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台湾問題についての米中台の姿勢

2010-11-20 | 日記
陳惠運・野村旗守 『中国は崩壊しない』 ( p.95 )

 二〇〇五年七月に開かれた中国外交部主催の記者会見の席上、中国国防大学・防務学院長の朱成虎少将は居並ぶ記者たちを前にこう述べた。
「今後、台湾問題をめぐって中米間に衝突が発生した場合、もしアメリカがミサイルを使うのなら、中国も躊躇なく (ちゅうちょなく) 核兵器の使用を決断するだろう」
 また、
「その場合、我々は西安 (陝西省) 以東のすべての都市が破壊されることを覚悟している。だがもちろん、アメリカも一〇〇、あるいは二〇〇の都市、さらに多くの都市が中国に壊滅されることを覚悟しなければならない」
 とも語った。
 朱成虎は中国人民解放軍の元老で、十大元師のトップであった朱徳の孫 (第四夫人の長女の子) であり、十数人いたなかでも朱徳が特別眼をかけた秘蔵の孫だ。現在は、将来を期待される人民解放軍の将軍候補の一人でもある。
 このように、半分はポーズとしても、解放軍の軍事エリートたちが「すでにアメリカと互角に戦う準備ができている」と豪語するほどに、中国軍は力をつけている。この強大な軍隊を相手に攻め入ろうと考える外国勢力はそう簡単にはあらわれないだろうし、逆に国内でどんな動乱が起ころうとも一瞬のうちに圧し潰してしまうことは確実である。


 台湾問題に米国が軍事介入した場合の中国の対応を述べた、中国国防大学・防務学院長 (朱成虎少将) の発言が紹介されています。



 著者が述べるように、半分は「口だけ」のポーズだと思います。

 しかし重要なのは、

   人民解放軍の軍事エリートたちが
    「すでにアメリカと互角に戦う準備ができている」と豪語している

ということです。私は著者とは異なり、それほどまでに「中国軍は力をつけている」とは思いませんが、中国人民解放軍の幹部達が「自信をもっている」ことはきわめて重要だと思います。

 人民解放軍の実力はともかく、中国はアメリカと戦うこともいとわないと考えられるからです。



 とすれば、「三峡ダムの問題点」で述べた私の予測、すなわち、「(よほどのことがないかぎり) 中国には米国と戦う意志はない」という分析は、外れているとも考えられます。

 しかし、中国にとって「台湾」は「よほどのこと」にあたると考えられるので、とくに予測が外れているともいえないでしょう。



 問題は、中国はどこまでアメリカと戦う覚悟をしているのか、です。それによって、本格的な戦争になる可能性がどの程度なのかが決まります。

 中国側の「覚悟」の程度を知るには、さらに詳細な資料が必要になると思いますが、どこまで資料を集めて分析しても、最終的には「わからない」としか言えないのではないかと思います。とすれば、



民主進歩黨」の「馬英九、CNNインタビューで語った「NEVER」説は中国に媚を売る謬論」( 2010-05-03 )

馬英九氏はこのほど米国CNNのインタビューに答え、台湾海峡で戦争が勃発しても決して (never)米国に台湾への支援を求めたりはしない、などと語った。蔡其昌スポークスパーソンは3日、「馬英九のこの発言は台湾海峡の戦略目標について、米国の「模糊」原則を破壊し、東アジアの戦略的バランスと台湾海峡の安全を完全に破壊する軽率なものだ。それは中国に媚を売り、塩を売るものではないのか?馬氏に明確な説明を求めたい」と語った。

台湾海峡問題や軍事専門家であれば熟知していることだが、米国は台湾海峡で紛争が起こった場合、必ず参戦するかどうかは曖昧にする戦略である。この米中台関係の「曖昧」戦略こそが、米国の基本原則であり、それこそがまさに台湾海峡の紛争の抑止につながっている。しかし今回馬氏は「NEVER」ということによって、この「曖昧」戦略を破壊し、米国が介入する可能性を自ら否定した。これは対米関係にとって大きなマイナスである。

また、中国側はECFAについて「利益供与説」を言っていることから、馬氏の今回の発言は馬氏側の中国に対する利益交換条件としての「対中利益供与」ではないかという疑いを持つ。


 台湾の馬英九総統が米CNNのインタビューに対し、「台湾海峡で戦争が勃発しても決して (never)米国に台湾への支援を求めたりはしない、などと語った」ことは、台湾の「対米関係にとって大きなマイナスである」、と批判されていますが、



 たしかにその批判は当たっていると考えられるものの、逆に、(中国は米国への核攻撃も辞さないと言っている以上)「対米配慮」と取れなくもありません。

 馬英九総統のこの発言は、今後の台湾政治の動きをみつつ、(大きな文脈で) 判断しなければならないのではないかと思います。
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23 コメント

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台湾海峡 (四葉のクローバー)
2011-05-25 15:57:46
>「今後、台湾問題をめぐって中米間に衝突が発生した場合、もしアメリカがミサイルを使うのなら、中国も躊躇なく (ちゅうちょなく) 核兵器の使用を決断するだろう」

中国が“同胞と呼ぶべき”台湾に対して、核兵器を使用した場合、軍事的には(一時的に)成功しても、政治的には敗北します。
中国は、全ての台湾人から拒絶されます。

ですから、中国が“まともな判断”をする限り、台湾への核攻撃は無い、というのが、私の持論です。

ここが、北朝鮮と中国の決定的かつ重要な違いだと思います。

六つの保障 (四葉のクローバー)
2011-05-25 16:17:23
意外と知られていないが、米国の台湾政策に「六つの保障」(Six Assurances)という、大原則がある。

1.台湾への武器の売却は期限付けしていない。
2.台湾への武器売却について中国と協議しない。
3.台湾と中国の仲介役にはならない。
4.台湾関係法を改正する事に対して賛成していない。
5.台湾の国としての主権についてその考えを変えていない。
6.台湾に中国と交渉するように圧力はかけない。

以上については、米国の政策は今も一貫している。

Unknown (memo26)
2011-05-25 18:40:07
 おそらく中国は、「台湾は放っておけば自然に中国に統一される」と考えているのではないかと思います。

 したがって、よほどのことがないかぎり、中国は台湾を攻撃しないでしょう。かといって、いつでも攻撃しうる態勢はとり続けるだろうと思います。

 米国の態度については、わかりません。米国が中国に対し、「台湾は中国の一部である」と認めた、という話もあります。米国の態度は、まさに「あいまい」ですね。
あいまい戦略 (四葉のクローバー)
2011-05-25 20:46:17
今の所、米国のあいまい戦略・戦術は、国民党、民進党、台湾建国派、日本政府、全ての当事者に取って、プラスに作用してます(もしかしたら、中国にも)。

いつまで続くかはわかりませんが。
Unknown (memo26)
2011-05-28 13:34:30
 そうかもしれませんが、台湾の統一派や中国は、米国が明確に「台湾は中国の一部である」と宣言してくれれば歓喜するでしょう。

 あなたが「台湾は中国の一部ではない」と思っており、その「前提」に立っているので、そのように考えているだけだと思います。
より正確に言えば (四葉のクローバー)
2011-05-29 12:02:06
誤解の無いように言っておきますが、私の見解は、台湾は「中華人民共和国」の一部では無い、です。

中国=中華人民共和国(だけ)、ではありません。
個人的には、統一でも独立でもなく、「二つの中国」を支持します。
この点はよく注意して下さい。

これは、台湾の主権についての、日米などの公式見解です。
一言でまとめると (四葉のクローバー)
2011-05-29 12:11:54
日本政府も米国政府も、
「台湾は中華人民共和国の一部である」
と書かれた公式文書や声明を出したことはありません。
それでは、あなたの意見は (四葉のクローバー)
2011-05-29 12:32:33
それでは、あなたの意見をお聞きしたいですね。

台湾の将来について、
①中国に統一された方が良い
②独立した方が良い③現状維持する
④国家連合方式
⑤二つの中国(国家連合は無く、それそれ共存=今の南北朝鮮のように)
⑥その他

私の見解は④と⑤(この二つは似ていますが、全く同じではないので、別にしました)。

特に、台湾関係でのあなたとのコメントのやり取りでは、
「私がAだと言うと、あなたはBだと」或は
「私がBだと言えば、あなたはAだと言う」
そんな不毛なやり取りが多い感じがしますので、この機会に、あなたの明確な意見・意思をお聞かせください。
Unknown (memo26)
2011-05-29 18:11:02
 質問の趣旨(「誰にとって」よいのか、「台湾の将来」というのは、「どの程度さきの」将来なのか) それがわかりませんが、

 「半年程度さきの将来」について、「日本(国)にとって」よいのは何かといえば、「現状維持」だと思います。
半年先じゃ (四葉のクローバー)
2011-05-29 18:20:07
いくらなんでも短すぎます。
最低10年後、可能なら20年後、でお願いします。
Unknown (memo26)
2011-05-29 18:31:49
 私は基本的に日本の立場は米中関係で決まると考えます。10年~20年先にどうなっているかわからないので、答えようがありません。

 なお、私が「半年程度さき」としたのは、米国・中国・台湾などで、指導者が代わる(選挙がある)からです。

それならせめて (四葉のクローバー)
2011-05-29 18:40:16
来年1月の総統選挙後の次期政権期間(1年後から4年後くらい)でなら、どうですか?
このくらいなら問題無いでしょう?
Unknown (memo26)
2011-05-29 19:59:39
 誰が当選するか、わからないではありませんか。
 中国の場合は事実上、習近平で決まったと言われていますが、反習近平派の巻き返しがあるかもしれませんし、わからないですよね。
 また、指導者が確定したところで、彼(または彼女)が実際にどんな政策をとるのかも、しばらく様子をみてみなければわからないと思います。
よく理解できませんが (四葉のクローバー)
2011-05-29 20:23:32
何故、習近平が出て来るのか、理解できません。
あなたには、習近平と、そうでない場合の指導者との「台湾政策」の違いが解るのですか?
習近平なら、どうなるのですか?
それほどの卓見であれば、二年後程度の予想くらい、たやすいはずですが。

これだと、台湾関連で、いくらコメントのやり取りをしても、ちぐはぐになるはずですね。

勿論、台湾の次期総統が誰になるか、によっても違いが出るのは、当然です。

しかし、「次期総統がどちらにか決まるか解らないと、台湾の将来を予想出来ない」は無いでしょう。
たった8ヶ月先の話ですよ。

ちなみに、私の見解は、
「馬英九再選なら④、蔡英文当選なら⑤、の方向に進むのが望ましい」
です。
尚、台湾に関する私のコメントは基本的に、以上の観点で書いております。
Unknown (memo26)
2011-05-30 05:58:51
> 何故、習近平が出て来るのか、理解できません。

 私は、「私は基本的に日本の立場は米中関係で決まると考えます」「中国の場合は事実上、習近平で決まったと言われています」と書いています。何故習近平が出てくるのかは答えるまでもないと思いますが。

> 台湾の将来を予想

 「日本(国)にとって」よいのは何か、が話題だったはずですが。
日本に良いのは何か (四葉のクローバー)
2011-05-30 08:26:54
なんですから、習近平や総統選挙結果には関係なく回答できる、と思いますがね。
なんで、全てお膳立てされなければ、回答出来ないんですかね。

外れたっていいではありませんか?
神様じゃないんだから、百点満点の回答なんてできませんよ。
まあ、でも、そこまで言うなら、こちらも「無理を通してまで回答しろ」とは言いませんよ。

もういいです。
ちなみに (四葉のクローバー)
2011-05-30 08:39:12
私の見解(回答)も、日本にとって良いのは何か、で回答していますよ。

「馬英九再選なら④、蔡英文当選なら⑤、の方向に進むのが望ましい」
と。

尚、私の回答は、習近平とは全く関係ありません。
今後は (memo26)
2011-05-30 09:31:06
> 日本に良いのは何かなんですから、習近平や総統選挙結果には関係なく回答できる、と思いますがね。

 それならあなたと私は、考えかたが違うのでしょう。

> もういいです。

 わかりました。

 コメント欄で有益とは言い難いやりとりが続いていると思いますので、今後は「コメントはすべて読むけれども、すべてに返事をしない」という方針にしようと思います。そうしなければ、延々と続いてしまうように思います。
そうですかね (四葉のクローバー)
2011-05-30 10:03:38
>日本に良いのは何かなんですから、習近平や総統選挙結果には関係なく回答できる、と思いますがね。
それならあなたと私は、考えかたが違うのでしょう。

来年は、台湾だけでなく、米国、韓国、ロシア、においても大統領選挙があります。

しかし、“日本あるいは日本人にとって良い”米国、韓国、ロシア、日本とは何か?
についての質問に対して、
①米国であれば、オバマが再選されるか否かに関係なく、
②韓国であれば、現在の与党(ハンナラ)と野党(民主)のどちらが勝つかに関係なく、
③ロシアであれば、メドベージェフとプーチンのどちらになるかに関係なく、
④日本であれば、ポスト菅政権が、自民党か民主党のどちらになるかに関係なく、
それなりの回答、一定の(あるべき)イメージが可能なのではないでしょうか?
何故、台湾に関してだけ、総統選挙結果や習金平の動向、など全てが明確でないと駄目なんですかね?

>コメント欄で有益とは言い難いやりとりが続いていると思いますので、今後は「コメントはすべて読むけれども、すべてに返事をしない」という方針にしようと思います。

私はこの件でのコメントのやり取りと、「有益とは言い難い」とは全く思っていません。
しかし、必ずしも、すべてのコメントに返事をする必要なない、には同意します。

Unknown (memo26)
2011-05-30 10:18:32
> 何故、台湾に関してだけ、総統選挙結果や習金平の動向、など全てが明確でないと駄目なんですかね?

 日本にとっては、台湾よりも中国のほうが重要だからです。なお、べつに台湾に関してだけ、というわけではありません。


> 私はこの件でのコメントのやり取りと、「有益とは言い難い」とは全く思っていません。

 人によって「有益かどうか」の基準が異なるのはやむを得ないでしょう。コメントした人が「有益だ」と思っていれば、私が「さほど有益ではない」と思っていても、延々と返事をし続けなければならないとなると、すこし大変です。

> しかし、必ずしも、すべてのコメントに返事をする必要なない、には同意します。

 ありがとうございます。あなたのコメントで、まだ(私が)返事をしていないものが10件(記事)程度残っています。従前のコメントに対しても、この方針を適用しようと思っています。ご理解ください。
ダブルスタンダード (四葉のクローバー)
2011-05-30 10:30:01
>日本にとっては、台湾よりも中国のほうが重要だからです。

それでは、あなたがこれまでに書いた、
南京大虐殺、領土問題、中国の軍事的脅威、など、中国に関する多くの「否定的」なコメントは何だったのでしょうかね?

こと、台湾問題に関しては、中国に「肯定的」(例外)なんですね?
Unknown (memo26)
2011-05-30 11:22:54
 私が中国が重要だと言ったからといって、「だから中国と友好しなければならない」には結びつきません。

 中国と友好しようが対立しようが、どちらであっても「台湾よりも中国のほうが重要」だということです。

 日本に及ぼす「影響の大きさ」が、台湾よりも中国のほうが大きい、ということです。
その回答なら納得します (四葉のクローバー)
2011-05-30 11:26:22
実は、その答えを予想して(欲しくて)、あえて、質問しました。

少々、意地悪でしたね。
すみません。

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