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ロンドンから徒然に

激女 !? エイミー・ワインハウスやっと日本盤発売

2007-09-06 | 音楽
 二日続けてセカンド・アルバムのことを書いたので、ついでにもう一枚。エイミー・ワインハウスの『バック・トゥ・ブラック』です。といっても、日本ではこれがファースト・アルバムということになります。実はこれこそがファンの間の謎で、日本ではどうしてエイミーのアルバムが発売されないのだろう、と色々な憶測を呼んでいました。

 ちなみに一昨日と昨日書いたラウル・ミドンとKTタンストールのアルバムはいずれも世界に先駆けて“日本先行発売”です。
 エイミーのデビュー作『Frank』は2003年に発売され100万枚以上のヒットになり、Brit Awardsにもノミネートされたのに日本で発売の動きはなし。昨年の秋に出たこの『Back to black』は全英1位になり、再びノミネートされたBrit Awardsでは最優秀女性シンガーに選ばれました。それなのにまだ日本盤の動きなし。そしてやっと1年近くなった今になって日本デビューということになりました。

 日本の業界の場合、洋楽のアーティストを売り出す時にはよくTVやラジオでのプロモーションのためかあるいは小さなクラブでのライヴを兼ねて来日させ、そのタイミングに合わせてアルバムを出します。エイミーの場合も当然そう考えたでしょうが、何しろ一筋縄では行かないと評判の彼女のこと、スケジュールを立ててもドタキャンになるのを恐れたのかもしれません。
 イギリスではゴシップ合戦になったように、彼女をめぐるこの手の噂は枚挙に遑がありません。何しろ10代で酒と男に溺れ、15歳で放校処分を受け、アルコール依存症、薬物中毒、身体にはピアスとタトゥーだらけ、直前になってライヴはキャンセル.............見かねたマネージャーがリハビリ施設に行かせようとするとこれを徹底的に拒否した挙句、逆にマネージャーを首にしたという話です。さらにこの経緯を歌にしたのがアルバムからのシングルテイク『リハブ』です。

 そんなこんなで日本盤の帯に書かれたキャッチコピーが“激女(ゲキオンナ)” でも、こんなタイプの人は裏返すと繊細で傷つき易い人が多いんですよね。ダイナミックな曲の裏にものすごく強い感性を感じます。
 アルバムはとてもいいですよ。ますます60年代風なノリに磨きがかかって、1曲1曲が全てキャッチーです。歌唱力はもう文句なし。これっておそらく機材もアナログのものを使って録音したのかな、と思えるような太くて荒っぽい音です。

 是非日本でライヴ見たいけれど、チケット買ってても最後の最後まで来るかどうか心配しなくちゃならないんだろうな(笑)