植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

絶望から悲嘆に 出すべきでは無かった それだけ

2022年02月18日 | スポーツ
今回の北京オリンピック、その負の部分の象徴が「ワリエワ問題」であります。

 このブログでは1年以上前からロシアのフィギュアスケートの女子選手とフィギュア競技自体を脅かす極めて危険な問題について何度か主張してきました。ロシアの美少女たちがサイボーグに見えてしまう - 植物園「 槐松亭 」ロシアはスポーツ選手をモノとしかみていない - 植物園「 槐松亭 」にあります。

 なので、ロシアのフィギュアスポーツが抱える実情は割愛いたします。また、昨日までの経緯についても、世間ではロシアのウクライナ侵攻危機以上の注目度で取り上げられているので、詳細は省こうと思います。

 昨夜眠い目をこすりながらも、最後まで見届ける必要があると思ったのです。ドーピングでは完全に「クロ」と判定されたワリエワ選手が、出場を認められた理由が16歳という年齢によるものでした。ドーピング検査が遅れたためにこんな事態になった、年端もいかない15歳の少女とって、懲戒というペナルテダメージが大きいので、保護されなければならないという判断で、CAS スポーツ仲裁裁判所は「玉虫色」の裁定を下しました。ワタシに言わせれば、主催者の中国に忖度し、ロシアからは脅かされ種々の要素で毅然とした判断は回避し、「責任はとれないからIOCが出したければ出せば」というメッセージであります。

  お爺さんが飲んでいるコップの中に、心臓薬の錠剤が大量に入ったものを間違えて飲む確率はゼロです。三歳児ならいざ知らず。飲み物・食べ物・体重・生活まですべてコントロールをしているはずのコーチがサプリメントなどを飲んでいるのを知らなかった可能性も0でしょう。コーチに絶対服従の子供たちが、「飲め」といってコーチから手渡された薬を拒否する確率は1ミクロンもありません。荒唐無稽な申し立てで、競技停止を解除したのは、ロシア政府の指示によるものの確率はほぼ100%でありましょう。

 IOCは、中国そしてその隣に座っているプーチン独裁国家ロシアの手先となり下がっています。そうして欲と金にとりつかれた拝金主義の亡者でもあります。保護するということを都合よく解釈し、出場権を与えました。そして、昨日の惨状であります。ワリエアは明らかな変調をきたして信じられないようなミスと転倒を連発しました。世界の何割かが見守る中で、無様な姿をさらした彼女の心はズタズタになっただろうと思います。彼女を保護しプロテクトするはずが、逆に彼女に取り返しがつかないような深い傷を負わせた、と感じました。

  鉄の女と言われ、ここ10年間ロシアの女子フィギュアの質を劇的に変えたエテリ・トゥトベリーゼコーチが、ワリエアに対して「なぜ戦うのをやめたの、説明して」なじったそうです。説明しなければならないのはコーチ、あなたなのですよ。何故ロシアの少女たちが体が大きくならないのかがりがりに痩せているのか、たびたび故障し離脱しているのか、全てはあなたの責任ではないのか?

 銀メダルに輝いたトゥルソワ は近寄って手を出したエテリを振り払ったそうです。更に、「スケートが大嫌い、もう二度とスケートに乗らないだろう。絶対に。 」と叫んだのです。これが物語っています。ロシアの鬼コーチは、いたいけな少女を自分の栄達のみに利用し、なんの責任も負わず、説明も拒み、そして結局は忍従してきたその子たちに愛想をつかされたのです。一位になったシェルバコワ は、蚊帳の外で途方に暮れています。この一連の騒動で関係者の誰一人シアワセにならなかった、それが出場強行の不始末を物語っています。

 こんな指導者を永久に追放すべきなのです。このコーチは、誰が1位になろうが関係なく、過去の歴史には無い金銀銅独占の偉業を成し遂げるためには、一人も欠けてもらっては困るのです。薬を使って少女たちの心と体を毀損しても平気なコーチとドーピングの医師をいまだに登用するロシア、そしてプーチンにこそその責任があること、そしてそれを黙認してきたIOC、バッハが一番の加害者であり元凶であります。あらゆるスポーツに関わる世界の団体や、影響力のある識者、マスメディアはそれを追求すべきであると考えます。
 

 

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