植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

せっかくの筆が泣いている

2022年10月12日 | 書道
昨日はブログ更新を怠ってしまいました。
ここ数日間、倅の結婚式を中心に、子供たちのことで手一杯、孫の風邪・発熱に振り回され、地区レクレーション大会の準備など、心身両面で大きな負担となりました。
子供たちの結婚式を3回行って、肩の荷が下りたと思った瞬間から、どっと疲れが出て、ある種の喪失感・虚脱感に襲われていたのです。二日間何もする気になれず、メダカのエサやりや植物の水遣りに終始していました。

昨日の夕方は、ようやく気力を奮い立たせて、数か月ぶりに筆を取り、気になっていた「李鼎和」の古筆の試し書きをしたのです。

「李鼎和」の筆は、170年ほど前からの老舗で、中国最高の筆メーカーであったのですが、1960年代に入ってからの「文化大革命」によって、国営化によって廃業を余儀なくされ上海工芸など、名前だけが別の会社に引き継がれていったのです。「断箋残墨記」という書道具の専門の方の記事によれば、この筆を持てば「2階級特進」するという位、優れた羊毛(山羊の毛)を用いたものです。

名筆コレクターであるワタシは、師匠の「唐筆は全く信用できない」の言に従い「和筆」を集め、幽玄斎・墨吐龍・翠祥園などの羊毛筆の最高峰である、細嫩光鋒(さいどんこうほう )を所蔵しております。

写真の軸が太いのが李鼎和、細い二本の方が定価5万円の幽玄斎筆であります。いずれ劣らぬ羊毛・長鋒筆の銘筆で、今では入手困難な逸品であります。早い話、ワタシの力量にはもったいない立派な筆なのです。

しかし例外的に「李鼎和」の文革前の古筆が欲しいと思っていたのです。長い期間、ヤフオクでは流石にこれは価格が吊り上がって落札出来ずにいましたが、比較的新しく李鼎和の安い方の「畢」宿浄筆(毛を長期間寝かせた筆)を2万円で落札したのです。

例えば同じ頃の長鋒宿浄二羊毫「墨海騰波」などは5万円以上で販売されていますから、もっと古い時代の名筆ならば軽く10万円くらいはするでしょうね。

残念ながら、この半年間ほぼ筆を握らず、只管、石を彫るで篆刻にうつつを抜かしていたのです。自治会の仕事が忙しく、書道教室がコロナで閉鎖していて書道に時間を取らなかったので、すっかりなまってしまいました。肝心の書き心地は、とてもまとまりが良く、羊毛筆にしては弾力性が出て「ふにゃふにゃ」にならないのです。しかし、半紙4・6文字には穂の大きさが長く太いので、根元まで墨を含ませなかった結果、せっかくの李鼎和、2階級特進のはずが、なんとも情けない字になってしまいました。本来ならこのブログに書を載せるはずですが、これは見せられない(´;ω;`)

それでも、ようやく二日間休養し、自治会の仕事も山を越えました。心の安寧がすこしづつ戻って来たので、書道4・篆刻6の割合で心を入れ替えて、練習を再開いたしたいと思います。書も篆刻も自称「中級者」であります。さび付いた腕を磨けば二階級特進で、準上級者位には辿り着きたい、と思うのです。

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