風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/人生万歳!・エリックを探して

2011年04月04日 | ウォーキング
二本とも喜劇、でもちょっとシリアスっぽさを加味しています。
傑作とは言えないかな、喜劇はよほどでないと"傑作"とはなかなか言えないのが微妙な所です。

原題は、Whatever works
冒頭から、ウッディ・アレン作品ってわかる。
機関銃の様なやたら屁理屈っぽい長台詞と、ちょっと「オレンジ」のフィルターがかかった様な画面、
風采の上がらない中年・初老の男性と、すごい美人か美人ではないがとびきり知的な女性。
今回は、アレンは出演していない。
ノーベル賞候補にもなったと自称する天才、禿で、結婚に失敗して自殺を試みたが足が不自由になって生き延び、
「厭世家」を装っているが実は、話し好きで、本質的にはかなり俗っぽいボリス、
21歳の家出娘、彼女かなりトンでいて変わり者の南部娘・メロディは、ひょんなことボリスと巡り会い、居座る。
ボリスは、一方的に彼女に好かれ、迷惑顔してたが、あっという間に結婚してしまう。
そこに、彼女の母が家出してきて合流。
彼女、南部の共和党支持の保守派だが福音派ほどの原理主義でもない。
これまで趣味的に撮ってきた写真が素晴らしいとボリスのこれまた一風変わった芸術家に評価され、
みるみる豹変し、ついにはその彼ともう一人の男性と三人との奇妙な同棲生活に入る。
その彼女の夫は、妻の友人と浮気していたのだが、精力がないと彼女に振られ、妻とよりを戻そうとボリスの所に出てくる。
元妻は、そんな彼に全く見向きせず、彼は寂しくバーで飲んでいると、
これまたゲイのパートナーに逃げられた男性に慰められ、実は自分もゲイであったと気づき、彼と暮らし始める。
ボリスの妻、メロディは母親の薦めで若いイギリス人俳優とデートし、彼も好きになってしまう。
メロディに捨てられたボリスはまたもや窓から飛び降りるが、占い師の美人の上に落下し助かり、
ボリスと占い師は瞬時に相思相愛になってしまう、とまことに奇想天外なストーリー。
これは"人生塞翁が馬"と言うことではなく、日常的・表面的な素顔の裏には全くそれと異なる本性や欲望が宿っている
ってことではないだろうか。
でも、隠れたものが真実で表面は虚とも言えないわけで、その両者の混合物が実際の私たちなわけで、
まぁ、とやかく言わず人生、何でもあり、楽しもうよ、って言ってるのかも。


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原題は、Looking for Eric
この映画は、喜劇なのですが、前半はまるでシリアス映画の様な錯覚に陥りました。
"Eric"が鍵です。実は、エリックは二人です。
一人は、郵便局員のエリック、もう一人はサッカーの名門マンチェスター・ユナイテッドのかつてのスーパースター・エリック・カントナ。
郵便局員のエリックは、カントナの熱烈サポーターで、最初に結婚し離婚した妻を今でも想い続け、
二度目の結婚で別れた妻の連れ子息子二人を育てている。
元夫婦の子どもから、孫の子守を頼まれたエリック、元妻の姿を物陰から見てすっかり動揺し、会わずに帰ってしまう。
その帰り道、エリックは自動車事故を起こしてしまう。
以来、彼の前には、他の人には見えないもう一人のエリック=カントナが登場する様になる。
この奇妙な二人の生活の中で、エリックは次第に自分の過去と現在を見つめ直し、再生に向かう。
そんな折、チンピラになりかけの長男はギャングの親分からピストルを預かり、そのことでエリック一家は親分から脅される。
エリックとカントナと郵便局員の仲間達は一計を案じて、親分を追い詰め、懲らしめるというお話。
親分に恥をかかせ、それをビデオに撮って"ユーチューブ"に流すという作戦は成功しめでたしめでたし、となる。
シリアス映画ではないので、それでいいのだが、恥のかかせ方はもう一ひねり二ひねり欲しかった。
イギリスの庶民の生活の実態を私は知らないが、サッカーサポーターや、職場労働者の仲間意識や、などは
こんな物なのかもしれないなと感じた。
カントナは有名な実在のサッカーストライカーだったそうだが、私は知らなかった。
サッカーを引退した後、彼は映画俳優になり、この映画で本人役で出演している。
しみじみとさせたり、陽気な仲間のとんちんかんなどけっこう楽しめました。

この二作は映倫でPG12に指定されている。12歳以下の子ども(小学生)は保護者の助言や指導が必要ということらしい。
アレンの映画は、性にまつわる台詞が氾濫し、ゲイや複数男女の共同生活もあったり、
エリックの方は、"ファック"などのスラングの多様もありますがね。
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