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ロンドンから徒然に

力士急死事件に思うこと

2007-09-28 | スポーツ
 昔から疑問に思っていたことがあります。普通では許されない暴力が、どうして体育会系の名のもとに先輩が後輩に対してふるうことがまかり通るのだろうと。
 そして、そんな風に暴力を受けた後輩は絶対にそのことがイヤなはずなのに、自分が先輩になるとどうしてまた後輩に対して同じことをするのだろうと。

 時津風部屋の力士急死事件は、たとえどんな理屈をつけようとも許されることのない犯罪だと思います。
 僕は相撲が好きです。相撲を定義づけようとしても、“スポーツ”とも“競技”ともひとことで言えない深さがあります。アマチュアとの差が一番あるのも相撲だと思っていて、ルーキーがすぐに活躍する野球などと違い、それだけこの世界に入ってからの鍛錬が必要だと感じています。それゆえ練習の大変さは通常でないのは分かります。
 しかし、厳しい稽古と制裁とは全然異なるものです。親方や兄弟子が文字通り親兄弟だとしたら、こんな仕打ちができるものでしょうか。
 愛情を持たない厳しさはいつかしっぺ返しにあいます。

 それにしても、この事件に対する相撲協会の、これまた通常の常識からするとなんと物足りない対応でしょう。
 政治の世界での不祥事も、お詫びはまず国民に対してあるべきところが、自分の党内を向いて保身のためのお詫びが先です。今回の時津風親方も社会に対してのお詫びは二の次で、まずは協会に対して。しかも進退に関しては言明なし。永田町も両国も、多分普通の世界とは離れた常識のところにあるのでしょう。