風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/トイレット・オカンの嫁入り

2011年02月11日 | ウォーキング

面白かった。
外人と結婚した日本人の母が死んで、ひきこもりのピアニストの兄、プラモデル・オタクの弟、勝気な大学生の妹が残された。
日本人の祖母が彼らと同居することになる。
そのばーちゃんは長時間トイレを占領し、出てくる度に溜息をつく。
彼女が英語をまったく話せないという設定には無理があるというよりナンセンスではあるが。
彼女は「日本のテクノロジーの粋=ウオシュレット」が無いトイレに溜息をついているだけなのに、
溜息には何か深い哲学的意味があるかの様な思わせぶりな脚本はあまりに不自然・イヤミである。
もたいまさこの芝居もわざとらしくイヤミである。
パニック障害の兄、オタクの弟という設定も映画を造るためのあまりに作為的設定という感じがする。
でも面白かったのは、四人のすれ違いと勘違いと日本人向け英語にあるのでは、と思う。
英語を解せないばーちゃんは、つまり映画鑑賞者である一般日本人の代表=投影であり、
英語の台詞は、我々にも聞き取ることの出来るようにゆっくりかつ易しい英語なのである。
でも、映画の終わりにパニック障害の兄がそれを乗り越えてしまうのはあまりに安易すぎ。
映画の途中から、映画館館内で笑い声が頻繁に起きたのがとても良かった。
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これも面白かった。
監督の呉美保さんは知らなかった。
名前から在日かなと思い、調べたらそうであったが、それに特別なことはない。
こちらのストーリー、30代のかっこいい男性と50代女性の結婚というのもちょっと無理がある。
宮さきあおいはへたくそで、大竹しのぶは上手かった。
國村隼以外の出演者が大げさな芝居の中、彼だけが控え目で静かで味があった。
だが、医者の國村に頻繁に煙草を吸わすのには何か特別な意味があるのだろうか。
彼に煙草を吸わす意味は全く無いと私は思って見ていた。
宮さき=月子は職場でセクハラ・パラハラを受けて電車に乗れなくなるのだが、
会社はその上司を有能だからと言って彼を擁護するのも変である。
彼は首にされたのだが、月子は職場に行けないと言う筋の方が良いと思うのだが。
町中で月子と陽子が自転車に二人乗りしたりするのもいただけない、違う演出方法があるだろうに。
月子は娘、陽子は母親、月と太陽からのネーミングにも意味があったのだろうか。
かつての日活ポルノスター・絵沢萠子の大家は小気味よく、良かった。

久し振りのマイナーな日本映画であったが、楽しかった。


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