言語空間+備忘録

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ビールが放射線に効くらしい

2011-04-22 | 日記
独立行政法人 放射線医学総合研究所」の「プレス発表 ビール成分に放射線防護効果を確認 放医研・東京理科大の研究チームがヒトの血液細胞とマウス実験で実証 放射線防護効果は最大34%にも」( 平成17年8月11日 )

【概要】
放射線医学総合研究所 (佐々木 康人 理事長) 粒子線治療生物研究グループは東京理科大学薬学部放射線生命科学の研究チームと共同で、ビール成分が放射線を防護する効果があることをヒトの血液細胞やマウスを用いた実験で明らかにした。アルコール飲料に放射線を防護する効果があることはすでに報告していたが、ビールに溶けこんでいる麦芽の甘味成分などに放射線により生じる染色体異常を最大で34%も減少させる効果があることをつきとめたのは初めて。

同研究グループは、広島・長崎の原爆やチェルノブイリ原発事故被害者のなかにアルコール飲料で放射線障害が低減されたという話がある事をきっかけにして研究を展開。ビールを使った実験でビールそのものに放射線防護効果があることを明らかにしてきたが、ビールの中の何に放射線防護効果があるかは、未解明のままであった。今回、ビール中のアルコール分(エタノール)に加え、ビールに溶けこんでいる成分にも放射線防護効果があることをつきとめ、放射線被ばくの前にビールを飲むと、放射線による障害から防護されることを示した。今後、同研究グループは、さらに放射線防護成分の探査を行うとともに放射線をあびた後の防護効果の確認、血液以外の臓器細胞に対する効果、作用のメカニズムの解明などに研究を発展させていく。

放射線防護剤にはさまざまな薬が開発されているが、副作用を伴うものもあり、新たな薬剤開発が待たれている。今回の成果は、新たな放射線防護薬剤開発に一石を投じるものとされる。

【背景】
放射線防護剤は一般には入手が困難であり、また副作用を伴うものが多く、長期間の服用にも課題が残る。このためニンニク、朝鮮人参、味噌などの食品や食品成分による研究が進められている。

同研究グループは、エタノール、メタノール、グリセロールなどのアルコール類に放射線防護効果があることが以前から知られていることや、飲酒により放射線障害が軽減されたなどの体験談から、アルコール飲料の放射線防護効果に着目した。今回、数多くあるアルコール飲料の中でもビールを選択したのは、入手し易く、アルコール濃度がそれほど高くない(比較的飲みやすい)などの理由による。2001年には、ビールを摂取したヒトの血液細胞を採取し、放射線を照射してダメージを調べる方法でビールによる放射線防護効果を確認した。だが、ビール中のどの成分が放射線防護効果をもたらすのかは、調べ切れていなかった。今回放射線防護効果を確認した成分等は、いずれもビールに極めて微量含まれている成分だが、これらが相加もしくは相乗的に作用していることが推察できる。

【研究手法と成果】

(中略)

【今後の展開】
一連の実験でビール成分には放射線防護効果があることが明らかとなった。この防護メカニズムを明らかにしていくことや血液細胞以外の他の臓器細胞での放射線防護効果の確認、さらに他のビール成分での防護効果を探査していく。一連の防護効果確認実験では、被ばく前にビールを飲むと防護効果は高まるという結論を得た。だが、被ばく後に防護効果があるのかは、いぜん未解明のままであり、さらにビール成分が放射線防護効果を持つメカニズムの解明を進めてゆく。


 ビールなどのアルコールには、放射線防護効果があることが知られている。今回の実験でそれを (科学的に) 確認した。ただ、「被ばく前に」ビールを飲むと防護効果は高まるという結論は得られたが、「被ばく後に」ビールを飲んだときにも防護効果があるのかは、いぜん未解明のままである、と書かれています。



 これは凄いですね。上記プレス発表文には、
今回、数多くあるアルコール飲料の中でもビールを選択したのは、入手し易く、アルコール濃度がそれほど高くない(比較的飲みやすい)などの理由による。
と書かれており、べつにビールでなくともよく、要はアルコールなら放射線防護効果がある、ということがわかります。



 もっとも、

   「被ばく前に」飲むと効果があることはわかったが、
   「被ばく後に」飲んでも効果があるかどうかは未解明、

ということなので、「原発近くに住んでいた(いる)人で、家財道具を取りに家に戻る人」以外の人には、「実用性に乏しい」知識だとも考えられます。

 しかし、引用したプレス発表文をよく読むと、「飲酒により放射線障害が軽減されたなどの体験談」があることがわかります。科学的な実験で効果は確認されていないにしろ、「体験談」があるということは、

   もしかすると、「被ばく後に」
     ビールを飲んでも効果がある「かもしれない」

わけです。とすると、(被災者以外の人にとっても) 有益な情報であるといってよいでしょう。



 とはいえ、未成年者はアルコールを飲めません。実際には飲んでいる人もいるかもしれませんが、決まりでは、飲んではいけないことになっています。それではどうすればよいか、それはわかりませんが、上記プレス発表文中に、
放射線防護剤は一般には入手が困難であり、また副作用を伴うものが多く、長期間の服用にも課題が残る。このためニンニク、朝鮮人参、味噌などの食品や食品成分による研究が進められている。
とあります。

 とすると、放射線防護剤 (くすり) の代わりになりうるのは、ビールのほか、「ニンニク、朝鮮人参、味噌などの食品や食品成分」が候補として考えられていることがわかります。

 「ニンニク、朝鮮人参、味噌などの食品や食品成分」については実験がなされていないので、ビールと同様の効果があるかどうかわかりません (未解明) が、

   たとえ効果がないとしても、害になることはないので、
   とりあえずニンニク、朝鮮人参、味噌などを食べておく

というのも、ひとつの考えかたとして、ありうるのではないかと思います。ニンニク料理と味噌汁………がよいかもしれません。