植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

失敗も勉強、成長の糧となる(笑)

2022年04月16日 | 篆刻
 このところヤフオクはすっかりご無沙汰になっております。出品されているものが魅力に乏しく「わくわく」するような出物がないこと、時代物の有名どころの作款があるものや田黄石の本物らしきものが、すぐに10万円ほどの値段がつくので、ワタシにはおよそ縁が無いせいでもあります。

 筆から紙から印材・印泥に至るまで書道・篆刻に関わるほぼすべての消耗品や道具を網羅して片端から集めた結果、飽和状態・オーバーフロー気味になっているので、新たに「調達する」必要が無いというのも理由の一つ。つい、下らぬもの不要なものを落札して小金を失い、自分の軍資金が怪しくなっているので、自重・自粛しているというのもありますな。

 更に、先日何の気なしに入札したものが、とんだ「がらくた」だったのがクリティカルヒットし、90ダメージを受けてワタシのHP(ヒットポイント) が大幅に減った(笑)のが一番大きい理由であります。この3年ほどヤフオクに参加し、篆刻家を目指しているので「印材」にかけてはいっぱしの目利きのつもりだったのです。その品物はぱっと見ではなかなか美しい印材まとめてで8本ありました。その前に1週間以上落札に至らなかったせいもあって、子細にチェックもせず、うっかり15,000円の上限金額を入れてそのまま就寝したのです。本来はもっと低額5千円程度にして、しかも半端な入札額にすべきでした、はい、いい勉強になりましたとも。

 翌朝見たら「おめでとうございます!」、しかも上限ピッタリの価格でワタシが落札になっていました。他に数件の入札があったとはいえ、数千円で落ちる程度の品物と高をくくっていたのです。これは、出品者側が、自己入札し、入札されている上限価格ピッタリに収まるまで値段を釣り上げるという手口だと思います。

 そうして届いた品物は、まともな彫れる印は3本、それ以外は金属製や、プラスチック製のほぼ「無価値」の印材擬きでありました。贔屓目に見ても総額2,3千円でありました。ああワタシとしたことが・・・。もう軽いトラウマであります。飲み放題3千円ぽっきりで入ったガールズバーでぼったくられたに等しいのです。悔しいのでその写真は意地でも掲載いたしません。(怒)

 ヤフオクでは、一定の確率でこうしたまがいものやインチキ臭いものが紛れ込んでいるので騙される方が悪い、仕方ないと言えばそれまで。一方で、これまで驚くような安値で値打ちものを入手していることもあるので、自分としては、トータルすれば元が取れているオークション取引であります。昔パチンコにはまっていた時代は2,3日おきに平均2万円前後を失っていたことを考えたらくよくよすることもありませんが、「オークションもたいがいにしなはれや」とワタシのカミさんの代わりに、神さんがやんわりたしなめてくれたのかもしれませんね。

 オークションはそんなわけで「見るだけ」になっていますが、篆刻は変わらず続けております。先日書いたように耐水ペーパーで「水研ぎ」するようになってから、印面が美しく真っ平に磨けるようになったため、印の出来が一段よくなったのです。従来から続けている「徐三庚」さんの摸刻は、その印譜集128ページのうち72ページまで終わりました。徐三庚は、過去2千年の篆刻家の中でも、用刀の繊細さ、装飾的で細密な技巧にかけては抜きんでていて、近代の日本の篆刻界にも多大な影響を与えた名人であります。

 その印譜を好き嫌いなくすべて摸刻していけば、おのずと篆刻の技術と徐さんの芸術性や章法・刀法が少しずつでも身に付くものだ、と信じているのであります。
下はここ数日で彫ったものであります。

この左の印は、かつて(2年ほど前)ワタシは、田黄石が欲しくてヤフオクでつかまされた「人造石」であります。たしか4,5千円でしたか。本物ならば最低でも4,5万円はするものです。捨てるのも悔しくてとっておいたので彫りました。ぐずぐずで崩れやすい彫り心地の悪いものでした。まだまだ繊細な線にしたいのですが、簡単に山がもろけてしまうのです。まぁいいでしょう、勉強になったし話の種にもなりました。実際に練習で彫れたのだから良しとしましょう。


これが、(完成品ではありません)最新作であります。ワタシだけにしか分かりませんが、これでもとてもよく彫れて、自分の腕前がちょっと上がった、と実感しているのです。

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