ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

真昼の死闘

2007-01-23 18:42:25 | Weblog
 我が店「マチルダベイ」では、平日のランチ営業はいたしておりません。
その代わり、ディナーのラストオーダーが夜の12時30分、閉店時間が深夜1時30分という、後ろに長い営業スタイルです。
夜遅くからでも食事を楽しんでほしい、というのと、ディナーというものを時間を掛けて楽しんでほしい、という考えですので、デザートの後のコーヒーで1時間くらいおしゃべりを楽しんでも、一向に構いません。
 しかし、ランチに来たいお客様もいらっしゃるのではないか、と言う事も考え、
ランチ営業を、日曜、祝日に持ってきました。
日曜の昼からワインを飲むのもいいものだよな、という自分勝手な意見も少し取り入れて。

 お陰さまで、今では、満席になることも珍しく無くなりましたが、開店当初は
悲惨なものでした。(一説ではある方が来店すると、忙しさが倍増すると言われております)
 その知名度の無さからか、宣伝をしなかったからか、ランチのお客様が1組などというのはザラでした。(今でも知名度は無いほうでしょう)
 当時は、そんなに朝早く来て仕込みすることも無かったのですが、今では、朝の7時に出勤しなければ、間に合わないという、ある意味うれしい大変さに、感謝するばかりです。

 早起きの方にしてみれば、朝の7時で何が早いのか、と一喝されそうですが、
土曜日の夜というのは、私たちにしてみれば魔物が棲んでいるのです。
 土曜の夜11時過ぎ辺りから、カウンターに人が集まってきます。
ワインの話をしに来る方、料理の話をしに来る方、人生相談をしに来る方、以前在籍していた店のときからのお客様(以前在籍してた店でも、マネージャー佐藤と一緒に仕事をしておりました。独立開店にあたり、マネージャー佐藤を引っ張ったという形になりました。その話は次回)などで盛り上がりを見せます。
 しかも皆さん、次の日が休みな方ばかりですから、3時、4時は当たり前みたいな雰囲気を醸し出していらっしゃるのです。

 「閉店時間ですので、お会計よろしいでしょうか。」

 そんな言葉は掛けれませんから、自分たちもワインを飲んで、一緒に盛り上がるしかないのです。
 しかし、お客様より飲んでいるのはなぜでしょう?時として、お客様より自分たちの方が盛り上がってしまう事例が多々あります。

 そして、掃除をして帰宅すると、朝5時という恐ろしい時間ですから、仮眠をして、シャワーを浴びて、また出勤という事になるのです。

 ランチでカウンターに座られた事のある方でしたら、お分かり頂けると思いますが、ランチは、時間勝負みたいなところがありますので、一人厨房では、人の倍のスピードを要求されます。オーダーは待ってくれませんから。
一人で、グルグル回りながら仕事していると、時々

「俺は、このままバターになって、最終的にはホットケーキになってしまうのではないだろうか?」

 と真剣に考えるときがあります。
でも、そんな事を考えるのは、まだ余裕があるからなのか?などと考えている
日曜の昼なのです。
コメント
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