政府は食品の安全性について、「暫定規制値」を定めています。したがって、暫定規制値を超えたものは出荷されていないはずですが、暫定規制値に満たない食品については、市場に出回っているものと思われます。
それでは、それらは「どの程度」安全なのでしょうか? 政府・マスコミは「風評被害、風評被害」と言うばかりです。
そこで、「どの程度」安全なのか、つまり食品によって「どの程度」内部被曝するのかを計算する方法を調べました。
最初に断っておきますが、私は専門家ではありません。
ですが、(政府=公文書の) 信頼に値するデータ・計算式をもとに、(私なりに) 考察した結果を記しています。
私はこの資料(記事)が「あなたの」健康を守るために、有益な資料(記事)であると信じていますが、私の調査・判断・考察が「正しくないかもしれない」可能性があります。そのことを踏まえたうえで、「内容(信頼性)を判断」してください。
★「食品による内部被曝線量」の計算式
「文部科学省」の「Q7. 放射性物質を体内に取り込んでしまった場合、被ばく線量を計算するにはどうしたらよいのですか?」
「放射性物質の摂取量」に「実効線量係数」をかける(掛け算)と、被ばく線量が計算できます、と書かれています。
上記引用において、「実効線量係数」は「核種ごとに放射線障害防止法及び原子炉等規制法の告示別表第1、ICRP Publ.71,72及びJAERI-Data/Code 2002-013に示されている」と書かれていますが、私には、値が (書かれている公文書を) みつけられませんでした。
個人または民間団体等のブログ、ホームページには値が書かれているものがありましたが、その値の「根拠」を示す公文書を明示しているものがみつからず、(生命・健康に関することですから、安全のために) その種のブログ、ホームページに書かれている値(実効線量係数)は信用しないことにします。
代わりに、原子力安全委員会による次の公文書をみつけました (↓) 。
リンク先文書(原文)はPDFファイルなので、正確なレイアウトで引用することは困難です。関心のあるかたは、直接原文をご覧ください (一応、なにが書かれているかわかるように、表のタイトルのみ引用します ) 。
★「実効線量計数」の値
「原子力安全委員会」の「環境放射線モニタリング指針」( p.45 )
私なりに「要点のみ」まとめると、
実効線量係数の値(mSv/Bq)は、
(1)「ヨウ素131」を経口摂取した場合
大人 10万分の1・6
乳児(~1才) 1万分の1・4
幼児(~4才) 10万分の7・5
(2)「セシウム134」を経口摂取した場合
大人・乳児・幼児 10万分の1・9
(3)「セシウム137」を経口摂取した場合
大人・乳児・幼児 10万分の1・3
です。
★「放射性物質の摂取量」の値
「放射性物質の摂取量」とはすなわち、「食べた(食べる)農産物に放射性物質が含まれている量」です。この値は、実際に「食べる前に」検査しなければわかりません。たとえば「並べて売ってあった大根」に含まれている放射性物質の量は、「1本1本、値がちがうはず」です。「同じ産地で同じ日にとれた」野菜・魚に含まれている放射性物質の量も、「1つ1つ、値がちがうはず」です。
あなたが「放射性物質の量」を計測する機械を持っているなら、その機械で計測すればよいでしょう。しかし、もっと「簡単で確実」な方法があります。どうするのか。
政府の発表している「暫定規制値」で代用する
のです。なぜなら、「暫定規制値を超えた農水産物は出荷されていないはず」だからです。「暫定規制値以下の農水産物しか、売っていないはず」だからです。つまり、
そこで、「暫定規制値」の値を引用します。こちらもPDFファイルで引用が困難です。直接原文をご覧ください。
「厚生労働省」の「魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて」
一応、私なりに「要点のみ」まとめると、
暫定規制値は、
(1) 放射性ヨウ素
飲料水・牛乳・乳製品 300 Bq/kg
( 乳児は100 Bq/kg以上の乳・乳製品不可)
野菜類・魚介類 2000 Bq/kg
(2) 放射性セシウム
飲料水・牛乳・乳製品 200 Bq/kg
野菜類・魚介類・穀物 500 Bq/kg
です。
★実際に計算してみる!!
実際に計算してみます。「最悪の場合の」内部被曝線量、つまり、「最悪の可能性」の場合の値を計算していることに注意してください。
計算式は
「食品による内部被曝線量」
=「放射性物質の摂取量」×「実効線量係数」
=「暫定規制値」×「食品の量」×「実効線量係数」
です。
水1リットル(=1キログラム)を飲んだ!!
放射性ヨウ素131は、
(大人の場合)
=300(Bq/kg)×1(kg)×1・6÷10万(mSv/Bq)
=0・0048(mSv)
(幼児の場合、1~4才)
=300(Bq/kg)×1(kg)×7・5÷10万(mSv/Bq)
=0・0225(mSv)
ホウレンソウ100グラムを食べた!!
放射性ヨウ素131は、
(大人の場合)
=2000(Bq/kg)×0・1(kg)×1・6÷10万(mSv/Bq)
=0・0032(mSv)
(幼児の場合、1~4才)
=2000(Bq/kg)×0・1(kg)×7・5÷10万(mSv/Bq)
=0・015(mSv)
放射性セシウムについても同様に計算すればよいと思います。調べたり、考えたり、長文を入力したりで疲れたので、計算は省略させてください。
■関連記事
「「風評被害」の定義」
■追記 ( 2011-04-11 )
幼児がホウレンソウ100グラムを食べた場合の計算は、正しくは0・1(kg)として計算すべきところ、1(kg)と誤記していましたので、訂正しました。
■追記( 2011-08-17 )
内部被曝を「減らす」対策 (=放射線による害を減らす対策) があります。下記の記事をご覧ください(↓)。
「ビールが放射線に効くらしい」
それでは、それらは「どの程度」安全なのでしょうか? 政府・マスコミは「風評被害、風評被害」と言うばかりです。
「暫定規制値」以下の放射性物質しか含まれていないから「安全です」と言われても、放射性物質は含んでいないほうがいいに決まっているわけで、「どの程度」安全なのか、まったくわかりません。
そこで、「どの程度」安全なのか、つまり食品によって「どの程度」内部被曝するのかを計算する方法を調べました。
最初に断っておきますが、私は専門家ではありません。
ですが、(政府=公文書の) 信頼に値するデータ・計算式をもとに、(私なりに) 考察した結果を記しています。
私はこの資料(記事)が「あなたの」健康を守るために、有益な資料(記事)であると信じていますが、私の調査・判断・考察が「正しくないかもしれない」可能性があります。そのことを踏まえたうえで、「内容(信頼性)を判断」してください。
★「食品による内部被曝線量」の計算式
「文部科学省」の「Q7. 放射性物質を体内に取り込んでしまった場合、被ばく線量を計算するにはどうしたらよいのですか?」
A7
内部被ばくの線量計算は、摂取した放射性物質の種類(核種と化学形)とその量(放射能)が分かれば計算できます。
内部被ばくによる実効線量Eは、以下の式で計算できます。
E=Ixe(mSv)
ここで、
I:吸入摂取または経口摂取した核種の摂取量(Bq)
e:吸入摂取または経口摂取した核種の実効線量係数(mSv/Bq)
(実効線量係数は、核種ごとに放射線障害防止法及び原子炉等規制法の告示別表第1、ICRP Publ.71,72及びJAERI-Data/Code 2002-013に示されている。)
上式による計算においては、摂取した放射性物質の種類の他に、摂取した人の性別や年齢により体内における放射性物質の動態が異なるので、それらを考慮した計算は複雑になりますのでここでは省略いたします。
「放射性物質の摂取量」に「実効線量係数」をかける(掛け算)と、被ばく線量が計算できます、と書かれています。
上記引用において、「実効線量係数」は「核種ごとに放射線障害防止法及び原子炉等規制法の告示別表第1、ICRP Publ.71,72及びJAERI-Data/Code 2002-013に示されている」と書かれていますが、私には、値が (書かれている公文書を) みつけられませんでした。
個人または民間団体等のブログ、ホームページには値が書かれているものがありましたが、その値の「根拠」を示す公文書を明示しているものがみつからず、(生命・健康に関することですから、安全のために) その種のブログ、ホームページに書かれている値(実効線量係数)は信用しないことにします。
代わりに、原子力安全委員会による次の公文書をみつけました (↓) 。
リンク先文書(原文)はPDFファイルなので、正確なレイアウトで引用することは困難です。関心のあるかたは、直接原文をご覧ください (一応、なにが書かれているかわかるように、表のタイトルのみ引用します ) 。
★「実効線量計数」の値
「原子力安全委員会」の「環境放射線モニタリング指針」( p.45 )
〔表I-1〕1Bqを経口又は吸入摂取した場合の成人の実効線量係数
(中略)
〔表I-2〕1Bqの放射性ヨウ素を経口又は吸入摂取した場合の幼児及び乳児の実効線量係数
私なりに「要点のみ」まとめると、
実効線量係数の値(mSv/Bq)は、
(1)「ヨウ素131」を経口摂取した場合
大人 10万分の1・6
乳児(~1才) 1万分の1・4
幼児(~4才) 10万分の7・5
(2)「セシウム134」を経口摂取した場合
大人・乳児・幼児 10万分の1・9
(3)「セシウム137」を経口摂取した場合
大人・乳児・幼児 10万分の1・3
です。
★「放射性物質の摂取量」の値
「放射性物質の摂取量」とはすなわち、「食べた(食べる)農産物に放射性物質が含まれている量」です。この値は、実際に「食べる前に」検査しなければわかりません。たとえば「並べて売ってあった大根」に含まれている放射性物質の量は、「1本1本、値がちがうはず」です。「同じ産地で同じ日にとれた」野菜・魚に含まれている放射性物質の量も、「1つ1つ、値がちがうはず」です。
あなたが「放射性物質の量」を計測する機械を持っているなら、その機械で計測すればよいでしょう。しかし、もっと「簡単で確実」な方法があります。どうするのか。
政府の発表している「暫定規制値」で代用する
のです。なぜなら、「暫定規制値を超えた農水産物は出荷されていないはず」だからです。「暫定規制値以下の農水産物しか、売っていないはず」だからです。つまり、
あなたが食べるものには、「暫定規制値ギリギリ」の放射性物質が含まれていると「仮定」して計算すれば、「放射性物質の摂取量」の最大値=最悪の場合の摂取量がわかるはずです。
そこで、「暫定規制値」の値を引用します。こちらもPDFファイルで引用が困難です。直接原文をご覧ください。
「厚生労働省」の「魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて」
一応、私なりに「要点のみ」まとめると、
暫定規制値は、
(1) 放射性ヨウ素
飲料水・牛乳・乳製品 300 Bq/kg
( 乳児は100 Bq/kg以上の乳・乳製品不可)
野菜類・魚介類 2000 Bq/kg
(2) 放射性セシウム
飲料水・牛乳・乳製品 200 Bq/kg
野菜類・魚介類・穀物 500 Bq/kg
です。
★実際に計算してみる!!
実際に計算してみます。「最悪の場合の」内部被曝線量、つまり、「最悪の可能性」の場合の値を計算していることに注意してください。
計算式は
「食品による内部被曝線量」
=「放射性物質の摂取量」×「実効線量係数」
=「暫定規制値」×「食品の量」×「実効線量係数」
です。
水1リットル(=1キログラム)を飲んだ!!
放射性ヨウ素131は、
(大人の場合)
=300(Bq/kg)×1(kg)×1・6÷10万(mSv/Bq)
=0・0048(mSv)
(幼児の場合、1~4才)
=300(Bq/kg)×1(kg)×7・5÷10万(mSv/Bq)
=0・0225(mSv)
ホウレンソウ100グラムを食べた!!
放射性ヨウ素131は、
(大人の場合)
=2000(Bq/kg)×0・1(kg)×1・6÷10万(mSv/Bq)
=0・0032(mSv)
(幼児の場合、1~4才)
=2000(Bq/kg)×0・1(kg)×7・5÷10万(mSv/Bq)
=0・015(mSv)
放射性セシウムについても同様に計算すればよいと思います。調べたり、考えたり、長文を入力したりで疲れたので、計算は省略させてください。
■関連記事
「「風評被害」の定義」
■追記 ( 2011-04-11 )
幼児がホウレンソウ100グラムを食べた場合の計算は、正しくは0・1(kg)として計算すべきところ、1(kg)と誤記していましたので、訂正しました。
■追記( 2011-08-17 )
内部被曝を「減らす」対策 (=放射線による害を減らす対策) があります。下記の記事をご覧ください(↓)。
「ビールが放射線に効くらしい」