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通勤ローディ、たまにホビーレース

次への妄想中!

2013-10-27 10:28:58 | フレーム調査
いろいろ忙しく、ブログを放置してる状態です。
見に来てくださった方、すみませんです。

かと言って、自転車への興味は薄れていません。年末には、長良川クリテにも出たいと思っていますし、アルフィーネDi2搭載のミニベロ製作も、まだ途中です。


いま、実は興味が別の方に行ってしまって、「フレームを作りたい」なんて考えています。

カーボンフレーム全盛の世の中ですが、もはや、UCI規定に縛られたカーボンフレームでは、機能としての成長はないのかなぁ・・・と思っています。
きっと、フレームがあの形である以上、大きな「進歩」はあっても、少しも「進化」はしないと思うのです。

特に、カーボン繊維強化プラスチックCFRPは、(一般的に)曲げ方向の力に弱かったりか、脆かったりするものです。
となると、CFRPのフレームは、パイプ径を太くするか、パイプ内部にリブを立てるか、曲げ方向が引張り方向になるように、繊維を貼るかがセオリーで、そこに発想の飛躍がないんですよ。

平たく言うと、「今のカーボンフレームは、つまらん」です。

無論、これは技術の話であって、乗ってみれば、そりゃ、ドグマは今でもホレボレするような乗り味です。文句どころか、味わい尽くしてすらいませんよ。


そんなこんなで、なんか思想の違うフレームが出ないならば、作ってしまえばいいんじゃないか・・・というのが、今のマイブームです。

具体的には、「可変剛性で楽しめるフレームにできないかなぁ?」とかね。
ロングの時には剛性を落として、バネ感のあるフレームで、クリテの練習の時には、ガチガチ一発勝負の仕様にするとかね。
夢のように聞こえるかもしれませんが、自転車の歴史を紐解くと、どっかの部品で聞いたことのある思想でしょ?

まぁ、材料開発までやろうって訳ではないので、所詮、技術の応用レベル。
「もっとおいしい思想が埋まってるんじゃないか?」って、妄想に余念がありませんけどね。

妄想は楽しいですね。


今日はここまで


ツールのTTバイクたち(とか)

2013-08-17 21:00:53 | フレーム調査
空気を切り裂く夏、如何お過ごしでしょうか?

ツールも終わり、各社、新型車の発表が揃ってきました。

注目は…、モチロンTTバイクですよね?

早速、見てみましょう。












メーカー、機種名は、このブログを覗かれる人なら不要かと。

TTバイクの鉄板ネタは、
・ブレード形状のシートチューブ(もはや円形の「チューブ」ではないが…)
・縦に長いダウンチューブ(Cd値改善)
・上面が真っ平らなトップチューブ
かしらね。

オプションネタは、
・シートポスト後ろをブレード形状にして、負圧低減
・ヘッドチューブ後ろにボリュームを持たせて、負圧低減
・ダウンチューブに逃げを作り、前輪を後退させて、前輪後方の負圧を低減(ピナレロ、リドレー)
かしら。
前から見ると、ヘッドチューブがくびれているのもあるのでしょうね。

どれも、層流剥離対策のCd値改善と、前映投影面積を下げることで、自転車単体での空力を良くしていますね。

TREKは、ちょっとズルイですね。UCIで禁止されている案は、後付パーツとして、取り外し可能としてるなんて。
BB下のフィンがどれ程効くのか、ちょっと興味はありますが。


ちょっと毛色が違うのがLOOK596。

トップチューブの処理が面白く、途中で折り曲げている。
理由はよく分かりませんが、サドル下の負圧が発生しやすい領域に、多くの空気を流して、ケツの下の空気の流れを良くしてやろうとしているのかしら?


各社、全くノーマークなのが、リアディレイラーの空力処理。
ブレーキの形状にまで拘るくせに、ブレーキにまでカバーを付けるくせに、リアデュレイラーだけは、そのまんま。一体なんでなんでしょう?

おまけに、平地のTTでは、あんまり使わないくせに、11速。TTなんかでは、8速ぐらいでいいのでは?
いっそ、内装式にしたら、空力はよくなるんじゃないかしら?


また、各社とも、個人TTのことはばかり考えていて、チームTTの場合の空力を考えていないのでは?
前後にバイクがいる場合は、例えば、先頭の人だけが空気抵抗を一手に担うなど、また違った空力処理や、ディバイスが必要になるのではないでしょうか?

やっぱり、TTマシンは、まだまだ進化の余地がありそうですね。


ツールもやっと100回目。
101回目は、もっとスゴイ、そして急速に進化したTTマシンが出てくると、勝手に予測しています。


今日はここまで

「1kmで1秒短縮」って、どんだけスゴイの?

2013-07-05 08:41:44 | フレーム調査
ツール開幕!

一筋縄ではいかないステージが恒例の序盤戦。
今年も、ゴール前のドラマが多彩。

ゴール前、僅差で逃げ切った…犬がいたり、スプリンターの激突の前に、バスがゴールに激突したり、ゴールパフォーマンス宣言をしてるサガンの連続2位放置プレーがあったり、楽しんでいます。

さて、そんなツール。
ガッツリと喰いついたのは、チームTT。

マシンは、なかなかの進化。
ウェアは、まだまだ進化できそうですけどね。

↑中途半端な空力処理のスーツを着せられて、可哀想なスカイの面々。(シクロワイヤードより)

今年のTTマシン、1kmで1秒短縮できる実力があるらしいです。
この「1kmで1秒短縮」って、空力だけで稼ぐとしたら、どれぐらい大変な事なんでしょう?
ちょっと、考えてみました。


まず、「1kmで1秒短縮」は、速度に換算すると、1.67%のアップになります。

速度アップに空気抵抗低減値は、ざっと二乗に比例すると仮定すると、3.4%の空気低減低減が必要です。

この空気抵抗低減をフレームの改善だけでやるならば、ライダーも含めた全体抵抗に対するフレームの割合が15%と仮定すると、フレームの空気抵抗値を22.4%も下げる必要があります。

はぁ?22.4%?

仮に、乱流発生の抑制やら、フレーム断面形状の改善やらで、CD値を下げるならば、例えば、CD0.3→0.245まで下げないとなりません。

机上の計算とはいえ、ちょっと、あり得ない数字ですね。


では、どうやってフレームの抵抗を22.4%も低減したのか?

多分、色んな「合わせ技」でしょうね。

例えば、高強度材をふんだんに使って、チューブを「きしめん」みたく投影面積の小さな形状にするとか、空気の流れを乱すコンポにカバーをするとか、コンポ自体のフリクション低減だって、抵抗の低減になりますし。

(↑ブレーキにカバーはこんなの)

感覚的には、フレームのCD値改善が5%、投影面積の改善が10%、カバーとかで3%、その他7.4%ってとこでしょうか?(根拠のない推測ですが…)


ともかく、言いたいのは、技術の進歩なんて、とっても「地味」なんですよ。
何年も頑張って研究を続けた成果が、0.5%とかって、ザラにあります。それでも、結果が出ただけ、大したものだと、評価されます。

よく深夜の通販番組とかでは、「なんと、2倍の効果!(当社比。人によって効果には差があります)」とかよく謳われてますが、エンジニアの世界では、んなことは、(殆ど)ありません。

「0.5%の効果の研究成果を10人が持ち寄って5%の効果にする」、それがエンジニアの世界です。


「1kmで1秒短縮」。一見他愛もない数字に見えますが、その裏には、沢山のエンジニア達の、長きに渡る努力の成果が出たのだと思うと、ぐっとくるものがありますよね。

もしツールのTTのゴールの観客席で、チーム関係者でもないのに、勝利に感涙する人がいたら、それはマシンの勝利を喜ぶエンジニアなのかもしれませんね。


「ツールで勝利したTTマシン!最先端技術と研究の塊!そんなマシンが、今ならたったの○○○万円!」なんて言われると…。そして、もうすぐボーナスだと考えると…。

ツール期間中、財布を握りしめて、自転車屋さんに行かれるときは、ご注意ください。(オイラだけ?)


今日はここまで

TTバイクには進化の余地が沢山?

2013-06-08 18:21:43 | フレーム調査
TTのバイクって、まだまだ詰める所が多い。

↑トニ・マルティン。

いいフォームですね。こんなのを見ると、エンジニアなら、本能的に機材側も負けてられない気になってきます。

何が足りなく、何がムダかとの目で見ると、「車体フロント側の空力的努力」と、「なんとなく存在しているバックステー」、そして、「ディレイラーの存在」をなんとかしたくなってくる。

ドーフィネのコースは、どフラット。スタート以外は、あまり変速しないでしょう。
ヘタれた時は、既にタイムは期待できないので、「ヘタレの為のギアなんて、ない!」ってことで、切り捨ててもいいでしょう。(←他人には厳しい人)

となれば、変速機はいらない。単なる重りか、空力を悪くする突起物でしかない。
いや、変速機が必要としても、誰が外装式って決めたのでしょう?(←UCIが)

コーナーがあり、不確定要素の多い一般道ベースのコースでは、ブレーキは必要なんですが、誰がキャリパーブレーキ前提なんて言ったのでしょう?(←だから、UCIが!)


こう考えると、究極的には、ディレイラーもキャリパーブレーキもいらない。
変速機がいるなら、アルフィーネでも付けておけばいいし、ブレーキはコースターブレーキで、いいんじゃないでしょうか?




しかし、ライダーが苦悶の表情を浮かべながら頑張っているのに、自転車がUCI規定のせいで、旧態依然としてるのは、なんだか勿体ない。

某サイトには、「機材の進化は必要なのか?」とありましたが(変速機の家電化…?)、機材を使う最高峰のレースなれば、最先端の技術を使ってこそ、そのプライオリティが上がるもんだし、一般ライダーも、そんな自転車が市場に出ることを望んでいる人も多いと思います。

競輪選手は確かにスゴイけど、その自転車は半世紀前の技術のもの。その自転車の方に憧れる人は、(多分)あんまりいないでしょう。(競輪自転車ファンの方、ごめんなさい)



機材を使うスポーツは、選手だけが戦っている訳ではありません。

機材メーカ、サプリメーカ、マッサージャー、トレーナー、監督など、チームを構成する個々が、それぞれの視点から、それぞれの勝利を得る為に、日々努力しています。

UCIも、そんな化石化した自転車での競争となる前に、もう少し、技術の進化に見合った規定に、少しはアジャストして欲しいもんです。

とかく選手だけにスポットライトが当たりがちですが、裏方まで含めたチームスポーツとの視点で、ロードレースを見てみたいもんです。


…なので、今、そんなテストカーを製作中。(チャリ通用のビアンキの後継車)
妄想の世界も楽しいけど、実走からは沢山のフィードバックがあるからね。

何をやるのかは、まだ書ける段階ではありませんが(苦手な分野だし)、ツールを戦うコンポーネント開発の、気分だけでも味わいたいもんです。


今日はここまで

レクサス自転車、100万円

2013-05-30 00:38:35 | フレーム調査
レクサスの自転車。

ちょっと前に、自動車関係のニュースで出ていましたが(こちら)、これが、自転車関係のメディアには、全く見向きもされていない。

なんでだろう?(←とか言いながら、この後、ヒドイ事を書くと思う)


自転車をかじっている人なら(そしてこんなブログを読んでいる方なら)、これまで、自動車メーカが出してきた自転車の燦々たる歴史を、よーくご存知だと思います。

ポルシェ、BMWは訴求性に薄く、AUDIはマジメに作りましたが意味不明で、シボレー、MG、ハマーとかは、ホームセンターで売られ、日産のは車のオマケだったし、フェラーリは、コルナゴにバッチを付けただけ・・・。(書ききれない程ありますよね)
私が知ってるメーカーで、自転車でも車でも、真っ当な商売ができてたのは、ビアンキだけでしょう。(アウトビアンキは、自転車のビアンキの車部門だった。今は、もうないけど・・・)


(↑ポルシェのマウンテンバイク。デザインはいいけど、へぇ(1へぇ)で終わり。)


(↑BMWのマウンテンバイク。・・・だから?)


(↑AUDIのシティバイク。なんと、木製中空モノコックフレーム。でも、なんで木製なの??)


そんな、死屍累々とした歴史の中で、知ってか知らずか、レクサスは、果敢にも「レースにも出れる、本格的なロードバイク」とやらを作ってきました。・・・なんか不安。


まずは、製造設備。「レクサスLF-Aの製造設備を転用して・・・」とあります。
先日、トヨタ博物館に行った時に、その設備の模型が展示してありましたので、見てみましょう。








・・・スゴイね。円筒織り機にオートクレープですか・・・。これなら、かなりスゴイフレームが作れそうです。期待できるか!?

そう言えば、この円筒織り機、BMCが大変自慢していますよね。こちら


この織り機を使って、BMCが作った製品がこんなの。おおぉ!!


負けじと、トヨタが作ったのが、こんなの。・・・(コメント自粛)。



残念ながら、価格は、「BMC:105万円(デュラDi2仕様)」「レクサス:100万円(デュラDi2仕様)」と、ほぼ同じです。

設計思想の塊みたいなマシンと、只のツルンとしたプラスチックの置物。ホームセンターで、それ相応の価格で売ったら、大ヒット間違いなしだったでしょうね。

いや、私だって、「レクサス自転車のここがスゴイ!」なんて書いてみたいんです。
でもね、エンジニアとして見た時、伝わってくるものが、全くないんですよ。いや、むしろ、こんなフレームの方が珍しいのですが。


乗り手の喜びを考えず、運転は「面倒なもの」と言い切る、この会社。「壊れなきゃいいんでしょ!」って、もはや白物家電屋と言ってる事が変わらない。
そんな社風の中で、ましてそのベースとなるイデオロギーもないまま作られる自転車は、その存在自体が不自然なのかも。
「バッチさえ付ければ、高級なレクサスね」なんて、誰でも知ってることですが、こと自転車に関して同じことをやられると、・・・むしろ哀しくなってきます。

今の所、この自転車を採り上げる、自転車関係のメディアがない事が救いです。(良識があって良かった・・・)
このまま、そっと忘れ去られるのが、きっと、誰にとってもいいことなのだと思います。(とか言って、こんな記事を書いてしまった・・・。反省。)


うーん、スゴイと書けない記事は、やっぱ萌えませんよね。


今日はここまで



LOOK675

2013-05-17 08:39:46 | フレーム調査
アルカーボン。

カーボンの成形技術が進歩し、更なる高強度炭素繊維が開発される昨今、もはや懐かしい言葉、死語ともなりつつありますね。

もともとアルカーボンは、外観だけはカーボンにしたいけど、強度的に持たないからとか、リアルに積層すると高価だからとの、言わば「フェイクカーボン」みたいな存在だった。
そんなアルカーボン製品を使うユーザーも、実は、チョットだけ恥ずかしかったりもしました。


LOOKの新型フレーム、675。

紛れもなく、アルカーボンのフレーム。
HPを見ても、「高剛性&高強度」「快適性」「レーシングフレーム」と、鼻息が荒い意欲作のようです。


なんで今さら「アルカーボン」にしたのか、ちょっと考えてみました。
(見た目が「ジャミラ」みたいなのは、分かり易すぎて、あえて触れないよ)



まず、アルカーボンとしている部位。
BB回り、トップチューブ、シートクランプの集合部のようです。
今までのLOOKは、695あたりでは、フルカーボンで、作っていました。

ネガは、カーボンの弾性率。高弾性カーボンは、アルミの強度、弾性率に近づいていますが、そこで問題となるのが、カーボン繊維の異方性です。

カーボン繊維は、一方向には強くとも、その直角方向には弱い。なので、繊維の方向を変えて、積層していく。

でも、課題が一番大きいのが、BB回り。

クランクの踏み込み力と、フレームのねじれと曲げ力が、同時に印加されます。
こうなると、カーボン繊維の積層で何とかしようとしても、どうにもならないゾーンが出てきてしまいます。
それが、タメとか、快適性がとか、乗り味がとかの言葉で、ポジティブに解釈される場合もありますが、ことレースの場においては、んなもんは、全部まとめて、只の「力のロス」です。
快適だろうが、味があろうが、アタックに反応できないフレームは、レースの場では、不利です。

また、BB回りの変形は、圧入タイプのBBの回りに隙間を作る事にもなります。
異音、ベアリング寿命の問題が出てきます。(だから、ドグマは今でもネジタイプのBBだと思っている)


そんな問題を解決できるのは、アルミフレーム。

私も昔、フルアルミのフレームに乗っていましたが(オルモのスーパーレッゲーロ、エバディオのバッカス)、その反応性、加速の良さは、今のドグマですら持たない、優れたものがあります。(但し、アルミフレームは犠牲にするものも多いが…)

そんなアルミフレームの高剛性のキーとなるのが、BB回り。
ここがガッチリしてるから、ロスなく、加速に変換できる。

LOOKの675は、そのBB回りをアルカーボンにしてきました。
きっと、その加速は、かつてのアルミフレームを彷彿させるものでしょう。


一方で、アルミが得意じゃないのが、塑性加工。具体的には、過度な形状へのチューブ加工が苦手です。

ダウンチューブなんかは、その断面形状(断面2次モーメント)が、剛性を決定します。
真ん中は断面を太く、BBに近い所は横長に、トップチューブに近い所は縦長に…と、これがアルミチューブには難しい。
ましてや、快適性を得るために、チューブの肉厚を変えつつ…なんて要求には、アルミが対応するのは、相当困難です。

だから675では、チューブはカーボン。
接合部が心配だら、包んで、インサート成形(?)みたくしちゃえ…との設計思想でしょう。(カーボンだと、空力的な要求も満たせるしね)


つまり、レーシングフレームを考えるなら、「BB回りはアルカーボン」ってのは、ごく真っ当な選択です。


今さらアルカーボン。ミドルグレードのモデルで試してくるあたら、LOOKの「ためらい」が感じられるますが、市場では、どう評価されるのでしょうか?


あー、メトロン星人みたいに、675を真っ二つに切ってみたい!


今日はここまで




サーベロRcaのフレームに対する一考

2013-04-25 22:00:55 | フレーム調査
サーベロRacが面白い。


まず、サーベロのHPに載っていたこの解析。(コンター図)

赤い所が正圧で、青い所が負圧。正圧は前から押してくるような空気抵抗で、負圧は後ろに引張られるような抵抗になる。


注目は、シートポストの所。

狭い脚の間(股間)を通った、流速の速い空気の流れが、シートポストを直撃していますね。

TTバイクは、よくシートポストを流線型にして、サドルから垂直に立てているモデルが多いもんですが(P3とか)、これは、流速の速い股間からシートポストを離して、且つ空気抵抗を下げる狙いなんですね。

これは、メタボライダーには、哀しいお知らせですね。

メタボになり、太ももが太くなると、より股間が狭くなり、流速が上がります。メタボライダーは、
ガニ股でTTした方が、空力的には有利なのかも・・・。



予想外だったの、はオシリの所。

先に書いた通り、負圧の発生箇所は「尾てい骨あたり」だと思っていたのですが、どうやら、「ケツの穴下あたり」に負圧が発生するようです。

きっと、サドル下の股間を通った速い空気の流れに引きずられて、負圧発生ポイントが「尾てい骨付近」から「ケツの穴付近」に移動したと思うのですが、となれば、先の屁ブーストは、リアルに「ケツの穴付近から噴射」した方が、効果は高いと思われます。いっそ、サドルに穴を空けて、そこから噴出した方が、より効果的かもしれません。
絶対にUCIが認めないと思いますが…。


その他は、お腹の下も負圧ですね。
TTでは、「多少なりとも、だぶつく普通のジャージ」ではなく、「ピチピチのワンピース」を着てくる訳ですね。
いっそ、胸の辺りにディンプル加工した方が、抵抗は減るかもしれません。

これは、メタボライダーには朗報ですね。出っ張ったお腹のお陰で、負圧が発生しません。
なので、痩せているTTライダーは、出走前に、大量に水を飲んで、お腹を膨らませておくと、タイムが上がるかもしれません。
でもって、後でお腹が痛くなったら、折角、ケツの穴付近に穴が開いているのですから、「必殺、屁ブースト(中身アリ)」で更にタイムを稼ぎましょう。・・・失格になると思いますが。



で、本題は、Rcaの話。

Rcaはそのシートポストを、半円形状にしてきたんですね。

これは、先に書いた、コーダ・トロンカですね。後ろをズバッと切ることで、空気抵抗を増やさない(層流の剥離を遅らせる)狙いです。
本当は流線型がいいのですが、そうなると、リアタイヤがシートチューブから離れてしまうデメリットがでちゃいます。これで、ディメンジョンに影響を与えることなく、空気抵抗は上げないとの、まぁ、苦肉の策なんでしょうね。(HPには、上手く書いてますが)


次は、空気抵抗ではなく、フォークのコラムの表面処理の話。これも苦肉の策ですね。

多分、フォークを軽量化する為に、含有量の多いカーボン樹脂(CFRP)を使っているんだと思うんです。具体的には、カーボンの繊維長を長くする長繊維カーボンなんかを使えば、引張り強度は上がり、軽量化ができます。

この長繊維カーボンのデメリットは、表面精度。悪いんですよ。
表面精度が悪いと、軸受けとなるコラムとしては、イマイチです。ちゃんとベアリングに当たらないので、局部的に面圧が上がってしまうかもしれません。

これを解決する為に、カーボン樹脂の上に、金属メッキをして、表面性状を整えてやる。まぁ、理屈としては、理解できますが、樹脂の上に強度の出る、密着性の良い表面処理って大変だったでしょうね。


とまあ、サーベロRcaも、感想としては、「よく考えた最適解の一つ」なんでしょうね。発想の飛躍はありません。

これで、値段はフレームだけで147万円。
うーん、値段だけは、飛躍してるかも・・・。


今日はここまで




ドグマ60.1のボルテックス・ジェネレーター

2013-03-29 08:21:37 | フレーム調査
ピナレロのバーテープの宣伝。
あの、普通にバーテープが見たいのですが。いや、これも好きですが。


チネリから、こんなスマしたフレームが発売されました。

エアロフィンが売りらしいですが、単なるデザインで、エアロ効果はないかも…。
どたい、空力面では、フレームの断面形状が、ツルっとした円形(又は四角形)は、あまり形状係数が低くありません。

こんな断面形状のフレームでは、先日のボルテックス・ジェネレーターが、効果的です。
つまり、乱流が発生しそうな、割と断面積がボリュームのある部位、例えば、トップチューブやBB付近の側面に、ボルテックス・ジェネレーターとなる空力付加物、例えば、表面にディンプルやうねりを付けると、乱流の発生を遅らせることができます。

ん?「フレームの側面のうねり」って、何処かで見たような…?

そう言えば、ピナレロのドクマ60.1は、トップチューブ付近とBB付近に、うねりがありましたよね。
当初、あれの目的が分かりませんでしたが、空力を考えた結果なのではないでしょうか?



ただ、ボルテックス・ジェネレーターも、諸刃の剣で、効果のある領域を外せば、ただの抵抗体になってしまいます。
トグマ2では、あのうねりがなくなり、ピナレロ自身も、「空力を改善した」と言っているので、「ボルテックス・ジェネレーターのネガを取り去った」との意味なのでしょう。(推定)

しかし、肝心な技術の核心に触れることなく、空力が良いバイクですと信じ込ませるなんて、やはり、ピナレロの広報は優秀ですね。

どうせ、自転車の、しかもフレームの空気抵抗なんて、ライダーを含めた全体から見たら、ゴミみたいな値なのは分かっています。
例えば、ブリジストンも乗ればいいフレームを作っているのだから、技術的な広報面で、もう少し布教活動に勤しんで、信者の「所有する喜び」を満足させて欲しいもんです。

技術がこれだけディープになった世の中なれば、必ずしも技術のプロではないユーザーに、分かりやすくエッセンスを刷り込む広報テクニックが、多くのフレームビルダーには足りないのかもしれませんね。


今日はここまで


グラファイトデザイン T800

2013-02-26 23:59:51 | フレーム調査
グラファイトデザイン(GD)から、T800なるフレームがでました。


(↑シクロワイヤードより)

GDによると、「高強度の”T800S”繊維と、強度と弾性率の絶妙なバランスを持つ”M40J”繊維を55:45の割合で使用することで、軽量かつ強靭なフレームを実現」とありますが、本当にそうでしょうか?(←疑り深い人)


まず、フレーム名にもなっている、「売り」の素材について調べましょう。

以前紹介した、こちらの表を思い出して下さい。

以前書いた通り、数種類のカーボンを使う場合、部位毎に、引っ張り応力なら高強度材を、曲げ応力なら高弾性材を使うものです。それが最適設計の基本方針です。

しかし、表を見ると、T800SもM40Jも、引っ張り強度も弾性率も近い所にあります。
この表にある特性が、その素材の性能の全てではありませんが、構造設計をする上では、引っ張り強度と弾性率はとても大事な特性です。
なので、自転車素材目線では、ザックリ言ってしまえば、よく似た素材。これを、一体どう上手く使い分けたらいいのでしょう?

スペックを見ても、最適設計の一つの目安となる「フレーム単体重量」で950gと、まぁ、重たくはないけど、軽い部類にも入れないでしょう。
乗り味も、ピナレロが65トンクラスの弾性率を製品化する中、その半分強の38トンクラスなので、高い評価は得難いでしょう。
ただ、GDは昔から「しなり」(工学的には単なる変形だが)を売りとしていますから、その路線からすると、「GDらしい乗り味」とのポジティブな評価を受けるかもしれません。


一方で頂けないのが、「プリプレグを使った」と宣言してること。(書かなくてもいいのに…)
捉え方によっては、「ウチには、積層設計のスキルがありません」と宣言してるようなものです。
HPで書いている事も、修飾語だらけで、データは少なく、いわゆる「技術のあるメーカー」との印象が薄い感じですから、あまり正直に書くのも考えものです。
個人的にはオープンにするのは好きですが、書き方で工夫しと欲しいもんです。
折角頑張ったのだから、TIME、ピナレロ、カンパのように、もう少しテクニカルに書いて欲しいもんです。


GDもゴルフのシャフトで名を馳せたメーカーですが、自転車のフレームとなると、技術、コンセプト、営業の面でも、まだまだなのかもしれません。
でも、折角、日本のメーカーが、日本の素材を使って作る訳ですから、頑張って欲しいもんです。

…10年後の作に期待しましょう。


今日はここまで

INNER CITY BIKE

2013-01-25 23:59:00 | フレーム調査
年が明けたのに、なかなかヒマになりません。今度は、コーヒーの美味しい国に行くことになりそうです。
トランスだの、夏の装備だの、暇つぶしグッツだの、いろいろ大変です。(←仕事の準備をがんばろうよ)


さて、先日買った本、「世界の名自転車」。

基本、アクの強いバイクばかりですが、中でも、一番ぶったまげたのがこのバイク。

INNER CITY BIKE。

えーと、乗れます。乗るとこんな感じらしいです。HPはこちら


変速はないようです。チェーンもありませんね。ある意味、究極です。
でも、これこそ、ALFINEの内装11速を付けたくなりますよね。

ホイールがデカいですね。29インチのようです。
ディスクホイール化して、痛車にしてみたいもんですね。

ハンドルは、セパハン仕様ですね。
無理やりでも、ドロップハンドル化したいところですが、手の真横でホイールが回ってるって…。

フレームが小さいですね。
ひょっとして、究極に軽い自転車なんて、…いっちゃいますか?

ブレーキが前だけ?
東京で乗ると捕まっちゃいますね。(←東京じゃなくてもダメよ)

ボトルケージがありませんね。
喉の渇きは、気合で抑える仕様でしょうか?

サドルバックはどこに付けたらいいのでしょう?
それより、リアのチューブ交換って、クランクごと外すことになるのでしょうか?

ひょっとして、ローラー台で漕げない…?(←ローラーしたいバイクか?)


とにかく、ツッコミどころ満載のバイクです。自転車の固定概念を、根本から覆してくれます。
こんなバイク、見て、色々と妄想するだけで、楽しくなっちゃいますね。

しかし、この「世界の名自転車」の恐ろしいは、このバイクだけじゃなく…。


今日はここまで