ワタシは、小さい頃からお茶を飲むということにほとんど無縁でありました。両親が食後に茶を飲むところも、あまり見た記憶がありませんでした。高校を出たのちの学生生活、社会人になってもまた然り。
家に居ても、食後にお茶が出てくることはありません。「おい、お茶」、とか言う偉い立場にもなく、こちらから頼めば入れてくれるのでしょうが。なんとなく夜、目がさえて寝れなくなるのではという、強迫観念が根底にあるのかもしれません。同じ理由でコーヒーも夜は飲みませんね。お茶を飲んでまったりする家人を横目にそそくさと食卓を立つ、というのが毎晩であります。
もう一つお茶に抵抗感があったとしたら、茶柱かもしれません。亡母は九州の小さな神社の宮司の長女でした。母がまだ少女の頃、祖父は若い頃小倉に住んで、九電の仕事をしていたのだと教わりました。太平洋戦争初期に、そこで防空壕掘りに祖母が駆り出されていたのだそうです。ある日の朝、茶柱が立ったと喜んで現場に出かけたのです。すると、夕方穴の中に最後に残った祖母が道具を洗っている最中に、周りの土砂が崩れ生き埋めになったのです。
戦争が開始して初めて出た国内の民間人の犠牲者で、「孝婦烈女」として表彰されたそうです。その時から、母親はお茶に対してある種特別な思いを抱いていたのではなかろうかと思います。
ネスカフェの時代、インスタントコーヒーしかない時代から、ずっとコーヒー党でした。一日3、4杯飲みます。しかし特に挽いた豆でドリップするなどといったこだわりはありません。コーヒー党とお茶派が敵対するわけではないので、両立してもさして不思議はないのですが。
縁が無かったお茶について、どうやらだんだん距離が狭まってきたのであります。こちらが歳を取ってきたら、コーヒーよりお茶が似合うのかもと思いました。以前、40歳過ぎた頃に、短期間ですが若者ばかりが働く現場に出向したことがありました。その時、二十歳も年の離れた店員に不思議な顔をされました。暑さでコーラをがぶ飲みしたら、ワタシのような「年配者」がコーラを飲むのを見たことが無いというのです。彼は、自分の親と見比べたか、お茶を飲むものだと言いました。
更に、九州の田舎に住む同級生T君が茶園を営んでいるのも、少なからぬ縁を感じるようになりました。彼は、竹馬の友、親代々の茶畑を継いで農業に従事してきたのです。子供の頃はともかく(笑)、茶や農業に関する勉強をして、科学的・化学的見地から研究しているようで、様々なことを教えてくれます。もう一人、同じく中学校の同級生の友人S女史も、博識な勉強家、国内外を忙しく飛び回っているスーパーウーマンであります。そんな級友たちに教えてもらうことが多く、一年中耳よりの情報が入ってきます。
その一つが、お茶の成分の効用であります。カテキンとカフェインは誰でも知るところです。カテキンは、がんの予防から、コレステロール低下、血糖値上昇を抑えるなど成人病によく効く効果があり、インフルエンザ予防にもなるそうです。件の友人からの情報によると、免疫力アップと言う効能もあり、コロナになった時の重症化リスクも軽減する、という話でありました。
更に、テアニンという成分は、お茶のうまみのもとで、リラックス効果があるのです。お茶をして、ほっこりするというのは、この成分の作用だそうです。お茶のお美味しさは、このテアニンとアルギニンの量によるのだと教えてくれました。
「新茶の香 真昼の眠気転じたり」これは一茶の詠んだ俳句、カフェインの効果と新茶の得も言われぬ香りが眠気を覚ました、という意味でしょうか。
いずれ、素晴らしい成分を含んだスーパー健康食品と言えるのであります。
そうして、先日、奈良県立医科大の研究結果に驚きました。なんと、市販されているお茶や紅茶が、コロナを無毒化(ウィルスの感染力消滅)したというのであります。以前から「不確かな情報」としてお茶のコロナへの効能が取りざたされていました。とにもかくにも公の機関から実験結果が発表されたのですから根拠がないわけではないのです。
つまり、先日ブログに書いた感染率の低い国(東南アジア)が、日常的に緑茶を飲むであろう中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、日本と重なるのです。
お茶の生産量だけで言えば中国が世界の90%、日本、ベトナムと続いてほとんどがアジアの暖かい地域で生産されています。
一方お茶全体の国別消費量1位は、インドだそうです。人口一人当たりで言うとアイルランド,イギリス,モロッコ,クウェート他中東各国となるようですが、これらはほとんどが紅茶であります。コロナの感染者はむしろ多い部類に入りますね。
今回のレポートによれば、茶葉から抽出したものは紅茶でも同様の効果があったということです。緑茶を生産し愛飲する地域に、コロナの感染者が少ないという事実と照らした時、その関係性を追求する価値は大いにありそうなのです。もし、それが、いくらかでもコロナ予防、感染拡大に効果があることがわかれば世界にとっても朗報、日本のお茶生産農家やお茶屋さんは空前の特需となりましょう。
これこそ、スーパーコンピューターの出番です。飛沫の飛び方など数時間の作業でカメラで捉えられるのですから、わざわざ富岳に演算させるまでもありません。世界の紅茶、緑茶の消費分布と、その淹れ方、感染者数・感染力との因果関係を早急に検索調査すべきだと思いますが。
コーヒー党ではありますが、本日より宗旨替えいたします。コロナ予防対策の実験台として、すすんでお茶を嗜むことにいたします。
んっ!それより茶葉の買い占めが先か?( ´艸`)
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