My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

先天性選択性記憶障害

2007-03-02 23:26:41 | 日常あれこれ
今日、夫が仕事から帰ってくるのを待っていたため、空手の練習にいつものように遅れていった。すでに、ほかの皆はそれぞれの得意型の練習をしていた。私を見つけた先生はいきなり、「じゃあ、観空大ね。」と言いわたし、やって見ろとのこと。しかしなんと私は、全65挙動ある動作のうちの最初の6挙動目で目が泳ぎ始めたまま固まってしまった。日本で黒帯を取ってから10数年、オーストラリアに来てからも、たまーに思い出したようにその時々の近くにある(ちょくちょく引越しをしていたため)同じ流派の道場でオージーに混じって練習していた。日本でバンバン練習していたときのレベルよりさらに上達するまでは行かなくても、レベルが落ちるのをどうにかとどまらせるくらいはできたと思う。基本や組み手は体が覚えていて、基礎体力が整って柔軟体操をしっかりすればあまり問題ない。が、型は一連の決まった動作(*注:型=想定する相手からの攻撃に対する防御や反撃の、突きか受けとか蹴りとかがいくつもいくつもつながってひとつの型となり、演武されるもの。念のため。)があり、順序を覚えていなくては話にならない。しかも困ったことに型は松濤館という流派では26つもある…。実に恐ろしい。そのうちで私が今まで習った覚えているべき型は、10あまり。プラス、良く見かけた上級者向けの型が、3~4つ位かな。その中で観空大はこの先生の一番のお気に入りの型らしく、私の一番したくない型だ。何故一番したくない型だって?そ・れ・は…一番長い型だから。全て演武すると1分半にもなる。とても覚えきれない…。挙動の一つ一つ基本的でも、何度覚えようとしてもなまじほかの型の基礎ともなっている型だったりするから、もうほかのいくつもの型とごっちゃになって、難しくても特徴のある型より(私にとっては)始末が悪い。つい昨日、先生に個人指導を受けてこの型を一から順を追って教えてもらったばかりなのに。かなり忍耐強い彼でも、かなりあきれていた。挙句の果てには、「黒帯を取ってからどのくらい練習した?」とか言われる始末…。かなり情けないかもしれない。

~~~~~~~~~~

私が覚えられないのは何も空手の型だけではない。これはもう、物心ついた時からの障害とも言える大問題で、とにかく記憶力が悪くて今までとても大変なことがあった。例えば…学校のテストなんかで記憶に頼る教科はもうほとんど苦手。ちなみに言語関係も全滅。国語・英語・古文とかはもちろん、普通の日常会話もちょっと怪しい。きっと、大脳の言語野も一部欠損しているのではないかと思うくらい。でも、数学とか科学系統は得意だ。頭を使わない家庭科とか美術とかもね。左利きのせいか???ま、ともかく記憶力が悪い。ついでに理解力も。特に、文字・文章から理解して脳に焼き付けるというもの、耳から一連の順序や理論などの説明を聞いて覚えるというものが決定的にダメ。人の名前もね。もう、今までにこの記憶障害のために何度大変なめにあったことか…。覚えようと意識したり集中しようとすると余計に覚えられなくなる。2年近く毎日のように接した患者さんの名前を最後の最後まで呼び間違えていた…。また、和太鼓の演奏をする機会があったときには、その一連のリズムをいくら教えられても覚えられなかった。救いようがないとしか言いようがない。しかし、変なことにイメージや全体的な視覚(特に立体的なものや色)はどうでもよいことでも何でも驚くほど覚えていることが多い。例えば、十数年前の部活の飲み会の下級生の女の子が着ていた服の詳細とか、数年前呼ばれた親友の結婚式で見かけた彼らの親戚のおじさんの顔とか馬鹿みたいに良く覚えている。ちなみに下級生とは特に親しくしていたわけでもなく、その服装に興味があったわけでもない。そのおじさんにしても何の特徴もない。よく、人に「よっくそんなことまで覚えているねー!記憶力がとてもいいのねー!」とか大変な誤解を受ける。そう、それは大変な誤解。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

まあ、それでも年を取ったせいか、最近はある程度開き直って対応策を探そうと前向きになり、得意のイメージ(映像)とか雰囲気とかに情報を転換するなり結びつけるようにして覚えるよう努力するようになった。これは結構な効果がある。例えば、空手の型は先生に聞いても全くダメなら、自分で演武のビデオを見て自己学習。これは効果覿面だった。ちなみに和太鼓のリズムは、自分で絵を描いて音符らしきものを作り、何時間教えられても覚えられなかったものがたったの10分でマスターできた。今度も、その手で観空大を覚えてやるぞー!先生、見とってよー!

そういえば、こうして苦労してめでたく覚えた物事達は、悲しいことに、脳内で収納される容量と時間にかなり制限がある。新しいものを注ぐと、前にあったものは零れ落ちるっていうやつ?この制限をいかに大きく柔軟にするかが今後の課題か…。誰かいい方法を知らない?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。