ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

捜索する創作料理

2007-01-26 17:34:25 | Weblog
20代前半の頃、駐日アメリカ大使館、オレゴン州大使のお宅に招かれて、伺った事があります。(その経緯は長くなりますので、また今度)
 物凄いパーティーなのかと思って、スーツ姿で伺ったところ、大使は非常にカジュアルな格好で出迎えてくれました。
ボタンダウンのシャツにジーンズという姿に、どことなく旧ソ連ゴルバチョフ書記長に似た笑顔の大使と、不法滞在だと笑って言っていた大使の友人のインドネシアの方と3人で交わすトークは微妙な感じでした。
 しかし、その時に大使が作ってくれたハンバーガーは、今まで食べていたハンバーガーの概念を覆すぐらいのおいしさがあったのです。
どうやって作ったのか聞いたところ、

「何も特別な事はしていません。バンズは私の好きなパン屋さんで作ってもらいました。シンプルにハンバーグとパンだけが私の中では最高の組み合わせです。」

 という答えが、流暢な日本語で返ってきました。
たしかに華はないのですが、ハンバーグのジューシーさ、噛み締めたときの肉の旨味、バンズの力強い小麦粉の味、そこには、他の食材が介入することの出来ない
アメリカの味を垣間見る事ができたのでした。

 最近、創作料理という言葉も恥ずかしい言葉になってきたのではないでしょうか。
前記のハンバーガーは、ハンバーグ(語源はドイツのハンブルグ)とパンを合わせた創作料理なのではないか、と言われればそれまでかもしれませんが、市民権を得て、脈々と受け継がれていく立派な伝統料理と私は考えます。

 話は変わりますが、数年前に食事に行った際、コースの中の一皿にリゾットがありました。
「サーモンのリゾットサフラン風味 いくら乗せ」という一皿でしたが、どう考えても、「腹子飯」の印象が残り、こういうのもありなのか?としか思えませんでした。
 そういうのもありならば、と考えたものがこれです。カッコ内は私の心の中のツッコミと考えてください。 

・大根のリゾット(それは、「おしん」でしょ)

・グリーンティーのリゾット サーモンのグリル乗せ(お茶漬けといいなさい)

・うこぎのリゾット(米沢の人しか分からないでしょう、それは。)

・リゾット ド ルージュ 小豆の香り(名前はかっこいいが赤飯です)

・さつまいものリゾット(戦時中の代用食なのか?硫黄島の人が泣いてます)

・エルブ ド ジャポネーゼ 7種の香りのリゾット(日本のハーブ7種を使った
リゾットと言えば、あれですよね。芹、なずな、全部言えるかな。)

バカバカしいですか?いいんです、それでも。(当店ではお出ししておりません)

 こういうところで、日本の伝統色を出すのも如何なものかと思うのですが、意外と平気で出している店ってあるものなんですよね。

 でも、若者には受けるのかなぁ。
コメント
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