以前、当ブログにてご紹介しましたが、
難攻不落の哲学書、サルトルの「存在と無」について、
「読み終わったら解説してほしい」といったお声をいただきました。
しかし、難解なうえに内容が膨大であり、
全部というのは僕の頭脳ではとても無理ですので、
まず、冒頭の文を引用して、ほんのちょっとだけ解説してみたいと思います。
「現代思想は、存在するものを、それをあらわす現われの連鎖に、還元することによって、いちじるしい進歩をとげた」
これが冒頭です。昔はこれだけで拒否反応が出てしまいましたが(笑)
ここでいう「存在するもの」というのは…たとえば「リンゴ」としましょう。
そして「それをあらわす現われ」、つまり「リンゴ」を表す、「赤い」「丸い」「甘酸っぱい」…いろいろ。
そうしたものは、古い哲学では「現象」といって、「リンゴ」の本質とは別だと考えられていた、というわけです。
つまり、赤い、丸い、甘酸っぱいといった「現象」の奥には、手の届かない「リンゴ」の本質がある、
いうなれば「現象」と「本質」の二元論です。
そのようなやり方で、「存在するもの」をとらえていた、
そーゆーのはもう古いのでやめましょう、というわけです。
そして、いままで「現象」と考えられていたものを、「連鎖に、還元する」、
すべてひっくるめて「リンゴ」ととらえることにしましょう、と言っているのです。
これが、冒頭の解説ですが…お分かりいただけたでしょうか?
興味をもたれた方は、やはり実際に読んでみることをお勧めします。
追記
すいません。コメントを「許可しない」と誤って設定しておりました。
いつもどおりコメント大歓迎ですので、よろしく~。