植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

カラスなぜ啼くの

2020年06月26日 | 動物
 ワタシが学生の時、Y大学の学生寮に住んでいました。寮費は月100円、これに図書費400円を払っておりました。食事代は、必要な人だけ月単位で申し込み、朝40円、夕食70円位でした。貧乏学生は食事を申し込みません。申込みしていても夜の刻限10時に戻らないと権利落ちとなり、解放されるので、何人も食堂に待機し、残った食事に群がるのでした。ワタシは、夜遊びが多くよく食べそこなったものです。

食堂には、ビッグコミックや、少年ジャンプなど5,6種類の漫画本が購読されておりました。ワタシ達の支払う図書費が、漫画本の購入に充てられていたのです。また、寮生が個人で買う雑誌や何かも食堂に置かれ、共存共助の思想が貫かれる良き時代でありました。

 その頃ブームを巻き起こした情報誌が「ぴあ」でした。1972年創刊、2011年に休刊したそうです。食堂に置かれた都市情報誌という新しいジャンルの雑誌で、楽しみに読んだものです。
なかでも、読者投稿の慣用句のモジり。今でも忘れない文がいくつかあります。
「災害は忘れた頃にやってこられても、何のお構いも出来ません。」
「袖すり合うも多少の緑(みどり)」
「仏壇は後の祭りをするところ」
「食べ物を粗末にすると、仏様のバッチが当たります」
など、40年以上も前の言葉遊びが記憶の底に沁みついております。
言葉の遊びは「ケンとメリー」「皇太子シリーズ」などもあり、思えば今と違って純朴で他愛のない若者が多かったようです。

  寮にいると連夜のように飲み会がありました。部屋だろうが食堂だろうが屋外でも、興が乗れば酒盛りを始めました。そこでつきものだったのは「寮歌」と春歌です。春歌といっても、「さくら」・旅立ち、春一番などをテーマにした春の歌ではありません。卑猥な意味合いを前面に押し出す替え歌・数え歌のことです。猥歌ともいいますね。たんたんタヌキの◯◯たまはー、とか「おっぴょ節」「よさほい節」などたくさんありましたが、恐らく今若い人は知らないのではないでしょうか。いろんな意味でおおらかだった時代の遺物です。

 その中でよく歌われた替え歌がカラスの歌ですね、正式には「七つの子」という野口雨情さんが作った童謡です。「烏 なぜ啼くの烏は山に可愛七つの子があるからよ」と言う歌詞を「彼女なぜ泣くの、彼女は腹に可愛い七か月の子があるからよ🎶」と言い換える不謹慎極まりない替え歌でした。その後の歌詞はワタシの品格が疑われますので省略いたします。
 コロナ禍にあって亡くなったシムケンさんは「カラスの勝手でしょー」というギャグを飛ばしました。

 そこでカラス対策です。あいつらは鳥獣保護法を熟知するほど賢い動物なので、こんなオジサンが庭帚振り回しても恐れることなく、平気な顔をしております。ワタシの屋上庭園を我が物顔で、遊園地代わりに闊歩しております。度重なる不遜な振舞と作物・植物被害に業を煮やしてついに立ち上がりました。 名付けて「にっくきカラス見て居れ作戦」略して「からすみ作戦」であります。
 カラスを直接間接に傷つけるのは法令で禁止されていますから、近づかないようにするしかありません。

 プランは4つであります。まず、光るものキラキラ反射するものを嫌う習性を利用したCDをぶら下げるという古典的な対策です。
こんな感じで2か所に取り付けました。

 更に、飛ぶ鳥は羽根を傷めるのを恐れます。羽根に障害物のようなものが触るのを嫌うので、テグスや細い糸のネットを張り巡らすのが有効と言われます。こちらがケガをすると元も子もないので、身長より高い位置に弱めに3方向にわけて張りました。飛来したカラスが一度でもその糸に触れると「危険な領域」だと認知するらしいのです。魔の三角地帯ですね。

 次に、カラスの死骸です。仲間がひどい目に合ったり、捕まってぶら下げられるのを目にすると「おぅ怖い」と思ってカラスが近づかなくなるというもの。ホームセンターでは死骸の代わりにいくつかの模型やカラス除けグッズが販売されていますが、ちょっと高価なんです。以前安い空気注入式ビニールカラスを吊り下げましたが、いつの間にか空気が抜けて用をなしませんでしたな。
そこで、自作しました。農業用の黒いビニールとコーラのペットボトルなどを使って、本物そっくり(笑)の死んだカラスを作りました。目の下には無念の赤い隈取まで入れました。
 頭を下にするのがミソであります。逆になってないと仲間と思って寄ってきたりします。
どうでしょうか。苦心の作ではありますが、風が強く吹く屋上なので長持ちしないでしょう。その時は黒いビニールテープで補修すればよし。
 これをつけているうちに、50Mほど離れた近所の家の屋上に三羽のカラスが集まりました。こちらの動静を見ているのかは分かりませんが、低い鳴き声を出していて、「あのじじー、やばくね、」とか言い合っているような気がしました。ワタシには、警戒心を露わにしているように聞こえましたな。

 4番目は「案山子」ですね。ワタシの等身大のフィギュアを据え付け。電動式で手や顔が動く、時には目が光る、といったロボットを買って来るのが理想ですが、ちょっと予算面の問題があり断念しました。代わりに、自分の顔をリアルに再現した頭の部分を作り、あとは棒と針金でフレームを作ったら古着を着せて屋上の椅子に座らせるつもりです。これには、構想と材料費製作時間を要しますから、閑になったらやります。

 こうして、人間(ワタシ)の叡智と極悪カラスの戦いが始まりました。
 
カラスの勝手にさせんぞ。


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