言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

中国人民解放軍総参謀長の発言(台湾問題)

2011-06-09 | 日記
中国語翻訳者のつぶやき」の「陳炳徳総参謀長の訪米の波紋

米軍のマレン統合参謀本部議長の招きに応じ、中国の陳炳徳解放軍総参謀長が5月15日から22日にかけて、米国を公式訪問しました。中国人民解放軍総参謀長が訪米するのは7年振りであり、中国政府も今回の訪米をかなり重要と位置づけていたようです。

訪問日程は15日から18日までの要人との会見、19日から21日までの米国国内の軍事施設の視察に分かれたのですが、その会見の最終日である18日にマレン議長と行った共同記者会見がかなりの波紋を呼んでいます。

聨合早報の報道によると、陳炳徳総参謀長は会見の席上、「米国が定めている『台湾関係法』は実際のところ中国の内政干渉となる法律であり、米国の国内法で第三国の内政を管理しようとする法律である。これは・・耳障りの悪い言葉で言えば、『太霸气(専横すぎる)』だ」と憤りを隠さずに主張し、「台湾は中国の領土である。これは世界中どこでも非常に明確である。」「中国の領土であるのならば、なぜ中国人が自分の安全を保障できないのか。なぜ米国に武器を彼らに売ってもらう必要があるのか」と述べました。

台湾への武器売却に対して中国政府はこれまでさまざまな反応を示してきました。しかし、外交部が不満を表明したり、「中米の関係を損ねないよう望む」と述べるに留めたりするなど、比較的ソフトな反応だったのです。これは中米関係について配慮していた結果と言えるでしょう。

しかし、この「太霸气」という言葉はこれまでにないほどかなり強い口調であり、台湾への武器売却について一歩踏み込んで米国側に主張したことになります。

(中略)

またF-16戦闘機を台湾に売却することを米国の議会議員が提起したことについて、「本当ならば中米の両軍・両国関係に影響を及ぼすか」と米国の記者が質問したのに対し、陳炳徳総参謀長は「私の答えは『間違いなく影響がある』だ。どれくらいの影響があるかは、米国の台湾への武器売却の程度で決まるだろう」と警告しました。

(中略)

その一方で台湾側が懸念を示している大陸沿岸におけるミサイル配備について、陳炳徳総参謀長は「台湾に近接する大陸沿岸地域における解放軍の軍事配備について言うならば、『驻防部署(防衛目的の配備)』にすぎず、『作战部署(軍事作戦目的の配備)』は行っておらず、『导弹部署(台湾に対するミサイル配備)』などなおさら行っていない」と述べました。

このような「言葉」に台湾の朝野各界は騒然となりました。台湾の国家安全局長は19日、陳炳徳総参謀長の発言に「大陸は台湾の脅威になっていないなどと、どこの国がこのような指摘に賛同するのか」と疑問を呈しました。台湾の高華柱国防部長は「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない。しかしそれでも、沿海地域に対する軍事的定義づけをどのように行うべきか考える必要がある」と述べました。

台湾の民間も強く反発を示しています。ある民意代表は「台湾人民は証拠を見て初めて信用できる」と述べました。


 中国の陳炳徳解放軍総参謀長が訪米し、記者会見の席で発した言葉と、それに対する台湾の反応が書かれています。



 私がみるところ、要点は3つあります。箇条書き風にまとめれば、
  1. 「米国が定めている『台湾関係法』は実際のところ中国の内政干渉となる法律であり、米国の国内法で第三国の内政を管理しようとする法律である。これは・・耳障りの悪い言葉で言えば、『太霸气(専横すぎる)』だ」と憤りを隠さずに主張した。
  2. 「台湾は中国の領土である。これは世界中どこでも非常に明確である。」と述べた。
  3. 「台湾に近接する大陸沿岸地域における解放軍の軍事配備について言うならば、『驻防部署(防衛目的の配備)』にすぎず、『作战部署(軍事作戦目的の配備)』は行っておらず、『导弹部署(台湾に対するミサイル配備)』などなおさら行っていない」と述べた。
です。

 上記のうち、最初の2つは「中国の立場で考えれば」当然の事柄であると思われます。もちろん、「台湾の立場で考えれば」話は異なってくるのですが、(中台の主張のうち、どちらが正しいかを論じることが目的ではないので) ここでは問題にしないことにします。



 さて、今日、私が上記記事を引用したのは、3番目の部分が「きわめて重要」だと思ったからです。

 上記引用によれば、台湾側の反応は
  • 台湾の国家安全局長は「大陸は台湾の脅威になっていないなどと、どこの国がこのような指摘に賛同するのか」と疑問を呈し、
  • 台湾の高華柱国防部長は「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない。しかしそれでも、沿海地域に対する軍事的定義づけをどのように行うべきか考える必要がある」と述べ、
  • 台湾の民間は「台湾人民は証拠を見て初めて信用できる」と述べ、強く反発を示している
ということになります。



 台湾では、「信用しない」人も多いようですが、私は中国側の主張を「信用してよい」のではないかと思います。

 私が「信用してよいのではないか」と思った理由は単純で、
  1. 台湾の高華柱国防部長が「解放軍は大陸沿岸で地対地ミサイルではなく、地対空ミサイルしか配備していない」と言っているということのほか、
  2. 中国の陳炳徳解放軍総参謀長が「責任をもって」発言したと(上記記事が引用している報道で)報じられているから
です。総参謀長の言葉には誠実さが感じられると(私は)思います。



 以下に、上記記事が引用している報道(の一部)を、原文(中国語)で引用しておきます。



第一金融网」の「陈炳访美实为向美国警告曰:“勿谓言之不预也!”」( 2011-5-23 15:19:03 )

(前略)

  近日,观察到中国人民解放军总参谋长陈炳率团访美,谈及美国对台军售时,18日在与美军参谋长联席会议主席马伦举行联合记者招待会时,说:“美国制定的‘与台湾关系法’实际上是干涉中国内政的一个法律,用美国的一个国内法管其它国家的内政事务……说得难听一点,就是太霸气了。”;说:“台湾是中国的领土,这个世界上都是非常明确的”;“既然是中国的领土,为什么中国人不能保证自己的安全,需要美国来卖武器装备给他们?”。

  有美国记者问及美国国会有议员提出要向台湾出售F16战斗机,若真如此,会不会影响中美两军和两国关系。陈炳说,“我的回答是肯定的,会影响的。至于影响到什么程度,那要看美国对台军售的程度而定。”

  陈炳透露,这两天他也和美国议员进行了接触,有不少议员也感到“与台湾关系法”该到了重新审视的时候。

  据报道,18日早些时候,陈炳在美国国防大学发表演讲时也指出,台湾问题事关中国主权和领土完整,是中国核心利益所在,坦率地说,也是引发中美关系紧张的主要根源。中方在台湾问题上的立场是一贯的、明确的、也是坚定不移的。对于有人提出大陆应把对台部署、特别是导弹部署撤除的问题,陈炳说:“我负责任地告诉各位记者,在台湾附近沿海地区,我们只有驻防部署,没有作战部署,更没有导弹部署。”“但中国对台湾的分裂行为‘在军事上是有准备的’”。

  在美国国防大学约45分钟的演讲中,陈炳说:“老实说,经过此次访问我感到很难过,切实感受到我们的设备是多么落后,我们是多么不发达”、“中国海军至少和发达国家相差20年”。

(後略)




■関連記事
 「台湾人のアイデンティティー
 「台湾人か中国人か
 「台湾問題についての台湾人の考えかた
 「台湾の五大都市市長選結果
 「李登輝の馬英九分析
 「台湾問題についての米中台の姿勢
 「WHOによる台湾の呼称、「中華台北」と「中国台湾省」
 「中国は「2012年の台湾統一」を目指している
 「「中国を特別扱いするな、台湾を特別扱いしろ」という「偏った」主張