこれ以上相手にしない」と断言した。1日には韓国が働きかけていた南北首脳会談の交渉過程を実名を挙げて暴露し、非難している。

 中国は議長国として6カ国協議再開問題で、まず、緊張状態の韓国と北朝鮮による南北協議を第一段階とする「3段階再開構想」を推進している。帰国するや金総書記はこれを真っ向から否定した格好だ。

 金総書記は訪中で予定されていた中朝国境の工業団地の起工式や道路建設起工式も欠席し、さっさと帰ってしまった。また、温家宝首相との会談で話し合われた経済協力強化と、これを通じた改革・開放への「新たな局面」についても北朝鮮側は一切無視して報道しなかった。

 明らかに中国の顔に泥を塗った形だ。金総書記の中朝首脳会談への不満の表明とみられる。中国中央テレビは金総書記、温首相会談後の金総書記の笑顔ひとつもない、終始固い表情を捕らえている。何が不満だったのか。経済支援が足りなかったのか、軍事協力を拒否されたのか。

 一方で金総書記は、胡錦濤、温家宝両首脳との会談で「中朝友好協力相互援助条約」が今年7月に締結50年を迎えることを強調したという事実がある。この条約は、一方の国が第三国の軍事攻撃を受けたとき、他方の国が軍事的に介入することを明記した「自動介入条項」を含んでいる軍事同盟条約だ。

 「金正日総書記は世襲に向け焦っているのだろう。彼の頭のなかは息子のことだけだ。世襲の完成のためには、まず軍部をしっかりと引き継ぐこと。先軍政治で北朝鮮の軍部は力を付けており、その不満を解消する必要に迫られている」と康仁徳氏は分析する。

 強硬一辺倒で柔軟性のない金正日体制に、中国はどう出るのかが次の注目点である。


 金総書記は中国首脳との会談後、「終始固い表情」をしていた。金総書記は訪中で予定されていた中朝国境の工業団地の起工式や道路建設起工式も欠席し、さっさと帰ってしまったので、(会談に)不満があったとみられる。金総書記は今回、軍需(兵器製造開発、配備調達、実験)部門の最高幹部2名を同伴しており、胡錦濤、温家宝両首脳との会談で「中朝友好協力相互援助条約」(一方の国が第三国の軍事攻撃を受けたとき、他方の国が軍事的に介入することを明記した「自動介入条項」を含んでいる軍事同盟条約)が今年7月に締結50年を迎えることを強調したという事実もある。おそらく、北朝鮮の目的は核・ミサイルに比べ極度に老朽化し使い物にならない「通常兵器の更新への協力」や「最新鋭戦闘機の供与」だったのだろう、と報じられています。



 北朝鮮もイスラエル同様、「追い込まれている」ようです。とすれば核を放棄するかもしれない、とも考えられますが、

 「地対空ミサイル」であるとはいえミサイル発射実験を行った意図は、「あくまでも対抗する」というアピールであると考えられます。したがって、やはり「当面、北朝鮮は核廃棄しない」のではないかと思います。



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