ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

「ヒトラー日記」に変わる日記は「惣菜日記」である

2009-03-17 23:30:42 | Weblog
 春らしい、暖かな陽気が感じられるようになった今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 昨日は確定申告の最終日。店は休日なのに、奥さんの確定申告を代理で申告しに行って来た私でしたが、予想外の行列に目眩すら覚える感がありました。
 自分の事を棚に上げて、「この人たちは何の仕事しているのだろう?」といらぬ詮索をしてしまいましたが、中には申告の指導員に「あんだって?」と志村けんのじいちゃんのまねを地で行っているご老人も見受けられました。まさに「深刻、確定」なケースといえるでしょう。
 1時間以上も並んだ割にはあっけなく終わってしまいましたので、帰宅してから「たまに本棚の整理でも・・・」と思い立ち、本を部門別に仕分けし、探しやすいようにしようと作業をしていました。
 しかし、昔買った本を何冊かペラペラめくっているうちに読み込んでしまい、まったく作業がはかどらないどころか、次から次と本を出して読んでしまうので逆に散らかしてしまう、という結果に終わりました。
 最近はあまり本を買う事がなく、買ったとしても雑誌などが多いため、現在、所有している本は、20代に読んでいたのが殆どで、読み返すと懐かしいものばかりです。
 大半が料理関係のものですが、小説やエッセイは、みうらじゅんの「カリフォルニアの青いバカ」から松本清張の「小説 帝銀事件」までと幅広く、その他「買ったけど読まないからあげる。」と頂いたカントの「純粋理性批判」(これは半分くらい読んだ)、「こういうの藤原さん好きそうだから。」と頂いたヒトラーやムッソリーニ関係の本(これも半分くらい読んだ)と読破していない本もありましたので、この辺から新たに読み返していこうか、と意気込んでしまいました。(なぜか本を頂くことが多い)
 そんな折、たまたま手にした池波正太郎先生のエッセイを読んでおりましたら、「惣菜日記」のくだりがあり目を引いてしまいました。
 それによりますと、先生は、その日食べたものをメモし「惣菜日記」として記していたそうですが、その理由は、自分が一日中家の中で仕事をしていて、常に家で食事をするため、奥さん(本には「家人」と書いてある)が献立で困らないように日記を付けているのだそうです。優しいぜ、しょーちゃん!(残念ながら、先生は1990年にご永眠なされております)
 それを読んだ時、「俺って・・・最近何食べたんだろ?」と妙に考えてしまいました。
 一日の中で主食的なものを食べるのが夕方の賄いだけ、という私とマネージャーですから、もろ一極集中的な食生活で、夜食がアルコール、という非常に不健康な生活形態になっております。
 それでは、休みの日以外は何を食べているのか先週を振り返ってみましょう。

・火曜日「煮込み味噌ラーメン」(これはマネージャーのリクエストでした。煮込みラーメンは市販のものではなく、スープを簡単に作り、麺を買ってきて茹でずにそのまま投入し煮込むタイプのラーメンです。味噌の場合、辛味噌にしますが、その際、味噌とブレンドするコチュジャンは専門店で購入しないと美味しいものに巡り合えません)

・水曜日「シラスと小松菜のスパゲティ」(当店でスパゲティは出しておりませんので在庫がありません。その為、賄い用として100円ショップ、いわゆる「ヒャッキン(「ヒャ」の部分を「ファ」と言い間違えると外国の方に怒られます)」から購入しますが、シラスは1パック200円、小松菜は安いと88円、と400円あれば作れます。一番高いのがバージンオリーブオイル、というのがネックになってきますが、仕方がありません、これをケチると美味しくありませんから。冬に生たらこを塩漬けにし、干していたもの(自家製)を少し入れると美味しさが上がる事が判明しています)

・木曜日「牛スジ入りカレー」(なかなか無くなりません。煮込みラーメンで残ったスープなども入れているので無くなりかけては増え、という状態が続いています。後1回の食事で無くなると思われるのですが、ビミョーです)

・金曜日「鴨南蛮そば」(いつも行くスーパーにはお手頃な冷凍の合鴨スライスが売られています。それを使い温かい鴨のそばつゆを作り、乾麺のそばを茹でて頂きますが、その乾麺は新潟の「十日市町」というところで作られたものが最近のお気に入りです。田舎そばではなく、更科を髣髴させる麺は一食の価値ありです。しかし、売っているところが限られている上に無くなるといつ入荷になるか分からない、というものですから在庫確認をしてメニューを組まなければなりません)

・土曜日「魚の切れ端と小松菜のスパゲティ」(一週間でどれだけ小松菜を摂取するのか、という話になりそうですが、小松菜とスパゲティの相性は悪くありません、いや、個人的に好きです。小松菜は魚介類との組み合わせが良いのではないか、と勝手に思っております)

・日曜日(第三日曜日のディナーはお休みを頂いておりますから、賄いは食べません。その日の夜は自宅で鶏肉を焼いた物とサラダ、そして、ワインの3点セットで終わったように記憶しております。「記憶しております」という表現は土曜から日曜に掛けては殆ど寝ていないため、飲みながら寝てしまったからであります)

 と、このような私の「惣菜日記」でしたが、皆様はいかがな1週間を召し上がったのでしょうか?

 私たちの賄いは大抵このローテーションで決まりですから、どれだけ賄いで冒険しないかお分かりになられたのではないでしょうか。

 先々週はこれに「牛スジ煮込み」がプラスされたラインナップでしたが基本的にそう変わりはありません。

 冷凍庫の中に新たな牛スジが蓄積されておりますから、来月あたり「牛スジ花見会」と称して、牛スジ煮込み食べ放題(飲み物は持ち込み可)な企画を立てようか、と真剣に考えております。

 10人から15人程度の完全予約制でどうでしょう?

 まだ企画段階です。










 
 
 
コメント (10)
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