風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/True Grit、Harold&Maude

2011年07月07日 | 映画

グリットとは勇気、映画のタイトルは、"真実の勇気"ってこと?
14才の少女マティの父親は、雇い人に殺され、お金を取られる。
彼女は父の敵を取るために、連邦保安官・コクバーンに賞金を出して彼を雇い、犯人を追跡するというまことに単純なストーリー。
いくら早熟だと言っても14才の少女が、やり手の男達を簡単に口で言い負かしてしまうなんて、もうまるでコメディ。
スピルバーグが制作陣の一員に名を連ねているというのが売りで、10部門でアカデミー賞ノミネートされているというが、
二昔前どころか三昔前のハリウッドの勧善懲悪の西部劇そのもの。
真の勇気の持ち主は飲んだくれ連邦保安官のことを言うらしい。
彼を演じるスタインフェルドは、実年齢は62才だが、映像ではよぼよぼの爺さんって感じ。
追う側には正義・勇気があるのだから何をやっても良いのだ、悪人はまさに虫けらのように殺してしまっていいのだと、バンバン殺される。
「真の勇者」は悪人を有無を言わさず殺しても良いし、それが「勇気・正義」って言うことなんですね。
他方、「悪人」側は、彼女を捕らえても殺さないのだ。
これは、今日のアメリカの姿そのもの。
ビンラディン殺害のためには彼の家族や子ども、そして無関係な市民まで殺して構わないし、
何をやっても良いのだという昔と今のアメリカの姿を見ているようで途中からとても気分が悪くなった。
色んな困難や障害を超人的に乗り越えて、彼らを追い詰め、銃を使わずに捕まえそして公正な裁判にかける。
そうしてこそ「真の勇気・正義」たり得るし、そうした方がエンターテイメントとしても十分楽しめるのに。
こんな映画が、アカデミー賞を取るのであろうか。
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1971年製作だから40年前の映画で、「俺たちに明日はない」などのアメリカン・ニューシネマと言われる一作だ。
これもストーリーは単純。
このポスターのハロルド少年、どう見ても小学生か中学生だが、19才。
自殺を試みるのではなく、自殺の演技・演出つまりパフォーマンスを演じることが彼の「趣味」だと言う。
死んだ夫が大金持ちだったのかその未亡人は息子に高級車のジャガーなどどんどん買い与える。
大金持ちのぼんぼんが、死を弄ぶ映像が何度も繰り返され、とても不愉快である。
一方、79才のモードは、アウシュビッツを生き延びたユダヤ人女性のようである。
ようであるというのは、数字が入れ墨された腕が一瞬スクリーンに映し出されるだけでその説明は無いからである。
彼女は、残された人生を楽しむかのようにかなり自由奔放というか、気ままに生きていて、他人の葬式に顔を出し、
その後、車などを一時拝借するなどを「趣味」にしている。
何度か葬儀場で遭遇し、ハロルドの高級車を改造した霊柩車が彼女に盗まれたことから二人が意気投合し、
二人が恋愛関係に陥り、ハロルドは彼女と結婚すると言い出す。
私は、この結末、つまりどのようにして映画を終えるのかだけが、興味となった。
80才の誕生日の二人だけのパーティの前に服毒した彼女はその日死んでしまう。
彼は、高級車を崖から落とし、バンジョーを弾くところで映画が終わる。
何とも後味の悪い映画であった。
二人が恋愛関係になるのは構わないが、ナチスのホロコーストを生き延びた彼女が何故自死したのか。
金持ちのぼんぼんが暇と金をもてあましているだけ。
極めて安易な設定なのです。
それはそれで映画としては楽しいのだから、死を弄ばず、車の排気ガスで苦しんでいる並木をどんどん山に移植したり、
暇をもてあましている金持ちの爺さんや婆さんをだましてお金をくすねたり、
セックスしか興味のない男女にちょっかいを出してセックスレスの状況を作るとか、
とにかく「不釣り合い」カップルが奇想天外トリックで権力やセックスや見栄や繕いなどをあざ笑う方がよほど楽しい。
ハロルドとモードは大金持ちから大金を詐欺取って、改造したジャガーの霊柩車で愛の逃避行=
人生の新たな旅立ちを始めるって言う終わり方の方がよっぽど洒落ているのに。
ホロコーストを生き延びたモードが死んだのに、ハロルドはノー天気にバンジョーを弾いているんだから。
モードが自死したんのは、ハロルドが結婚を申し込んだからとしか思えない。
“人生讃歌”とはとんでもない宣伝文句だ。

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久し振りに映画館に行ったのだが、駄作で落胆であった。

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