And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

地獄のコーラ

2015-03-15 22:49:23 | 日記
ギル・エヴァンスのアルバムで不思議なというか普通に考えれば意味がわかるけど、意図がわからんのがある。「ホットへの突入」題は明らかに前作「クールからの脱出」からの続きのよう。ジャケットもそう。だが中身はギル・エヴァンス・オーケストラの演奏は全くなく、ジョン・キャリシのオーケストラとセシル・テイラーの演奏が交互に入ってるだけ。指揮ギル・エヴァンスと記載されているが、アレンジすべてキャリシが行っているのに指揮だけギル・エヴァンスがするわけなく、セシル・テイラークィンテットの演奏を指揮できるわけない。しかも両演奏家の写真はジャケットに一切なし。要するに名前貸しだが、マイルスでもあるまいしギル・エヴァンスの名前付けただけで売れたとも思えず何が目的だったのだろう。よく考えてギル・エヴァンスが両演奏家に録音の場を与えたとしても、ジャケット表に自分の名前が一切出ないなんて嫌だろうし、それ以上にギル・エヴァンス買ったつもりが中身がセシル・テイラーだったなんて買った方が一番腹立つ。契約上の問題でリーダーとして名前出せない、名前自体出せなくて変名にするならよくあることなのだが。ギル・エヴァンスのジャケットを眺めながらセシル・テイラーとジョン・キャリシを聴くのはなんともおかしい。ギル・エヴァンスがノルマの録音こなせなくてなんてことはないと思う。逆に発表したいけれど眠ったままという録音たくさんあるはずなのだから。ギル・エヴァンスは好きでほぼ持っていると思うが、ブートを入れても簡単に揃うくらい枚数は少ない。コンサートも3度行ったが、70過ぎたおっさんが腰ふってジミヘンの「ストーン・フリー」演奏するのはかっこよかった。そのときコンマスとしてオーケストラをコントロールしてたルー・ソロフも最近亡くなった。ここ何十年もジャズは死んだと言われてきた。ギルもマイルスも死んで一つ一つ歯車が欠け落ちていく。新星だったチック・コリアやキース・ジャレットも70を過ぎ聴きたいと思う演奏家がいなくなったので、あとはクラシックとしてジャズを聴くしかない。クラシックの場合、今更カザルスやフルトヴェングラーなんて聴きたくないよとそれでも何人か現代の演奏家いいのがあるが、ジャズの場合、若手は気の抜けたコーラしかない。