陳惠運・野村旗守 『中国は崩壊しない』 ( p.95 )
台湾問題に米国が軍事介入した場合の中国の対応を述べた、中国国防大学・防務学院長 (朱成虎少将) の発言が紹介されています。
著者が述べるように、半分は「口だけ」のポーズだと思います。
しかし重要なのは、
人民解放軍の軍事エリートたちが
「すでにアメリカと互角に戦う準備ができている」と豪語している
ということです。私は著者とは異なり、それほどまでに「中国軍は力をつけている」とは思いませんが、中国人民解放軍の幹部達が「自信をもっている」ことはきわめて重要だと思います。
人民解放軍の実力はともかく、中国はアメリカと戦うこともいとわないと考えられるからです。
とすれば、「三峡ダムの問題点」で述べた私の予測、すなわち、「(よほどのことがないかぎり) 中国には米国と戦う意志はない」という分析は、外れているとも考えられます。
しかし、中国にとって「台湾」は「よほどのこと」にあたると考えられるので、とくに予測が外れているともいえないでしょう。
問題は、中国はどこまでアメリカと戦う覚悟をしているのか、です。それによって、本格的な戦争になる可能性がどの程度なのかが決まります。
中国側の「覚悟」の程度を知るには、さらに詳細な資料が必要になると思いますが、どこまで資料を集めて分析しても、最終的には「わからない」としか言えないのではないかと思います。とすれば、
「民主進歩黨」の「馬英九、CNNインタビューで語った「NEVER」説は中国に媚を売る謬論」( 2010-05-03 )
台湾の馬英九総統が米CNNのインタビューに対し、「台湾海峡で戦争が勃発しても決して (never)米国に台湾への支援を求めたりはしない、などと語った」ことは、台湾の「対米関係にとって大きなマイナスである」、と批判されていますが、
たしかにその批判は当たっていると考えられるものの、逆に、(中国は米国への核攻撃も辞さないと言っている以上)「対米配慮」と取れなくもありません。
馬英九総統のこの発言は、今後の台湾政治の動きをみつつ、(大きな文脈で) 判断しなければならないのではないかと思います。
二〇〇五年七月に開かれた中国外交部主催の記者会見の席上、中国国防大学・防務学院長の朱成虎少将は居並ぶ記者たちを前にこう述べた。
「今後、台湾問題をめぐって中米間に衝突が発生した場合、もしアメリカがミサイルを使うのなら、中国も躊躇なく (ちゅうちょなく) 核兵器の使用を決断するだろう」
また、
「その場合、我々は西安 (陝西省) 以東のすべての都市が破壊されることを覚悟している。だがもちろん、アメリカも一〇〇、あるいは二〇〇の都市、さらに多くの都市が中国に壊滅されることを覚悟しなければならない」
とも語った。
朱成虎は中国人民解放軍の元老で、十大元師のトップであった朱徳の孫 (第四夫人の長女の子) であり、十数人いたなかでも朱徳が特別眼をかけた秘蔵の孫だ。現在は、将来を期待される人民解放軍の将軍候補の一人でもある。
このように、半分はポーズとしても、解放軍の軍事エリートたちが「すでにアメリカと互角に戦う準備ができている」と豪語するほどに、中国軍は力をつけている。この強大な軍隊を相手に攻め入ろうと考える外国勢力はそう簡単にはあらわれないだろうし、逆に国内でどんな動乱が起ころうとも一瞬のうちに圧し潰してしまうことは確実である。
台湾問題に米国が軍事介入した場合の中国の対応を述べた、中国国防大学・防務学院長 (朱成虎少将) の発言が紹介されています。
著者が述べるように、半分は「口だけ」のポーズだと思います。
しかし重要なのは、
人民解放軍の軍事エリートたちが
「すでにアメリカと互角に戦う準備ができている」と豪語している
ということです。私は著者とは異なり、それほどまでに「中国軍は力をつけている」とは思いませんが、中国人民解放軍の幹部達が「自信をもっている」ことはきわめて重要だと思います。
人民解放軍の実力はともかく、中国はアメリカと戦うこともいとわないと考えられるからです。
とすれば、「三峡ダムの問題点」で述べた私の予測、すなわち、「(よほどのことがないかぎり) 中国には米国と戦う意志はない」という分析は、外れているとも考えられます。
しかし、中国にとって「台湾」は「よほどのこと」にあたると考えられるので、とくに予測が外れているともいえないでしょう。
問題は、中国はどこまでアメリカと戦う覚悟をしているのか、です。それによって、本格的な戦争になる可能性がどの程度なのかが決まります。
中国側の「覚悟」の程度を知るには、さらに詳細な資料が必要になると思いますが、どこまで資料を集めて分析しても、最終的には「わからない」としか言えないのではないかと思います。とすれば、
「民主進歩黨」の「馬英九、CNNインタビューで語った「NEVER」説は中国に媚を売る謬論」( 2010-05-03 )
馬英九氏はこのほど米国CNNのインタビューに答え、台湾海峡で戦争が勃発しても決して (never)米国に台湾への支援を求めたりはしない、などと語った。蔡其昌スポークスパーソンは3日、「馬英九のこの発言は台湾海峡の戦略目標について、米国の「模糊」原則を破壊し、東アジアの戦略的バランスと台湾海峡の安全を完全に破壊する軽率なものだ。それは中国に媚を売り、塩を売るものではないのか?馬氏に明確な説明を求めたい」と語った。
台湾海峡問題や軍事専門家であれば熟知していることだが、米国は台湾海峡で紛争が起こった場合、必ず参戦するかどうかは曖昧にする戦略である。この米中台関係の「曖昧」戦略こそが、米国の基本原則であり、それこそがまさに台湾海峡の紛争の抑止につながっている。しかし今回馬氏は「NEVER」ということによって、この「曖昧」戦略を破壊し、米国が介入する可能性を自ら否定した。これは対米関係にとって大きなマイナスである。
また、中国側はECFAについて「利益供与説」を言っていることから、馬氏の今回の発言は馬氏側の中国に対する利益交換条件としての「対中利益供与」ではないかという疑いを持つ。
台湾の馬英九総統が米CNNのインタビューに対し、「台湾海峡で戦争が勃発しても決して (never)米国に台湾への支援を求めたりはしない、などと語った」ことは、台湾の「対米関係にとって大きなマイナスである」、と批判されていますが、
たしかにその批判は当たっていると考えられるものの、逆に、(中国は米国への核攻撃も辞さないと言っている以上)「対米配慮」と取れなくもありません。
馬英九総統のこの発言は、今後の台湾政治の動きをみつつ、(大きな文脈で) 判断しなければならないのではないかと思います。
中国が“同胞と呼ぶべき”台湾に対して、核兵器を使用した場合、軍事的には(一時的に)成功しても、政治的には敗北します。
中国は、全ての台湾人から拒絶されます。
ですから、中国が“まともな判断”をする限り、台湾への核攻撃は無い、というのが、私の持論です。
ここが、北朝鮮と中国の決定的かつ重要な違いだと思います。
1.台湾への武器の売却は期限付けしていない。
2.台湾への武器売却について中国と協議しない。
3.台湾と中国の仲介役にはならない。
4.台湾関係法を改正する事に対して賛成していない。
5.台湾の国としての主権についてその考えを変えていない。
6.台湾に中国と交渉するように圧力はかけない。
以上については、米国の政策は今も一貫している。
したがって、よほどのことがないかぎり、中国は台湾を攻撃しないでしょう。かといって、いつでも攻撃しうる態勢はとり続けるだろうと思います。
米国の態度については、わかりません。米国が中国に対し、「台湾は中国の一部である」と認めた、という話もあります。米国の態度は、まさに「あいまい」ですね。
いつまで続くかはわかりませんが。
あなたが「台湾は中国の一部ではない」と思っており、その「前提」に立っているので、そのように考えているだけだと思います。
中国=中華人民共和国(だけ)、ではありません。
個人的には、統一でも独立でもなく、「二つの中国」を支持します。
この点はよく注意して下さい。
これは、台湾の主権についての、日米などの公式見解です。
「台湾は中華人民共和国の一部である」
と書かれた公式文書や声明を出したことはありません。
台湾の将来について、
①中国に統一された方が良い
②独立した方が良い③現状維持する
④国家連合方式
⑤二つの中国(国家連合は無く、それそれ共存=今の南北朝鮮のように)
⑥その他
私の見解は④と⑤(この二つは似ていますが、全く同じではないので、別にしました)。
特に、台湾関係でのあなたとのコメントのやり取りでは、
「私がAだと言うと、あなたはBだと」或は
「私がBだと言えば、あなたはAだと言う」
そんな不毛なやり取りが多い感じがしますので、この機会に、あなたの明確な意見・意思をお聞かせください。
「半年程度さきの将来」について、「日本(国)にとって」よいのは何かといえば、「現状維持」だと思います。
最低10年後、可能なら20年後、でお願いします。