幼子をその手にかけたとき
彼の心に何があったのか
言うことをきかないので殴った
躾のためだった
と彼はいう
だがそうではないだろう
まだろくに口もきけない
まだろくに歩くこともできない
そんな幼子が
すべてを知っているように思えた
彼はそれを恐れた
幼子が持っていなくて
彼が持っているもの
それは暴力だけだった
たとえすべてを持っているとしても
何かに包みこまれて
人は生きていくものなのに
そして
それこそは
幼子が持っていなくても
彼が持っているはずのもの
だったのに
彼の心に何があったのか
言うことをきかないので殴った
躾のためだった
と彼はいう
だがそうではないだろう
まだろくに口もきけない
まだろくに歩くこともできない
そんな幼子が
すべてを知っているように思えた
彼はそれを恐れた
幼子が持っていなくて
彼が持っているもの
それは暴力だけだった
たとえすべてを持っているとしても
何かに包みこまれて
人は生きていくものなのに
そして
それこそは
幼子が持っていなくても
彼が持っているはずのもの
だったのに