Today's agenda

通勤ローディ、たまにホビーレース

レクサス自転車、100万円

2013-05-30 00:38:35 | フレーム調査
レクサスの自転車。

ちょっと前に、自動車関係のニュースで出ていましたが(こちら)、これが、自転車関係のメディアには、全く見向きもされていない。

なんでだろう?(←とか言いながら、この後、ヒドイ事を書くと思う)


自転車をかじっている人なら(そしてこんなブログを読んでいる方なら)、これまで、自動車メーカが出してきた自転車の燦々たる歴史を、よーくご存知だと思います。

ポルシェ、BMWは訴求性に薄く、AUDIはマジメに作りましたが意味不明で、シボレー、MG、ハマーとかは、ホームセンターで売られ、日産のは車のオマケだったし、フェラーリは、コルナゴにバッチを付けただけ・・・。(書ききれない程ありますよね)
私が知ってるメーカーで、自転車でも車でも、真っ当な商売ができてたのは、ビアンキだけでしょう。(アウトビアンキは、自転車のビアンキの車部門だった。今は、もうないけど・・・)


(↑ポルシェのマウンテンバイク。デザインはいいけど、へぇ(1へぇ)で終わり。)


(↑BMWのマウンテンバイク。・・・だから?)


(↑AUDIのシティバイク。なんと、木製中空モノコックフレーム。でも、なんで木製なの??)


そんな、死屍累々とした歴史の中で、知ってか知らずか、レクサスは、果敢にも「レースにも出れる、本格的なロードバイク」とやらを作ってきました。・・・なんか不安。


まずは、製造設備。「レクサスLF-Aの製造設備を転用して・・・」とあります。
先日、トヨタ博物館に行った時に、その設備の模型が展示してありましたので、見てみましょう。








・・・スゴイね。円筒織り機にオートクレープですか・・・。これなら、かなりスゴイフレームが作れそうです。期待できるか!?

そう言えば、この円筒織り機、BMCが大変自慢していますよね。こちら


この織り機を使って、BMCが作った製品がこんなの。おおぉ!!


負けじと、トヨタが作ったのが、こんなの。・・・(コメント自粛)。



残念ながら、価格は、「BMC:105万円(デュラDi2仕様)」「レクサス:100万円(デュラDi2仕様)」と、ほぼ同じです。

設計思想の塊みたいなマシンと、只のツルンとしたプラスチックの置物。ホームセンターで、それ相応の価格で売ったら、大ヒット間違いなしだったでしょうね。

いや、私だって、「レクサス自転車のここがスゴイ!」なんて書いてみたいんです。
でもね、エンジニアとして見た時、伝わってくるものが、全くないんですよ。いや、むしろ、こんなフレームの方が珍しいのですが。


乗り手の喜びを考えず、運転は「面倒なもの」と言い切る、この会社。「壊れなきゃいいんでしょ!」って、もはや白物家電屋と言ってる事が変わらない。
そんな社風の中で、ましてそのベースとなるイデオロギーもないまま作られる自転車は、その存在自体が不自然なのかも。
「バッチさえ付ければ、高級なレクサスね」なんて、誰でも知ってることですが、こと自転車に関して同じことをやられると、・・・むしろ哀しくなってきます。

今の所、この自転車を採り上げる、自転車関係のメディアがない事が救いです。(良識があって良かった・・・)
このまま、そっと忘れ去られるのが、きっと、誰にとってもいいことなのだと思います。(とか言って、こんな記事を書いてしまった・・・。反省。)


うーん、スゴイと書けない記事は、やっぱ萌えませんよね。


今日はここまで



黒鉛チェーン

2013-05-28 08:24:46 | その他部品調査
自転車のチェーン。潤滑面での仕様環境が厳しい故に、そのアプローチが面白いです。


かつて、シマノが、デュラエース9000のチェーンに適用したのは、Ni-P-PTFE。これはやはり、耐久性に難があるようです。(特にチェーンみたいな厳しい所では)

オイルブレンド屋のVERTYがやってるような、シリコンナイトライド(SiC(窒化ケイ素))や、ボロンナイトライドは、摩擦係数は下がりますが、相手への攻撃性が強い、困ったちゃん。
レースなど、ここ一発ではいいでしょうが、日常使いは…。


今回紹介されているのが、Ni-P-Bにグラファイトを混ぜたもの(by日本カニゼン)。要するに、鉛筆の芯を混ぜたってことです。こちら。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20130523/283173/?ST=AT


バインダーとしての同位体のカーボンではなく、単体の黒鉛。
メリットは、相手への攻撃性が少ないこと。鉛筆だもんね。
母材も硬いので、定番の相乗効果で摩擦係数低減が期待できそうです。

これを自転車のチェーンの表面処理に使うのが、面白そうです。
ドライでも使え、PTFEより耐久性があり、チェーンへの攻撃性も少ない。理想的じゃないでしょうか?

ネックは、摩耗粉の色。
摩耗粉が黒いから、チェーンが汚く見えるのは間違いありません。
継ぎ足しの潤滑油にも黒鉛が入っている方がいいので、いつでも、いつまでたっても、真っ黒。
うーん、美しくはないかなぁ…。


まぁ、どうせ汚れるし、みたいなMTBだったらいいんだけど、ロードバイクては、チョット…。まして、街乗りバイクでは、服が汚れそうだし…。


機能を追求しても、美しさまで求めるのは、難しいですね。潤滑の世界には、「機能美」なんて言葉はないし。


一度、自分のチェーンに、鉛筆の粉を混ぜて、どれほどヒドイことになるか、試してみようかしら?
(でも、汚いのはヤダしなぁ…)

悩みは尽きない。


今日はここまで




アルフィグラDi2

2013-05-22 08:35:36 | その他部品調査
ちょっと気になっているコンポ。電動アルフィーネ。
コイツをミニベロに付けてやると、ちょっとオサレかも。

構造は、ワイヤー式と同じ。ワイヤーで引っ張っていた所にモーターを付けて、回してやるだけ。

電動アルフィーネのコントロールレバーは、6700のアルテグラDi2チックな形をしてますよね。
ただ、フロント側の変速機には対応してなくて、左側のは、只のブレーキレバーになっています。これが残念。

もともとシマノの電動変速機は、サテライトスイッチがあるぐらい、只のスイッチ機構だと思われます。
だとすれば…、アルテグラDi2のコントロールレバーを使えるんじゃないでしょうか?

アルテDi2のコントロールレバーに、アルフィーネ11速、フロントディレイラーもアルテDi2。ミックスコンポで、アルフィグラ。面白そう!

…と、ここまで考えたのは良かった。(←何が?)

アルフィーネのギア比を見ると、最大400%ぐらい。つまり、10-40歯とかのリアスプロケットを付けてるのと同じ。
よって、フロントディレイラーって、要らないじゃん…。orz

11速のアルフィーネなら、フロントディレイラーもあってもいいのでしょうが、11速があるのに8速を選ぶのもなんだか。


吊るしのミニベロなんかに乗る気はないし、いっそ、自作のスイッチでも作って、へんちくりんな場所で変速できるようにしようかしら?(←何がしたいのか、意味不明)


ヘタレに残されたミニベロライダーへの道も、オシャレにとの制約が付けば、意外と険しいものかもしれません。


今日はここまで




LOOK675

2013-05-17 08:39:46 | フレーム調査
アルカーボン。

カーボンの成形技術が進歩し、更なる高強度炭素繊維が開発される昨今、もはや懐かしい言葉、死語ともなりつつありますね。

もともとアルカーボンは、外観だけはカーボンにしたいけど、強度的に持たないからとか、リアルに積層すると高価だからとの、言わば「フェイクカーボン」みたいな存在だった。
そんなアルカーボン製品を使うユーザーも、実は、チョットだけ恥ずかしかったりもしました。


LOOKの新型フレーム、675。

紛れもなく、アルカーボンのフレーム。
HPを見ても、「高剛性&高強度」「快適性」「レーシングフレーム」と、鼻息が荒い意欲作のようです。


なんで今さら「アルカーボン」にしたのか、ちょっと考えてみました。
(見た目が「ジャミラ」みたいなのは、分かり易すぎて、あえて触れないよ)



まず、アルカーボンとしている部位。
BB回り、トップチューブ、シートクランプの集合部のようです。
今までのLOOKは、695あたりでは、フルカーボンで、作っていました。

ネガは、カーボンの弾性率。高弾性カーボンは、アルミの強度、弾性率に近づいていますが、そこで問題となるのが、カーボン繊維の異方性です。

カーボン繊維は、一方向には強くとも、その直角方向には弱い。なので、繊維の方向を変えて、積層していく。

でも、課題が一番大きいのが、BB回り。

クランクの踏み込み力と、フレームのねじれと曲げ力が、同時に印加されます。
こうなると、カーボン繊維の積層で何とかしようとしても、どうにもならないゾーンが出てきてしまいます。
それが、タメとか、快適性がとか、乗り味がとかの言葉で、ポジティブに解釈される場合もありますが、ことレースの場においては、んなもんは、全部まとめて、只の「力のロス」です。
快適だろうが、味があろうが、アタックに反応できないフレームは、レースの場では、不利です。

また、BB回りの変形は、圧入タイプのBBの回りに隙間を作る事にもなります。
異音、ベアリング寿命の問題が出てきます。(だから、ドグマは今でもネジタイプのBBだと思っている)


そんな問題を解決できるのは、アルミフレーム。

私も昔、フルアルミのフレームに乗っていましたが(オルモのスーパーレッゲーロ、エバディオのバッカス)、その反応性、加速の良さは、今のドグマですら持たない、優れたものがあります。(但し、アルミフレームは犠牲にするものも多いが…)

そんなアルミフレームの高剛性のキーとなるのが、BB回り。
ここがガッチリしてるから、ロスなく、加速に変換できる。

LOOKの675は、そのBB回りをアルカーボンにしてきました。
きっと、その加速は、かつてのアルミフレームを彷彿させるものでしょう。


一方で、アルミが得意じゃないのが、塑性加工。具体的には、過度な形状へのチューブ加工が苦手です。

ダウンチューブなんかは、その断面形状(断面2次モーメント)が、剛性を決定します。
真ん中は断面を太く、BBに近い所は横長に、トップチューブに近い所は縦長に…と、これがアルミチューブには難しい。
ましてや、快適性を得るために、チューブの肉厚を変えつつ…なんて要求には、アルミが対応するのは、相当困難です。

だから675では、チューブはカーボン。
接合部が心配だら、包んで、インサート成形(?)みたくしちゃえ…との設計思想でしょう。(カーボンだと、空力的な要求も満たせるしね)


つまり、レーシングフレームを考えるなら、「BB回りはアルカーボン」ってのは、ごく真っ当な選択です。


今さらアルカーボン。ミドルグレードのモデルで試してくるあたら、LOOKの「ためらい」が感じられるますが、市場では、どう評価されるのでしょうか?


あー、メトロン星人みたいに、675を真っ二つに切ってみたい!


今日はここまで




XeNTiS

2013-05-12 09:19:09 | その他部品調査
Xentisとか言うメーカーのフルカーボンホイール。

シクロワイヤードに紹介されていましたが、新興メーカー(?)らしく、HPでは、書いてある事に勢いがある。
http://www.xentis.com/en/2011/next-generation-wheels/807/teaser-en/

フルカーボンホイールでありながら、ノーマルシューが使える事が売りらしい。
何をどうしたのでしょうね?少し考えてみました。


まず、なぜカーボンホイールでは、ノーマルシュー(アルミリム用)が使えないのか?


ゴム系のシューとアルミ製リムでは、アルミがシューを磨耗させます。
ただ、ゴム単体では、シューに必要な特性が得られないので、色んな硬い混ぜ物(ガラス繊維、カーボン、ボロン、ティスモなど)をします(でもアルミより硬くなることはない)。
ここが、シュー屋さんのノウハウの領域で、同時にアルミ側を攻撃する要因にもなります。
つまり、アルミリムでは、「硬いリムが、軟らかいシューを攻撃する」との関係です。


フルカーボンホイールでは、リムが樹脂、シューはゴムとなります。
こうなると、シューもある程度硬いので、どっちが硬いのか分からなくなります。場合によっては、リムの方を磨耗させていくこともあり得ます。
また、樹脂やゴムの有機材同士は、ドライ状態だと、接触面で凝着現象を起すので、摩擦係数が部分的に凄く高くなります。
つまり、カーボンリムにアルミ用のシューを使うと、「リムが磨耗するかもしれないし、ブレーキが安定しない」結果になります。

これを改善したのが、巷で売られているカーボンリム用のシューになります。凝着しないように材質、混ぜ物を変更し、リムを攻撃しないように、硬度も落とす。
つまり、ノーマルシューとは、全くの別物になります。


今回の、Xentisとかいうメーカーは、「カーボンリムに、ノーマルシューが使える」とあります。
これは、スゴイことで、カーボンリムにアルミと同じような物性を与えたことになります。
最近、アルミを樹脂に置き換える事が、流行っていますが(エンジンでは、スロットルや、エンジンマウントなど)、どうやったのかは分かりませんが、Xantisは自転車用のリムでもそれをやってのけたようですね。

その結果がこのグラフ。(XentisのHPより)

(↑一番右はアルミ)

他のフルカーボンホイールに比べて、ドライ状態でのブレーキ力(=摩擦力)が大きいようです。
ネックは、ドライ状態とウェット状態のブレーキ力が大きく変わるので、ライダーは「雨になったら、途端に効かなくなるホイール(シュー)」との印象を持つかもしれないことかしら。
ただ、ノーマルシューでこの数字であれば、立派なものです。


面白いのは、この表をよーく見ると、MAVICが外されていること。
こんな広告的な表では、都合の悪いデータは、公表しないものですが(隠すのではなく、見せないだけ)、多分MAVICのホイールはいい数字を出したんでしょうね。

また、一番最初に、かなり数字の悪いBONTRAGERをもってきてますね。悪い数字を最初に言って、後で自社のいい数字を言うのは、プレゼンなどでは常套手段ですよね。


まぁ、新興メーカらしく、広告には多少過激な所がありますが、こんな攻撃があってこそ、技術は進化していくもの。
これに触発されて、もっと良いフルカーボンホイールが開発されることを、期待しましょう。

まぁ、私は、黙ってMAVICを買いますが・・・。


今日はここまで



ジロ、チームTT

2013-05-07 08:07:16 | その他部品調査
ジロ、第二ステージは、チームTT。

結果にはあまり興味はなく、ひたすら機材観察。


なかでも、チームSKYは圧巻。絶対にこのチームには、空力の専門家がいますよ。

まず、フロントホイール。バトンホイールです。

(シクロワイヤードより)

先に書いた通り、ホイールの空気抵抗は、スポークの「形状」が生んでいます。
丸スポークでは、断面積は小さいけど、形状抵抗係数Cd値は大きくならます。そんなスポークの数が、少なくとも10本はいるのが、問題です。

SKYはスポーク(?)が3本のバトンホイールを持ってきましたね。
多少断面積が大きくとも、重量が重かろうが、形状係数Cdが小さい方が、アップダウンの少ないコースでは有利です。


次は、スキンスーツ。

二の腕に、ボルテックス・ジェネレーターが付きました。
やはり、二の腕の後ろの層流剥離は、空力屋には許せないようです。

ただ、私なら、もっと積極的に攻めますね。腕輪を付けて、コーダトロンカにするとか、二の腕にもトンガリコーンとか。


面白い注目は、背中。
整流効果を狙ったと思いますが、遂に背中に「ヒレ」が生え始めました。
このまま進化すると、シャークフィンではなく、「トリケラトプス・フィン」になりそうです。

将来、そのトリケラトプス・フィンに、スポンサーのロゴが書かれるなんて事になるのでしょうか?
…意外と好きかも。


今日はここまで


ジロ開幕

2013-05-06 07:32:13 | その他部品調査
ジロ開幕!

第一ステージは、スプリントで、カヴェンディシュが勝利!


独特の低いスプリントから、一気に加速。
番手が悪かったのに、いや、あっぱれです。

(↑子供が、スポンサーの「EST THE」をイヤイヤ。…まだ空気は読めないようですね。)

ピンクジャージも、もちろんカヴェンディシュ。似合います。

この時期だけ、やたら「ピンク」が気になりますね。

間違って、ピンクの自転車を買ったりして…。

今日はここまで

NEWアルテグラのブレーキ

2013-05-03 22:00:00 | シマノ製品調査
シマノ、NEWアルテグラが発表になりましたね。

私は、カンパユーザなので、今は使うことはできませんが、昔はアルテグラを愛用していました。
さて、そのアルテグラ、どんな風に変わったのでしょう?


まず、注目は、ブレーキ。

形状は、デュラのそっくりさん。


もう、名前を書いてないと分からないぐらい、よく似ています。

ところが、価格は、デュラエースは32000円ぐらいなのに対し、アルテグラは13000円ぐらい。
似てる形状なのに、なんで、どこが、こんなに価格差を生む結果になったのでしょう??
ちょっと、勝手な推測をしてみました。



まず、概観。

デュラは、ご丁寧に塗り分けていますね。これが高い。
塗装か、表面処理か分かりませんが、どっちにしても、処理前に「マスキング」が必要になります。

私も、よく設計で、表面処理をしたくない箇所にマスキングする構想をしますが、見積もり価格を見ると、一気にその気が失せます。一声、数十円~百数十円から。
マスキングしてる部品は3個。売価は10倍換算と仮定して、これだけで、数千円。


とは言っても、デュラエース。まさか、見た目だけにお金を掛ける訳がありません。

インプレ記事(こちら)では、「操作してみて感じたのは、わずかではあるがやはりデュラエースよりも操作の重さを感じるところ。それと、シフト操作するときに指先で感じるレバーの形状が少し違っているように思った。ブレーキの効き方は制動力の立ち上がりが、デュラエースよりガツンとしている」と書いてある。

ふーん、シフトワイヤーが同じなのに、「どこかにフリクションが高い部位がある」と言うことでしょうか。どこでしょう?


まず、これがデュラエースのブレーキの分解図。(シマノHPより)

・・・あんまり役に立たない。

デュラエースの説明文では、「ツインベアリングがピボットでの抵抗を軽減」と書いている。
このピボット部のベアリングが、デュラエースとアルテグラは違うのだと思います。

デュラエース7900の分解図では、このピボット部にφ6とφ7のベアリングを仕込んで、摩擦係数を下げていますね。↓


一方、アルテグラ6800のブレーキでは、ベアリングはφ7のみで、一個ケチられています。↓

つまり、多分(かなり推定)、アルテグラのブレーキでは、ベアリングはケチられて、滑り軸受けになっているのだと思います。

滑り軸受けと、ベアリングでは、摩擦係数は一桁(場合によっては二桁)違います。特に静摩擦係数が違います。
インプレでも、「アルテグラは僅かに抵抗が大きい」と書かれているのは、この滑り軸受けの抵抗なんだと思っています。
きっと、アルテグラのベアリングには、研磨は入っていません。コスト的にお金が掛かる研磨なんて、アルテグラでは、出来ないでしょう。


「じゃあ、やっぱりアルテグラのブレーキってダメなの?」ってういと、・・・少しばかりの、改善策はあります。

まず、ブレーキを分解し、軸受け部を徹底的に磨き倒します。できれば、軸受けに熱処理を入れて、硬度も上げてやると、より良いでしょう。
そうすれば、表面粗さが良くなった効果と、軸受け部の硬度が上がった効果で、摩擦係数が下がり、僅かばかりの改善は望めます。(と言っても、摩擦係数が0.12→0.07になる程度だが・・・。ベアリングは0.015だもんね。)


それでも、NEWアルテグラのブレーキがいいと思えるのは、やっぱり、構造なんです。
シマノのこの絵↓を見てください。

そもそも、ブレーキのピボット部に掛かる荷重が下がっているので、F=μN(←高校物理の公式)に則ると、N(荷重)が下がっているので、ブレーキ部での摩擦力は下がっているハズです。
まぁ、もっとも、「総摩擦力=コントロールレバー内の摩擦力+ワイヤーの摩擦力+ブレーキでの摩擦力」ですから、ブレーキのシステムで考えると、微々たる差かもしれません。

また、材質が違うとはいえ、デュラもアルテも、(基本的に)同じヤング率(ポアソン比も)の物性ですから、形状によるコントロール性は、デュラもアルテも同じハズです。
絶対的なブレーキ力(ストッピングパワー)は、主にパットが決めることですから、ここも、デュラとアルテの差はないハズです。



まとめましょう。

今回のデュラエースとアルテグラのブレーキの差は、以下です。

 1. 主に、初期タッチにおいて、アルテグラの方が、僅かに摩擦力が大きい。

 2. コントロール性、ブレーキ力は、デュラもアルテも同じ。

 3. 見た目は、デュラの方が、お金が掛かっている。


「初期タッチ」と「見た目」の差で、デュラとアルテは、値段が1万9000円違う。
安いと思うか、高いと思うかは、きっと、ユーザーが置かれてる状況によって変わるんでしょうね。(レースの集団内では、微妙なブレーキが必要だし、カッコイイバイクにしたい人には、見た目は大事だし)


今日はここまで

オートバイのGW

2013-05-01 06:36:36 | その他部品調査
ブログ、再び、滞っています・・・。

理由は、コイツ↓。


妻の実家に預けっぱなしで、約10年間、ほったらかしにしていたオートバイです。
かわいそうなので、もう一度乗ってやろうと、取り掛かったのですが、これが大変。

もともとレース用だったので、保安部品は一切なし。ハーネスも引きなおし。クラッチはブローしたまま。カウルはフルカウル。
この状態から、公道を走れる仕様に変更中。

もともと、かなり部品が違うバイクですが、気が付いたら、ノーマルの部品が殆ど残っていない始末。
フレーム、前後サス、シリンダー、クランクケースすら加工してあるので、もはやノーマル部品は、スタータとクランクカバーぐらいでしょうか?

折角のGWに自転車も乗らずに頑張っていますが、意外と10年間もツケは重そうです。

本ブログ、自転車ブログですが、たまには、オートバイネタも混ぜてみようかしら。(←ネタがないだけでは ←ギクッ)


今日はここまで