植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ワタシの印の値段 さぁいくら?

2024年05月15日 | 篆刻
4月に入ってから4人の方に「篆刻印」を彫って、と依頼があったのです。こんなことは滅多にないどころか、これからもあり得ないことです。特にどこにも「彫ります」と宣伝しているわけでもなく、年間数人しか依頼が来ないのですから。

最初の方は高校時代の同級生で、その前に「姓名印」を頼まれて彫って差し上げたら、気に入ったらしく「蔵書印」を彫ってと連絡がありました。次には見ず知らずの人が聞きつけて姓名印・雅号印が欲しい、と。彼女はそれまで師匠の印を借りて「落款」に使っていたとのことで、雅号もありません。それでは仕方ない、好きな漢字を教えてといった中に、「桂」という字があったので、雅号は「桂風」でいかが、となったのです。

上の方とほぼ同じ時期で、3番目に来たのが、既に2度ワタシの印を使っていただいている書道家さんで、教室も開いているようです。その方がいっぺんに7個の姓名印・雅号印を注文してきたのです。普通2個か3個ですよ。しかも、例えば姓名印は白文(文字の線を彫るので白い線になる)なのに、朱文(文字の部分を浮彫にするので字が朱になる)にしてくれとか、逆に雅号印は白文とか、セオリー無視でありました。この人のを優先的に彫って出来上がったのがコレ
 

4番目の人は、高校時代の同窓会の幹事の女性で、書道が達者なんだそうです。仕事としてやっているかは聞きそびれましたが「急がないのでお願い」と頼まれました。

さて、1番最初の「蔵書印」は既に出来上がり郵送するだけになりました。これから3,4番目の方の分に着手しようと思います。そこでいつも困るのが「代金」であります。今まで何十人の方に提供してきた篆刻印ですが、ワタシの方に定価や価格表があるわけではありません。石の種類や刻字の内容等千差万別なので決まった値段などつけようがないのです。

実際には「実費相当」の費用は計算できます。石代(ヤフオク等の入手金額などを参考にする)、箱代(書道店では500円位が標準)、送料がかかります。特別上等な石でなければ、これで大体2千円といったところでしょうか。どなたもお金は払う、と仰いますが、実費程度を貰う位なら、ただで差し上げたほうがカッコいいと思うのです。

そもそも、これまでワタシの篆刻は「お金が欲しくて彫っているわけではない」、職業としてやっているわけでも無いのです。一度だってお金の為に彫ったことはありません。

一方ワタシが篆刻を始めたきっかけは、当地在住の篆刻家に依頼して「姓名印」を彫って貰ったら3万円請求されたことにあります。落款用に使う印は最低2,3顆(本)ですが、短冊・半紙・半切・全紙と様々な大きさの書を書くと、印も大きさのバリエーションが必要になるので、3セットくらいは必要になるのです。これにいちいち数万円を払うのは馬鹿らしい、と思って自分で彫るようになったのです。

そんなことから、ワタシの印など、いくらでも構わないのですが、下さる人には今のところ2千円から5千円ほどを頂戴しております。因みに上記写真の大きい印は箱代込みで3,500円、小さい石は1,500円とささやかであります。本来ならばこうして収入は税務署に申告するのでしょう。残念ながらこんなに注文が来ることは今後予定していないので杞憂、余計な心配になるでしょうが(笑)

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