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通勤ローディ、たまにホビーレース

チェーンオイルは、一般高性能多目的油(100mlで40円程度)で十分かも

2012-04-21 06:16:54 | シマノ製品調査
チェーンオイルネタ、ファイナルです(多分)。また、長いので、お付き合い頂ける人だけ、読んでくださいな。


長いので、結論を先に書きます。


<結論>
チェーンオイルは、メーカの推奨により、一般市販されている「高性能多目的油(100mlで40~50円)」で、必要な性能は得られると考える。




チェーンオイルの件、あれから、気になって色々調べています。
「軽い走りを実現したい」との思いで、いろいろ高価で効果のある添加剤を入れたチェーンオイルが、世に中には多いようですが、殆どの製品紹介に書かれていないのが、そのデメリット。


例えば、多くのチェーンオイルに入っているのが、テフロン(PTFE)。
ある一定トルクまでは、その処理膜により摩擦係数低減があるけど、大トルク時は膜を維持できず効かないのが、そのデメリット。

ところが、この「大トルクの数字」がどこにも出てこない。例えば、「200W時の摩擦係数:××。400W時の摩擦係数:○○」とか。
一般ユーザにとっての問題は、「数字を出さない=評価していない」ダメなメーカと、「評価してるけど、配合量を真似されるのが嫌だから書けない」真面目なメーカが、市場では同列に見えてしまうこと。


要するに、どっちの謳い文句も「テフロン配合により低摩擦を実現!」になってしまう。
これじゃ、一般ユーザが「配合量がちゃんとしてないオイル」「過剰な謳い文句、ブランド名だで高価なオイル」を掴まされても仕方がない。(←でも新油効果(又はプラシーボ効果)でいいオイルだと感じてしまう ←その情報がネットで広まってしまう…)

もっと言うと、今や「テフロン配合」と書いたぐらいじゃ、正直売れない。
もっと過激な効果が出る添加剤を入れないと、商品としての差別化は図れない。特に(名もなき)弱小メーカは。(先のVerity SD20のボロンナイトライドとか)


では、その製品はダメなのか?


「個人的にはアリ」だと思うし、「一エンジニアの良識としては、商品として、難アリ」だと思います。
要は、扱い方を分かってる人が、リスクを承知の上で買える商品だと思うんですよ。つまり、「プロのレース用」に近い性質になっていくんです。(レース用=トラブルがあってもオウンリスクの世界)


ここで、「オイラ、毎日乗ってるから、リスクを背負いたくないなぁ…」なんて人は、どうすればいいか。


先にも書いた通り、チェーンの開発は、「シマノ」であり「椿本チエイン」です。
チェーンの設計が、必要とされる、又は許容されるオイルの性能を決めるので、それが、「メーカ純正オイル」として、発売されているハズです。

これですね。

PTFE配合のものと、そうでないもの。どちらも「100mlで840円」です。
PTFE配合の商品は、対市場用でしょう。値段が他社の半分ぐらいですので、どうせPTFEの効果しか期待しないのであれば、まぁまぁお買い得ですね。


でも、ここまでなら、他の方も調査済みのハズ。もっと突っ込んでいきましょう。

チェーンを開発した、椿本チエインの見解は?

分かり難いですが、これが、椿本チエインの見解です。

椿本チエインの設計におて、チェーンが必要とするオイルは、市販潤滑油で十分だと書いています。(例えば、0~40℃で使うのであれば、「JX日鉱日石のスーパーマルパスDX 68」とか)(←日石好きなので…)
調べると、値段は、どれも20Lで8000円~10000円程度。つまり、「100mlで40~50円」です。(でも、20Lペール缶売りなんだけどね)


これらの市販潤滑油、仕事柄よーく知ってますが、バカにできませんよ。例えばこちらを見てください。(7分ぐらい。ちょっと長い?)

椿本が推奨しているオイルなので、必要な添加剤は、既に入っているんですよ。
チェーンオイル屋さんにとっては「基油」扱いでも、メーカが必要とする性能的にはこれで必要十分で、この後に何かを入れるのは、「+αの性能を得る代わりにリスクを背負う」ことになるんです。
えっ?市販潤滑油でもテフロンは入れときたい? そんなの、オートバックスとかで売ってるじゃないですか。


これでも、市販されている「高性能を謳ったチェーンオイル(1000~2000円ぐらい?)」を買いますか?


私は、2種類用意することにします。この只の市販潤滑油と、超高性能の一発狙いのチェーンオイル。
もちろん高性能の方は、レースとかここ一発の使用の時だけで。(使用後、すぐに洗浄)



まぁ、色々書きましたが、これらは全て私の私見です。
それぞれの方の、それぞれのサイクルライフに合ったものが選べるといいですね。



今日はここまで

ドグマ60.1にEPS組付け その5

2012-04-20 05:26:04 | カンパ製品調査
今日は、復職手続きの為に、出社。早く社会復帰しないとね。
会社でメールを見てみると、未処理メールが500通近く…。復帰後、早々にハードワークになりそうです。orz


ドグマ60.1、EPSとは関係ない所で、いろんな組付け上の「面倒くさい」ことがあったので、紹介します。

1. コスミックカーボンにスペーサ
11速化するので、カセットスプロケットを11速に変えますが、組んでみると、…なんかチェーンがスポークに当たりそう。
調べると、そのまま組むことはできなくて、「スペーサ」が必要なようです。↓これ。

実は、コレの到着待ちで作業ストップしてました。(…つまらないパーツ1個なのに)

装着して、無事11速になりました。



2. ブレーキワイヤー通し
ブレーキのインナーワイヤーは、フレームの中を通ります。
ところが、ワイヤーが後ろの穴から出てくる気配がない。何回も穴を探りましたが、全くダメ。

っで、ネットで調べ、やった方法がコレ。「穴にカギ付きのヒモを入れて、反対側で吊り上げる」方法。

本当は、カギの所を釣るはずが、ヒモ自体を釣ってますね…。まぁ、結果オーライです。
この後、前側のヒモにワイヤーを接着して、そのまま後ろからヒモを引っ張り出すと、無事ブレーキワイヤーが通りました。


さぁ、これでいよいよ完成です。つまらない話ですが、今更バーテープの色なんかで、悩んでます。でも、こんな悩みが楽しいのですけどね。

バーテープを巻いたら、いよいよ試走です。
まずは、(自分の体も含め)ちゃんと走れるかどうかだけ、チェックします。(インプレなんかは、今の自分には不可能なので…)

試走後、各ボルトの再締付トルクチェックとワイヤーの干渉チェック、ポジション調整。まぁ、やることは、まだまだありますね。



3. おまけ
ステムボルトを、ゴールドアルマイトのアルミボルトに変えてみました(軸力、ボルト応力的に問題なし)。イイジャン!



今日はここまで


チェーンオイル、Verity SD20の調査 (私見)

2012-04-19 00:47:52 | シマノ製品調査
また、チェーンオイルネタ。そろそろ、くどい?


巷で人気の「Verity」のチェーンオイルSD20とやら。
セミドライ系で、色んな所で評判がよい話が紹介されている。こちら
何者だろう?


メーカーの説明は以下。
「ボロンナイト+フッソが優れた耐摩耗性と極圧性を発揮」


マジメなメーカですね。ちゃんと入っているものを書いています。
「ボロンナイトライド=窒化ホウ素」「フッ素=テフロン(PTFE)」ですので、それぞれの機能を調べました。


まず、テフロンから。
テフロンは有名ですね。エンジンでも摩擦係数低減に効果があることは有名ですが(摩擦係数0.015~0.02ぐらい?)、どうも、高圧域、つまり極圧剤としての機能は持たないようです。
逆に、「極圧域では、金属面を磨耗させる」とのレポートもあるようです。

そこで、このVerityは、極圧域での機能を持たせる為に、ボロンナイトライドを追加したようです。
このボロンナイトライドは、金属とは反応しない不活性な固体潤滑剤の一種で、有名な(2硫化)モリブデンと同じ効果を示すようです。
この表現が適切かは分かりませんが、「細かくて硬い粒々が壊れることで(自己破壊性)、極圧域の摩擦係数を下げる」ようです。
ただ、このボロンナイトライドのお陰で、基油の粘度は無視できる(してる)ので、チェーンを回すと軽く感じられるでしょう。


つまり、Verity SD20の狙いは、「チェーンへの負荷が大きくない状態では、テフロンの摩擦係数低減効果が得られ、負荷が大きい領域はボロンナイトライドが保護&摩擦係数低減させる」かしら。


ただ、気になるのは、ボロンナイトライドみたく自己破壊性の固体潤滑剤って、使っているうちになくなります。また、効果を発揮した後には、そのカスが出ます。
だから、処理後は効果絶大なんだろうけど、時間が経つと効果が減り、カスによるデメリットが出始めるでしょう。
あんまり長時間使っていて気持ちのいいもんじゃないですね。


だから、使い方としては、「短い周期で定期的、徹底的にチェーンを洗浄が必要(継ぎ足し注油はダメ)」でしょう。
感覚的には一発勝負のチェーンオイルって感じかしら。


うーん、分かりやすいコンセプトのチェーンオイルですが、マメな手入れが必要になるので、使い難いかも。
(逆に、メンテ好きな人には、いいチェーンオイルなのかも)


他を探してみるかな。


今日はここまで


チェーンオイルの中の極圧剤の効果

2012-04-18 09:09:21 | シマノ製品調査
今回は所用で、ドグマの組み立て中断です。

なので、こんな日は、ディープネタシリーズ、復活します。



先日、「添加剤がチェーンの表面処理ジンクアロイを攻撃して腐食させ、やがてチェーンを切る」とのことを書きました。こちら
その時、「市場でなんかあったんでしょうね」と、勝手な推定で終わってしまってたので、もう少し調べてみました。

但し、今回のネタは、推定を通り越して、もはや「おとぎ話」的な創作に近い話です。気軽に、話半分で聞いてやってくださいな。



<極圧剤、市場で一体何が起こっているのか?>

まず、添加剤業界について。

添加剤、特に極圧剤を製造しているメーカーは、日本に数社しかないようです。
その中でも、個人的に気になったのが、DIC社(旧大日本インキ)。日本を代表する超大手のケミカルメーカーで、極圧剤では、世界シェアの20%を握ります。


その商品の一つが、硫黄系極圧剤「DAILUBU」シリーズ。詳細はこちら
HPでの説明を抜粋すると、


<硫黄系と塩素系の違い>
DICの硫黄系石油添加剤は潤滑油の極圧剤として世界的でも有力なサプライヤーとなっております。
その極圧剤分野では、これまで広く用いられてきた塩素系極圧剤(塩素化パラフィン)が燃焼時のダイオキシン生成や生態濃縮性、発ガン性への懸念から、他の添加剤への置換が大規模に進んでいます。
塩素系極圧剤を置換する場合、高い極圧性能を有する硫黄系極圧剤が代替添加剤として主に採用されています。硫黄系極圧剤は金属表面に優れた潤滑性能を持つ金属皮膜を形成します。この金属被膜の生成温度、耐熱温度は塩素系極圧剤を含む他の極圧剤よりも広いため、代替処方設計を容易に進めることが出来ます。
硫黄系極圧剤は、廃棄時においても除去困難な燃焼ガスや有害な燃焼残を残さないため環境に対しても安全です。

とのこと。つまり、極圧剤の市場は、「塩素系」から「硫黄系」に変化しつつあるらしいです。


このDAILUBUを使った特許がでており(NTN。条件限定特許を狙ったもの)、その中に、DAILUBEの効果が書かれています。(NTNの特願2005-112181

この特許を要約すると、以下です。(ざっくりですが)
「これまでのベアリングの中のグリスは、高粘度(10~16cSt@100℃)で回転抵抗がでかい。粘度を下げると油膜切れが起こる。DAILUBEの様な硫黄系添加剤を使うと表面に硫化鉄が生成され、その分子的な結合(S-S結合→C-S結合)の強さから、油膜保持が可能となり、グリスの低粘度化(4cSt以上)が可能となり、ベアリングの転がり抵抗を下げることができる」

いいですね。試験結果を見ると、耐久寿命(=油膜保持)が、1.7倍程度に伸びています。うーん、このグリスを使いたい!買いたい!


でもね、ここで気になる記述が。

「ただし、S-S結合においてイオウの個数が多くなるほど、その反応性が増す反面、イオウ系添加剤の有する腐食性が顕在化しやすくなる。つまり、一分子中のイオウ原子の個数が多すぎると耐摩耗性が発揮されず、かえって摩耗を促進する傾向がある。したがって、ポリスルフィド化合物に含まれるイオウ原子鎖のイオウの個数は、一分子あたり2個以上8個以下が適当である。」

つまり、「やりすぎると腐食する」です。これが、昨今、「塩素系から硫黄系に変わった極圧剤の怖さ」の正体なのかもしれません。(これは全く推定ですが)



ところで、このグリス、買えるのでしょうか?


当然ながら、この特許は出願されちゃってるので、NTN以外のメーカは、この組成を使えません。
でも、自動車用などを主とするNTNは、んな自転車用チェーンオイルなんて、ニッチな市場には参入しないでしょう。つまりNTNからは、この「BEST配合のチェーンオイル」は発売されないでしょう。
一方、世の中の極圧剤を配合したグリスメーカは、このベアリングメーカ大手のNTNが、BESTであろう配合してきた割合以外で販売するしかありません。先に書いた通り、BEST以外の硫黄量は、効果が少ないか、腐食を招きますがね。


…と書きつつも、現実的には、そのメーカが試験したりすると、このBEST配合なってしまって、知ってか知らずか、それを販売しちゃうメーカもあると思います。
もし、NTNが本気になって、「オイ、コラ!」と特許侵害を訴えれば(特許成立後に)、多分、販売停止にできるでしょう。
でも、現実は、そんな自転車チェーンオイルなんて、ニッチな市場に住むメーカに向かっては、お金と手間が掛かる割りに効果が少ないので、攻撃してこないもんです。
だから、世の中にこの手のグリスは存在するんでしょう、多分ね。



我々、ユーザーはどう考えるべきでしょうか?

特許侵害商品と知りつつ、いいものを手に入れるのか? 中国のミッキーマウスみたいに、特許侵害商品は買わないと決め込むか? いっそ、知らなかったことにするか?
難しい選択となるので、個人的には、この特許が成立しないことを願っています。(NTNさん、ごめんなさい)


まぁ、最終的には自分で作れば、問題ないんだけどね(個人使用は特許侵害外)。
って、できるのかな??


今日はここまで

ドグマ60.1にEPS組付け その4

2012-04-17 08:49:29 | カンパ製品調査
ここまで完成しました。(あまり変わってない?)


作動チェックの前に、充電するのを忘れてました…。夜中に充電しましたが、3時間ぐらいでフル充電できたようです。

尚、今回EUからEPSを買ったので、コンセントの形がC型でした。これを日本のA型に変換するコンバーターが必要です。(電気屋さんの海外旅行コーナーとかで買える。300~500円程度)
充電器は、120V-220V対応なので、まぁ、問題ないでしょう。尚、ACだけでなく、車とかのDCにも対応しているようです。(別売りのコンセントが必要だが)



さて、作動チェックです。

初期セッティングは、いろんな本に書いてある通り。全然難しくありませんし、直ぐに覚えられます。
実際、走りながらでも調整できそうなので、例えば、プロが競技中に、パンクとかでホイール交換した後でも、すぐにちゃんとシフトできるポジションに、自分で調整できるでしょう。

動かしてみました。まず、リアディレイラー。(注:ギア板はまだ10速のままです…)
トップ側。

ロー側。



リアを動かすと、1秒ぐらい遅れてから、フロントディレイラーがトリム調整をします。
トップの時。

ローの時。(分かり難い??)

こんな機能があると、積極的にアウター&ローを使ってしまいそうですね。


やっぱり、予想通り、調整はワイヤー式より、はるかに簡単です。プロの調整をこのEPSがデフォルトでやってくれますし、あとでワイヤーが伸びることもありません。
気になったら、調整し直せばいいだけで、30秒もあれば完了します。


変速スピードは、シフトアップの方が速いです。
シャコシャコシャコ…と、「従来のワイヤー式よりちょっと速いかな?」ぐらいの速度で変速します。もちろん、シフトミスはないでしょう。
確かに、スプリントでは、大きな武器になりそうですね。(←その前に脚が必要ですが…)

シフトダウンは、アップよりは遅いものの、ワイヤー式と遜色ないでしょう。
でも、よく考えたら、実戦で、急いでシフトダウンするシチュエーションってあるのでしょうか?


作動チェックは、驚くほど簡単で、問題なし。
繊細な部品が多いので、丁寧な作業が必要になりますが、それができる人なら、なんら問題なく組めるでしょう。

但し、実際組んでみて、「線の取り回し」「水がかかりそうな所」「タイヤが飛ばした石が線に当たりそうな所」など、現地現物でしか分からない注意点もあります。
組みっぱなし、乗りっぱなしじゃなくて、しばらく定期的なチェックは必要ですね。


さて、明日は、最後の仕上げです。チェーン取付け、ブレーキワイヤー、バーテープ、ポジション調整とかですかね。やっと乗れるかな?



今日はここまで

ドグマ60.1にEPS組付け その3

2012-04-16 21:33:26 | カンパ製品調査
実は、リアブレーキの取付けで苦労してました。

カンパのめねじ側は、こんな形なのですが、このボルト頭(?)の突起が穴に入らない。

仕方なく、こんな加工を。これで解決しました。



さて、苦労の本命は、コードの処理です。用意したのは、こちらの電池ケース。ホームセンターで購入。材質はPPです。

こんな感じに加工して、余ったコードを収納します。

場所は、BB下の、もともとワイヤーガイドがあった場所。ちょっと不自然なので、後で修正するかも。

バッテリー(コントロールユニット)からのコードはこんな感じで。やっぱり、外装だとこうなっちゃいます。

気休めですが、一応防水処理(熱収縮チューブ)も被せておきました。


そんなこんなで、今日はタイムアップ。明日は、EPSの作動チェックに入ります。


今日はここまで。

ドグマ60.1にEPS組付け その2

2012-04-16 07:35:29 | カンパ製品調査
春の日。近くの公園でハイキング。いい気分です。



EPS組付け、昨日の続きです。

今日は、エルゴパワーの取付けです。電子コンポなので、電線とブレーキワイヤーが取り付きます。
将来、このブレーキも、ブレーキバイワイヤー(無線ブレーキ)化されるのでしょうか?(危険?)

線をつなげる為に、小さなビスを2本外して、中をみます。こんなの。

スイッチだけかと思いきや、なにやら基盤が見えます。

防水にOリングとかあるかと思ってましたが、ありません。樹脂カバーをビス2本で止めているだけです。あの握るゴムカバーに防水を委ねている感じですね。
時々、あのゴムが浮いてしまっている時がありますが、EPSに関しては、「ご法度」なんでしょう。

コードの処理は、ここでバーテープとかで引っ張れ、切れないように、溝に這わしていきます。こんな感じ。


ユニットは、暫定的に、ここに取付けました。(デザイン的にも、ここにボリュームを持たせた方が、安定する)
ゴム、タイラップのどちらでも固定できそうです。横向き取付けもアリでしょう。



この後、困ったのが、線の処理。


この余った線、その辺で束ねて…と思っていたのですが、そんなレベルの余りようじゃない。ちょっと手を考え中なので、今日はここで作業中断。

やっぱり、色んな所で、それなりに工夫は必要。ちょっと調達してきます。


今日はここまで

ドグマ60.1にEPS組付け その1

2012-04-15 06:30:08 | カンパ製品調査
ヘタレが3週間も入院してると、指の筋肉まで退化して、キーボードすらまま打てなくなります。面白いので、攣ったまま打ちますが。


いよいよ、ドグマにEPSを組み始めました。先に書いた通り、「EPSを外装で」組みます。

ちなみに、日本では「個人ユーザがEPSを組むと保証対象外」とアナウンスされていますが、厳密には違います。
ワランティ条項を読むと、「カンパニョーロジャパン(及び日本の正規代理店)の保証は対象外」ですが、購入国の保証はついてきます。
そりゃ、そうでしょう。DYIのEUやUSで「自分で組んじゃダメ」なんてしたら、文句がすごいことになりますよ。

逆に日本では、好き勝手組ましたら、…まぁいろんなクレーマーみたいな方が多い国ですから。
最終的には、保証条項で裁判になった場合、カンパの国のイタリアの法律が適用されるようです。

ちなみに私はEUから取寄せましたが、そこでの保証は適用されそうです。…まぁ、そうなったら、すごく面倒くさそうですね。


さて組み立て作業に入ります。

まずは、クランクから。埃、ゴミが入らない様にベアリングにカバーがあります。もちろん、組み立て直前まで外してはいけません。

レコードなので、CULTではありません。
普通のベアリングですが、もちろんメンテ不精の私は、CULTを使う気はありませんよ。(メンテ不足で、クリアランスが増えて、レースに磨耗を起すのが関の山)

BBカップはこちら。「EPSコンパチ」、つまり「BBカップは互換性あり」なんですね。(当たり前?)

中にウェーブワッシャが入っていて、ベアリングのスラストガタを抑えるようになっています。ベアリングの寿命を左右する、大事な部品です。

横のネジ面には緩み防止剤が塗布されています。これのせいで、締付けが硬いのなんの。

この工具を使って締付けます。

これで組んで、クランクは完成。


このあと、ワイヤー関係の取り回しを検討する為に、仮組みに入ります。

フロントディレイラー、リアディレイラー、ステム、バッテリーユニットを、仮組みした状態がこちら。

更に、ハンドル、エルゴパワー、ブレーキを仮組みした状態がこちら。

このエルゴパワーの取付けボルトがキライ。作業しにくいのなんの。



バイクの形になった所で、今日の作業は終了。焦ってはいけません。

明日は、いよいよ、EPSたる所の作業です。フレームに穴を開けるかもしれません…。ご期待(?)を。


今日はここまで


帰宅&整理だけ・・・

2012-04-14 03:35:33 | 日記
退院して、やっと帰宅。海外出張から、ほぼ1ヶ月ぶりの自宅です。


そんな自宅に帰ってみると、書斎はお土産やら、ドグマやら、EPSやらが詰まっていて入れない…。今日は、この荷物の整理だけで、一日終了。

なので、わざわざ見に来て頂いた方には、すみませんが、ドグマ+EPSの作業は、明日からにします。


ついでに、ジロ応援企画として、こんな無駄遣いも…。GIRBECCO(シカ)です。2年前のマスコットですが…、一体何処に消えたのでしょうか?




トリノ土産の紹介を一部だけ。

<グラッパ>
イタリア人の食に掛ける情熱はスゴイです。「1stプレート、2ndプレート、ドルチェ」といったコース料理の形態は崩しません。というか、むしろそれが普通といった感じです。

そんな、料理のシメに飲むのが、このグラッパ。

完全ドライで、甘さ、風味、香りなど、一切ナシ。強烈なアルコール脱脂みたいなドライ感だけのお酒です。
ただ、これが脂っこいイタリアンの後だと、口の中をサッパリさせてくれて、気持ちよく帰れます。

このグラッパ、お酒好きな妻へのお土産ですが、大変お気に召したようで、夕食時にカパカパいきまくり。
えーと、「このお酒はショットグラスで飲む仕様で、ロックで召し上がるのは違うと思いますが…」とは今は言えない。

…あっと言う間になくなりそう。



今日はここまで




シマノ、デュラエースのチェーンは、ここがスゴイ!

2012-04-13 06:21:19 | シマノ製品調査
ディープネタシリーズ、ファイナル(多分)です。

今回は、あまり注目されない故に、チョット気になる「デュラエースのチェーンは何がスゴイのか?」です。

いやいや、HPを見てると、シマノのジレンマが感じられますね。
「もっと謳い文句を書きたい、でも書けない」なんて。

ここでは、相変わらず個人の妄想(勝手な推定)ばかりなので、その想いに触れることが出来たか分かりませんが、ご紹介します。



<デュラエースのチェーンは、なにがスゴイか?>
きっかけは、タイガーさんのブログでした。
走られる方なので、チェーンは消耗品化しており、その顛末をブログで紹介されています。
その中で、「デュラのチェーンが良いのでしょうが…」との件が、気になってしまいました。
一体、何が、何処が、どんな風に良いのでしょう?調べました。



まずは、チェーン業界の話からです。

今や、スプロケットを含めたチェーン伝達システムは、非常に高度な設計技術を要します。
私もチェーンについて勉強している一人ですが、例えば、最新情報は機械学会の論文からでないと得られない事もあります。それでも、もちろん、経験に基ずく計算式は載っていないので、苦労しています。

誰がチェーンの技術を握っているのか?
「椿本チエイン」です。図々しくも、自身のHPで自慢する程、国内のチェーン市場を独占しています。

ただ、椿本チエインの沿革を見ると、「昭和28年、自転車用チェーンから撤退」。
…あれ、シマノのチェーンって、椿本チエイン製じゃなかったの??

そんなバカな話はありません。シマノのデュラエースに使われている特許は、椿本チエインから出てるんですよ。


シマノの仕入れ先から調べましょう。大阪のチェーン屋…、ありました。
「和泉チエン」(@阪南市)
沿革には、「昭和46年、椿本チエインと業務提携」。
ビンゴ! 椿本チエインの手下だったようです。


つまり、シマノのHGチェーンは、「開発:椿本チエイン(シマノ)」「製造:和泉チエン」のようです。


こうなると、簡単。椿本チエインの技術が、デュラエースです。
つまり、椿本チエインの特許技術が、デュラエースのスゴイ所に置き換えられます。


やっと、技術の話に入れます。

チェーンは軽い方がいい。当たり前ですね。
軽くする為には、薄く、小さく、肉抜きなんかが行われ、結果、「高強度材を高応力で使う、材料強度ギリギリ設計」になります。

チェーンはその高い応力の為(10速もあるからチェーンが細い)鉄製で、「高強度綱=高炭素綱に熱処理」になります。ここに、機械設計者がよくハマる落とし穴が。

「熱処理高炭素綱+高応力=水素脆性」なんです。これは、水素が綱の中に入ってくる事で、破断強さ、伸び、絞りは著しく減少する現象です。つまり、チェーンが切れます。

この水素脆性を防ぐ為に、ベーキング処理がされます。
更に、椿本チエインが出した特許では、自己修復可能な処理膜となっています。
これが、HPでデュラエースの仕上として書かれている「ジンクアロイ」の一つの意味でしょう。

蛇足ですが、この水素脆性って、12Tとかの高強度ボルトでよく起こるんですよね。
日本のちゃんとしたボルト屋さんは、まともなベーキングが出来ますが、中国のボルトは本当に適当。そもそも、鉄の材料成分からして管理されていない。下手すりゃ、偽造してくる。
だから、絶対に中国性ボルトは使っちゃダメですよ。少なくとも今は。


話を戻します。

椿本チエインの特許を見てると、んな自己修復だけでなく、更に耐食性を上げた処理技術が出されています。
これは、昨今のチェーンオイルに含まれる、極圧剤に代表される添加剤が、この処理膜を攻撃して腐食させるからです。
皮肉にも、チェーンを保護する為の高機能オイルが、時にチェーンを切る原因ともなっていたなんて。

因みに、今の7900デュラエースが発売されたのが、2009年始め。この特許が出されたのが2010年。
…市場で何かあったんでしょうね。


まぁ、今の7900デュラエースも、まだ進化の途中の製品ですね。
次のデュラエースのチェーンは、私が調べきれなかった技術も満載して、出してくるのでしょう。憎きオイルの添加剤に勝つ為に。


オチは、アルテグラのチェーン。
「仕上:グレイ」
何だよ「グレイ」って? さては、耐食性処理をケチったな。
まぁ、肉抜きをあまりしてなく、応力レベルはデュラより低いんだろうけど…、椿本チエインさん、それでいいのかしら?


また今日も、長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

明日からは、いよいよ、ドグマにカンパEPSを組み付ける作業を紹介する予定です。(元気があれば)
ご期待を!


今日はここまで