この本は、HSPと呼ばれる特徴というか、特性を持った人々のことを書いたものです。
HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略で、
「とても敏感な人」という意味です。
著者によると、全人類の5人に1人はHSPだということで、
著者自身もそうである、と書いてありますが、
僕としては、程度の差はあれ、人間ってみんなそうなんじゃないかな、と思いました。
つまり、良く言えば自分に厳しく、自分の内面世界を充実させている。
悪く言えばこだわり屋で、社交性がない。
本の最初に、自分のHSP度を測るセルフチェックがありますけど、
誰でも思い当たるふしがあるような気がします。
つまり、敏感な人間と鈍感な人間がいるのではなく、
すべての人に、敏感さと鈍感さが内在しているんじゃないかと思うんです。
人間が自我に目覚めたばかりの頃は、誰でも繊細で、自意識過剰だと思います。
でも、そればかりでは世の中渡っていけませんから、鈍感さを装い、自分を守るのですね。
逆に言えば、超然としている人ほど、実際は敏感で細やかなのではないでしょうか。
僕自身について言うなら、物事に敏感でなければ、詩や小説など書いていないと思いますし、
多かれ少なかれ、ブログをやっておられる方って、そういうところがあるような気がします。
でも、中には自分の敏感さに折り合いがつけられず、生きづらさを感じている人もいるのですね。
それはそれで、その人にとっては深刻な問題かもしれません。
そういった人々が、自分がHSPであることに劣等感を感じることなく、生きていくための本だと思いました。