植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

政治家の口の耐えられない軽さ

2021年07月13日 | 時事
 集中豪雨をもたらす要因の一つが線状降雨帯であることが、近年知られるようになりました。それまではさほど集中的に雨が降ることは少なかったのですが、地球温暖化によって、だんだん地表温度や海水温が上昇し、上昇した暖かく湿った大気が上空で冷やされることによって起きる積乱雲が発生しやすくなったからです。

 線状降水帯は、衛星のカメラから逐次捉えられており、雲の流れからどの地域でどのくらい雨をもたらしているかがわかります。しかし、現在の技術では現在発生していることは把握できても、予測は出来ません。何故か、それはそもそも「天気予報はあたらない」ものだからです。気象衛星で地表の状況が捉えらる時代になっても大して変わりません。

 地球の上で起きる様々な自然現象は、地形、温度や海流・風、高度の空中の大気の状況など無数の要因で、刻々と変わりそれがもとで更に新たな状況に変化します。いろいろな要素を取り上げて様々な国が気象を予想していますが、同じ予報になるのは少ないくらいなのです。

 昔から古老が、体で温度を感じ空の色や風向きで雨雲の到来などを言い当てていました。これがヒントです。各地に情報収集できる観測機を設置するだけでなく、日本中にあるスマホを持った人たちからリアルタイムに気象情報を吸い上げ解析することが最も有効だろうと思います。

 そんなことはいざ知らず、菅総理は被災地を訪問し「資機材を投入し線状降水帯の発生予測を前倒しで開発する」と会見で述べました。バカでしょ。ちょっと研究費を追加したらドラえもんのポケットから予測システムが出て来ると思っているのでしょうか。災害を減らしたかったら、毎年集中的に雨が降る地形やエリアの災害対策を講じ、安心安全な避難行動をシュミレートするしかないのです。ダムを減らし、開発を制限し、森や山に木を植えるのが回り道のようでも一番効果があるのです。

 この方は出来もしないことを簡単に口走る癖があります。コロナに打ち克った証しとして(笑)五輪を実施、2酸化炭素排出を2060年までに実質ゼロにする、ワクチン接種は一日100万件とする。口から出まかせみたいなことを さも自分がやりますみたいな大ぶろしきを広げる癖であります。安心安全な大会にするって耳にタコができるほど聞かされましたが、その根拠になるものや実績もなく、始まる前からすでにしてバブル内に感染者が幾人も出ているのです。

 ワクチンの偏りも約1億回分のうち4000万人分がどこかにあるはずだ、余っているのだと田村厚労大臣が説明しています。そうか全体の4割が在庫かぁと誤解させる説明ですが、実際はすでに6000万人に接種済みです。おおよそ60日分が日本のどこかにあり、毎日のように新規のワクチンが空輸されているので、不足するはずも無いのです。一にも二にも在庫管理や自治体への接種ペースに合わせた適正配分が出来ていない厚労省のお粗末さを自ら白状しているのです。

 これほど人の口から出る言葉が軽く、本来の意味から逸脱した表現が乱発された時代はないでしょう。

 言ったら最後、その言葉に責任を負うのが社会的規範やルールの原点であります。とりわけ指導的な立場の人、影響力のある人たちは肝に銘じなければならぬと思うのです。浅はかで軽はずみな言動で問題になった「西村さん」の例を引くまでもありません。
 形勢が悪くなると、意味不明な釈明を行い、簡単に撤回したり表面的に謝れがばすむと思っているのですね。
「貧困より恐ろしいものーーそれは精神の堕落」 ソルジェニーツィンさんの有名な言葉です。

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