植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

雅号をつけよう

2021年01月02日 | 篆刻
 お正月といえど、ワタシには休日、休息はありません。店舗外のごみ拾いは欠かせません。鉢物観葉植物の水やりにメダカの世話もあります。ブログ更新ももちろん怠りなく元日を終えました。
 なにより、書道では、作品つくりを今年のテーマに掲げているので初日から飛ばして篆刻印作成、半紙・小さな文字向けの「姓名印」を彫りました。
昨年暮れに下書きはしてありましたので、小一時間かけてできました。もう少し仕上げの手直しが必要ですが、上出来です。これで5.6個目で、だんだん要領がつかめてくればさほど時間はかからず、それなりになるものです。今回はYouTubeで、篆刻家の作業も研究しましたので、だいぶコツもつかめました。

 もちろん篆刻自体は試行錯誤しながら自己流で作ります。そもそも、こうした小細工は子供のころから大好きで得意分野でもありました。版画、レタリング、プラモデルなど細かな作業をコツコツやってるのが楽しいのであります。長じてからも美術部に在籍し、習字も独学我流ながらそれなりに練習したものです。

 今回の、姓名印は条幅用に専門家に注文した2センチ角のものとは別で、一回り小さなものです。紙や本文の字、落款用のスペースなどに合わせて落款を2,3種を使い分けるのです。これができると、雅印が欲しくなります。以前紹介しましたが、引首印と雅印・姓名印3個を押印するとかっこよく。格調高くなるのです。

 すでに本文100文字を書いた「百福図」を作品に仕上げるため、わが師匠「藤原先生」にLINEで指導を仰ぎました。元日早々に、相手をわきまえず、こういうことをするのは、迷惑で、出来が悪い弟子の典型ではあります。先生に尋ねたのが、落款の入れ方や「雅号」をつけたいというお許しを請うという中身でもありました。

 「雅号」これは個人の自由で、好きなものを好きな時につけて使うのが原則で、ニックネーム、ハンドルネーム、芸名、ペンネームなどと同類であります。調べてみると、書道における雅号はそう単純な話ではないようです。いくつかのパターンがあります。
 
 まずは数多くある書道団体で、会員が高段者や「師範」となるタイミングで免状のような形式で一方的に授与されるものです。これはほとんど例外なく免許料金がかかります。書道教室などでもこれに準拠することがあるようで、そこはその先生の考え方次第です。指導者が、この人には雅号が相応しい、と思えば先生の一門の伝統の一文字を付して雅号使用を認めるというようなケースであります。これも、相当な謝礼を用意しなければならないようです。

 書道団体に属して会費を払う人、通信教育で段位の取得を目指す人やきちんと書道教室で勉強するという人たちは、総じて一定の技量・力量・書道歴・(資力)を量った上で雅号を持たせていただくというのが通例なんですね。
自発的、勝手に雅号を用いる場合でも、ある説によると、一応有段者が目安で、それが上がるにつれ雅号をつける人が増えてくるのだそうです。

 ワタシは残念ながら、一切の級も段位も無く、段位取得、師範にも興味が無いので、そういう流れでこれまで雅号が無いというのは当然のことでありました。しかし、作品を作るにあたっては「雅印」があったほうが、より書道としての完成度が上がるという理(ことわり)に従うことになるのです。すると雅印に彫る雅号がないと始まりませんわね。

 分不相応なことを承知で恐る恐る先生に相談したわけであります。

段や免状等というものまるであてになりません。ちゃんちゃら可笑しい!お金儲けの手段に成り下がっています(原文ママ)」これが返信であります。!!!なんと激しいお言葉!!。(((;゚Д゚))) 先生昔なんかあったんでしょうか?。そうした免状の謝金やなにかでご苦労されたとか、同業の方たちと嫌な出来事があったのかもしれません。
 ともあれ、自分で好きな雅号を考えてお使いなさい、が結論でありました。もし、いくらかでもお金を儲けることに熱心な指導者であれば、そこで「では私がつけてあげます」と言うところでしょうが。ワタシにとっては、むしろお金を払ってつけていただいてもいいと思っていたほどです。ワタシの師匠のお人柄、無私無欲な方なんです。

 さんざん考えた挙句というのは嘘で、すぐ昨夜「嘉苑」に決めました。嘉は喜ぶ、楽しむ、めでたいというような語義で、苑は、園と同じく動・植物を囲って育てている所ですね。嘉は「優れている」苑は学問・芸術の集まる所という意味もあるそうですから、自分で名乗るにはいささか厚かましい、大それた雅号ではあります。

 しかし、決めた以上即行動であります。「我(Ga)Go」ですね。今日のお仕事は、篆刻「雅印」、ワタシの雅号「嘉苑」を刻む、で決まりです。

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